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知事記者会見録(令和3年11月9日)

記事ID:0187098 2021年11月11日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和3年11月9日(火曜日)15時00分

司会
 それでは、ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。知事、お願いいたします。

知事
 まず、私の方から4点、ご報告をさせていただきます。お手元の資料をご覧いただきます。
 まず第一に、清流の国ぎふ芸術祭「Art Award IN THE CUBE 2023(アート アウォードイン ザ キューブ にせんにじゅうさん)」の開催概要決定ということであります。
 この「Art Award IN THE CUBE」は、3年に1回、全国規模あるいは海外からの募集も含めて、新しい才能の発掘と育成ということを目的にやっているわけでありますが、今回が3回目になるわけであります。
 キューブ空間の中で、何かを表現するというようなことで、テーマを設定しているわけでありますが、今回は「『リアル』のゆくえ」というテーマを定めました。バーチャルリアリティについて、様々な技術の進化がある中で、本当に何が「リアル」かということ、あるいはこのコロナ禍で、人と人がオンラインで交流するというようなことになってきた中、「リアル」ということの意味が随分変わってきたのではないかということで、作家、創作者が「リアル」をどう認識して、どのようにキューブの中を表現するかというテーマの設定でございます。
 会期は2023年4月22日から6月18日までということであります。募集そのものは、今年の12月24日から来年の5月16日までの5か月間ということで、審査を経て選ばれた入選者について、具体的な作品を作成してもらって、会期に至るということであります。審査員も毎回、異なる顔ぶれでお願いしておりますが、大変、多様な分野の第一線で活躍しておられる、全日本級と言いますか、あるいは世界級と言いますか、そういうレベルのそうそうたる方々に審査をしていただいているということでございます。
 併せて、今回の新しい試みとして、ご来場が困難な方のために、「3Dバーチャル展覧会」といった、パソコンやスマートフォンを通じて体験できる展覧会もやりたいと思っているところでございます。
 その他、会期の前後には様々な講演会とかイベントも予定しております。国内外の多くのアーティストが創意を凝らして、すばらしい作品を応募してこられることを期待しているということでございます。これが最初のテーマであります。
 それから2つ目が、「ギフッシュ」の開設ということでありまして、年間を通じて、いつでもどこでも、いわゆるオンデマンドで、県内企業の魅力を発信するWebサイトとして、「ギフッシュ」というものを開設しようということでございます。
 併せて、この「ギフッシュ」の中の特設ページということで、来年1月20日から3月18日までの2か月間、県内最大の合同企業展、「オール岐阜・企業フェス・オンライン」も開催するということでございます。
 また、このサイトの中では、プロモーション動画なども掲載する予定でありまして、掲載企業は当初200社、最終的には400社程度まで拡充する予定でございます。その他、就活コラムあるいはトークコラムといったようなものを設けまして、若い方々が自分たちの進路を考える一助にしていただいて、これらを通じて若者の県内就職を促していくということでございます。
 ただ、これまで「オール岐阜・企業フェス」というのは、まさに対面でやってきたわけでありますが、昨年初めて、状況を勘案してWebでやったわけでありますし、今年も Webでやるわけでありますが、やはり対面で行う企業の説明といいますか、企業の方々との接点も大事でありますので、対面による企業説明会と、Webサイトによる「ギフッシュ」とを組み合わせながら、若者の県内就職を促進していくということでございます。
 それから3番目が、飛騨高山の曲げ木技術を科学的に観察し、数値化する研究というのを、県の生活技術研究所でやってきておりまして、この成果を、飛騨地域における家具の製造に役立てていこうということで、一つの結果が生まれましたのでご紹介するということでございます。
 今回は、高山市の柏木工さんが、県の生活技術研究所が開発した「曲げ木の可否判定プログラム」を活用して、美しい曲線形状が魅力のソファを開発したということであります。このソファは11月15日から開催される「2021飛騨の家具フェスティバル」において、全国のバイヤー向けに展示販売することになっております。
 この会場の後方に、このソファが展示してありますし、県生活技術研究所の研究員の方、あるいは柏木工の方々にもおいでいただいておりますので、お気軽に見ていただいて、またご説明も聞いていただければと思っております。
 もともと、飛騨地域では100年以上にわたって、曲げ木家具というのを作ってきたわけであります。デザイン性に優れているということと、大変丈夫であるということで、特に椅子の背中あるいは脚等の曲線部分にはこれを活用してきたわけであります。しかし、局所的に曲げるというのは大変難しい技術でありますので、むしろ科学的にどこまでこの木材は曲げられるのかということを自動的に判定するプログラムを使って、その範囲内で曲げ木を取り入れた多様なデザインの製品開発を進めていくということでやってきたわけであります。このプログラムを活用した加工方法の最適化ということで、今回の新製品に至ったということでございますので、ご覧いただければと思います。我々としては新しい、伝統の匠の技と先端的な技術とのいわば融合ということでアピールしていきたいということでございます。
 4番目が、酵素によるマイタケ増収技術の開発ということでございます。これは県の森林研究所が、旬の時期を迎えたキノコについて、「アミラーゼ」という酵素を利用して、マイタケ発生量を増加させるという技術を開発しましたので、ご紹介する次第であります。こうしたマイタケの増産増収が実際の栽培施設で実証できたのは、全国でも初めてということでございます。
 これも、会場後方に増収に成功したマイタケの写真パネルを展示しておりますし、森林研究所の研究員も来ておりますので、あとでまた説明を聞いていただければと思います。
 本県の令和元年の林業の産出額は、コロナ以前の数字になりますが、94億円でございます。この中に、キノコ、タケノコ類、薪といったものも含まれているわけでありまして、このうちキノコの生産額が約30億円ということで、林業産出額トータルの94億円のうちの約3割を占めるキノコの生産というのは、本県にとっても大変重要な生産物でございます。
 ただ、このところ、栽培資材・燃料価格の高騰、産地間競争の激化、それからコロナの感染拡大による外食自粛による消費減少ということで、生産者の経営が大変厳しい状況にあるということでございます。こういったこともあり、生産性を向上させて、かつ導入が非常に簡易・容易な技術の開発が求められていたということでありまして、まさに簡易な生産性向上技術ということで、食用キノコ栽培のいわば土壌部分にあたる「菌床」を製造する際に、酵素を加えて混ぜるだけで、現場での増収効果が確認されたということでございます。特段、栽培時の工程の変更とか、新たな設備投資をすることなく、どんなタイプの栽培施設であっても、ざっと収益が最大3割向上するということが期待されております。
 まずマイタケで成功したわけでありますので、これを他のキノコでも効果を検証して、さらに実用開始を目指していくことを考えているところでございます。
 私の方からは以上でございます。

記者
 曲げ木の開発技術について、現在ソファの開発ということですが、今後の商品展開としてどのような展望を持っていらっしゃいますか。

知事
 家具ですから、曲げ木の技術によるデザイン性の向上ということで効果のあるものといいますと、椅子の類とか、まさに細い木の曲線を利用して家具として使っていける分野、そういったところに活用されていくのだろうと思います。その辺りは、後で聞いてみていただければと思います。

記者
 マイタケの方ですが、知事は増産されたマイタケは召し上がりましたか。

知事
 残念ながら、まだいただいておりませんので、後ほどいただきたいと思います。

記者
 昨日、政府の新型コロナウイルス関連の分科会において感染状況を評価する新しい指標の策定ということでニュースがありました。これについて都道府県の関与等については、どのように受け止めていらっしゃいますか。

知事
 昨日、検討された提言については、今、国とも実務的に協議をしているところです。今までのやり方から、どちらかというと、病床ひっ迫というところに重点を置きながら、各都道府県といいますか、地方の現場の総合判断を尊重していくという趣旨の内容になっていると思います。制度の大まかな姿は理解できるわけですが、これを具体的に運用するにあたっては詰めなければならない様々な課題があると思っております。例えば「フェーズ」が0から4まであるわけですが、この流れとそれから新型インフルエンザ等対策特別措置法でいうところの「緊急事態宣言」とか「まん延防止等重点措置区域の指定」とか、こういった事とどこでどうつながるのかといった、法令とのつながりの問題があります。もちろん病床占有率も大事でありますが、これまでの経験から新規感染者の数もいわば先行指標として大変意味のあるものだと思っております。そういった様々な指標をどのようにウエイト付けしていくのかということもあります。また、「フェーズ」の転換の中で予測データといいますか、現状のデータをモデルに投入して、例えば3週間後にどうなるのかという予測値を出して、その予測値をにらみながら判断していくという部分がありますが、予測のスキームというか予測ツールがどこまでどのように使えるものか、いろいろと良く検証してみる必要があると思っております。
 都道府県の判断ということがしきりに強調してありますが、法令上「緊急事態宣言」とか「まん延防止等重点措置」については、国が判断することになっているわけでありまして、県に判断しなさいといったうえで、新型インフルエンザ等対策特別措置法上の判断は国に留保されているわけでありますので、県の判断というのはどういうことになるのかということがあります。例えば「第4波」の時でありますが、かなり早くから「緊急事態宣言」の必要性を訴えてきたわけでありますが、結局ゴールデンウィークが終わってからようやく法的な適用があったわけであります。ああいった格好での自治体の判断・要請と法律の適用とは、私どもとしては一体として行われることが良いと思っておりますが、そういった運用のタイミングについてもこれから更に詰めていく必要があると思っております。
 いずれにしましても、ワクチン接種がかなり行き渡ってきたということと社会経済活動を回復させていくということとか、かなり今、重症者の割合が減ってきているといった状況の変化の中で、いろんなアプローチの仕方を見直していくということは結構なことだと思います。それを制度化する段階で、早急に国とも議論して詰めていきたいと思います。

記者
 新型コロナウイルス感染症関係の話ですが、全国知事会など県としての意見をお伝えするような機会に、どういったことをお伝えしようとお考えでしょうか。

知事
 このところ、新内閣が稼働に入ったところで、今、ご質問のあったレベル分類の考え方の提言もありますし、それからワクチン・検査パッケージをどのように導入するかとか、それから水際対策の緩和措置といったことが次々と出てきております。こうした流れについて、これまで通り知事会でまずそれぞれの地域の事情やら議論をテーブルの上に乗せながら、より良い制度にしていくということで国とも議論を進めていくというのが、一番良い流れかと思っております。

記者
 外国人技能実習生とか留学生、ビジネス関係者における外国からの入国の緩和など、いろいろな緩和策が出されました。これも県内に良い影響など様々あると思いますが、この辺りの知事の受け止めを伺ってもよいでしょうか。

知事
 水際対策を慎重に緩和する、感染拡大あるいは新たな変異株の流入をチェックしながら緩和していくという流れ自体は、私どもは好ましいことだとは思っております。今、言われている制度でありますと、受入責任者の管理がしっかり行われるという前提で緩和されるということですから、受入責任者がどこまでどう手を打ったら良いのかということについては、きちんとしたものを出して、そしてそれを徹底する必要があると思っております。
 それから、私どもが聞いておりますのは、国内に入って来られる方はワクチン接種者であることが大前提ですが、打ったワクチンの種類によっては、そもそも対象から外れるという場合もありまして、どのワクチン接種なら良くて、どのワクチン接種ならだめで、それはなぜかということについても、もう少し議論が必要だろうというようには思っております。
 その他、緩和された結果、だいたいどれくらいの規模の人たちがどのようなペースで入ってくることになるのかということで、一説には、ウェイティングにかなりの数の方が待っておられると聞いております。そういった方々が殺到した場合に、どんなペースでどう対応していくのか、この辺も一つ議論する必要があるという問題意識は持っております。

記者
 先月、岐阜県内でリニアの工事現場での事故があり、昨日も長野県内で同じような事故がありました。改めて知事の受け止めをお願いします。

知事
 瀬戸トンネルの事故からまだ、さほど日が経っていない中で、こうした事故が起こったことについては、大変残念なことだと思っておりますし、お怪我をされた方にはお見舞いを申し上げたいと思っております。
 私どもの基本的な立場は、まず瀬戸トンネルについて、しっかりとした検証をしていただくということでございます。そして、その検証結果を県に対して報告していただくというのが一つ当然のことであります。それと同時に、その検証結果と合わせて県内の他の山岳トンネルの工事現場についても問題がないかどうか、その辺のチェックについてもしっかりしたうえで、それについての報告もしていただくということでございます。加えて、今回、長野県の伊那山地のトンネルで起こったことについても、何がどう起こったのか、しっかりJR東海さんから報告を受けたいと思っておりますし、今回起こったことと、瀬戸トンネルで起こったこととの関係があるのかないのか、どういうことになるのかといった諸々の報告も受けたいと思います。
 いずれにしても、そうしたことについて、きちんと全て、十分納得のいく説明を受け、かつ、私どもなりに専門家の意見も聞いたうえで、十分な確認を経てから最終判断するというように考えております。
 瀬戸トンネルの事故のあと、JR東海さんとしては、各地でいろんな検査をしたということで、神奈川県、長野県、山梨県、愛知県でトンネル工事についてはGOサインが出されたわけでありますが、岐阜県については、トンネル工事は一切、GOサインは出しておりません。瀬戸トンネルの他に3つの工区がありますが、これについては、先ほど申し上げましたように、瀬戸トンネルの検証と合わせて十分なチェックをしていただいて、全体をきちんと報告していただくということに加えて、今回の長野県の事故についても併せて報告していただいて、全体としてきちんと私どもなりに評価をさせていただくということでございます。そこまでは、工事については待っていただくということで臨んでいきます。

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