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知事記者会見(平成31年1月4日)

平成31年1月4日(金曜日)14時

司会

 それでは、これより知事定例記者会見をはじめさせていただきます。

知事

 あけましておめでとうございます。本年もまたよろしくお願いします。
 恒例ですが、今年一年間の現時点での予定を眺めながら、今年の課題を含めたことをちょっと最初にお話しさせていただきたいと思っております。お手元に岐阜県の主要事業予定という資料がございますのでそれを見ながらお話ししていきたいと思います。
 今年は平成に次ぐ新しい時代の幕開けということで、いわば移行期特有の高揚感といいますか、そういうムードの中でスタートしていくということになるかと思いますが、今日も職員の仕事始め式で、お話ししましたが、己亥という干支でありまして、準備期間というか、エネルギーを蓄える期間という趣旨だそうですので、未来に向けた準備を着実に進めていくと、そういう時期としてしっかりやっていきたいと思っています。
 ちょうど60年前の己亥というのは、調べてみますと、皇太子ご成婚ということで、ちょうどこの日が甲子園の春の選抜の決勝戦にあたっていまして、県立岐阜商業が決勝戦に臨んだんですが、すべてのテレビのチャンネルがご成婚の話だということで、これまで春夏を通じて唯一テレビで放映されなかった甲子園の決勝戦ということで、確か1点差で負けたはずなんですが、高木守道さんのころですかね、わたしは、ちょうどそのころ小学校の6年生ですかね、新聞配達をやっておりまして、今日おいでになっている某新聞社の新聞を配っておったんですが、ご成婚記念で号外を配るというので、朝刊でもない、夕刊でもない、昼間ですね、号外を、ずっと、岐阜の加納地区を配って歩いた記憶がありますが、ちょうどこれが60年前なんですね。あとはこの年は伊勢湾台風の襲来ということもありましたし、それから東京オリンピックの開催が決定した年でもありますし、それから長嶋選手の天覧試合でのホームランですね、野球が一挙に国民的なスポーツになった年でもありますし、この年から高度成長に向かって進んでいったという、まさに準備期間といいますか、次の段階に移る移行期だったのかなと、そんな気もしますが、そういう、新しい時代、そしてまた、干支で言うとそういうことでございます。
 それからまた、私どもとしては東京オリンピック・パラリンピックが来年ということですので、これを一つの時代の前向きな流れとして積極的にチャンスとして活かしていこうということで、いろいろとアピールを進めていくという時期なのかなと思っていますし、あと、この4月から新たな外国人労働者の受け入れ制度がスタートしますし、10月には消費税引き上げ、そしてそれを財源とした幼児教育・保育の無償化とか、あるいは社会保障の充実とか、全世代型の社会保障制度への転換とか、こういったことで動き出すわけでありまして、また、人口減少・少子高齢化という中で、一方で人生100年時代ということで、その制度設計の一環として、生涯現役社会というものをどういうふうに構想していくかということも課題になってくるだろうということで、もろもろの動きを見ながら、私どもとしても、この本格的な人口減少社会に取り組んでいきたいということであります。
 ちょうど向こう10年間を見据えながら「清流の国ぎふ」創生総合戦略ということで、長期構想の第2弾であると同時に地方創生戦略の第2弾ということで、今作業をしているところです。またある程度でき上ったところで発表させていただきたいと思いますが、大きな骨子としては、「『清流の国ぎふ』を支える人づくり」と、「健やかで安らかな地域づくり」と、それから「地域にあふれる魅力と活力づくり」と、この3つを柱立てに長期戦略を今検討中ということでございます。
 カレンダーで追いかけますと、お手元の主要事業の予定で、どうしてもこういうふうに書くとイベント的なものが多くなりますが、一つの流れの象徴として見ていただければと思います。
 今月はさっそく、第3回目になりますが、パリのメゾン・エ・オブジェに出展するということで、これを一つの区切りにしたいと思っていますが、これまでやってきた成果を商談、商品化に活かしていきたいということでございます。
 それから3月には年度末ということもありますが、今申し上げた総合戦略、教育大綱、教育ビジョン、男女共同参画計画、地域福祉支援計画と、諸々のビジョン、プランニングについても策定・決定が予定されております。それから、後でまた申し上げますが、3月28日に平成30年度の岐阜県芸術文化顕彰・奨励表彰式及び公演会ということで、受賞者にパフォーマンスをしていただこうということですが、予定しています。
 また年度内を予定しておりますが、東海北陸自動車道が白鳥から飛騨清見まで四車線化が完成するということです。これは長年の悲願でしたので、ようやくここまできたということでございます。今現在は昨年の風水害で、土砂崩れ等々で一部工事がちょっと伸びておりますが、もうかなり完成しておりますので、あとは具体的な日程を待つのみという状況です。
 それからここに書いていないんですが、大事なのは、新たな外国人の受け入れ制度が4月1日からスタートするということです。まだ制度設計が必ずしも詳細が明らかでないところがありまして、十分注視しながら、我々としてどういうふうに受け止めていくのか、どう混乱なく対応していくのか、これはこの1月から3月、相当きちっとやっていく必要があるのではないかと思っています。
 それから、航空宇宙産業教育ということで、モノづくり教育プラザというのをやっておりまして、今はいろいろ部品・部材レベルの実習施設を作ったわけですが、大変好評でして、今度は航空機の実機を使うということで、もう少し大掛かりな実習施設をという要望にお応えして4月中旬にスタートします。これは岐阜工業高校のキャンパスの中でスタートします。
 それから5月が改元ということでございます。
 それから6月には福祉友愛アリーナという、障がい者の方々のための体育館がオープンいたします。それから、6月の末までには県立高等学校全普通教室への空調設備整備の完了と。去年40度、41度という猛暑の中で、まだ空調もないのかということでございましたし、いろいろと病院等でもトラブルがありましたが、高等学校については何とか猛暑までには間に合わせたいということでございます。
 それから、夏頃にはいよいよ県庁舎の本体工事に着手するということです。
 9月には35歳以上のアスリートを対象とした、いわば生涯スポーツの振興という狙いで、全国から9千人の方がお集まりになる予定の、日本スポーツマスターズぎふ清流大会が下旬に予定されております。
 10月からは消費税率が10%に変更されるということです。これもまた混乱なく進めていくために周到な準備が必要だろうと思っております。
 それからちょっと面白いところでは、11月の初旬ですが、第15回森のようちえん全国交流フォーラムinぎふということで、森のようちえんというコンセプトで木育がいろいろなところで試みられていますが、それの全国の交流イベントを岐阜でやろうということで誘致をしたわけでございます。
 それから12月には岐阜大学のキャンパスの中に、産学官連携での航空宇宙生産技術開発センターの着工を予定しておりまして、完成するのは来年の11月ということでございます。これは、昨年法律ができまして、東京23区の大学の定員を抑制すると。その反面で地方大学を魅力的なものにしていくという流れの中で、政府の方で思い切った交付金を用意するということで、そのいわば第1号に選んでいただいたプロジェクトということでございます。等々ございますが、そんなことで、来年もいろいろなプログラムが盛りだくさんでございます。

 それからもう一つのお手元の資料で、岐阜県芸術文化顕彰・奨励の受賞者決定というものがあります。これは言ってみれば、岐阜県版の文化勲章及び文化功労者というふうにお考えいただければと思いますが、今回は芸術文化顕彰はお三方、奨励が3団体2名ということでございます。奨励はむしろこれからの活躍を期待しながら激励をする意味で表彰するということですし、芸術文化顕彰はいわば、日本政府で言うところの文化勲章にあたるものでございます。
 芸術文化顕彰受賞者の一人は、「半分、青い。」の脚本家の、美濃加茂市出身の「北川悦吏子(きたがわえりこ)さんでございまして、本県を舞台にした作品によって本県の魅力を全国に発信していただいたということでございます。
 それから2番目が能楽の公演活動による伝統文化の普及振興ということで「玉井博こ(「こ」はしめすへんに古)(たまいひろこ)」さん。
 3人目が郷土資料の収集・保存・活用ということで、郷土史家の「丸山幸太郎(まるやまこうたろう)」先生ということでございます。いずれもそれぞれの分野で、極められた方々ばかりでございます。
 それから芸術文化奨励の方は、やま(くるまへんに山)の舞台で演じる子ども歌舞伎の保存継承という観点から、「いび祭子ども歌舞伎保存会」と「垂井曳やま保存会」(「やま」はくるまへんに山)。この2つの保存会を表彰しようということでございます。それぞれ祭りの機会にやま(くるまへんに山)で子どもが歌舞伎を演ずるということで、独特の文化でございます。
 それから音楽劇を通じて、ふるさとの歴史文化を振興し、ポルトガル共和国での公演も行われているということで、「関音楽劇の会」が2番目でございます。
 3番目がこのところ急速に関心と人気を呼んでおりますが、苗木城及び苗木遠山家に関する調査、研究に努めるとともに、苗木城の歴史だけでなくその魅力を幅広く発信されているということで、郷土史家の「千早保之(ちはややすゆき)」氏でございます。苗木城も最近、全国の関心のあるお城の中ではベスト10に入っておりますし、岩村城、苗木城、金山城を3大山城ということで、東濃の方ではアピールしているところでございます。
 それから障がいをもった作家として、絵画作品などを制作し美術の普及振興に努められたということで、画家の「原田正則(はらだまさのり)」さんということでございます。
 いずれも岐阜県芸術文化顕彰選考委員会において、ご議論いただき、その意見をもとに決定した次第でございます。表彰式、公演会は3月28日を今のところ予定しております。
 以上が、今年の県政の主な流れということでご紹介をさせていただきました。まだまだほかにもいろいろなことがありますが、代表的なものを挙げると以上になっています。またいろいろお世話になりますが、よろしくお願いしたいと思っております。

司会

 それでは、ご質問がありましたらお願いします。

記者

 改めてですが、知事としての今年の抱負と、平成31年は新しい時代に向けて力を蓄えるということをおっしゃっていましたが、2019年の県政の中で、そういう種まきのようなところで、どういうところに力を入れたいかという、2点について意見をお伺いします。

知事

 すでに去年、あるいは一昨年あたりから、おおよその清流の国づくりの流れができつつあるというか、その流れに沿って着実に積み重ねてきているという、そんなような思いでおります。
 それはしばしば申し上げますように、人口減少、あるいは少子高齢化に対応した、人づくりとか、人材育成・確保、教育、そういう人づくりの分野で何ができるかと、岐阜らしさは何かということであります。
 2番目が、岐阜の足元の魅力を発掘して磨いて、国内だけではなく海外も含めて大いに発信するということで、岐阜の魅力を発信することを通じて県民自らの誇りというか、あるいは先人が切り開いてきたものをつないでいくという、清流の国ぎふ憲章にあるような、そういう精神をさらに強固なものにしていくといいますか、そういう流れと。
 3番目がなんといっても、想定外の常態化というような危機管理の世界ですね、そういったことにしっかりと対応できるような強靭な県政ということと、それから危機管理は安全・安心ということで、その安全・安心ということは、少し広い意味での県民の皆さんの健康ですね、あるいは安らかな生活といいますか、それを少子高齢社会の中でどのような形で実現していくかということ。
 そういう3つの大きな流れを、国の行事であったり、あるいは国の政策であったり、あるいは世界的ないろいろな動きであったり、あるいは岐阜県独自の動きであったり、そういういろいろな流れにうまく繋ぎながら、かつ、できればオール岐阜県で連携を取りながら前に進めていくというか、そういうことをずっとやってきて、ここ数年心がけてきたつもりですが、来年も、次の戦略もだいたいそういうラインで、先ほどご紹介したいくつかの主要な事業もそのいずれかにおおむね整理ができるのではないかと思っています。
 ただそういう中でもやはり、来年が東京オリンピック・パラリンピックという一つのターゲットイヤーでありますので、これをうまく活用していきたいという思いはあります。そんなところですかね。

記者

 正月を挟んであまり動きはないかと思いますが、豚コレラの有識者会議のワーキンググループ等の具体的な動きが決まっていれば教えてください。

知事

 思ったよりも早く12月28日の10時に片付きましたので、年末年始は豚もイノシシも少し、おとなしくしてくれてましたので、小康状態でありますけれども、年越しをし、持ちこしたことは事実でありまして、まだ、終息とは到底いえない状態ではあります。
 そういう中で有識者会議をスタートさせていただきましたので、先生方のご意見もあって、感染症のワーキンググループと、いのししマネージメントワーキンググループと二つのグループをつくって、それぞれに会合をやるか、メール交換をしながら意見交換をしていくか、座長さんが工夫されると思いますが、私どもとしては急がれますので、今月末を目途に、それぞれのワーキンググループでいくつかの論点について、ざっとしたものをまとめていただこうと考えております。
 感染症ワーキンググループの1つの大きな課題は、今回は弱毒性のウィルスでありますので、これへの対応方法という観点から、検査の方法でありますとか、農場のみならず、それ以外での防疫対策でありますとか、この弱毒性ウィルスということに着目した様々な対応について、整理をしていただきたいと思っております。もう一つ、いのししのマネジメントのワーキンググループの方は、いのししへの経口ワクチンの投与について、これは我が国では経験が無いわけでありますけれども、ヨーロッパの事例も含めて、いろんな角度から検討を進めていただきたいと思っております。経口ワクチン以外の対策としては、やはり集中捕獲ということを進めていく必要があると思っておりますので、集中捕獲というものをどういうふうに進めていったらいいのか、議論を整理していただきたいと思っております。これが今月中にできれば、具体的な方向が出れば、農水省とも相談しながら、アクションにつなげていくということになると思います。

記者

 いのししの経口ワクチンは国の方でも検討を始めたという報道もありましたが、国とワーキンググループの関係といいますか、こちらで方針を決めたものを国に進言するというか、そういう形になるんでしょうか。

知事

 有識者会議でも議論がありましたけれども、国のチームには県も入っています。先生方にも一部重なっておられる方もおられますし、国は、岐阜県だけではなしに、オールジャパンを睨みながら、どうあるべきかという視点もあるわけなので、国は国として進めていくと。それから県は逆に岐阜県の刻々と変わっていく現状を踏まえて、どうあるべきかというところが中心になるわけで、そういう観点から進めていくということで、そこがお互いに混ざり合うというか、情報交換、意見交換を密にしながらまとめていくということになります。
 特にきちっと線が引けるものでもありませんし、あえて一つにしてしまうと、今度は、集まりにくくなったり、スケジュールの弾力性がなくなったりしますので、うまく重なり合いながら、それぞれにやっていこうと、それぞれの成果なり、プロセスはきちんと共有しながらやっていこうということにしておりますので、おそらく問題ないんじゃないかと思っております。
 農水省さんからもリエゾンも常時県庁にきているわけですし、こちらの動きも全部ご存じなわけですから、そういう意味では意思疎通については問題ないと思っております。

記者

 改元により平成という時代が終わるわけですが、少し早いですが、平成というものが岐阜県にとってどういうものだったのか。関市には平成(へなり)という地区があって全国的にも注目されて、岐阜県と平成というものは非常に縁があると思っているわけですが、知事としてはどのようなお考えを持っておられますか。

知事

 平成という時代については、これからまた総括がなされるんではないかと思いますけれども、どちらかというと、前の時代、次の時代と画然と一つの時代を画すというよりは、昭和の時代のいろいろな課題を引き継ぎながら、更にまた多くの課題を次の時代に持ちこしていくというか、そういう課題を抱えながら、課題含みで次に進んでいくというトータルのイメージが強いのではないかと思います。
 そういう中でも、国内的にいうとバブルが弾けて、昭和の課題をバブルが弾けるということで引き継いで、どう対処していくかという時代でありました。55年体制も変わり政権交代というものが現実に起こった時代でもありますし、阪神淡路大震災、昨今の諸々の風水害、地震といったような自然の大きな災害もあった時代でもありますし、オウム真理教の社会現象として、若者のひとつの姿として話題になりましたし、そういう国内でいろんな課題が次々と進んでいったという時代でありました。
 国際的にはベルリンの壁が崩壊したところから始まって、グローバリゼーションがどんどん進んでいったと、それにIT・インターネットというものが更にそれを加速化させていって、こういったインターネット、グローバリゼーションによってもたらされる課題とか、あるいは、そういうことによってもたらされた格差とか貧富の差とか、そういう問題がそれぞれ国内の課題に跳ね返ってきているといった、そんなイメージです。
 そういうことを通じながらではありますけれども、着実に日本の国力が低下してきているといいますか、ある資料で見ましたら、平成の始めのころは日本のGDPが世界のGDPに占める割合が確か15%ぐらいまでいきましたから、アメリカが当時24から25%ありましたので、当時は日米自由貿易というような構想が出て、これが実現すれば、世界の4割が自由な貿易圏になるというような議論を平成の始めのころにはしていた記憶があるのですが、最近では日本のGDPの比率は6パーセントですから。それから、時価評価で会社の規模を考えると、確か、平成の始めのころには、世界50社のうちの30数社は日本の企業が入っていましたが、今はトヨタ一社だけということになっております。そういう意味で、日本の国力というか、経済力がじわじわと世界全体のなかでは退潮して行った時代であるとも言えるかなと思います。いろんな見方があろうかと思います。
 そういう中で、岐阜県政としては一旦、財政的には大変厳しいところに追い込まれましたけれども、逆に厳しいところに追い込まれたということは、それまでに岐阜県のインフラであったり、いろいろな意味でいろいろなものを整備してきたことの結果でありますから、それはそれで今も大いに活用しているわけなので、いろいろなものを整備してきた反面、財政的に一旦大変厳しい状況に追い込まれて、そこから、じわじわと盛り返してきて、何とかある程度の自由度を得られるようになってきたという大きな流れはあったということでしょうか、そんなイメージですが、まだあまり頭の整理はできておりませんけれども。

記者

 改元に関してですが、安倍総理大臣が正式に4月1日に新元号を発表するというような報道がありました。1カ月前に新元号が発表されることに関する知事の受け止めと、今後県民生活への影響がないかどうか、関係部署でどのような対応をされていくのか伺います。

知事

 前回の時には前もってということではありましたけども、昭和の元号を使っていても諸々の公文書上は問題ないという扱いで混乱を避けたと聞いておりますけども、今回1カ月ということで、私どもも県庁の諸々の諸手続きは1カ月で新しい元号に改めてやっていけるかどうかというシミュレーションは既にしておりまして、1カ月あれば大丈夫だろうというのが私どもの結論であります。
 それに加えて、前回のような対応をしていただければ何とかやっていけるのではないかと思いますが、何れにしても混乱の無いように、接点のところについて周知徹底を着実にやっていかなければならないと思っております。

記者

 入管法の件ですが、今回の改正について国会内でかなり議論が大きくあって、例えばですが、岐阜市の柴橋市長は、国会での議論などは結構ネガティブな所が多かったけれども、自分はボジティブに捉えていると話されていて、既に対応言語を増やすなど庁内でも外国人人材受け入れについて積極的に進められていらっしゃるのですが、知事としては法律の改正についてどう思われているのか、今現在1月から3月までに対応されるとのことですが、具体的に既に考えていらっしゃることはありますか。

知事

 もともと岐阜県は外国人の方々が非常に多い地域で、リーマンショック直前あたりでは美濃加茂市を中心に全国的に見ても非常に多い中で、お子さん方の教育とか、生活面とか、あるいは言葉の面とか、いろいろな面で多文化共生に関してはかなり丁寧にやってきた県ですけれども、リーマンショックとともに外国人の方が急速に減ったという中でまたジワジワと戻ってきていると、こういう流れにありますし、全体としてみると、まさに人手不足、人材不足の中で外国人の方々にも活躍していただく余地は十分にあるわけで、そういう意味では積極的に対応していきたいと思っております。
 問題は、新しい制度の仕組みがどういうふうに動いていくのか、必ずしも定かでないところがありますので、一つひとつ確認しながら、見極めながら、国の役割、県の役割、市町村の役割、そういったことをよく見極めてやっていきたいと。
 要は前は実習生ということでありましたけれども、今回は一種の技能労働者として来られるわけですから、そういう労働者として受け入れる以上はその方々の生活とか、2号になれば家族、お子さん方の教育だとか、定着をどうするだとか、いろんな課題が出てくるわけで、そういったことについて今までの制度で間に合うのか間に合わないのか、一方で給与格差の観点からせっかく門戸を空けても地方には来ないのではないかと、東京一極集中がさらに進むのではないかという議論もあります。こういったことについて、どういうふうに新しい制度の下に外国人の方々が選択していかれるのか。それから違う議論として、先般ベトナムへ行ってきたわけですが、岐阜県も急速にベトナムの方々の研修生は増えていますけれども、ある種ブローカーといいますか、中継ぎをやっておられるところとのいろんなトラブルとか、それに伴ういろいろな不幸な事例とかが随分言われておりますし、ベトナムの大使も相当な時間を割いてブローカー問題を現地でやっていただいているわけで、それに我々もどういうふうに確認をするなり、あるいは相談に応ずるなり、そういう対象を作っていけるかどうかといったところがもう一つの課題としてあると思います。
 法律上、制度上、新しい仲介機関を設けることになっておりますけども、公的な仲介機関と、いわゆるブローカーとなるものとがどういうふうに現実的に動いていくのか関わっていくのかちょっと見えないところがあります。そういう意味で制度の変化の中で何がどう変わってどう動いていくのか見極めながら、受け皿としての我々の体制も考えていかなければならないということであります。そういう意味でいくつか検討しなければいけない点がありますので、近々、多文化共生の私どもの本部も再開をして、論点を総ざらいしたいと思っております。

司会

 他にはよろしいでしょうか。それでは、以上で知事定例記者会見を終わらせていただきます。

知事

 それでは今年もお世話になりますが、よろしくお願いします。

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