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知事・岐阜市長合同ぶら下がり取材(令和2年12月31日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和2年12月31日(木曜日)15時45分

司会
 では、ただ今よりぶら下がり取材を始めたいと思います。最初に知事のほうから何かございますか。

知事
 31日という、年の瀬も本当にぎりぎり詰まった中で、緊急で各市町村長さんと意見交換をさせていただきましたけれども、皆さん方にもいろいろとご事情ある中、お願いいたしました。
 なんと言っても今日、ここにありますように、1日あたり(の新規感染者数が)過去最多の83人ということでございますので、これを深刻に受け止めて、今日から1月6日までの1週間について、さらに対策を徹底したいということで、今日お集まりいただいて、一応コンセンサスを得られたのではないかなと思っておるところでございます。
 お手元の資料にありますが、量的にまず感染者の数が非常に増えてきておるということと、それから、内容的にも、クラスターも様々な種類、飲食店・居酒屋関連、親族の集まり関連、医療機関・福祉施設関連、高校・大学関連と、様々な分野でそれなりにクラスターが次々と発生しておると。それから地域的にも、飛騨は比較的まだ少のうございますが、美濃のほうは、地域的に着実に広がってきておるということでございます。
 それから量的に増えている結果、入院されている方が、病床で言うと約5割、宿泊療養施設、ホテル等で行きますと、約2割が埋まってきておるということでございます。それからお亡くなりになられた方も、今月に入って累積の6割ということでありますし、重症患者の数もだいたい累積の半分くらいということで、今月に入って半分ないしそれ以上というオーダーで物事が進んでいると。
 先般、クリスマス時点で、仮に1日50人程度で続けば、ということで申し上げましたが、1月15日に病床が不足するのではないかと。これが、45、45、45と3日間続いて、その後74ですか。その後いったん67まで下がりましたが、また再び今度は83ということで、最大値を記録したわけであります。仮に70人程度ということで試算をしてみますと、1月10日にも病床が不足すると。こういうことで、医療受入れ体制について、深刻な事態が迫ってきておるのではないかと。そういう危機感を持っております。
 次の2ページ目をご覧いただきますと、医療の受入れについては、さらに工夫を重ねて、我々が持っている懐をきちんと使っていこうということで、各病院にあらかじめ確保してあります病床を最大限しっかりと使っていくということで、圏域によってもう埋まっているところもあるわけでありますから、今日、この会議の前に(岐阜県新型コロナウイルス感染症対策)調整本部ということで、医療関係者だけの集まりを、専門家の集まりをやらせていただきましたが、そこで村上座長のほうから、こういった圏域を超えた受入れについては、調整本部なり、あるいは保健所なりが割り振らせていただいたことについては、断っていただいては困るということで、受け入れていただきたいということで、念押しをされたと承知しておりますが、圏域を越えた受入れを工夫しながらやっていくということにせざるを得ないわけであります。
 それから、ホテル等の宿泊療養施設でありますが、やはり看護師を増やしていく必要に迫られてきておるということで、各病院から看護師の派遣をさらに、追加派遣をお願いするということであります。
 それから、病院に確保している病床と、ホテルの療養施設の受入れと、どうバランスを取っていくかということなのでありますが、じわじわと宿泊療養施設のほうにシフトしていく、そういう弾力的な対応を取らざるを得ません。仮に直接ホテル等に入所していただいたとしても、状況が悪化した場合には病院に転送するということになりますので、その辺の在り方、基準をしっかり決めておこうというのは、また専門家の方々の合意事項であります。
 要はここまで来ますと、もちろん受入れについて工夫はしていくわけでありますし、それから、宿泊療養施設についてはさらに拡大する努力はしたいと思っておりますけれども、ただ問題は看護師、医師の体制も整えなければいけないわけですから、自ずと限度がありますので、この1週間は特に新規陽性者をこれ以上増やさないということで、全力を挙げてやっていきたいということでございます。
 そこで3ページ目で「県民の皆様へ」ということで書かせていただいておりますが、この1週間、1月6日まで在宅年末年始ということで、在宅で年末年始を静かに迎えていただきたいということでございます。従いまして、外出自粛については、これまで県境を超えてということを強く申し上げておりましたが、そもそも外出自粛ということを、県内であっても基本にお願いしたいということでございます。
 それから、飲食・会食でありますが、酒類(提供)の飲食店に時短をお願いしているわけでありまして、時短を行っているお店は、オール岐阜で見ますと、95%まで実行していただいておりますけれども、時短はもちろんとして、正月6日まで、できる限り休業をお願いしたいという、休業要請もこの中に含めております。
 それから、自宅であっても親戚が集まって感染するというケースが出てきておりますので、自宅であっても、同居家族以外の大人数で、通常の食事をする関係以外の方をお招きしての大人数での飲食を自粛していただきたいと。
 それから、学校単位のクラスター、ここのところ続出しておりますので、クラブ活動、寮生活における集団での会食は自粛していただきたいということでございます。
 それから、体調不良の場合には絶対に外出ストップと。直ちに相談をしてくださいということを書いてあります。
 ちなみに、最近の陽性者が出た事例を申し上げますと、私が今貰っている資料を見ますと、3世帯の親族が集まって誕生日、クリスマス会。町内会で会食。カラオケ居酒屋で飲食。それからクリスマス会兼送別会。誕生会。それからパーティ。忘年会等々ですね。これは飲食関係ですね。
 夜の街ですと圧倒的にフィリピンパブですね。フィリピンパブで誕生会とか、フィリピンパブを利用時にマスク無しで楽しまれたとか、夜の街の従業員の送迎を担当した方が感染したとかですね。あと外国人の関係でやはり、集団で飲食を行われるケースとか、やはりフィリピンパブにお勤めの方を起点とした感染の拡大とか。そんなことが個別具体例としては上がってきております。これはどんな具合かと言うことでご参考までに申し上げた次第であります。
 ということでありまして、あえてこの大晦日でありますが、1月6日までの感染拡大の徹底阻止ということでお願いしたいということであります。私のほうからは以上であります。一方、岐阜市長さんのほうでも対応をいろいろ考えておられますので、どうぞ。

岐阜市長
 岐阜市長です。岐阜市は、昨日(の新規感染者数が)24名ということで、今日もこの後公表されると思いますけれども、40名程度ということで、非常に、過去にない感染拡大になっております。
 先ほども知事もおっしゃいましたように、病床という意味でも、先ほどのテレビ会議でも村上先生がおっしゃっていただきましたが、例えば中濃圏域が満床になって、岐阜医療圏、まさに岐阜市内の病床に入って来られる。さらには、岐阜圏域の岐阜市を除く市町での陽性の拡大ということで、こちらも岐阜市内の医療機関に入院されるということで、続々と各医療機関が、満床、満床ということで、私ども岐阜市の市民が陽性になった場合に医療機関を確保することに、だんだん苦労し始めているということであります。
 このことについては、県内の42市町村すべての首長の皆さんに危機感を持っていただいて、それぞれが自分のところの医療圏にベッドがあるからいいということではなくて、他が満床になれば、当然助け合わなきゃいけないと。それは結果的に各地域で陽性患者が増え続ければ、オール岐阜県で苦しくなるわけですので、そういったことをやっぱり首長の皆さんがしっかりと危機感を持ちながら、各地域で感染防止対策を徹底していただくということが大変重要だと感じております。
 それから、岐阜市内において、フィリピンクラブのクラスターと言ってもよいわけですけれども、かなり広がっておりまして、私どもが大変危惧をするのは、陽性になられた方のお子様が、ちょうど小学生とか中学生とかやっぱりいらっしゃるわけであります。今は冬休み中ですから、学校では感染は広がらないわけですけれども、冬休みに入る前でも、小さいお子さんが陽性になった場合には、感染等広がっていないか調査をして、検査もする。そして入院の措置を取るということになっています。これがこのペースで増えていきますと、冬休みが明けたときに、各学校において、そのことをやらなければならないし、大抵今、2日間の休校ということで、その間に消毒とか検査・調査等やっているわけですけれども、これは全てのものをできるわけではありません。
 我々の保健所のマンパワーも有限でございますので、これ以上広がってきた場合に、今はしっかりとクラスターを追い、学校等にも調査を入れて、一つひとつ終息させていっているわけですけれども、そのことができなくなるということを我々は危惧をしていまして、今しっかりと追えている間に、この山の第3波と言われるものをしっかり峠を越えて、抑えていかなければならないと。こういうような危機感であります。
 従いまして、私どもとして、特に外国人のコミュニティ、今回はフィリピンクラブにお勤めの皆さん、あるいはその親族とか、関係者へ広がっているわけですけれども、こういった皆さんに如何にお伝えするかという中で、例えば防災(行政)無線は、私がいつも日本語で、市民の皆さん向けにマスクでの会食をして欲しいとか、感染防止に気を付けていただきたいと言うことを発信していますが、今回知事がおっしゃった在宅年末年始ということを発信するにあたっては、外国語でも広く防災行政無線等を使って発信をしていかないと、本当の意味で全ての岐阜市民の皆さんに協力していただくという体制になっていかないんじゃないかと、こういった危機感を持っているというのが一つ。
 それから、飲食や会食にしても、これまでは割と20代の若い方が、例えば愛知県に飲みに行ったとか、大学の関係とか、それで陽性になり、広がりを持っていたわけですが、ここの所、分析してみますと、30代、40代、50代、60代と、こういった方々が増えてきておりまして、特に最近は顕著なのがこの50代、60代の男性ということで、これはまさに忘年会に起因するわけであります。やはりこのいろんな感染防止対策を各飲食店でやっていただいておりますけれども、忘年会等の場で、楽しく、あるいは元気に発声をされて、そういう時間を長い時間持たれると、どうしてもそこから感染が広がってくると。それでこれが家庭内に持ちこまれて、家庭内での感染も非常にウェイトとしては高いということですので、忘年会がこういう状況であれば、新年会だって同じことが起きるわけです。今回、正月を6日まで極力休業をという呼びかけが知事からされるわけですけれども、岐阜市としても、新年会についても最大限の警戒をしていただくと。これが大変、陽性患者を抑え込むという意味では、重要な局面であるのではないかと思っているところでございます。
 従いまして、今、時短等も、かなりのお店にはしていただいていますが、改めて、岐阜市としても、繁華街の見回り等行わせていただいて、各飲食店の皆さんに感染防止、それから時短を呼び掛けていきたいと思っていますし、この6日までは休業をということでありますので、そのことについても、岐阜市としてしっかりと周知徹底を図ってまいりたいと思っております。以上です。

記者
 先ほど村上先生が、気持ちとしては、病床は非常にひっ迫している、ロックダウンをというご意見があったのですが、県としては、今回の事態を含めて、独自の非常事態についてどうご検討されていますでしょうか。

知事
 状況によって、トータルな意味では、非常事態ということはあり得るとは思うんですが、この1週間ということで集中的に在宅年末年始と。在宅という言葉で村上先生のお考えをいわば反映したものになっているのではないかと思いますが、ロックダウンという言葉自身はもう少し大きな意味がありますので、そういう言葉は私どもは使いませんが、極力、三が日どころか6日までは在宅を基本にしていただきたいと。そういうことでございます。

記者
 先ほどの質問に関連してですが、独自の宣言は今のところは検討はしていないという理解でよいでしょうか。

知事
 はい、そういう理解でよろしいと思います。

記者
 あと、6日までの極力休業の要請というのがありましたけれども、確認ですけれども、休業協力金ということは今回はやらないということでよいですかね。

知事
 はい。そこまでは入っておりません。

記者
 改めて、31日、大晦日にこのように市町村長を集めて宣言を発出するという、その危機感の部分と、柴橋市長は先ほどクラスターを追えなくなる懸念があると、具体的に恐れる事態というのを口にしていただきましたけれども、知事としてこの状況が続いて一番恐れている事態はどういうことかというのを教えていただけますか。

知事
 まずは危機感ですよね。この年末年始については私ども相当の危機感を持って、約1週間ほど前に、宣言を出させていただきましたし、それから医療の状態についても合わせて、「医療危機事態宣言」ということで明確に発表させていただいておるわけでありますが、このところ出てくる数字というのが、もう少し収まってくるかなと。年末年始に向けて。という期待もあった中で、逆に記録更新ということで増えてきていると。
 ということは、こういう危機感を発出した頃の、これがまだ浸透するかどうかというよくわからない時点での数字が今出てきているということかもしれませんが、とにかく1日あたり80人を超えるようになったと。当時100人という数字がちらちら見えてくるようでは、もうこれは医療体制についても大変なことになるということは申し上げたと思うんですけれども、ちょっとこの83という数字は私も衝撃的で、かつこの日にこういう数字が出てきたと。いろいろ言ってきたにもかかわらず出てきたということであります。
 一方で、受け入れ体制をもう一回、圏域を越えて、全県的に協力をしていただかないといけないということのご理解を得ることと、他方で、やはり新規の陽性者を減らす努力をもう一段しなければ、この状態が悪化することを避けられなくなってきていると。
 そういうこともありまして、全市町村長さんに集まっていただいて、危機感の共有と、それから協力、それからそれぞれの持ち場での徹底した対策の推進ということを強くお願いしたいということで、集まっていただいたわけであります。そこでコンセンサスが得られれば、今度は県民の皆さんに明確にそのことをお伝えするということと、同時にまた、今日はあまり触れられておりませんでしたけれども、医療の最前線で如何に皆さん苦労しておられるかと。ぎりぎりのところで医療関係者の方々が頑張っておられるということについて改めて思いを致し、感謝をしないといけないと。それも危機感の表れの一つとして、そういった感謝の気持ちも持ちながら、この課題に取り組んでいかないといけないと。そんな思いでおります。

記者
 危惧する事態は医療崩壊、自宅療養ゼロが守れなくなるということでしょうか。

知事
 最も端的な表れとして、岐阜モデルの一つの柱が自宅療養ゼロということで、クラスターを一つひとつ封じ込んで状況をコントロールしていくということでありましたけれども、自宅療養が広がれば広がるほど、そのコントロールがますます難しくなってくるということでございますので、何とかそこの手前で踏みとどまりたいと。そういうことでございます。

司会
 では以上を持ちまして、ぶら下がり取材を終了させていただきます。

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