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知事・各務原市長合同記者会見録(令和3年9月3日)

※知事、各務原市長及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和3年9月3日(金曜日)16時00分

司会
 それでは、ただいまから古田知事と各務原市の浅野市長による合同記者会見を始めます。初めに古田知事から発言があります。

知事
 県道の松原芋島線に架かっております川島大橋について、どのように地元にとって大切な道路かというのはまた各務原市長さんにもお話をしていただきますが、これは県道でありますので、本来でありますと、県が復旧作業をするということになるわけであります。しかし、大変複雑かつ困難な作業が予定されるということで、国の方で、正式に「権限代行」といいまして、県に代わって国が復旧作業をやっていただけるということになりました。今日付けで決定しましたので、お手元に国土交通省のプレスリリースもお渡ししてあります。私ども岐阜県としても、5月以来ずっと、ある意味ではこのところの様々な災害の中でもトッププライオリティの一つとして、国との関係で、早期復旧の目途を立てなくてはいけないということで、いろいろと議論してまいりました。そういうことで、昨年改正された道路法の新しい規定に則って権限代行で(災害復旧事業を)やっていただけるということで、ご報告させていただこうということであります。
 まず、お手元にA3の地図があります。場所はまさに各務原市の南側、愛知県と岐阜県の県境が川島地区でありますが、木曽川に架かっている川島大橋であります。岐阜県と愛知県をつなぐ幹線道路の一つでもありますし、また、地域にとりましても通勤、通学(などで利用する)、大変重要な道路であります。緊急輸送道路の指定もされているわけでありますし、車も一日1万台(通る)ということで、地域の生活、経済に大変大きな役割を果たしている道路でございます。
 次のページをご覧ください。右の方を見ていただきますと、今年の5月に、木曽川の水位が非常に上がり、流量も増えまして、平時は左側になりますが、こういったことの繰り返しの中で橋が傾いてきているわけです。
 3ページ目をご覧いただきますと、「P4」という橋脚が傾いているということでございます。赤になっていますが、真上から見ると33cm上流に向かって歪んでいるということです。この橋はひとつの繋がった鉄橋でありまして、こっちがゆがむと今度は青い方が下流に向かってグニャグニャとまた少しずつゆがんできているということでございます。横から見ますと、これに伴って、橋の面とか、それから橋の上弦材が損傷したりゆがんだりということでございます。さらに次の4ページをご覧いただきますと、ここにありますように、上部のゆがみは座屈とか変形と書いてありますが、一番下のこの図を見るとわかりますように、この「P4」という橋脚は、下に70cmの隙間があって、全体として23cm下に沈み、かつ左側の面が39cm上流に向かってはみ出ているということで、斜めにぐっと傾いてきているわけでありまして、それに伴い上弦材がゆがんできているということであります。
 最後のページをご覧いただきますと、5月現在ではこういう状態で、この水に浸かっている「P4」という橋脚とその周辺がゆがんでいるということでありますが、これは危ないということで、「瀬替え」といいますが、川の流れを変えるという応急工事をやったわけであります。右の方にありますように、途中で流れを締めきって、右側の方に流れをもっていき、橋脚のところは埋め立てて、そして橋脚の周辺を固定するということで、最後はコンクリートで固めるというところまでの応急工事はしたわけであります。さてここから先どうするかということでありまして、一つながりの橋でありますので、この3ページ(の写真)をまた見ていただきますと、橋の真ん中に橙色の車線が引かれています。これは比較的まだ真っすぐですが、現場に行きますともうグニャグニャになっております。つまり橋がとにかくうねっているような感じになっておりまして、このままではとても使えませんので、これを取り払って、新たな橋を造るということにせざるを得ない(と思われる)ということでございます。しかし、取り払うといっても全体が一つながりなものですから、どこをどうちょん切って、また、どこをどうちょん切ると、どこにどういう力が働くかというところを一つひとつ見極めながら取り外していかないといけないということです。おまけに作業のたびに「瀬替え」といいますか、川の流れを変えなくてはいけないということもあるだろうということで、残念ながら、県道ではありますが、岐阜県のこれまでのやってきた工事からみますと、むしろ国にやっていただいた方がよりスムーズにいくのではないかということで、この7月以来、国土交通大臣、副大臣、中部地方整備局長、さらには財務省主計局の幹部等に、私の方からも権限代行の決定をお願いしたわけであります。
 この県道について、県からの要請で、国が県に代わって(災害)復旧工事をするというルールは、実は昨年5月の道路法の改正によるものでありまして、熊本県の球磨川の水害で初めてこの条文が適用されたわけでありまして、今度岐阜県で使うとなると2回目の例になるわけであります。そういう道路法の改正がタイミングよく行われまして、これを活用しようということであります。
 これに加えて、国土交通省としては、まずは歩行者用の仮橋を先に通そうということで、現在、ほぼ4倍くらいの(距離となる)迂回路を通らないといけないというところを、歩行者、自転車通学者の便宜に供しようということであります。この約1ヵ月半、ずっとお願いをしておりましたし、今週の月曜日に国土交通大臣も現場に来られまして、これは簡単な工事ではないということでご理解をいただいて、非常にスムーズに決断していただいたということでありまして、国土交通省、財務省、地方整備局の関係者の方々に感謝を申し上げたいと思っております。
 したがって、これは大変難しい工事でございますので、どのくらいかかるか、今日の大臣のコメントでは5年から7年くらいというようなことをおっしゃっておられますが、これから具体的に、どういう工法でどうやるかということを詰めていく中で決まってくるかと思います。いずれにせよ、方針が決まったということで、ここから先は、少しでも早く復旧工事が完成するように、私どもも国と一緒に対応していきたいと思っているところでございます。私の方からは以上でございます。

各務原市長
 皆さんこんにちは。各務原市長の浅野でございます。
 まずは本日、国におきまして権限代行ということで決定していただいたことに心から感謝申し上げます。そして今、古田知事の方からご紹介があったところでありますが、この権限代行に至るまで、古田知事を筆頭に県の関係部局の幹部の方々、職員の皆さんが足しげく関係機関の方に回っていただき、要望していただいた成果が本日の権限代行につながったと私どもは認識しているところでございます。本当にありがとうございます。
 この川島大橋につきましては、実際に完成してから60年、この川島地区、旧川島町になりますが、利用されてまいりました。まさにこの橋を中心に町が形成されてきたといった歴史のある橋であります。数多の生活において、なくてはならない重要な橋ということでありまして、今回、この橋が5月下旬から通行止めとなり、川島地区の市民の皆さんの生活に大きな影響が出ております。これは、先ほど知事からおっしゃっていただきましたが、小学生、中学生の通学についてもそうでありますし、買い物に行かれる、銀行に行かれるといった点でも、非常に不都合が生じているというところでありました。特に小学生、中学生の通学路につきましては、通常でいきますと、この橋を渡れば約1kmくらいの距離であったのですが、残念ながら通行止めということで迂回することによって、4kmという膨大な距離となったことから、急遽、市でスクールバス等を準備いたしまして、現在もそちらで対応しているという状況であります。
 そして先ほど、知事から地図を見てのご紹介もありましたが、各務原市のこの川島地区には、他にもいくつかの橋があります。今回の「川島大橋」、その西側には「平成川島橋」、そして東側には「各務原大橋」とありますが、こちらにつきましても、既に慢性的な渋滞が(生じており)、そして「平成川島橋」の方に迂回される車につきましては、この川島地区の生活道路にも進入してきているということから、非常に通勤あるいは通学についても時間がかかっていたということであります。ですので、今回、まずは権限代行していただいたということ、そして何より、歩行者用の仮橋を設置していただけるというお話がありますので、川島地区の方々もこれで一つ胸をなでおろすような状況になったのではないかと思います。
 今回、古田知事をはじめ、各務原市の意見、意向というものをふんだんに汲んでいただき、権限代行が決まったということであります。市といたしましても、何かお手伝いできるところについてはしっかりとサポートしながら、これは早期完成が必要になってまいりますが、川島地区の皆さんあるいはこの橋を使われる皆さんが、これから安心して利用できることを願いながら、市としてできることはしっかりと県と連携しながらやっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

記者
 川島大橋について、先ほどの知事の言葉でもありましたが、結局、この橋は取り壊されるのでしょうか。

知事
 これまで、国土交通省と一緒に技術的に詰めてきた観点からすれば、今あるものを活かすということは到底できませんので、(異なる方法での復旧もあり得るが)すっぽり入れ替えるということになろうかと思います。

記者
 すっぽり入れ替える方向で調整しているということでしょうか。

知事
 そうです。

記者
 歩行者用の仮橋というのは、いつにできるのでしょうか。

知事
 先ほどありましたように、(復旧までに)5年から7年かかるということで、今回一連の対策をやっていく中で、その間ずっと4kmの道を通っていただくのは、いくらなんでもどうかということで、工夫していただきました。まだ具体的にどの場所にどのように架けてという話はこれからですが、これはこれで、できる限り早急にという考えでおります。

記者
 権限代行が決まると、お金はどこがどれだけ出すのでしょうか。

知事
 国が3分の2、県が3分の1ということになります。県の3分の1については全てが起債対象になりまして、そのうち95%が交付税で措置されるということになります。(県が災害復旧事業として実施する場合も同じです。)

記者
 市長にお伺いします。川島小学校、川島中学校があると思いますが、そのためにスクールバスが出ていると思います。それはいつまで続けるご意向でしょうか。

各務原市長
 この仮橋が完成するまではスクールバスで対応するというように考えております。

記者
 市が全額負担をして用意しているのでしょうか。

各務原市長
 市の方で負担するのですが、国の方からも一部助成が出ておりますので、それを合わせて市から委託をして、スクールバスあるいはタクシーということで運行していただいております。

記者
 (スクールバスの運行は)登下校の時間でよろしいでしょうか。

各務原市長
 はい。登下校ですが、小学生、中学生となりますので、帰る時間に少しずれがあります。そういったことから何回かピストンするような形で行っていただいております。

記者
 知事にお伺いします。川島大橋以外で国の権限代行を考えていらっしゃるような橋は、県内にございますか。

知事
 県内は、濃飛横断自動車道について、郡上のところで一部山道の険しいところがありまして、権限代行でお願いできないかということで、まだ今、議論している最中です。

記者
 取り壊しと仮歩道の整備と本来の橋の整備で、どれくらいの費用がかかる見込みでしょうか。

知事
 これはまだ、どういう工事をしてどうやるのかということも決まっておりませんし、仮橋に至っては、どの程度の機能をもった仮橋にしていくかということが決まっておりませんので、何とも言えないです。仮橋は少し置いておいて、こっちの本来の橋について、これまで議論した時に、どうみても100億はかかるというような声もありました。しかし、これは積み上げた数字ではありませんので、数字が一人歩きしてはいけませんが、そういう声が出るほどに厄介で、難しい工事だとご理解いただきたいと思います。

記者
 菅総理が今日、総裁選の不出馬を表明されましたが、その受け止めについてお願いします。

知事
 コメントでも申し上げたとおりでありますが、この一年間を振り返ってみますと、国にとっても、地方にとってもコロナとの闘いの一年でありました。そういう中で、国と地方がタッグを組んで、未知の分野も含めていろいろと政策を考え、組み立てていって、そのために必要な予算とかルール作りとかいろんな面で総理に陣頭指揮していただき、頑張っていただいて、まさに心血を注いでいただいたということで、我々としてはありがたく思っているところであります。
 非常に印象に残っておりますのは、1月の「第3波」での「緊急事態宣言」の時でしたか、リモートで総理と直接意見交換をする機会がありました。岐阜県の営業時間短縮要請については、95%から99%といったオーダーで対応しているとの話をしましたら、当時、大都会ではおそらく2割とか3割とかそんな数字がいわれておりましたので、「岐阜県ではそこまで時短が進んでいるのですか」ということで、非常に驚きと同時に「頑張っていますね」といった感じの話をしておられたのが、何となく印象として浮かんできます。
 それから、今回のご発言で「最後の最後までコロナに専念したい」ということをおっしゃっておられましたが、これから例えば、9月13日以降どうするのかとか、菅総理が総理でおられる間はまだ、1日1日コロナとの闘いが続くわけですし、全くの政治・行政の空白は許されないわけであります。そういう中で文字通りコロナと闘い抜いていただいて、私どもも9月13日以降も含めて頑張っていきたいという思いでおりますので、そういった意味で総理には最後の最後までよろしくお願いしたいという思いでおります。

記者
 橋の撤去の工事からまず始まると思うのですが、そのスタートの時期はいつ頃になるのでしょうか。

知事
 先ほども申し上げましたが、この工事の難しいところは、一つの橋でどこからどう切って、取り外していくかという見通しもありますし、ざっと340mある木曽川という非常に大きな川に架かる橋でありますので、時期によっては水位が違います。ですから川の水をどうするか、どういう状態のときにどこをどう工事していくのか、「瀬替え」という工事を既にやりましたが、あれだけでも結構な作業になるわけであります。そういう意味で水の状況を見ながら、それから橋の構造、状況を見ながら作業手順を考えていくことになりますので、難しい作業になると思います。国の議論に私どもも参加させていただいて、できるだけ速やかに復旧工事を完成させたいと思っておりますので、最もスムーズにいく方法を考えて出していくということになろうかと思います。現時点では、こうやってこうやってというようなわかりやすい道筋は、むしろこれからしっかり詰めていこうという状況です。

記者
 菅総理大臣の件ですが、これまでワクチンの供給ですとか、政府の動きに対して、県側からの要望がいろいろあったかと思います。次の総理ということになるかもしれませんが、改めて、国・政府に対してこれからどのようにしてもらいたいか、知事から思われていることがあればお願いします。

知事
 国と県、市町村など行政だけではなくて、医療関係者その他、まさに国難ということで「オールジャパン」、「オール岐阜」で取り組むべき難題でありますので、まさに「オールジャパン」として物事がスムーズにいくように、しっかりした連携が取れるように、そういったなかで一つひとつ答えを出していくというか、そういうことを引き続き進めていきたいと思っております。ワクチンについても、もう少しということも、つとに申し上げておりますし、「第4波」のときに「緊急事態宣言」なり、「まん延防止等重点措置」の適用について要望をお出ししたのですが、最終的に国の決定に至るまでにかなりの時間がかかったということもありました。一方、そういったことの過去の経緯をみながら「第5波」は直ちに指定をしていただいたということで、それぞれのお考え、お立場の中でよく連携をとりながらスムーズに進めていくということは、どのような政権であっても基本だろうと思っております。

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