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知事記者会見録(令和3年5月28日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和3年5月28日(金曜日)17時15分

司会
 それでは、ただいまから知事記者会見を始めさせていただきます。知事、お願いいたします。

知事
 先ほど、本県の新型コロナウイルス感染症対策本部本部員会議で、「まん延防止等重点措置」の継続・強化ということで決定したところでございます。お手元に資料(「まん延防止等重点措置」の継続・強化)をお配りしておりますが、国の方で、この「まん延防止等重点措置」について、6月20日まで延長の方向で今、手続きが進んでおります。まもなく最終決定になろうかと思いますが、それに対応した本県としての決定ということでございます。
 特徴的なのは、単なる延長ではなく、継続・強化と銘打って対策をまとめさせていただきました。その背景としては、現状、このところの(新規感染者数の)推移について、若干改善の方向には向かっておりますが、まだまだ高い水準で、危機感を持って対応していかなければいけないという思いがございます。
 今日の新規感染者数が60人ということで、人口10万人当たりの(新規感染者数の)1週間の平均25人以上が「ステージ4」でありますが、久しぶりに24.01人ということで25人を下回りました。
 この先、一挙に「ステージ3」を突き抜けて「ステージ2」までいければと思っておりますが、「ステージ3」と「ステージ2」の境目が15人ということでございますので、少しまだ幅がございます。
 それから医療提供体制につきましては、病床使用率が61.7%ということで、やはり岐阜圏域が82.6%、中濃圏域が67.8%ということで、比較的高い水準となっております。今日は本部員会議でも議論がありましたように、重症者用の病床数が非常に厳しくなってきているということで、圏域を越えて「オール岐阜」でやりくりをするということが続いておりますので、医療関係者としては、非常にこの部分について危機感を持っているということであります。
 それから、先ほどの本部員会議で高山市長が、明日、飛騨3市1村で、市民・村民にアピールすると言っておられました。比較的、「第1波」から「第3波」まで、飛騨地域は穏やかにきていたわけでありますが、ここへきて急速に増えてきておりますので、それに伴って急速に医療体制について、いろんな意味で難しい問題が出てきているということで、その危機感の表れかと思います。そういった地域的に厳しい状況にあるところもあるということで、私どもとしては、それぞれの問題点、状況を見ながら、きめ細かく支援していきたいと思っているところでございます。
 それから、亡くなられた方が2人、70代男性、60代男性ということでございます。
 今回の継続・強化の決定でありますが、2ページ目をご覧いただきますと、「強化する対策」としては、岐阜市との連携による岐阜市の「緊急事態宣言」を、県と市で共に対処していくというアプローチ、それから美濃加茂市と可児市と一緒に外国人県民の感染拡大防止対策に取り組んでいくということでございます。そういった地域の感染要因に応じた県・市連携対策を引き続きしっかりやっていきたいと思っております。
 それから、インド株など新たな変異ウイルスへの対応ということで、独自解析ができるように、「次世代シークエンサー」という分析機器を導入することにしています。6月中には導入されます。
 それから、福祉施設のクラスターがここのところ、非常に多くなってきておりますので、予防的検査をさらに積極的にやっていきたい、徹底していきたいと思っております。
 また病床・宿泊療養施設につきましては、現在、1,824床を確保しているわけでありますが、さらにこれを追加して、何とか2,000床までもっていきたいと思っております。
 東京オリ・パラの海外代表チームの事前合宿の受入れということで、岐阜県は、岐阜市、各務原市、中津川市、恵那市が各国との合意で、受入れ用意ありということでやってきております。考え方として、それぞれの市町村単位でお迎えして、バブルと言いますか、一つの隔離された体系を作るということになっております。これの大まかなガイドラインは国の方から出てきておりますが、各地域でどうやっていけるのか、いろんな観点から一回きっちり詰めていく必要があるということで、その作業もスタートしたいと思っております。
 あと、営業時間短縮、イベント、外出移動の自粛等は、延長というか継続でございます。
 ワクチン接種体制については3ページ目に載せておりますが、7月末までの(接種完了を目途とした)高齢者に対するワクチン接種については、このところ比較的順調にいっておりますが、何とか7月末までには接種を完了するという見通しでございます。その間、県としても丁寧に、市町村ごとに対応していくわけでありますが、きめ細かく支援していきたいと思っております。
 その一つとして、お手元の資料の4ページにありますが、余剰ワクチンの活用方法について、いろいろとお尋ねもあるものですから、基本的には市町村のお考えでということではありますが、真ん中の2のところにありますように、いろんな切り口で一つのルール化をしてやられたらいかがでしょうかということ、そのルールを決めたら、それは公表した方がいいですよということを、この通知の中で申し上げております。具体例が真ん中に書いてありますが、ご覧いただいたとおりであります。
 それから、大規模接種会場の設置を早急に進めたいと思っております。まずは、岐阜圏域で岐阜産業会館で6月12日土曜日からスタートできる見通しになりました。予約は6月上旬から開始したいと思っておりますが、最大で1週間に4,000人規模ということでございます。西濃圏域につきましてはソフトピアジャパンを念頭に調整中でございます。
 その他の圏域についても検討しているところでありますが、これは今、行われております高齢者接種を加速するという観点、あるいは、非常に人口の多い都市部の市町村の高齢者接種に対するバックアップという観点、それから、状況が許せばさらに前倒しということも考えられるわけでありますが、8月1日を目途に始まる一般接種を円滑に実施していくうえでの前倒し接種といった観点から、この大規模接種会場を設置し、活用していただこうと考えております。
 それから、高齢者接種を終えた後のいわゆる一般接種でありますが、どういう優先順位でやっていくのかということについても早急にコンセンサスを図っていきたいと思っております。ここに「論点」と書いてありますが、国が言っておられる「基礎疾患を有する者」、あるいは「高齢者施設等の従事者」、「60歳から64歳の者」といったところは確実に実施をして、それから教員、保育士など公衆衛生の観点から、職種の類型として優先順位を設定するということがあります。あるいは年齢に応じて段階的に、60歳から64歳というのはありますが、その後、ずっと降りていくのか、逆に先に若い方からいくのか、都市部からいくのかどうやるのか、ここら辺の段階的な予約受付の在り方もあるでしょうし、やはり一般接種の場合には職域接種といいますか、職場での接種をスムーズにやることが一番効率的ではないかと思われます。そうでなければ土日だけになってしまいますので、そういったことについて経済団体と調整し、企業の診療所といったものを最大限活用していきたいということであります。
 それから、外国人接種対策も一つのまとまったテーマとしてきちんと考えておく必要があるだろうということでございます。
 それから、このワクチン接種は市町村単位で管理をしていくということになっているわけでありますが、そこに県の大規模接種会場が補完的な役割を果たしていくわけでありますので、そこら辺の役割分担の関係等について早急に考え方を整理していきたいと思っております。
 以上のようなことで、今回の国の「まん延防止等重点措置」適用の延長ということに伴って、私どもとしても、6月20日に向けて継続すべき措置、強化すべき措置を決定したということでございますので、よろしくお願いいたします。

記者
 延長という判断なのですが、岐阜県の状況を考えて、知事としてはどのように受けとめられておられますか。

知事
 少し前に「緊急事態宣言」を提案したわけでありますが、岐阜県のいろんな対応とかデータを見る限り、もう少し「まん延防止等重点措置」ということで頑張ってはどうかというのが国の判断であったわけであります。その後の推移をみてみますと、若干ではありますが良い方向に数字が動いておりますので、改めて「緊急事態宣言」というわけにはいかないだろうと、かといって緩めるわけにはいかないだろうということで、「まん延防止等重点措置」の延長というのは私どもにとっては、順当な判断であったのではないかと思います。ただ一つの節目にきておりますから、私どもとしては、単に延長継続ではなく、今申し上げましたような、いろんな角度から見直しをして強化策も織り込ませていただいたということです。

記者
 新規感染者数がピークよりは減っているという中で、強化ということを打ち出していくということは、この先、県民の行動によっては更に悪化するということがあり得るというご認識でしょうか。

知事
 やっと(直近1週間の10万人当たりの新規感染者数が)「ステージ4」から「ステージ3」に移ったばかりでありますし、「ステージ4」というのは、爆発的感染という段階ですから、それをやっと抜け出しただけであります。何としてでも「ステージ2」以下にもっていく必要がありますので、まだまだ安定した状態ではありません。何よりも重症者が増えているというのが「第4波」の変異ウイルスの特徴でありますので、そういった懸念がある以上、新規感染者を徹底的に減らしていく努力をしていかなければならないと思っております。

記者
 県によっては、「まん延防止等重点措置」が13日で終わるというところもあるようですが、岐阜県が仮にものすごく順調にいったとして、延長(後の期限)が早まるということはあり得るのでしょうか。

知事
 それは分かりません。13日が良いのか20日が良いのかというのは国の判断でしょうが、私どもとしてはまだまだ高い水準にあるということで、危機感を持って対応するという意味では20日というのは十分理解できる判断だったと思います。

記者
 大規模ワクチン接種会場について、基本的にワクチン接種は市町村が主体となってやっていると思うのですが、どういう方がどちらの会場で打つことになるのでしょうか。迷う方もおられると思うのですが、いかがでしょうか。

知事
 選択肢が増えるということだと思います。しかも大規模接種会場だと国の方は追加的にモデルナワクチンを出してくれるわけです。ですから接種できるワクチンのパイが増えるということです。接種を受ける人からすれば、まず選択肢が増えるということであって、増えた選択肢のなかでどう大規模接種会場を利用するかということです。岐阜県でやる場合には、岐阜市とか各務原市とか比較的近隣で、かつ人口の多いところで、これから順調に打っていくとしても少しでも加速させたいというときに、あるいは住んでおられる地域との関係で選択していただいても良いのではないかと思います。
 同じ日に異なる市町の方々が一斉に予約をいれますと、接種の管理は市町村ごとにやっていますから、在住地域で分けていかなければならないので、混乱するといけません。ですから例えば、今日は岐阜市の日とか、今日は各務原市の日などと設定して市町村が、誰がどこで、どんなワクチンを打ったのかをきちっと把握できる体制をつくりながら接種を加速していくために大規模接種会場を使っていくということになると思います。

記者
 例えば、岐阜圏域の場合だと県の方が岐阜圏域の対象となる方に直接案内を送るというやり方になるのでしょうか。

知事
 岐阜圏域のみならず、7月末までに目途をたてているけれども心配なことがあるとか、もっと早くやりたいとか、選択肢があるならもっとやっていきたいという、接種することに関心のある市町村に意向を聞いて、手が挙がったところをできるだけ尊重していきたいと思っております。全体として高齢者の後にまだ110万人の一般接種が控えているわけですから、どこの市町も早く打てるものなら打ちたいでしょうし、市民の方々の感情からしてもここまで来たら一刻も早く打ちたいという流れにはあると思いますので、それに対する一つの選択肢としては有効ではないかと思います。

記者
 大規模接種会場について、まずここには岐阜産業会館の記載がありますが、最終的には県内に何カ所設ける予定でしょうか。

知事
 これは場所と体制、ニーズということもありますので、機械的に決めているわけではないですが、岐阜県は5圏域で成り立っておりますので各圏域にあればということです。1つの圏域に2つあっても良いですし、あるいは2つの圏域で一つの大規模接種会場を分かち合ってもよいわけですし、要は、可能な場所とそこにどれだけの医師、看護師を充てられるか、接種が可能か、その地域にどういうニーズがあるのかというあたりを見ながら順番にやっていくということです。

記者
 岐阜産業会館以外には、どこにどれくらい設ける予定でしょうか。

知事
 西濃地域はソフトピアジャパンを考えております。具体的に、ソフトピアジャパンの中のこの場所でこの規模でというのは、今、詰めております。近いうちに発表できると思います。

記者
 岐阜産業会館は週4,000人という書き方ですが、1日あたり何人打てるとかあるのでしょうか。

知事
 機械的にやるわけではないですので、土曜、日曜にどのようにやるのかにかかってきます。

記者
 基本は土日ということですか。

知事
 土日、それからウィークデーだと診療後です。

記者
 各お医者さんの(診療後)ということでしょうか。

知事
 そうです。

記者
 だから週、概ね4,000人ずつという考え方なのですね。

知事
 そうです。

記者
 大規模接種会場を設定すると国がワクチンの供給を追加してくれるという話がありましたが、具体的にこれくらいというのはありますか。

知事
 国が、都道府県が広域的な大規模接種会場を設けた場合は、モデルナのワクチンを提供するというようにおっしゃっておられますから、いただけるものと思っております。

記者
 何個くらいとかはまだ聞いてはいないのでしょうか。1カ所設けたらこれくらいモデルナのワクチンを出しますよとか具体的な話は伺ってはいないのでしょうか。

知事
 それはこれからです。ただ、ずっと眺めてみますとこの一カ所に行き渡らないとか足りないとか、そんな話はないと思います。モデルナはどんどん出てくると思います。

記者
 国が、大規模接種会場を設けた県には(ワクチンを)渡すというのがあったので、こういう施策を考えたのでしょうか。

知事
 追加的に、ファイザーとは別の選択肢ができるということです。そのことによって、既存の市町村単位でやっているものについて加速したり、あるいはバックアップしたり、そもそも一般接種を早めたり、そういう効果が期待できるのではないかということです。

記者
 ある種、節目というか、「まん延防止等重点措置」の延長という判断の中で、延長というと緩みにつながる可能性もあるのではないかと思います。改めて、県民の皆さんに行動変容を促すうえで、伝えたいことをお聞かせください。

知事
 延長というのは、まさに継続というか緩んではいけないということだと思いますが、あえて継続・強化というようにテーマを設定して決定させていただいたということであります。要は、新規感染者数の今の水準は、岐阜県にとっては非常に高い水準であるということで、これが続けば医療体制がどこかで崩壊することは間違いないという水準であります。既に重症化している(患者用の)ベッド(数)については、限界を超えたという地域も現れているわけでありますので、この新型コロナウイルス、特に変異ウイルスが感染力が強く、そして後遺症もあり、あるいは命の危険にもつながるということでありますので、なんとしても抑え込んでいく必要があるということでございます。岐阜県でいえば、特定の分野の特定のクラスターがあって、こことここを抑え込めばなんとかおさまるという時期は既に終わっておりまして、ほぼあらゆるところにまん延しているということでございます。特に家庭とか職場とか学校とか日常生活の中に入ってきているわけですから、日常生活の1コマ1コマに、市民、県民の皆さんが、自らが自らの命を守る、それから家族の命を守る、それから親しい人の命を守るという、まさに命の危機という観点から、一人一人の行動、個人もそうですし、企業の皆さんもそうですし、それぞれが自らを律していくということでこの危機を乗り越えていくということをお願いしたいと思っているわけです。

記者
 延長ということで、ここまでの対策を振り返って、効果とか抑え込みの難しさとか課題があれば教えてください。

知事
 4月23日に「非常事態宣言」を出しまして、独自の対策をいち早く打ったわけでありますが、ゴールデンウィークを通じて中々数字が減らないどころか、急速に増えていったわけであります。また、「まん延防止等重点措置」の適用があったのが5月9日でしたが、これもこれまでの「第1波」、「第2波」、「第3波」なら、そろそろという感じもありましたが、なかなか思うように減らないということでございます。やはり感染力の強さとかスピードとか、それから、もうまん延状態になっているということとか、いろんなことが重なってなかなか思うようには減ってはいかないということで、丹念にいろんな政策を一つ一つきちっと積み重ねて持続的に頑張っていくしかないという思いであります。

記者
 まだ抑え込んでいる段階で、緩めるわけにはいかないということもおっしゃっているわけですが、一方で要請とかが長期化しているということもあると思います。いきなり解除ということはないと思いますが、どうなったら緩和していくのか、その辺りはどのように考えておられますか。

知事
 さしあたりの目標は、新規感染者数でいえば「ステージ2」にしっかりと根を下ろすというか、その水準までは確実にもっていくということです。病床についても、まずは今の「ステージ4」から「ステージ3」にもっていく、それでベクトルは間違いなく下の方を向いているというところを確認しないと、その先のことはなかなか言えないと思います。

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