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知事記者会見(平成30年9月11日)

記事ID:0018625 2018年9月13日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成30年9月11日(火曜日)15時

司会

 それでは、これより知事定例記者会見を始めさせていただきます。

知事

 お手元に数件ご報告することがあるんですが、それは後ほど説明するとして、豚コレラの状況ですけれども、節目のところで本部員会議をやらせていただいたり、あるいは情報提供、ブリーフィングもさせていただいておりますが、今日現在の状況についてまずご報告したいと思います。
 まず、我々がやってきました作業は、発生農場自体についてどういうことをやるかということで、豚の殺処分と、死体処理、埋却、畜舎の消毒処理と、こういう作業があるわけですね。
 それで、まず殺処分につきましては、日曜日の午前6時、本部会議をやった後、動き出したわけでして、農水省の指針に基づきまして、月曜日、昨日の午前5時17分に完了したということで、本部員会議で皆さんに聞いていただいたとおりであります。
 それから、死体処理、埋却につきましては、汚染物品の処理と併せて、11日火曜日の午前0時、真夜中に処理を完了したと。当初のスケジュールからすると前倒しでできたということでありますが、さらに発生農場の畜舎の消毒処理に関しても、11日火曜日の午前2時をもって完了したと、こういうことでございます。
 この部分はもうご案内のことかと思いますが、これらの一連の作業につきまして、本日午後2時に家畜防疫員といいますか、県の中央家畜保健所長が現地をチェックいたしまして、当該農場の防疫措置が完了したということで確認したということでありますので、発生農場についての封じ込めといいますかね、これについては一つ区切りを迎えたということでございます。
 それから、次に発生農場以外のところについての対応でありますが、一つはJAのぎふ堆肥センターの問題でありまして、これも農水省の指針に即しまして、本日の午前10時半に石灰散布による消毒処理と、ブルーシートによる被覆作業を完了することができたということで、これも封じ込めの作業は一つ区切りをしたということでございます。
 それから県内の養豚場、イノシシ飼育者ですね、こういったところに何か異常がないかというチェックについては、9月9日、日曜日から県内すべての51の養豚場、イノシシ飼育者に聞き取り調査をしておりまして、これまでのところ不審死などの異常はないという報告を受けておりますので、これも確認をし終えたということであります。
 以上、一つ一つ完了していったことを申し上げたわけでありますが、これまでのところ延べ500人を超える体制でやらせていただいておりまして、特に殺処分には農業共済組合、あるいは獣医師会等から獣医師の方々を派遣していただきましたし、それから埋却作業には県建設業協会からも大変なご協力をいただいているということであります。国からは農水省の政務官もおいでになりましたけれども、感染経路を究明する疫学調査チーム7人。この中には県の職員が1人入っているわけでありますが、それから、防疫方針についていろいろとご指導いただいた専門家3人、さらには殺処分、埋却処分の防疫措置を支援する緊急支援チーム等々、ご支援をいただいたということでございます。おかげさまで、多くの方々のご支援、ご尽力によりまして、発生農場において72時間以内で完了すべき作業については、56時間で、前倒しで完了することができたということですので、関係各位には深く感謝を申し上げたいということでございます。
 問題はこれからでありまして、今後どういうふうに物事が進んでいくかということなんですが、まず発生農場そのものについては1週間の間隔を開けて畜舎等の消毒処理をやっていくということで、2回以上実施するようにということになっておりまして、農水省とも協議をしながら適正な消毒作業を続けていくということになります。
 それから発生農場以外について言いますと、制限区域を、搬出制限区域、移動制限区域それぞれ設けておりますけれども、搬出制限区域については17日経過した時点で、移動制限区域については28日を経過した時点で特段の問題がなければ解除ということになります。おそらくここまで、制限解除が全部終われば、これで一つの終息というか、もちろんその後のフォローもありますけれども、そこで今回の当面の事態の終息と言えるのではないかと思っておりまして、一番スピードと人海戦術でやらないといけないところは完了したものの、今申し上げた、これからの点についてもきっちりやっていきたいと思っております。
 それから、封じ込めはしましたけれども、感染拡大の端緒が県内に発生していないかということで、先ほども9月9日から調査をやったということは申し上げておりますが、引き続き、全ての県内の養豚場、イノシシ飼育者に対して、少しでも異常を感知したら直ちに報告するようにということで、お願いをしたいと思っておりますし、また県の方からも、50カ所でありますので、能動的に、定期的に、農場に対して聞き取り調査も行っていきたいということで、今後についても万全を期したいと思っております。
 そういうことで、まだ終息ということは申し上げられませんけれども、一つ山を越したということでもあります。ただまだ為すべきこともありますので、充分目配りをしながら、引き締めながら対応していきたいというのが現状でございます。
 以上につきまして、農水省とも情報をシェアしているわけですが、今日の午後、先般おいでになった野中政務官とお電話しまして、ひとつはこの豚コレラ対策についての迅速な対応に感謝すると。それから、他の事業者に対して衛生管理を徹底するよう、県からの指導・助言をしっかりやってくれと。これはさっき申し上げた通りで、私どもはそのつもりでおります。ただ、専門家チームがおいでになりましたが、感染経路でありますとか、感染の時期でありますとか、そういったことが確定できないことなど、まだいくつか調べないといけないことがあるということで、農水省としては疫学調査の強化が必要だということで考えているので、先般と同様、専門チームでこの作業を進めるにあたって、県職員もそこに参加をして協力してもらうと。これは私どももそのつもりでおりますので。ということで、ご評価をいただきつつ、引き続きしっかりやっていこうと思っております。
 それから残された疫学調査等についても、農水省の専門家を中心に、私どもも参加する形でさらに進めていくということであります。そんなことでありますので、私どもとしては、いくつか事実関係その他、調べないといけないことも実はあるんですね。それで、当面の人海戦術を要するような大きな作業は山を越したところで、もう少し丁寧に法令上の問題とか、事実関係の推移でありますとか、少しさかのぼって丁寧に、ファクトを調べて、法令上の問題があれば、法令に即して対応しないといけませんし、今回の出来事について、いろいろな対応とか、通報・報告とか、さらに改善すべきところがありやなしやとかですね、いろいろなことを検討していきたいと思っておりますので、今、うちのスタッフも、次のステージということで、まずは確認すべき点、あるいはさらに詰めて検討しないといけない点、法令の問題も含めてやっておりますけれども、それと同時に、当該農場の方も含めて、作業の都度いろいろなことは聞いてきているわけですが、改めて体系的にきちっとしたヒアリングもさせていただいて、そういう意味では広い意味での調査といいますか、経緯その他ですね、もう一回きちんと整理をしたいと。
 そのうえで、当面、明らかにすべきこと、対応すべきこと、あるいは将来にわたって改善すべきこと、そういったことをまた整理をして、本部員会議を通じてやっていきたいと思います。
 その辺りのところを今、作業してもらっておりますので、今日は本部員会議の予定はありません。明日、どこかで、これまで完了したことについての経過と、今後の作業課題と、残っているテーマというか論点ですね、この辺をきちっと整理して、本部でシェアをして、そのうえでそれぞれの論点について一つ一つきちんとつぶしていきたいと思っております。豚コレラにつきましては、以上のようなことでありますので、引き続き、よろしくお願いしたいと思います。

 それから、「東京オリンピック・パラリンピックフラッグツアー」が、今全国を回っていますが、岐阜県には36番目ですか、終盤戦に入りまして、入ってこられるということですので、9月29日に歓迎イベントをやりながら、併せて、毎年やっていますが、「ぎふ清流レクリエーションフェスティバル」のオープニングということで、両方合わせたイベントを計画しておりまして、それについての資料をお届けしてございます。私どもは、2020年にはオリンピックの後、ねんりんピックを開催するということでありますので、レクリエーションフェスティバルもそこにつながるものとして、大いに県民の皆さんに参加していただこうということでございます。
 それから、もうひとつが「全国GIAHSの集いinぎふ」ということでございます。来月の10日・11日に、日本国内には、岐阜県の清流長良川の鮎も含めて11の世界農業遺産がございますので、この関係者が一堂に会して、それから今後認定を受けたいという関係者の方々も全国からおいでになって、情報交換とか連携とか、あるいは認定に当たってのノウハウといいますかね、そういったことについて意見交換をしようと。それを岐阜県として初めて呼びかけて開催するということでありまして、これに合わせて岐阜県の長良川システムといいますか、岐阜県のPRも積極的にやらしていただこうということで予定しております。
 内容はお手元にお配りした資料のとおりでありますが、特に国連の方では、認定地域間の連携を非常に重視しておられまして、岐阜県が音頭を取って、日本で初めてこういうことをやるということで、非常に評価をしていただいております。もともと広域連携会議みたいなものはあって、持ち回りでやっておりますし、県ベース、市町村ベース、それから東アジアベースといろいろバラバラでやっているんですが、一回、この全国の集いをこの機会にまとめてやろうではないかということで提案させていただいたということでございます。
 それから、その次が関ケ原ですけれども、ずっとこのところ春・秋、武将シリーズと称してイベントをやってきておりましたが、7武将といわれる中で5人まで終わっておりますので、残った黒田長政・福島正則、両者合わせて、東軍の2人でもありますし、先陣争いの寸劇、その他、併せて開催しようということであります。
 また、関ケ原の写真コンテストと写生コンテストをやっておりますけれども、その表彰式もやりたいと思っています。写真・写生コンテストは前にもご報告していると思いますけれども、県民の皆さん、あるいはそこを訪れる方々の目線で、関ケ原のどこに魅力を感じるかというのを知りたいと、またそれを参考に、関ケ原のキャンペーンをさらに進化させていきたいということで、コンテストに応募する方の目線をお借りしたいという趣旨のことでして、大いに新しい関ケ原の気づきといいますか、それを期待しているということでございます。
 それから花いけバトルをこのところ恒例となってやっておりますが、県内が盛り上がったおかげで、先般香川県で行われた高校生の大会で大垣養老高校の生徒が全国優勝されたというので、この生徒さんにも来ていただいてパフォーマンスをやっていただこうかと。
 それから、全国の有名なラーメン・うどん・やきそばの店を集めて、東西グルメ対決「麺の陣」というのをやろうと。それから昨年、非常に人気のあった映画「関ヶ原」を特別上映で、見逃した方にも見ていただこうとか、黒田長政の末裔の方もおいでになりますし、いろいろ、話題豊富でありますので、大いに参加をしていただきたいと思っております。
 それから最後ですが、「清流の国ぎふ芸術祭ArtAwardINTHECUBE」。2017年にやって、3年ごとにやっていくので、今度は2020年ということで、まずは審査員を決定いたしました。テーマが「記憶のゆくえ」ということで、限られた立方体の中で、アートの可能性を追求するということで、前回から審査員を一新して、いろいろな各分野の全国トップクラスの方々に、いろいろな目線で、この新しいアートを見ていただこうということで、今回新しい審査員の方々が決定いたしまして、それぞれ優れた方々においでいただけるということで、ありがたいと思っております。
 ちなみに前回は、15点の優秀作品が並んだわけですが、この優秀作品の中からヴェネチアのビエンナーレに参加される方も出てきたので、新人の発掘、世界へのステップということも第1回からかなえられたわけであります。今度は第2回ということで、募集が来年の1月から5月までで、そのうえで審査をして、再来年、オリンピックの年に発表ということでございます。以上がご報告すべき案件でございます。

司会

 記者の方は、ご質問があればお願いします。

記者

 豚コレラのことで聞かせてください。経緯などについてはこれからまた詳細を調べていくということでしたが、今日の一部報道で、先月24日の段階で、県は端緒となるような豚の異変を確認されて、血液検査などを行っていると報じられています。まずその事実確認をお願いします。

知事

 これも確認しないといけない事実の一つなのですが、誰がどういうふうに依頼を受けて、どういう検査をして、どういう判断をして、どう伝えたのかということも事実関係のひとつとしてつまびらかにしたいと思っておりますので、それは事実関係の整理をしたところでまとめてお話ししたいと思います。

記者

 現時点で、知事の中で、県が、初動に何かしら後手に回ってしまったのではないかという認識はありますでしょうか。

知事

 そこは事実関係を全部明らかにしないと何とも言えないんですけれども、つまり9月3日以前にどの程度のことが起こっていて、何が報告され、何が報告されなかったかと、それに対してどういう対応をしたかということについての全体の判断もあります。そのことが9月3日以降の所作にどういうふうに影響したのか、そういったこともきちっと整理する必要がありますし、ずっとたどっていくと、案件についての通報、報告、あるいはそれへの対応、この辺のシステムがどこまで整備されていたのか、あるいは整備されたもののどこまでがそれに沿って行われ、どの点が不備であったかとかですね、そういうことをきちっと、早急に整理したいと思います。

記者

 県内の51農家に対して聞き取り調査を継続していくというお言葉でしたが、仮にもう少し早い段階で感染が起きていたとすると、出荷であるとか、いろんな場所で感染が広がった可能性も捨てきれないと思うんですが、周辺農家に対しても血液検査とかより踏み込んだ調査を進めていくお考えはおありでしょうか。

知事

 その辺りは、農水省の調査チームとの意見交換のテーマにもなろうかと思いますけれども、どこまで詳細にやるかということですが、問題はその前に確認しないといけないことは、農場については封じ込めた、それから堆肥センターも抑え込んだということですが、その抑え込みの前にどこに何がどう漏れていたか。その漏れていた部分にそういうリスクがあるわけで、それでその漏れていた部分を確定しないといけないわけですね。例えば9月5日に9頭売却したと、関の屠畜場に持ち込んだと、これがそこから先どう動いたのかとかですね、堆肥センターで何が行われて、そこに出入りしている農家はどうなっているのかとか、そういうことも含めて、漏れ出る可能性をどこまでチェックするか。それで、この話は農水省の疫学調査ともかかわってくるんですね。だから、バラバラとやっていてもいけませんので、そういう論点を農水省ともすり合わせたうえで、できれば一緒に必要なことをきっちり手戻りのないようにやっていくということかと思いますね。だからご指摘の点は念頭に置いて検討したいと思っております。

記者

 今日は本部員会議はやられないんですか?

知事

 先ほど申し上げましたように、完了したことを踏まえて、今急ぐのは、むしろ論点といいますかね、次に何をしなければならないのかということです。特に法令上の問題もありますので、今日はこの作業を優先したいと。明日、どこかのタイミングでそういったことを整理したうえで本部員会議をやって、例えばある法令は環境生活部の所管であったり、ある法令は健康福祉部の所管であったり、それでその背後に厚生労働省、環境省がいたりということで、詰めていく必要がありますので、そういうことをきちっと各部局にも協力を依頼しようということで、明日やろうと思っています。

記者

 昨年1月に、鳥インフルエンザが発生しましたが、当時は初めてのことで大変だったと思いますが、その教訓によって今回の対応がかなり早い段階で処理が終わったということもあったと思いますが、その経験と照らして、今回の対応に、教訓が生きたのかということをお聞かせ願いたい。

知事

 こういう問題が発生すると、まずはとにかく封じ込めということに時間とマンパワーを要するわけで、しかも劣悪な環境の中で相当な無理をお願いしなきゃいけないということで、去年の場合には、豪雪の中を雪に足を取られないようにということで、大作業をやってもらったわけですし、延べ5000人の作業でした。今回の場合は、豪雨が予想されたり、猛暑ですから、調査にかかったところで、熱中症に直ちにかかった獣医師の方もおられますし、そういう健康管理の事も大事でした。
 ただ、予定された時間よりも前倒しして、作業を終えることができたことについては、前回の教訓というか、本部員会議もそうですけれども、スムーズにできたのではないかと思っております。それはそれとしても、まだ詰めないといけない課題がありますので、そこのところをきちんと見極めてどうであったかというところは整理したいと思います。

記者

 昨日、農水省の疫学チームの調査報告が東京で行われました。そこでの報告について、知事ご自身のところにそういう情報が挙がってきているのかということと、そこでの報告では農場で死亡した豚が、農場内での堆肥場で糞と混ぜて、共同の堆肥所に運搬されたという報告がなされたそうです。それも県として把握されているのか、それと併せて現在どこまで調査が進捗しているのかお伺いしたい。

知事

 昨日の朝、本部員会議をやった後、東京にいきましたけれども、ひっきりなしに神門副知事と電話連絡をとりながらやっておりましたので、こういう調査報告が出るということは副知事から報告を受けておりました。
 そこで、ご指摘のあった農場内の堆肥場に死亡した豚が運ばれたということは、私どもの職員もこの7人のメンバーに入っておりますので、確認はしておりますけれども、ここはここに書いてある通りということであります。どうもあとで聞いてみますと、ブリーフィングのところで、糞を出したんだと、堆肥ではないということを私どものほうから申し上げたと思うんですが、大変申し訳ないんですけれども、これは事実に反します。むしろ、この調査チームの報告に書かれたとおりでありまして、したがって、農場内の堆肥場にもあったと、センターにも持ち込まれたという前提で、さて、法令上どうなるかということをきちっと詰めなきゃいけないということで、バラバラバラバラとコメントを申し上げるとこういうことが起こりますので、必ずしも担当と専門家チームとで100%意思疎通ができていないもんですから、ある部分だけとりあげるとこういうことが起こるので、きちんと全部整理をしたうえで申し上げた方がいいであろうというのは、そういうことなんです。そういうことで、報告にあるとおりだと思います。
 それから、疫学調査チームはこの間おいでになって調べたところは全部報告されて、おそらく第2弾を考えておられるんではないかと思います。まだ、どういうルートでどうなったかということは、つまびらかになっていないわけですから、だからこそ私どものほうに引き続き県の職員を自由にさせてくれということを言ってこられたので、そこは、ご相談して第2弾をやっていこうということです。
 ちなみに、鳥インフルエンザのときは、感染経路の専門家の方々がおいでになりまして、子細にお調べになったんです。その時の報告は、調べれば調べるほど、岐阜県の当該箇所の鶏舎の管理は非常によくやっていると、すばらしいと、これだけきちっとした管理をしていて、どうして鳥インフルエンザが舞い込んだのかわからない。非常によくやっているという類の報告でありまして、私どもは評価していただけるのはありがたいのですけれども、知りたいのは、現に感染が起こったわけですから、逆に言うと前回の整理は、そうやって、その専門家からみてきちっとやっていても起こりうるということを念頭において、これで完全ということではないんだ、どこかに節穴がないかということを絶えず見ていかないと危ないよ、ということを教訓として議論をさせていただきました。前回はそういうことでありましたけれども、私どもとしてはどういう可能性があって、それについて、これまでの対策でどういう点が欠けておったか、そこを特定して、きちっとふさぎたいということでありますので、積極的に調査に関わっていこうということであります。

記者

 それに関して、農水省の報告と県の報告で若干違っていたので、そこも含めてどこの法令に違反しているのかということを県と国ですり合わせて、今後調整するということでしょうか。

知事

 法律の所管は国ですから、この条文をどう解釈するかと、こういう場合はこれにあてあまるかということ、究極的には所管官庁にダメ押しをするということは通例の事でありますので、法令上の問題を云々する以上は、事実関係をあきらかにするということと、法令解釈上これでいいのかどうかということを最終的にきちっとやらないと結論は出ないわけでありまして。
 今、私どもの事実確認も十二分ではありませんので、これは急ぎたいと思います。法令も、ざっとみたところで「おやっ」と思うところはあるわけです。あるからこそ、「おやっ」と思ったところで今調べているところであります。その上で、こういう事実があったと、こういうことはどうなんですかといって、キャッチボールをしながら詰めていくということになろうかと思うんですけれども、これは急ぎたいと思います。ただ、さっきのような、糞だけが運ばれたんだというご説明をしておったようでありますが、そうではなかったんだということで、この辺が現場の調査チームの専門家と本庁の担当官との間で意思疎通を欠いてはいかんので、ことは法令の問題でありますので、きちっとやりたいと思います。

記者

 ふるさと納税の見直しというものが、今日出ておりましたが、返礼品の調達額が3割を超えていたり、地元産品ではないものは税優遇の対象から外すというような方針が出されました。本県でも輸入品なんかを返礼品に入れている自治体もあるので、そういうところは地元で手作業とかで仕分け作業とかチェック作業をやっているので、その見直しは困るということをおっしゃっておられる方もおられるようですが、今回の見直しを知事としてはどのようにご覧になっていらっしゃいますか。

知事

 ふるさとの発展のためにですよ、こういう制度を設けて、各自治体とも財政的に厳しいわけですから、協力をしてもらうという趣旨は広く理解されているわけでありますけれども、それが返礼品の内容をめぐっていろんな評価やら、いろんなアクションが行われているとすると、総務省が心配しているのは、本来の制度の趣旨から返礼品目当てみたいなことになってはいかんのではないかということかと思います。
 こういう自分がお世話になった、あるいは、縁のあったところに何らかの格好で応援したいという気持ちが素直に伝わるような仕組みをということで、3割というのはひとつの目安だと思いますけれども、そのくらいにしておいてはどうでしょうかということを総務省がおっしゃっておられて、私自身もそういうことなら、そういうことで素直にそういう方向に沿っておやりになったらどうですかと、ある意味では一人ひとりの善意に依存する制度ですから、善意によって成り立っている制度であるという趣旨からすれば、行き過ぎを正すために整理しようというのであれば、それはそれでいいのではないかと思っております。
 具体的には、県内市町村が金額やら内容についてどういうふうに考えるかよくお考えになったらいいと思いますけれども、市長会とか町村会とか首長さんと接するときには、返礼品で善意を買うようなことは制度の本意ではないので、そこは、よく考えて対応したらいいんじゃないですかと申し上げているんですけれども、いくつかの県内市町が指摘をされているようですれども、それぞれが主体的に良くお考えになったらいいのではないかと思います。

記者

 西日本豪雨や、台風21号などで被害を受け、豚コレラも発生し、連続して岐阜県にこういうことが起こっていることに対して、行政として、県民に必要なことは、どのようなことだと考えていらっしゃいますか。

知事

 今年度の私どもの予算編成から始まって、政策体系というのは、人口減少と少子高齢化が急速に進んでいく、担い手不足が深刻になってくるという中での、人づくり、担い手づくりが第1の柱、第2の柱が、多くの人が交流できるような魅力ある地域づくり、魅力づくり、3番目に安全で安心に暮らせる地域だということを確保するための安全・安心づくりという3本柱を掲げてやってきております。
 こういう時代ですから、想定外のことが次々と起こるということが、常態化しつつあるわけで、7月の全国知事会でも「想定外の常態化」ということを前提に、自治体もきちっとした対応をしていこうではないかということで合意したわけでありますが、私自身も岐阜県で仮に起こらなくても他県で起こっていることも明日は我が身ではなくて、今日も我が身だということを最近あえて申し上げているんですけれども、今日も我が身と言っているうちに、本当に今日も我が身にいろいろと生じているわけでありますが、こういったことをひとつひとつ間違いなく全力で対応して行くことがその地域の強靱さとか魅力とか、住みやすさにつながっていきますので、むしろそういう想定外のことに対して、どう行政が対応できるかということが問われているということだと思いますので、職員の皆さんも一緒に身を引き締めて、一方で異常気象のなかで、職員自身の健康の問題もありますし、モチベーションとかそういうこともありますので、組織全体として、どういうふうにカバーするなり、対応して行くか、組み立てもまた考えないといけないと思いますけれども、いずれにしてもそういう思いでやっております。

記者  昨日のブリーフィングでは、センター等への対応として堆肥封じ込めを行って周辺調査を行わないという話でしたけれども、国の調査では死体も運び出されていたということで、何か追加の対策とか調査とかは行わないのでしょうか。
知事

 追加というか、やれるべき対策は何かということを対策本部できちんと確定しましょうと。その作業を今やっておりますので、それを明日対策本部でリスト化してお目にかけると。それで県全体としてしっかり取り組んでいくということでありますので、それを見ていただければと思います。

記者

 県としても県内産の豚をブランドとしてセールスしているわけですが、事実関係の究明を早急に急がれていると思うのですが、今後、風評被害に関して県としてどのように対応していくのか、お伺いしたい。

知事

 その点は、先般、政務官もおっしゃっておられたのですが、農水省も含めてこの豚コレラというものが、人にうつる様なものではないと、食べたことによって人体に影響するものではないということはしっかり言っていこうということで、私どもも対策してアピールしていきたいと思うのですが、それだけで十分であるかどうかと、対策の一つひとつ、どこまでやって確認しているのかと、そういうことをきちっと言うことも風評被害対策のひとつだと思います。トータルパッケージの中に風評被害対策も含めて考えていきたいと思っております。

記者

 近隣の住民の方への説明とか情報提供を、今晩あるいは明日予定されているのかということと、あと、これまで16時、22時と県がブリーフィングを実施していたが、今後の予定はあるのか、お伺いしたい。

知事

 住民の方々へのご説明は一度やっているわけですけども、これは発症した時点でのことでありますので、明日どこかのタイミングで本部員会議をやって、パッケージを明らかにしたところで、今ここまで進みました、これからこういうことをやりますよと、先ほどおっしゃった風評被害対策も含めてですけれども、それを住民の方々へご説明したいと思っております。
 それは本部員会議の後、適当な時間を捉えてというふうに考えておりますので、具体的な時間は決めておりませんけれども、明日になるか、明後日になるか、本部員会議の時間をまず決めて、対応を考えたいと思います。
 それから、定時のブリーフィングというのは、ここまで来たところで、とりあえずこの人海戦術の封じ込め作業がひと段落したわけでありますから、残された課題の一つひとつについて定時にどうこうするという性質のものでもありませんので、むしろ答えが出た所で随時、ブリーフィングがいいのか、私は先ず本部員会議で全部皆さんに見ていただいているわけですから、本部員会議で各部局と情報をシェアすると同じように皆さん方とも情報をシェアするということも大事なので、定時にというよりはむしろ課題ごとに整理が付いたところでやっていくことだと考えています。

記者

 先程、農水省の調査チームと県との間で、センターへの堆肥を持ち込んだなり、糞を持ち込んだなり、少し認識の少しずれがあったという話がありました。その前提で、当初、農水省の調査チームの報告では、3日に1頭が持ち込まれて検査を何度かやられたわけですけれども、その根拠は農場での豚の大量死という異常事態が収まらなかったので検査をもう一度やった、豚コレラの感染が無い、でも豚は死んでいく、だからもう一度検査をやったという調査結果の報告があるのですが、改めて県として豚が日々死んでいく状況というのは確認できていたのでしょうか。

知事

 3日以降の話ですね。そこは正確には聴取できていないです。3日に依頼があって検査に入ったということははっきりしているのですが、その検査していくプロセスで時々刻々の農場における変化がどういう頻度で、どういうふうに誰から誰に報告されていたのか、これも明らかにしたいと思っているところです。80頭と言われているが、80頭のプロセスはどうだったのか、どのように県に伝わってきたのか、仮に伝えられたとしたら、それに対して県はどう考えたのか、これも明らかにしたいと思っております。

記者

 岐阜県の方の説明では、8日の段階で80頭死んだことを初めて知ったということをご説明になっているのですけれども、刻々と変化する状況について、何がしか情報を受けられた可能性はあるのでしょうか。

知事

 わかりません。いま明らかなのは、8日の時点でということなのですが、その間にどうだったのか。ただ、私も素人的に考えると、豚が80頭倒れていくのはひとつの異常事態ですよね。その異常事態というものを農場のオーナーがどう認識されて、獣医さんとの接点も日頃からあるわけですから、獣医さんとどのような意思疎通を交わしたのか、交わさなかったのか、またその獣医さんと県との関係はどうだったのか。9月3日に通報があったのは獣医さんの判断で、これは放っておけない、とにかく検査だということで、ご判断されたんでしょうが、その辺りの経緯を明らかにしたいと思っております。

記者

 知事はわからないと言われましたが、県の方はあくまで80頭死んでいたというのは8日の時点で把握したとこれまで説明をされています。農水省の資料にはバタバタ死んでいくから、というような表記があります。その誤差に関しては今後訂正される可能性はあるということでしょうか。

知事

 私自身もこれまで報告を受けているのはおっしゃられるようなことなんですよ。ですが、例えば、糞を運んだというブリーフィングと、いやいや、豚も運んだよという専門家の調査と、そういうことが生じているわけですよね。だから、それを一つひとつきちんと潰していかないと。そういう意味で、まず農場の方々にもきちんと体系的な一貫したヒアリングをやっていきたいと思っているんですよ。個別にその都度、その都度、飛び込んでくる情報で右往左往してはいけないので、一つひとつやっていきます。
 それから、さっき申し上げたように、80頭がバタバタ倒れていく事態が目の前にあったとしたら、自分が農場主だったらどうするのだろうか、誰に相談するのだろうか、相談をしたのかしなかったのか、相談したらしたでその後どうなったのか、しなかったとしたら何故しなかったのか、その辺りから順をたどってつまびらかにしていきたいと思っております。
別に疑義があるとか予断を持って言っているわけではないですよ。きちんとしたストーリーを一つひとつ確認してこういうことでありましたと、だからこの点に問題があったと。そこから先は、今度は判断、評価の問題。ここに問題があったとか、ここはこうすべきであったとかが出てくると思います。

記者

 現段階では県の対応策は確実に追加されるということでしょうか。もし現段階で追加対策があれば教えてもらえますか。

知事

 ですから、バラバラとはやらないんですよ。とにかく封じ込めは終わりましたと、とりあえず急いでやるべき作業は終わりましたと。そこに全力でやってきましたと、ここまでよかったねと、農水省もやくやったとおっしゃっていただいていると。そこから先、まだ疫学調査などいろいろなことがあります。経緯の調査もあります。法令の問題もあります。そうすると、どこからどこまで、どういう課題があってどのようにやっていくのかと。部分的に分かっていることもありますし、あいまいな所もありますし、そこをとにかく早急に究明していくという段階に今、来ていて、それが整理できたら、何をどう究明するかということをトータルにきちんと皆で確認するための本部員会議を直ちにやる。今日この作業をやりますので、明日、本部員会議をやって、皆さんに意見も聞いてこれだけのスコープでこれだけのことを明らかにしようではないかということで、それぞれ取り掛かっていくということだと思います。
 その中にこういう調査も入る、これも調べる、これも明らかにするというのが入ってくると思います。

記者  確実に調査というか、追加になる取組みをやられるということですか。
知事  例えば、農場主の方に、全体のきちんとしたヒアリングをするのも調査ですし、今までその都度、作業しながら片手間で聞いているわけですから、それはそれで分かったことはあるのですけれども、私はとにかく1回きちんとやらないといけないと思っているわけです。それも調査と言えば調査ですよね。だから明らかにすべきことを明らかにしていくというのはおっしゃる意味では調査だと思いますよ。それを何とか調査、何とか調査というようにカテゴリーで分ける必要はないので、この点とこの点とこの点はとにかく明らかにしましょうと、これはヒアリングしましょうと、あるいは立ち入り検査しましょうとか、やり方はいろいろあると思うのですね。それから、まだ立ち入っていないところもあるでしょうから、それこそ堆肥センターの方に糞だけではなく、豚も持ち込まれたというわけですから、じゃあ堆肥センターに関わっているところはどうなっているのだろうかというところを追いかけなければいけない。というようなことで、全体のスコープを見極めて、それをきちんとやるという時期に来たのかなということを申し上げているのです。
記者

 先ほどの県と国の認識のずれに関して、一貫したストーリーをもう一度調査して洗いざらいしていくということですが、同じ県の担当課の人が、最初から農場主さんに聞き直して調査していくという解釈でよろしいでしょうか。

知事  誰がどの作業をどうやっていくかを含めて検討していきます。
記者

 疫学調査チームは国が主体ですが、こういったストーリー自体の調査も国が中心になっていくのか、それも検討していくということでしょうか。

知事

 県として調べるということを申し上げています。その過程で国とも相談したり協議したりすることもあると思いますけれども、県としてきちんと調査をしたいということを言っているわけですね。
 だから、あまり調査という言葉にこだわられると、今頃調査するという話に聞こえてしまうので、そういう意味ではないのです。いろんなことが分かっているのだけれども、ここまで来たらとにかく急いでやることはひとつ終わりました。ここまで来たら一つひとつの出来事について間違いなくこうだったと、だからこういう対策が必要なんだ、今後はこうなんだと、法律上はこれが適法であったか違法であったかということを、間違いのない判断をしていくうえで最終的な確認をするという意味なんですよ。今からおっとり刀で調査するというわけではないです。それはそれなりに作業する中でいろいろやっているわけです。だけどひとつの体系的なことをもう一回やっておかないと。ブリーフィングの席で、糞ですよ、間違いなく糞ですよ、豚は運んでないですよと、ある意味ひとつの齟齬があるわけですよ。ああいうことはあってはならないので、これも法令の解釈に直に関わることです。何が違法で何が違法でないのか関わってくるのですから、そこをあいまいのままで先へ、先へ、法令解釈へ行ってもまた手戻りが起こるので、手戻りが無いように、ある意味、ダメ押しですよ。間違いなくこれでいいかと、これを前提として判断していいのかということを最終的にやっておきたいということで、そこだけ誤解の無いように。改めて今頃から調査を始めるなんて何を言っているの?ということではないんですよ。

記者

 今回、事実関係を確認した後、対策本部員会議という形でもう一度結論をオープンにしていくのでしょうか。

知事

 本部員会議は随時やります。ある程度方向が出たところで随時やっていこうと思っています。収束ということが言えるのにあと28日あるわけですから、私どもとしてはとにかく遅くともそれまでの間にはあらゆることはすべて検討しつくしたというところまで持っていかないと、「制限地域が解除されたけれどもまだよく分かりません」では安全宣言とは言い難いですから、そこはその時間帯の中で最大限の努力をしていきたいと思います。ただ、前回の鳥インフルエンザのように結局何度も調査をしていただいたが十分解明されなかったこともありますので、そういうこともあり得るわけですね。ですが、とにかく28日までの間には最大限のことをやって、そこで収束に至るのが一番、理想的であると思っています。

記者

 収束の起点になるのは、9日の着手からということか、それとも一旦、山を越えてからなのでしょうか。

知事  ルール上は山を越えた段階からです。だから今日からです。今日からまたカウントが始まるのです。
記者  80頭が死んだのは異常事態とおっしゃいましたが、8日に把握するまでに豚を出荷したり、堆肥センターに豚の死がいが持ち込まれたことがあって、もしかしたらそこから感染が拡大していたかもしれないということで、県として、80頭が死んだことを早期に把握できなかったことが問題であったと認識しておられるのでしょうか。
知事  起こった事態がどういう事態で、農場主の方がどう判断されて、獣医さんとどういう相談をされて、獣医さんから県の方へどのように伝えられたかと、これが流れなんですよね。その流れが機能したのか機能しなかったのか、どういうことであったのかと。3日の段階で検査をすべきであるというお話が獣医さんからあったわけですよね。3日の段階でそういうのがある中で、その後80頭という話はどうだったのかということは正に調査に値する話だと思っているのです。それはつまびらかにする必要があると。そこからいろんな教訓とか課題などがあるかも知れない。それはやってみないと分からないということですね。そのためにもきちんとヒアリングなり何なりつまびらかにしていきたいということです。
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