ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 知事記者会見 > 平成30年度 > 知事記者会見(平成30年10月19日)

本文

知事記者会見(平成30年10月19日)

記事ID:0018838 2018年10月24日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成30年10月19日(金曜日)15時

司会

 それでは、これより知事定例記者会見を始めさせていただきます。

知事

 まず、フランスにおけるル・ブルジェ航空宇宙博物館との連携促進及びジャポニスム2018における「岐阜の地歌舞伎」公演の開催についてということで、来週、水曜日から日曜日まで4泊5日になりますがフランスを訪問いたします。
 テーマはふたつで、ひとつは航空宇宙の連携ということでありまして、先方と改めて協定を結んでしっかり連携をやろうということでありまして、各務原の航空宇宙博物館の松井館長、尾藤県議会議長、各務原市長とご一緒にパリへ行きまして連携協定を結ぶということでございます。
 この協定の内容としては、「収蔵資料の相互借受、学芸員や研究者の相互交流というモノ、人の交流」というのがひとつ、それから「共同企画展の実施」、それから「世界に向かって両博物館の相互プロモーションをしていく」という3本柱となっております。
 具体的には、これから意見交換もしながら進めていくということでございます。
 既に、アメリカのスミソニアン航空宇宙博物館を運営するスミソニアン協会とは連携協定を締結しておりますが、今回はヨーロッパを代表する博物館との連携ということで、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の魅力向上、誘客、あるいは世界展開といった意味で意義あることではないかと考えております。
 ちょうど日本の航空機開発の出発点になりましたのが、1919年のフランスの航空教育団が岐阜県にやって来られて、空宙博にも展示してありますけども、フランスの偵察機「サルムソン2A2」を日本の陸軍が量産することになったということ、これが日本の航空機産業のスタートでもありますし、日仏の技術交流の先駆けのようになりました。ちょうど来年が100周年に当たるということで、様々な日仏交流の一環の中での出来事として、全国的にこのテーマをアピールしていこうということになっておりまして、その辺りも意見交換したいと思います。
 それから、「ジャポニスム2018」の方は、今年がちょうど日仏交流160周年ということでありますので、安倍総理の肝いりでいろんなことをやっておりますけれども、その中で、10月26日、27日の2日間、「ジャポニスム2018」の公式企画の一つ「地方の魅力―祭りと文化」ということでいろんな行事をやっていくわけですけども、それのいわば大トリ、締めくくりに、「岐阜の地歌舞伎」が登場するということで、パリ日本文化会館の大ホールで公演を行うことになっております。
 比較的、祭り文化を紹介するケースが各県多いですが、こういう公演ものをやるのは淡路島の人形浄瑠璃と岐阜県の地歌舞伎の2つだけということで、おそらく関心も高くなるのではないかと思っていた所であります。
 テーマは、少しドラマチックなということで「俊寛」、それから踊りとユーモアあふれる内容であります「戎詣恋釣針」、このふたつを演目に選びまして2日間、それぞれやっていくということであります。
 鑑賞の申込みは公募ということで、パリサイドでスタートしましたところ、あっという間に満席となったという状況であります。大歌舞伎もジャポニスムでやるものですからね、大歌舞伎とは違った価値のある地歌舞伎というものについて、どういう風にフランス人の皆さんが関心を持つかということでありましたところ、さっさと満席でありますので高い関心を持っていただいているのではないかと感じております。
 現地ではせっかくですから、レセプションをやったり、岐阜のフェアをやったり、そういう中でこの地歌舞伎を解説したり、飛騨牛とか岐阜のその他ですね、食とか観光とか、あるいは特に東美濃地域の魅力を各首長さんも一緒に行ってアピールしていこうということでございます。特に、レセプションは、飛騨牛の推奨店でもありますパリ市内の「エチュード」というレストランで行いますが、飛騨牛を入れた途端にミシュランの星が付いたということでございまして、ここに、文化人、経済人、ジャーナリスト等々日仏両サイドからお招きして懇談会をやるとかですね、いろいろと考えております。
 その後、保存会の皆さんはスペインに渡りまして、サラマンカ大学の創立800周年記念行事の一環ということで、この大学の「美智子さまホール」でも公演をするということでございます。これは10月29日です。それから帰国後の11月25日に、ぎふ清流文化プラザで凱旋公演を予定しておりますので、今回行かれない人は是非観ていただければと思います。今回は岐阜県の誇りである地歌舞伎の魅力を世界にアピールする歴史的な機会ではないかということで、これを契機にさらに岐阜県として地歌舞伎を大切に伝承していくということを期待しております。
 ちなみに、この公演に行かれますのが、下呂の鳳凰座歌舞伎保存会の皆さんが11人、加子母歌舞伎保存会の皆さんが15人、鳳凰座の方が「戎詣恋釣針」で、加子母の方が「俊寛」をやって、それから美濃歌舞伎保存会、瑞浪の相生座ですがこちらから4人、この方々は衣裳の展示、着付け体験プログラムといったことをホールでやっていただくというようなことで、総勢、地歌舞伎保存会としては30人の方々がお互い助け合いながらやっていこうということでございます。

 2つ目が、日本スポーツマスターズ2019ぎふ清流大会のスタートアップイベントということで、スポーツマスターズ大会を岐阜に誘致したわけですが、来年やろうということで、それの300日前を記念するということで、11月4日にスタートアップイベントを行います。
 来年9月に岐阜県で初開催ということでざっと1万人近くの規模の参加者の大会でございますが、機運醸成を図ろうということでございます。オープニングイベントではアンバサダーの委嘱式、それからアンバサダーを始めとした豪華講師陣によるスポーツ教室を行いますが、大会アンバサダーとしては、リオ五輪平泳ぎ200メートル金メダリストの「金藤理絵」さん、都市対抗野球で西濃運輸の監督としても活躍した、また東京六大学3冠王の「後藤寿彦」さん、野球日本代表の監督もやっておられますよね。それからツアー通算41勝の女子プロゴルファーの「森口祐子」さん、今は県の教育委員会の委員もやっていただいております。それからFC岐阜「大木武」監督。いまスレスレのところで頑張っておられますが、勝ち点を取ってもらわないといけませんが、こういうところでもスポーツ教室をやってもらおうということでございます。
 いずれも大会の実施競技に関係が深く、かつ県に縁のある方々で、大会のPRにも、スポーツの裾野拡大という面でもいい役割を果たしていただけるのではないかということでございます。
 この大会は生涯スポーツへの取り組みを促すという側面もありますので、そういった面でも大人から子どもまで大いに楽しんでいただければいいのではないかと思います。ちなみにスポーツ教室は水泳、ゴルフ、野球等、6種目用意してございます。このほかに、アテネ五輪女子テニスダブルスに出場された「浅越しのぶ」さん、北京五輪女子バドミントンダブルスで5位入賞のオグシオの「小椋久美子」さんもおいでになります。楽しんでいただければと思います。
 参加の申し込みは、10月22日までということで、もうすぐでございます。

 それから3番目が、ここにポスターがありますが、養老公園におけるアートイベント「養老アート・ピクニック」ということで、去年1回目をやりましたが、さらに今年は進化をさせていこうということで、11月3日、4日の2日間、開催いたします。ピクニック感覚で気楽に公園でアートを楽しむということで、IAMAS(情報科学芸術大学院大学)と連携して開催するということでございます。
 昨年初めて開催しましたが、悪天候の中で心配したんですが、なんと二日間で1万7千人お客さんがおいでになりまして、楽しんでいただいて「インスタ映えする」、「不思議で楽しげな演出」などという評価があったそうです。
 IAMASの赤松正行教授を総合ディレクターに迎えまして、「冒険のはじまり」というテーマで16種類のアート体験プログラムを展開すると。
 例えばポスターにもありますが、目玉の形をした、10個以上の目玉型のバルーンを公園上空に浮かべて、バルーンに取り付けたカメラに映る上空からの映像を地上モニターで楽しむと。「空の目、空のパーティ」というんだそうですが。あるいはペダルを踏むと後ろに向かって走り出す特殊な自転車に乗りながら、公園を回るとかですね、「バランスからだ自転車」というプログラムだそうですが。あるいは養老天命反転地で端末をかざすと、ARというんですか、拡張現実技術によって制作者の当初の構想図がわかるという「養老天命反転AR」とかですね、いろいろ楽しいプログラムがあります。
 それから、「謎解きアート・ピクニック」ということで、歴史とかアートの謎を解きながら散歩するプログラムとか、盛りだくさんでございますし、ちょうど紅葉を楽しむ時期でもありますので、昨年以上においでいただけるのではないかと思っております。

 それからお配りしておりませんが、今日発表があったばっかりなんですけれども、平成30年度、今年度の「地方大学・地域産業創生交付金」の、交付金対象事業の決定がございまして、これは地方創生で私ども肝いりで要望を出し、議論をしたもので、一方で、東京23区への大学の定員増を抑制すると。一方で定員を抑制しておいて、他方で地域の大学を振興する、地域大学の魅力アップを図るということで、長ったらしい名前なんですけれども、「地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律」ということで、要するに大学生の東京集中の流れを変えようということでございますが、その根幹をなす交付金プロジェクトでありまして、首長のリーダーシップのもとで、産学金官連携によって地域の中核的産業の振興、専門人材の育成といったことの優れた取組みを支援する。これを通じて日本全国、世界中から学生が集まってこれるようなキラリと光る地方大学づくりをやろうという、大変大きな理念をもって用意された交付金でありまして、全国から16件の応募があったようでございますけれども、本県は採択になりまして、初年度として、要望金額満額OKということでございました。岐阜県のテーマは、「日本一の航空宇宙産業クラスター形成を目指す生産技術の人材育成・研究開発」ということで、航空宇宙を前面に打ち出しております。
 ちなみに、富山県が薬、島根県が金属素材、広島がデジタルイノベーション、徳島が光技術の応用、高知県が次世代園芸、農業、北九州が産業ロボット、こんなようなテーマでございます。岐阜県らしいテーマを出せたのではないかと思います。座長さんが自ら、9月に岐阜に来られまして、岐阜大学や川崎重工の一連のものをご覧になって、この部屋でもかなり精力的にヒヤリングをやられて、私も出ましたけれども、いろいろと議論をしました。お陰様で大変高く評価をしていただいたということでございます。基本的には概ね10年間かけてじっくり取り組むということですので、初年度満額OKということは次年度以降も、よほど粗相がなければOKであると思っておりますので、良い結果につながるものと思います。岐阜大学の森脇学長にも非常に熱心に取り組んでいただいております。ひとつの良いきっかけになるんではないかと思います。私からの報告は以上でございます。

司会

 記者の方は、ご質問があればお願いします。

記者

 まず、今般の(株)KYBの問題について、知事の受け止めと、これから先どのように向き合っていかれるのかお考えをお聞かせください。

知事

 今日はまだ、会見はやってないですよね。当初14時からと言ってましたが、16時からということですか。
 本来、安全安心を確保するための技術なり、製品を提供する企業において、安全安心に対する信頼を損なうようなことが生じたということでありますので、大変遺憾というか、あってはならないことだと思います。そう意味では非常に深刻で、いろんな意味での安全安心が問われている中で、こういうことが根っこのところで起こると、ひとつひとつの何を信じたらいいのかわからなくなるということになりかねませんので、そういう意味では事案をきっちりとつまびらかにして、これに対する対策もきちっと打ち出していただく必要があるんではないかと思います。安全安心の根幹が損なわれた深刻な事案であると思っております。まずは、事案についての丁寧な解明と色んな安全性のきちっとした再確認を行うことと、それから、不適合案件については、可及的速やかな交換ということをやっていただく必要があると思っています。岐阜県については、16箇所ございますので、そのうち、公共の施設は8箇所、民間は8箇所ということですので、全ての箇所について目くばりをしていきたいと思っております。

記者

 豚コレラ問題に絡んで、本日本部員会議も開かれるとのことですが、これから狩猟期を迎えるにあたってどのように対応されていくのか、知事の今のお考えをお聞かせください。

知事

 本部員会議をやる前に、本部員会議の解説をするわけにはいきませんので、あと数時間待っていただけると丁寧にやりますが、いずれにしましても、狩猟の解禁時期が近づいていておりますので、段階的にいえば、豚コレラの農場に関連する事柄については、手順を踏んでスケジュールも踏まえて、かつ場合によっては念には念を入れて対応してきたわけであります。
 野生のイノシシの問題、これについても、多発している部分についての徹底的な捕獲作業と、それから陽性の野生イノシシが発生したところから半径10キロというエリアについてのきちっとしたチェックと、その外側からじわじわと内側に向かって捕獲作業をやっていくという、こういう対応をしてきているわけでありますが、外から内側に攻めて行く流れのなかでは、すべて陰性なんですね。依然として今、陽性のものが日々出てきておりまして、現在32頭になりましたけれども、基本的には椿洞地域が18頭、それから大洞地域ないしは、その周辺、各務原市にも係るところも含めてみますと、14頭、合せて32頭が陽性ということです。陽性のイノシシが出てくるということは、逆にいうと、ピンポイントで徹底的に捕獲をするという作業が進んでいるともいえるわけで、この作業を更にまだ徹底してやっていくということで、その作業の進捗のなかで、狩猟の解禁という問題をどう考えるか。
 解禁もワナによる狩猟もあれば、鉄砲を撃つ狩猟もありますし、下手にイノシシの行動範囲を広げるようなことになってはいけないし、他方で、安全なところでは、安全にやってもらったほうがいいんではないかということもあるでしょうし、ジビエとか、その他風評被害の問題もございますので、慎重に考えていこうということでございまして、慎重にやるやり方をどこらへんで線を引くのか、それから11月1日で全ての答えを出してしまうのではなしに、11月15日というもうひとつの節目がありますので、2段構えでというようなことで、今、議論しているわけなので、このあと、今日、夕方本部員会議をやりますので、そういう流れのなかで、現時点で関係者にご理解いただけるところで線を引こうと、ルールを決めようということでございます。
 ただ、これから夕方の本部員会議までの間に何か思いがけないことが起これば、またそれに則して対応しなければなりませんので、その辺も含めて慎重にやっていきたいと思っております。

記者

 先日、安倍首相が来年度の消費税の増税を発表されましたが、その件についての所感をお聞かせください。

知事

 消費税の問題は、かねてからずっと議論が積み重ねられてきているわけで、全世代型の社会保障制度への転換と財政健全化と、こういったことを念頭に、どういうタイミングにどう進めていくかということで議論が行われて、すでに2度にわたって延期をされた中で、いよいよ今度はということで、景気への影響をどうやわらげていくかということを含めて、経済対策を含めて、具体的な検討がなされると承知しております。
 それから、今回の引き上げでは、初めて軽減税率が導入されるということで、その混乱をどう避けるかとか、あるいは、中小小売店舗におけるキャッシュレス決済によるポイント還元ということも検討されておりますので、導入にあたっての準備、混乱回避といったことも結構重要なテーマとなっておりますので、これらも含めて、必要性については、私も十分理解しているところでありますが、混乱の無いように、また、景気への影響も十分踏まえながら慎重に、かつ、しっかりとした形で準備を進めていただきたいと思っております。

記者

 東美濃ナンバーに関して、地元の反応としてはやめるということになりましたが、知事としてはどのようにご覧になられているかということと、東美濃という呼称についてはある種の反発が地元であったのかなと思いますが、県の事業でも東美濃という名称を使っているものがそれなりにあると思います。地名についてはどのようにお考えですか。

知事

 この問題は、基本は、地元の皆さんがどうしたいのかということをできるだけ尊重して、県も応援できるところは応援していこうという姿勢でおったわけですが、結果は投票をやって、賛否を決するということで一回やって、もう一回ということで期限を延ばして、朝ドラのほぼ終わりそうなタイミングで、それの影響ということも考えながらもう一回投票をやって、結論は過半数取れませんでしたということで、断念したと。
 こういうことなんですけれども、そういうことならそういうことで、私としては地元のご意志を尊重するということなんですが、そういう経緯とかスタンスはともかくとして、これを何のために議論しているかというと、おそらく地域のブランディングですよね。
この地域をどういう呼称で呼んで、どういう風にアピールしていこうかということですから、目線は地域の外の人にどうアピールしていったらいいのかという、地域の外に向かっての発信をどうするかということなんですね。
 そういうことの一つの手段として、いろいろある中でこれに一つ焦点が当たったということなんですが、地域のブランディングの仕方というのはいくらでもあるわけですよね。それでいろんなことを多角的多面的にやっていかないといけない。そういう中でこれだけが唯一のブランディングみたいなことで、しかもひょっとしたら目線が内側を向いちゃって、外に向かってのアピールというよりは、内側でどうやろうというような議論の方に関心が向いてしまったかどうかわかりませんが、そういうことになると、本来の狙いとは違う方向に話が行ってしまって、なんとなく賛成がどのくらいあるか反対がどのくらいあるか、何で反対だ、なんで賛成だとなるわけで、ブランディングというのはもっと風呂敷を広げるということなので、私としては、あの地域の皆さんが一緒に協議会を作って、東美濃と呼ぼうではないかと、そういう呼称も使ってみようではないかと一歩踏み出されたわけでありまして、車のナンバーにどうするこうするというのは、アピールする相手が域内の住民の方ですよ。ブランディングというのは域外の方々に地域の魅力をどういうふうに表現してアピールするかということなもんですから、ちょっと関心が車のナンバーの方に向けば向くほど、目線がどうも内側に向いちゃいかねないというのがあって、そういう意味で、これはこれで一つの結論が出たということでありますので、東美濃というブランディングをしたいと、しようというふうに行政も、あるいは経済界の皆さんもお考えなら、じゃあどういう形でどういう運動をこれから外に向かって展開していくかということをみんなで一緒になって考えるということではないかなと。外に向けて広がっていくような、風呂敷をどんどん広げていくようなアプローチをみんなで力を合わせて知恵を出してやっていかれたらいいのではないかなと。そういうことを私どももお手伝いしたい。
 だからたとえば今回パリに地歌舞伎が行きますが、東美濃の首長さんたちは、全員ではないですが、関わっている方たちは行くわけですし、せっかく行けばパリで東美濃というコンセプトでキャンペーンをやろうということで、チラシを配ったりいろいろおやりになるわけなので、外に向かっているキャンペーンですよね。それから外に向かっているキャンペーンも、あるやり方をしたら非常に受けたというのならどんどん追求したらいいし、あるやり方をしたらうまくいかないということならまたやり方を変えるとか、場合によっては呼称を変えることもあるかもしれませんが、そういう試行錯誤の中でアピールできるところが生き残っていくというか、そういうふうに試行錯誤と同時に積みあがっていくという、こういうプロセスになるといいのではないかと思います。
 先般、長野県知事と山梨県知事と一緒にふくろう商店街にお邪魔しましたが、電車に乗った際にJRの恵那の駅に小さなお店が、えなテラスというお店があって、道の駅みたいな野菜やら果物やら食材を売って、地域のいろいろな優れものを並べておられましたが、話を聞きましたら、この1年間はだいたい年間1億円のペースで売れておりますということで、私も心意気で買わせていただきましたが、そういう外に向かって勢いよくアピールしているところもあります。
 また肝心のふくろう商店街も、何回も行っているんですが、今回行って特に感じたのは、町の皆さんの立ち居振る舞いとか、目つきとか顔つきとか、玄関口の掃除の仕方とかちょっとしたものの並べ方とか、完全に目線が外に向かっていますよね。その外から来るお客さんをお迎えする。そのために自分の家はこういうふうに見せる、こういうふうに整えるとか、こういうものをアピールしていくという意気込みというか気持ちがすごく伝わってきましてね、ずいぶん変わったなと。写真撮るだけでしたら家並みも何も変わっていないんですよ。ですが、そこから醸し出される気みたいなものがすごく変わったんではないかなと。皆さん方はどう思われたかわかりませんが、そういう印象で、これは町が変わるなというそんな感じがしました。
 そういうことで、東美濃という運動をどうされるかはあくまでも地元のお考えだと思いますが、これも一つのブランディングだと。試行錯誤の中で外に向かって広がっていくという大きな流れというか位置づけというか、そこのところは大事にしていただいて、さらにさらに汗をかいていただいたらと思います。
 それから昨日もやりましたが、「麒麟がくる」でドラマ館をどうするかとか、広域観光をどうするかという時に、東美濃というコンセプトと、明智光秀とをどうつなげるんですかとかいうのも一つの発展形態ですしね、いろいろそういう意味で、まずは皆さんでお考えいただいて、それを私どもが応援すると。ちょうど地歌舞伎がパリへ行くのを私どもが側面から応援させていただいているのと同じで、そういう努力を応援していくとかですね、そんなことかなと。
 それから関ヶ原のビジターセンターもいよいよ設計から工事に入ります。明日、起工式というんですか、祈願祭かな、やりますけれども、私のところに来た当初言っていましたが、あっちが東美濃と言うならこっちは西美濃と言わないとバランスが悪いんじゃないかとか、こっちは西濃といってこっちは東美濃というのはどうですかねとか、いろんなことをおっしゃるわけで、あれやこれやいろんな人の視野の中に見えてくるものを参考にしながら考えていくと。
 それと併せて東の光秀と、西の関ケ原ということで、武将観光とか戦国観光とかいうのもありますし、何年か前に「功名が辻」の大河ドラマがありましたよね。あれはちょうどサッカーの日韓ワールドカップと重なっていたんですが、聞いてみると、日韓ワールドカップが始まる前に本能寺までやって、それからサッカーが終わると、しばらくすると関ケ原へ行くということで、大きな節目は本能寺と関ケ原でサッカーを囲むということでいろいろ作戦を考えたということを聞いたことがありますが、いずれにしても西と東でいろいろなことが動き出すわけですから、これをどう組み合わせるのかというのもあります。
 話は長くなりましたが、そういうことで、小さく考えて「これは終わりましたね、はい次は。」ということよりも、もうちょっと広く発展形で考えていったらいいのではないかなということです。

記者

 ドラマ館で、岐阜と可児と恵那が3市で3館の案を出されて、3つ存在しても構わないということですが、かなり距離的には離れている形になるんですが、知事としてはどのように活かしていこうというお考えはありますか。

知事

 まずはそれぞれの地域の提案をいただくところから始めて、3つ提案が出ましたと。それでそれぞれに面白さと課題があると思うんですよね。例えば恵那は、まさに明智町の大正ロマン館でやるということなんです。明智のゆかりのところですと言うのはいいんだけれども、大正ロマン館、大正村という看板を張って地域ぐるみでいろんなことをやっているわけなので、大正ロマンと明智光秀をどうつなげるかというのを、もう少しいろいろ検討したらどうですかということを昨日申し上げました。
 可児の場合には花フェスタ記念公園の花のミュージアムを使うという提案で、花フェスタ記念公園というのはどうしても点なんですよね。だから花フェスタ記念公園と何かがつながるというのはなかなかうまくいかないんですが、ちょうどあそこから程よい距離に光秀ゆかりのものがありますからね。だから今回のドラマ館と光秀ゆかりのいろいろな施設とをつなぐということで、花フェスタという点が、少し広がりの中に位置づけられるといいなというのがあります。
 それから岐阜市の場合は岐阜公園を使うわけですが、テーマが光秀・道三・信長“ゾーン”ということになっているんですよ。つまり岐阜市の大河ドラマ館は、ドラマ館という建物でドラマに関わりのあるものを見せるということではなくて、あの一帯を全部ゾーンとしてとらえて、岐阜城、金華山、岐阜公園、長良川プロムナード、もうちょっと広がるかどうかわかりませんが、ただあれを一つの光秀・道三・信長ゾーンとしてとらえて、それで展示館は展示館としてあるわけですが、それだけではなくてゾーン全体の魅力増進をビジョンとして構築して、ここ1,2年の間にどこまでできるか、それで終わりではなく、さらにあの地域全体を岐阜市の内外に発信できる魅力あるゾーンとしてどう磨いていくかと。
 ちょうど今、私ども関ケ原は10年はかかると言ってからかれこれ3,4年になるわけですが、いろんなことを着々と積み重ねてきておりますが、それと同じような意味で、あのエリアを時間をかけて魅力的な地域としてどうしていったらいいのかと。たとえばロープウェーを上がっていきますよね、そして降りてハッと見渡して、例えばこの地域の歴史をお見せしようとか理解してもらおうとか、そういうものがちょっとわかりにくいところがありますよね。それからプロムナードも当然バリアフリーということも考えないといけない。どういうふうにしたら歩きやすく岐阜城まで行けるかとか。それから岐阜城も展望台としてはあるんですが、ミュージアムというふうに見たら、あそこに何があって、何をどういうふうに見せて、どう時代を解説するのかというようなことで、あそこをミュージアムに作り替えるだけでもかなり違ったものになると思うんですよね。
 そういうようなことで、ゾーンとしての地域の全体の魅力アップを図っていく一つの起爆剤として大河ドラマ館というタイミングをとらえてやろうという構想だというふうに私は理解しているので、大いに県としても応援をしたいということで、これはじっくり取組むいいきっかけになるんではないかと。そんなことでそれぞれに面白さと魅力と課題もありますので、そのあたりを存分に知恵を出してもらったらいいのではないですかね。そういうチャンスとして使ってもらえたらと思います。

記者

 昨日の「麒麟がくる」推進協議会の中で、皆さんで周遊型で連携していくということで、首長さんも含めて意見が一致したと思うんですが、県内少なくとも5か所で出生地を謳う自治体がありまして、変な言い方をすると、自分だけが出生地だといってPRする自治体が出てくるかもしれませんが、出生地が分かれてしまっていることについてどう受け止めていますか。

知事

 出生地もたくさんありますし、お墓もありますし、山崎の戦いで死んだのではなく名前を変えて替え玉を使って岐阜に逃げ帰ってきて、そこで人生を全うしたという説があったり、それから光秀供養祭とか光秀まつりとかあっちやこっちでやっているんですよ。だから私が申し上げているのは、光秀紀行って大河ドラマの最後にやるじゃないですか。題材はたくさんありますからそこで片っ端から取り上げてくださいと申し上げておりまして、協議会の皆さんには仲良く、オーケストラとしてやるためにやっているので、それぞれに何かを言い合うためにやるわけではないので、それぞれに光秀紀行で取り上げてもらえばいいし、いろんな取り上げ方があるので、お互いに仲良く、かつアピールするところはどんどんアピールして、全体として外の方々に岐阜の魅力を知ってもらえればいいのではないかと思っています。
 今のところ特にそういう論争はありませんし、それから大河ドラマ館を作りましょうということで要望を出してくださいと前に宿題を出して、今のような結果だったんですが、私はひょっとしたら、大河ドラマ館は7つも8つもできるんではないかと思って、その時にはどうするかなと思ったんですが、幸い3つですからね。これならそう困ることはないなと思っていまして。そういう意味で無理に言い合おうという感じはないですよね。だからいいんじゃないですかね。

<外部リンク>