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知事記者会見(平成30年12月28日)

平成30年12月28日(金曜日)16時

司会

 それでは、これより知事定例記者会見をはじめさせていただきます。

知事

 今年最後の会見になりましたが、一年間大変お世話になりました。まだ年の瀬という気分になかなかならないんですが、明日休みになるのかどうかもわかりませんし。ただ、時期ですから。
 一つは恒例ですが、平成30年の県政を振り返ってということで、お手元に資料をお配りしています。今年いろいろやってきたことが縷々書いてありますが、見出しだけ見ていただくと、大きい柱としては人づくりと生産性向上というのが第一の柱で、その中でも特に人づくりの問題は大変きめ細かく取り組んできたということで、製造業から始まって、観光、農、林、畜、水産業、建設・建築、医療、福祉、等々ですね。産業という切り口でいろいろな分野で人口減少が露わになってきているということで、人材をどう育成して確保するかということで、それぞれに取り組んできたということです。
 それから地域における人材という意味で、4ページ目からありますように、移住・定住、そのためのUターン促進奨学金制度とか、消防団員の確保のための報奨金制度とかですね、あるいは次世代を担う人材ということで教育の中でのふるさと教育みたいなものに力を入れてきたということであります。
 それから多様な人材の活用というふうに整理してありますが、これは女性、障がい者、高齢者、それから外国人という切り口でそれぞれ人材確保をきめ細かくやってきたというのが一つの人づくりについての内容ですね。
 それから7ページからが、いわゆる第4次産業革命、生産性向上と。IoTとかAIとかそういったものについての様々な施策であります。これは担い手不足の中で、一方で人づくりを促進する、他方でこういった生産性向上とか産業革命を進めていくと。これは車の両輪でやっていく必要があるということですが、その中で第4次産業革命ということで言うと、ソフトピア、IAMASの積極的な活用ということ。それを軸に県内いろいろな分野でIoT、ITの導入ということで、産業分野はもちろんですが、医薬品、食料品とか、農業、介護、健康、そういったところにも活用していくということであります。
 それから成長雇用戦略ということで、特に成長分野の振興ということで航空宇宙。岐阜かかみがはら航空宇宙博物館も非常にいいスタートを切りまして、今、40万人に間もなく到達するのではないかというところまで来ております。それからこの航空宇宙博物館を活かした人材育成にも取り組んでいます。また、9ページですと、特に企業誘致が引き続き好調ということです。
 以上が人づくりと生産性向上ということで、2番目の大きな柱が、2020年東京オリ・パラを見据えたぎふブランドづくりと内外交流戦略ということです。ターゲットイヤーを2020年に定めつつ、岐阜のブランドを大いにアピールしていくと、それから内外の交流を進めていくという趣旨です。
 まず東京オリ・パラそのもので言えば、競技力の向上ということで、その中でもアジアジュニア陸上もおかげさまで成功裏に終わりまして、先般、私は豚コレラでどうしても行けなかったんですが、日本陸連が陸連としての感謝制度というか表彰制度というのをおつくりになって、なんとしても第1号は岐阜県のこのアジアジュニア陸上と。日本として初めての試みであったということで表彰したいということだったので、喜んで頂戴したというような次第でしたが、これを一つのステップにしていきたいと思います。
 それから合宿誘致は引き続きやっておりますが、特にカナダと合意文書を交わして、岐阜のメモリアルセンターということで、岐阜のあのエリアは、スポーツ施設と宿泊施設が隣同士にあるということで、合宿には非常に使い勝手がいいという高い評価でして、高地トレーニングエリアに加えて、そういう見方で活用していただければありがたいということであります。
 それからオリ・パラに合わせて県産品を積極的に売り出そうということで、おもてなし食材、飛騨牛、鮎、等々ですね、フェアをやっておりますし、それから県産材の売り込みや、陶磁器・美濃和紙をオリ・パラでの副賞とか賞状に使ってもらおうという取組みも行っています。
 それから食材の売り込みを進めていく上で必要なGAPの認証を積極的にやっていこうと。それからスポーツの振興そのものは先ほど申し上げましたアジアジュニア陸上、それから来年の日本スポーツマスターズへの準備、それからオリ・パラの開催機運等々、ございます。
 それから13ページの観光産業の基幹産業化ということで、関ケ原をめぐって多彩なイベントを進めてきておりますし、いよいよ「岐阜関ケ原古戦場記念館」も工事に着手するというところまで来ました。
 それから東濃については「半分、青い。」の追い風の中で、東美濃歴史街道という軸をもとに広域観光を作っていこうということで、特に山城が今大変好評なので、積極的に応援していきたいと思っています。
 それから、フランス、全日空と組んで、ONSEN・ガストロノミーウォーキングの1回目をやりました。これも続けていきたいと思っています。
 また、「半分、青い。」に続いて2020年に明智光秀ということで、それに向けて早々に準備をしようということで動き出していますし、それから平成記念公園「日本昭和村」をぎふ清流里山公園ということでリニューアルして、このところ大変好調で50万人はすでに突破しているということです。
 それからアートも、外でやるアートということで、アートピクニックというコンセプトで、養老公園を舞台にやっていますが、これもこれからいろいろ工夫できるのではないかと思います。
 それから観光プロモーションとしては食、個人旅行客、清流長良川の鮎の魅力発信。おかげさまで国連のFAOで基調講演もやらせていただきましたが、清流長良川の鮎についてはみな大変関心が高いということであります。それからここには書いておりませんが先般発表した、岐阜には大変たくさんある、北海道に次いで2番目ですが、道の駅の活用、道の駅とホテルをつなぐということで、マリオットグループと積水ハウスによるホテル建設、そして道の駅とタッグを組むということで、道の駅というのは駐車場もありますし、物販もやっておりますし、インターにも近いということで、道の駅のホテルめぐりというのは観光振興には一つの新しい切り口になるのではないかと思っています。
 インバウンドについてはお渡ししておりませんが、10月の数字が昨日ですかね、出まして、この10か月の数字が100万人を超えました。大体今年間120万人は行きそうなペースで進んでおりますが、全国の伸びをさらに上回って着々と進んできているということです。
 それからぎふブランドづくりという意味では、来月ありますフランスでのメゾン・エ・オブジェとか、今年4月のミラノ・サローネとか、あるいはNYNOWでありますとか、海外で様々な機会を活かして岐阜の産品をアピールしているということで、行政だけではなく、経済界や、関係の地場産業の皆さんが、積極的に出ていこうという機運が出てきているのではないかと思っております。
 それから、昨年の和牛共進会で飛騨牛が必ずしも芳しい評価ではなかったものですから、和牛日本一奪還ということで、5か年計画でしっかりとした飛騨牛の改良対策をやっていこうじゃないかということで皆さん立ち上がりました。これを応援してさらに飛騨牛をアピールしていきたいと思っていますし、花、木、柿等々ですね、岐阜の魅力発信ということでございます。
 それからジビエですかね。この間もご紹介したのですが、瑞浪の柳家さんというのが、ジビエ料理ですが、世界ベスト1000のレストランの中のトップグループに入ったということで、これもまた岐阜の食がフランスで認められたという一つのいい例かなと思っています。
 それから文化・芸術では昨年の「ArtAwardINTHECUBE」に続いて、いわゆる県展というのを思い切って見直しまして、それぞれのジャンルの全国的な大家といいますか、トップクラスの審査員の方々に選んでいただくということで、新しい「ぎふ美術展」と。それからアート体験といいますかね、ワークショップを中心としたアート体験のプログラムを県内各地でやりまして、これも「アートラボぎふ」というコンセプトで打ち出したところですが、この芸術祭を、若手芸術家の発掘・発信の場としての「ArtAwardINTHECUBE」と、いわゆる県展のさらなるレベルアップを目指す「ぎふ美術展」と、それから「アートラボぎふ」と、この3つを「清流の国ぎふ芸術祭」の3本柱として新たにやっていこうという流れができているということであります。
 それから障がい者の文化芸術を応援するということで、19ページですが、支援センターもスタートしました。清流文化プラザではtomoniプロジェクトということで、障がい者の方々のさまざまな文化芸術活動を応援しているわけですが、着実に定着しつつあると思っています。
 それから国際交流もブランド、売り込みという市場開拓だけではなく、多面的、多層的にやっていこうということで、今年は特にサラマンカ大学の創立800周年に関連した行事が、岐阜県側でもサラマンカ側でもありましたし、フランスのジャポニスム2018への参加とか、アルザスのオ=ラン県との交流とか、モロッコとの交流のセカンドステージとか、杉原千畝を通じたリトアニアとの交流深化、特にリトアニアは独立100周年ということで、かなり積極的な交流がありました。
 それからベトナムも、ベトナム屈指の世界遺産のエリアでありますフエ省との交流と、これも県、市、そして大学と3層交流という格好でスタートしました。
 それから江西省とは友好提携30周年ということで、観光、花き、林業、環境と、4つの分野でさらに深めていこうということでございました。
 以上が2番目のぎふブランドといいますか、魅力づくりということでしたが、3番目が安全・安心・健康という観点です。
 医学生修学資金制度を見直して、修学資金を、過疎地域を重視するような配り方をしようということで制度変更したりしておりますし、医療と福祉を切れ目なくやって、在宅医療提供体制を築いていこうとか、それからいわゆる生活困窮者といいますか、子ども食堂とか、引きこもり・ニートとかですね、あるいは障がいを支える保育体制でありますとか、あるいは言語・聴覚障がいのある方の就業支援でありますとか、そんなことをやってきております。
 それから24ページ以降が健康づくりということで、県民一人ひとりレクリエーションを持とうというミナレク運動とか、それからねんりんピックは大変大きな事業なので、今から準備を着々と進めています。
 野菜ファーストとか健康ポイントとか、健康経営企業に対する支援とか、健康というテーマでいろいろな角度から取組みが始まっております。
 それから25ページが災害に強い県土づくりということで、なんといっても今年は7月の豪雨、それからこのところの豚コレラというのが大変大きな課題でございます。
 それから1月には平成27年から準備をしてきました、地上系、衛星系、移動系という、3層の防災通信情報システムが完成したということで、これを使って積極的に訓練もやっているということです。
 それから26ページは、大阪の北部地震でブロック塀が大変な災害を引き起こしたということで、これに対する緊急点検とか対策などを行いました。それから7月豪雨の関係でいうと水位計の設置等がございました。
 それから7月豪雨の対応ということがありますが、いろいろな意味で復興、復旧、様々なことをやってきました。それから27ページの真ん中あたりが豚コレラで、今日19回目の本部員会議をやりましたので、ご案内の通りでございます。
 それから、自然・環境対策ということで、中部山岳国立公園の活性化、見直しをしようということで、基本構想、基本計画を発表しまして、これからいろいろなアクションを取っていこうということでございます。
 ネットワーク・インフラという意味では、幹線道路網ということで、安八と養老のスマートインターの開通で、名神高速道路からのアクセスが大変良くなりました。東海北陸自動車道は、今年度中には四車線化が飛騨清見まで行くということがありますし、東海環状自動車道西回りも着々とやっているということであります。
 最後に29ページでありますが、岐阜県にとりましては、2020年が一つのターゲットイヤーであるとすると、もう一つのターゲットイヤーが2027年の東京―岐阜30分という時間距離をどう迎えるかということでありまして、そこに向けてのリニア中央新幹線の県内での工事が各地で本格化しつつありまして、これに合わせて様々な対策を進めていくというフェイズに入ったということであります。
 ざっと1年を振り返ってみるといろいろなことがあったなあと思うわけですが、いろいろな人づくりとか、魅力づくりで新しい動きが着実に出てきた一方で、7月豪雨とか豚コレラとかですね、災害とかいろいろな脅威、感染症の問題とか、そういったことにも追われた1年であったと思っております。
 来年についてはまた、新年になったところでお話をしたいと思っておりますが、この年末年始どのくらいの時間を取って休めるかわかりませんが、今年1年間の振り返りをしながらまた来年に向けていろいろと考えていきたいと思っております。

 以上が今年の振り返りでありますが、もう一つ、今も少し申し上げましたが、お手元にもう一つ資料がありまして、1月にメゾン・エ・オブジェ、これは3年連続でやっておりますが、イギリスのデザイナーのコンラン氏と連携して、パリの最大級のインテリアの見本市でありますが、これに3年連続で出そうということです。
 ここは世界から、だいたいブースとしては2,700、それからバイヤー、デザイナー、メディアの方がざっと9万人来場するということであります。私どもは3年で一つの区切りにしようかなと思っており、集大成ということで臨もうと、今準備をしているところです。
 県が出すエリアはTODAYというテーマで、まさに現代的なライフスタイルを提案するところということで、ある意味で注目度が最も高いエリアを岐阜県にあててもらえたということで、大変ありがたいなと思っております。
 16社、102の商品が岐阜県から並ぶということでございます。1月18日の初日には岐阜県としてもオープニングセレモニーを現地でやろうということでございます。私自身が行ければと思うんですが、たぶん無理だと思いますので、副知事あたりに代理で行ってもらおうと思っているところです。
 今回は3年目でもありますし、積極的に商談も進めていこうではないかという話をコンランさんともしています。どんなものを出すかというのはお手元の資料の別紙にありますので、眺めていただければと思いますが、各メーカーさんが知恵を絞り、コンランさんの指導を受けながら作り上げてきたものでありまして、去年と同じように出すものも若干ありますが、大変オリジナリティの高い商品が並んでいるということでございます。私からは以上でございます。

司会

 それでは、ご質問がありましたらお願いします。

記者

 昨日官邸に足を運ばれたということですが、その目的と成果があれば教えてください。

知事

 官邸の危機管理では、三段階に分けてチームをつくっていくんですけれども、その中の三段階でいうと、第一段階のレベルの情報収集というレベルのチームができており、官邸には官房長官、官房副長官、危機管理監という方が居まして、その下でナショナルセキュリティだとか、サイバーセキュリティだとか、災害などいろいろあるんですけれども、その傘の下で、まずは情報収集というか、情報をきちっと把握するという受け皿ができたものですから、それなら、きちんとこれまで岐阜県でどんなことが起こっているのか、どんなふうに我々が取り組んでいるのかということをよく知っていただく必要があるということで、私の方から官房副長官と危機管理監のお二方に対し、それぞれ、ある種ご報告といいますか、そういう話をしておくと個別に入ってくる情報の位置づけも、今後わかりやすいのではないかということで、これまでの経緯等をお話ししてきました。
 そういう意味では報告に参上したということで、政策とかそういったことについては、農水省さんと相談しながらやっていくわけですから、そこでいきなり、政策云々というわけではないんですが、報告をさせていただきました。
 ある程度聞いてはおられるようでしたが、全体像をご理解いただけたのではないかと思います。官邸のほうから、特段、注文、ご指摘はなかったんですけれども、とにかく、解決に向けて頑張ってくれということと、いろんな意味で応援する用意があるので、何かあったら言ってくださいといっていただきました。私の方からは、説明の場ですから、特に要望とか政策論の話は全くしておりません。

記者

 先週、金曜日に有識者会議をやって、その間に、また一例発生してしまったわけですけれども、今、県で対策を練るとなると有識者会議になるわけですけれども、年明けのスケジュールとしてどれぐらいに開催したいということはあるんでしょうか。

知事

 有識者会議でひとしきり議論をして、ざっとご意見を伺いましたけれども、いのししチームと感染症チームというのか、農場チームといいますか、二つにワーキングを分けて必ずしも集まらなくても分けて少人数でやればメールでもやり取りができるし、やり方は工夫をして、ワーキングで少し議論を詰めましょうという話でしたので、座長さんとどういうふうに二チームにわけるか、今、相談しているところであります。
 私としては、これだけ事は動いておりますので、できるだけ早い機会にワーキングを動かして、短期・中期・長期でいろんな議論はあると思いますけれども、今のこのテーマについての日本の最高頭脳の方々にお願いしたつもりでおりますので、その方々の頭脳、知見というかお考えを積極的に吸収して対策に反映していきたいという思いですので、できるだけ早くやりたいと思っております。

記者

 先般、清水寺で今年の漢字が「災」と発表されましたが、知事としては、今年の漢字を選んでいただくとすると何だと思われますか。

知事

 毎年、いつもその質問に悩むんですけれども、今朝起きた時に、聞かれるかもしれないと思ったので考えてみましたが、清水寺の貫主さんの「災」はよくわかりますけれども、今見ていただきましたように、この一年間、岐阜県としては積極的に前へ出ていくということもあったわけなので、「災」一色ではありませんし、フォローの風もあれば、アゲインストの風もあるという中で、あえて言うと半分の「半」ですね。
 丁度、私の4期目の任期もこれで半分終わりつつあるところですし、今申し上げましたように、フォローの風もあればアゲインストの風もあれば、いろんなものが混在しているわけなので、何か一色ということではありませんし、逆にいうといろんな課題が道半ばで、佳境に入ってきたという時期なのかという感じがしますのと、それから折角ですから、朝ドラの「半分、青い。」の「半」をお借りしてというかですね、主人公がハンデを抱えながら、自分の身体的障がいの厳しさと、それを乗り越える明るさで生きていくといったドラマでしたけれど、岐阜が舞台でもありましたし、あまりぴったり来ないかもしれませんけれども、そんなところですかね。

記者

 オリパラの関係なのですが、今日も、ホストタウンの新しい登録があって、岐阜市と関市が入ったということを聞きました。ホストタウンの政策・戦略を含めて来年度の思いを聞かせていただけないでしょうか。

知事

 ホストタウンは、高地トレーニングエリアを一生懸命アピールして、そこから、高山市とか下呂市とかと組んでやってきたのがスタートですけれども、結構、他の県内42市町村の皆さんも、最初はオリンピックと自分の市町がどういう関係になるのかということが、必ずしもすっきりしていなかったんだと思うんですけれども、物事が進むにつれて、それから私どもも大手を振って東京で、いろんな岐阜の魅力、食材のキャンペーンをやって、結構反響があるものですから、そういうことかということで、各市町村が、折あらばということで、提案をしたりして、動き出してきておりまして、それが着実に積み重なってきているという状態だと思いますので、私自身は、市町村が自らのアイディアと魅力発信とネットワークで、ホストタウンという形でパートナーを国際的に見出していって、それを一過性に終わらせないで大事にしていくということで、岐阜県全体の多様な国際交流のネットワークができるのではないかと思います。
 例えば、羽島市がスリランカとの交流をということで、アジアジュニア陸上で来たスリランカの選手が、大会が終わってから、羽島市を訪れて様々な交流をやって、今度は羽島市長がスリランカを訪れられたら、何と、大統領と堂々のやり取りをして、ホストタウンとしての交流をアピールしてきたということですから、これなんかも非常に、アジアジュニア陸上というきっかけと、何か、羽島市としてもホストタウンということで、オリンピックにつながらないかという模索との、良い組み合わせで物事が動いているのではないか思います。こういったことがどんどん進んでいくことを大いに期待しています。

記者

 豚コレラの質問に戻って恐縮ですが、いろいろな方策を打っても6例目が出てきて、抑え切れていない現状について率直にどのようにお考えでしょうか。

知事

 この問題は見えざる敵との闘いということでありますので、これをどのように補足をして乗り越えていくかというテーマでもありますし、豚コレラ自体がオールジャパンで言えば26年ぶり、岐阜県で言えば半世紀ぶりということで、必ずしも身近な経験として根付いていないという面もあります。
 今回は野生のイノシシがキャリーしているケースで、かつての日本で起きた豚コレラの中では唯一かどうか分かりませんが、非常に珍しいケースで、かつての経験を基に養豚場の危機管理というか衛生管理というか、そのことについてのマニュアルとか基準とかは用意されているのですが、一方で野生のイノシシに対しどう対処するのかということについては農水省さんともお話をしているのですが、今回の岐阜県の様々な取組みが将来マニュアルにつながっていくんだろうと、あるいは基準につながっていくんだろうと、そんな思いでいろいろ工夫しながらやってきているわけです。
 野生のイノシシについては一方で個体数削減ということで積極的にやるということと、農場に直接、間接入ってくるのをいかに防ぐかというこの二つだと思うのですが、そういう意味で野生のイノシシ対策という動く標的ですよね。これをどう個体数削減を間違いなくやっていって、これで砦も守った、砦の外についてもコントロールできたというところまで持っていくかということは決して容易な問題ではないですが、そういう道を一歩一歩進んでいくのかなと思っております。
 もう一つは専門家の皆さんもおっしゃっていたのですが、今回の豚コレラは「弱毒性」なんですよね。ですから教科書を開くと豚コレラというとまず高熱、下痢、紫斑、それから大量の豚がバタバタと倒れていくということが書いてあるのですが、今回の6例目というのは何となくだるそうにしているとか、食欲不振なのかなどうなのかなと、とにかく少しでもいつもと違うと思ったらすぐ検査をしようということで、検査をしてみたら陽性でしたということで、専門家の先生に言わせるとまさに「弱毒性」ということで、この「弱毒性」なるがゆえにその発見がし難くなっているから、農場の皆さんも絶えず目を光らせていないと、そして早急に取り掛からないといけないということで、そこの難しさがあろうかと思います。
 そういういろいろな今回の豚コレラ問題の課題とか特色を見据えながら一つひとつ乗り越えていくということですし、そういう中でも脇の甘さという問題も指摘されているわけで、当然やらなくてはいけない衛生管理の脇をきちっと締める、もう一回締め直すという、原点の部分もやらないといけないということです。非常に、多元連立方程式に同時に向かっていくという。
 それから私どもは発症例を何とか食い止めたいということもありますし、愛知県でも2例出ていますが、何としても県外への広がりを押えていきたいと思っておりますけれども、今や愛知県とは連携を取ってやっております。
 もう一つは、既に9月から始まって4カ月近くになろうとしているわけで、獣医さんたちも含めて県外からも随分応援していただいておりますけども、検査その他、関係者の疲労蓄積もありますし、特に今回は8時間単位で3交代制でずっとやっているわけですから、疲労蓄積がありますでしょうし、農家の方々はある種の恐怖、明日は我が身という恐怖心の中でどう対処していくかということでありまして、そういった、いろんな人の思いの厳しさを受け止めながら、何か即効性のある答えがどこかにあるということでもありませんので、さきほど申し上げましたが多元連立方程式と、とにかく隙を作らない、見逃さない、そういうことで、これは持久戦に入ってきていると思いますので、この持久戦に耐えて乗り越えていく、そういうことかと思いながらやらせていただいております。

司会

 それでは、以上で知事定例記者会見を終わらせていただきます。

知事

 それではよいお年をお迎えいただいて、また来年もよろしくお願いします。

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