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知事記者会見(令和2年12月25日)

記事ID:0119854 2020年12月25日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和2年12月25日(金曜日)11時00分

司会
 お待たせいたしました。ただいまより、知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 知事、お願いいたします。

知事
 今日がおそらく最後の恒例のというか、定例の記者会見としては最後になりますので、まず一言。お手元に「令和2年の県政を振り返って」ということで、資料をお配りしております。
 今年1年を振り返りますと、この最初のページにありますように、大きく二つの流れがあったんではないかと思っております。一つは何と言っても「危機管理の総力戦」と、そういう1年でございました。まずは、この新型コロナウイルス、改めまして、お亡くなりになりました方々あるいはそのご家族にお悔やみを申し上げたいと思いますし、また現在も闘病しておられる方々に対しましても、1日も早い回復をお祈り申し上げる次第でございます。
 県内での感染から間もなく1年ということでありますが、この最前線でご尽力いただいております医療従事者の皆様、また感染防止にご協力いただいております各界の皆様、そして県民の皆様に改めて感謝を申し上げたいと思いますが、今なおこの問題は続いている訳でありまして、特にこの第三波、まだ先の見えない状態でありまして、引き続き全力で取り組んでいきたいというふうに思っている次第であります。
 と同時に、この1ページ目にありますように、豚熱の問題、特にアフリカ豚熱の問題については引き続き要警戒でありますし、高病原性鳥インフルエンザも昨日は千葉まで飛びまして、既に13の県で発生しております。これも今、警戒態勢をしいているところでございます。
 一方、「持続可能な岐阜県づくり」ということで未来志向の取組みを、あるいは岐阜県の魅力の発信ということをやってまいりましたが、これもそのうちの一つがウィズコロナ、アフターコロナと、このコロナ時代をどう乗り越えていくか、そして次の時代にどう繋いでいくかと、そういう角度からの取組みと、それから、地方創生の流れの中で「清流の国ぎふ」(創生)総合戦略を着実に、人づくり、地域づくり、活力づくりということで実行していく、ということでの流れと、あったんでないかと思います。あと、各ページを見ていただきますと、それぞれについて具体的にどんなことがあったか、ざっと1年間を振り返るには非常に良くまとめてもらった資料ではないかと思いますので、是非またお時間がありましたら、見ていただきたいと思います。
 その上で、今日、それからもう一つはこの今年1年間のこの振り返った課題、見てみますと、いずれも“終わりました”というものはほとんど無い訳でありまして、そのまま、特にこの年末年始の間も緩みなく、そのまま来年にこれらの課題が引き続き持ち込まれていくということで、私自身、オール岐阜ということをしばしば申し上げておりますけれども、おそらく来年はこのオール岐阜での多正面作戦を強いられるのではないかという感じがしておる訳であります。いずれにせよ穏やかな良い新年を迎えて、穏やかにと思うところでありますけれども、そういった課題はそのまま続いているという緊張感を持って新年を迎えたいと、今思っております。
 それから、こういう場に来ると必ず、毎年いつも聞かれるんですけれども、漢字1文字で何か表現したらどうかということで、いつも私、準備してなくてですね、戸惑ったりしているんですけれども、今回はこういう経緯でございますので、やはり一言でいえば「命」といいますかね。県民の皆様の命を守り抜くという、そういう意識を持って取り組んできた1年でございますので、しいて言えば、他にも色んな表現はあろうかと思いますが、私自身としてはそういう「命」ということを考え続けた1年であったというふうに思っております。
 そういう意味で、今日は先生方にもお出でいただいておりますので、新型コロナウイルス対策について、昨日専門家会議をやらせていただきまして、大変率直な意見をお聞かせいただき、かつ、危機感を持ってこの年末年始を乗り切ろうと、こういうことで一致した訳であります。
 そこで一致したことにつきましては、まずこの岐阜県が医療危機というべき状況に今、進みつつあると。医療危機事態に向かいつつあるということについて、はっきりと申し上げるべきではないかと。そのことをしっかりとご認識いただいた上で、それぞれの持ち場持ち場で、お一人おひとりで、的確な対策に取り組んでいくと。年末から年始へということで、その点について認識をきちっとしておこうではないかと。
 岐阜県は「自宅療養者ゼロ」と。感染者はすべて病院なり、あるいは確保した宿泊(療養)施設に入っていただくと、隔離をしていただくということを当初から今日に至るまで頑なに守ってきた訳でありますが、これもこのまま行けば、その「岐阜モデル」の一つのエッセンスであるところの「自宅療養者ゼロ」ということについても危うい事態が生じかねないと。そういう危機感を持って臨もうではないかということでございます。そういう意味での「医療危機事態宣言」ということでございます。
 現場における状況については、後程、お二人の先生からお話をしていただきますが、まず私どもの昨日来の議論を踏まえた認識について、ちょっと長くなるかもしれませんが、申し上げたいと思います。
 まず、本県初の感染者が出ましたのが2月26日、10カ月経過しておるわけでありますが、まさに「オール岐阜」で対峙した令和2年が終わろうとしております。しかし、今、まさに第三波の真っ只中にあるということでございまして、一波、二波と比較にならないような大きな波に襲われているということでございます。昨日(12月24日)までの累計感染者数は1,895人ということで、2,000人に近づいてきているということであります。
 また、12月に入って一昨日(23日)、昨日(24日)と1日あたりの最大感染者数56人を記録しているわけでございます。この2日間で入院患者数が、退院された方も含めますと、純増が32人と。この2日間でですね。ということでございまして、1日16人の入院患者の純増があると、こういう状態であります。単純試算でありますが、仮にこのような50数人という程度の感染者が連日これから続きますと、現在、県で確保しております病床は625床でございますが、1月の半ばには全て埋まってしまう計算になる訳であります。これは現在の感染者数のまま推移した場合でありまして、仮に感染者数が更に増加するということになりますと、更に速いペースで病床が埋まっていくということになる訳であります。
 また現在、コロナ感染者のみならず、一般患者の方々も増加傾向にあると現場から報告を受けておりまして、従って、医療機関に対してコロナのために更に病床を空けてくださいということをお願いするのは、なかなか難しい状況にあるということでございます。
 それから、宿泊療養施設ということでホテルを466室確保しております。積極的にこれを使おうということで、入所基準を見直しまして、直接入所するというケースが今このところ拡大してきております。更には、ホテルがあるではないかということで、更に確保するということも私どもは考えたいと思っておりまして、色々と可能性を今探っております。ただ、ホテルを確保しただけでは対応できない訳でありまして、看護師さんとか、医師の方々とか、医療従事者の方々がそのホテルに隔離された方々に対して、きちんとした対応ができるというこの体制が必要でありまして、これがどこまでできるかということについてはですね、ホテルがあるからいくらでも広がるというものではないと。一定の医療現場の看護師、医師の方々の大変厳しい現状から見ると、そんなに広げられるものではないと、一定の限界があると、こういうふうに認識しております。
 更に気を付けなければいけないのが、このところ高齢者の方々の感染が増加しておりまして、若い方から高齢者にうつるということが多い訳であります。この高齢者の方々の入院期間は長期化する傾向にあるということでございまして、このこと自身が同じ入院者と言っても、医療機関への影響を更に負荷と言いますか、負担を大きくしているということであります。
 もう一つ指摘しておきたいのは、認知症、あるいは障がいを持った方が感染した場合に、つまり、介護を要する方が感染した場合に、医療現場で看護師さんの負担が更に高くなるということでございまして、これも現場の難しさ、体制逼迫に繋がる課題でございます。
 そうしたことで、今後、今のような推移であっても、この「自宅療養者ゼロ」という「岐阜モデル」が維持できないような危機的な状況に至りかねないと、そういう危機感を持っている訳であります。この状態を脱するために、供給サイドの話、一定の限界があるという話をしましたが、他方で感染者数をとにかく抑えるという努力は不可欠である訳であります。
 そういう意味で、営業時間の短縮の要請をスタートいたしました。対象となる市町村をどこまでとるかということで、色々議論がございましたが、今日からは全市町村に対象エリアを拡大をし、国にも支援をしていただけるということで、協議も整いましたし、まさに「オール岐阜」の体制で、この時短に取り組むということになる訳であります。この間の週末の繁華街の状況をあちこち調べてもらいましたが、他県では、例えば2割程度と。実施状況がですね。時短実施店舗が2割程度というような報告もありますが、本県の場合、先の週末で約95%のお店が時短を実施していたということでありまして、県内の飲食店の方々が今回の趣旨についてご理解をいただき、対応をしていただいているということで感謝申し上げたいと思います。引き続き、この時短をしっかりと実行することで、「酒類を伴う飲食」を介しての感染拡大というものを、なんとか抑え込みたいということでございます。
 それから、昨日の専門家会議では、やはり若者が感染拡大の大きな要因になっていて、かつ、その若者から高齢者にうつっていくということについて、強い指摘がございまして、特に「成人式の2次会」、これは感染拡大のリスクが非常に高いので、なんとか中止とは言わないまでも、延期ということはできないだろうか、という議論が強く寄せられました。つまり、成人式をきっかけに、全国から若者がふるさと岐阜に集まってくると。そして仲間で集まって酒類を伴う飲食で感染し、更に全国に去っていくと。こういうことで、成人式を契機にする若者を通じた広がりということについては、深刻に考えるべきであるというのが専門家会議でのご議論でございました。
 この議論を受けて、眺めてみますと他県でも一部、そうした中止ないし延期の動きもございますし、県内では先日、中津川市が1月の成人式を5月に延期するというふうにしておられますが、他の多くの市町村では実行するという方向だと聞いております。そういうことから、今回の私どもの問題意識、危機感を早急に全市町村の首長さん以下、皆さんにお伝えをして、現下の感染状況における「成人式」の延期も含めた在り方について、もう一段の対応をご相談したいというふうに思っているところであります。これらを踏まえて、岐阜県全体としての成人式に関する対策を早急に打ち出したいというふうに考えております。
 更に、議論になっておりますのは、「初詣」のリスクであります。初詣は参拝客が密集すること自体が、非常に高感染リスクでございます。また、年末年始の大きなリスクとして、この初詣についてなにかしらブレーキをかけられないか、という意見がこの専門家会議で大変強うございました。県内の神社、仏閣にもご意見も伺ってきておりますし、また、県民の皆様にも分散参拝というようなことを言ってきている訳でありますが、この際、神社、仏閣とも協力をし、私どもも含めて「正月三が日の参拝自粛」ということを県民の皆さんに強く要請したいと、アピールしたいというふうに思っているところでございます。
 更に、議論になりましたのは、「若者」に対して行動変容を促す手立てがないだろうかという議論でございました。12月以降、大学関係のクラスターが多発しております。実際の行動として、大変活発な若者が無症状又は軽症で感染を拡大しているというのが実情でございます。そういうことですから、改めてこの場でも特に10代、20代の若い方々に申し上げたいと思いますが、岐阜県の場合、何と言っても「愛知県に行くことを極力差し控えていただきたい」。そして、「お酒と大人数の飲食については厳重に警戒をしていただきたい」。このことを改めて申し上げたいと思っております。特に、年末年始のこの期間は忘年会、カウントダウン、新年会、同級生との飲み会等々、予定があろうかと思いますが、是非、自粛をしていただきたいということであります。若い方々は、感染しても、軽症又は無症状ですむケースが多い訳でありますが、それ故に感染源にならないように厳重に注意をしていただきたいということであります。若い方が、高齢者あるいは基礎疾患をお持ちの方に感染させることで、重篤化する事例がすでに県内で現れているわけでありまして、今一度この点について、しっかりとした行動をお願いしたいということでございます。
 最後になりますが、県民の皆様には、これまでも色々とご協力をいただいて爆発的な感染拡大に至ることをなんとか食い止めてまいりましたが、今回の第三波は未だ収束の兆しが見えず、更に拡大傾向がむしろ広がるんではないかと、そういう懸念さえある状況でございます。お一人お一人が、お一人お一人の問題として、この問題を引き続きしっかりとお考えいただければありがたいと思っております。いずれにせよ、岐阜県の堅持してきた「自宅療養者ゼロ」がこのまま維持できるかどうか、この年末年始が瀬戸際ではないかというふうに思っております。まさに、この年末年始こそ「オール岐阜」で感染防止対策を徹底し、来るべき新しい年を穏やかに、そして明るい春を迎えるように持っていきたいと。こんなふうに思っておりますので、ご協力をよろしくお願いしたいということでございます。
 ちょっと長くなりましたが、私からのメッセージということで、よろしくお願いしたいと思います。
 この後は、河合、冨田両先生に現場の状況についてを中心にご報告をお願いしたいと思っております。よろしくお願いします。

岐阜県医師会 河合会長
 岐阜県医師会長を務めております、河合でございます。
 まずは、この新型コロナに対しまして、大変迅速に対応していただいている古田知事には感謝申し上げたいと思いますし、また、県民の皆様の医療者に対するご理解、ご支援、この場をお借りしまして、厚く御礼申し上げたいと思います。
 今、知事の方からほぼご説明いただきましたが、少し補足という形で2、3お話させていただきたいと思います。
 現在、病床の使用率、これは599床使えるベッドの47.7%ということです。今、ステージ3とされていますけれども、これが50%超えると、ステージ4であります。これは「爆発的感染拡大」という事態でありまして、これの目前にあるということであります(※国の正式なステージ4の基準は最大確保病床数の50%以上)。
 従いまして、現在、ホテルの直接入所も12月3日から始めていただきまして、最高90人まで使用していただきました。しかし、ベッド、あるいはホテルというのは限りがございます。また、スタッフのマンパワーにも限りがございます。従いまして、これを使い切ってしまえば、もう、岐阜県は全ての医療がもたないということになりますので、是非、感染者を増やさないということ、この一点を是非お願いしたいと思います。これは、ベッドはいくら増やしても際限ないというか、スタッフの方の限界もございますので、これ以上ベッド、あるいは後方ホテルを増やすのは、かなりやっぱり限界に近いんじゃないかと思いますので、是非、感染者を減らすということにご協力いただきたいと思います。
 例えば、先行して流行が拡大しておりました大阪とか北海道ですね、これも人出を抑えることによって、大阪もピークの490人ぐらいから、今、280人ぐらいまで感染者が減っております。北海道も304人ぐらいのピークから、123人ぐらいまで減っております。これはひとえに、人出を抑えて、人と人との接触を抑えたことによる効果が出てきているというふうに思います。これが、効果が出てくるまでにやっぱり2、3週間かかっているわけですけれども。
 従いまして、岐阜はその後を追っているわけです。あるいは愛知県もかなり現状厳しいわけでありますけれども、やはり人出を抑えて、人の接触を抑えるということをしない限りは、感染は下降には向かいません。従いまして、是非、この感染対策という点では、年末年始の人の移動ですとか、いろんな会食等を自粛をお願いしたいと思います。
 更に加えれば、年末年始は医療体制が大変プアでございますので、本当に年末年始にコロナに罹った場合に、なかなか、今までのような十分なサポートができかねるという局面も出てくる可能性が、十分に目前に来ていると思いますので、是非ご注意いただきたいと思います。
 それから、知事が言われたように、岐阜県はこの「自宅療養者ゼロ」できました。どうしてこれが必要か、大切かと言いますと、自宅療養に入りますと家庭内感染もほぼ必発だと思っております。家庭内感染を自宅療養で防ぐのは、かなり困難と言うか不可能に近いと言ってもいいと思いますけれども、自宅療養によって、更に感染拡大する可能性がやはりあるということであります。なおかつ、自宅にはご高齢の方がいらっしゃいますので、やはり重症者の増加に繋がります。従いまして、こういう自宅療養はやはりゼロをできるだけ維持したいというのが、我々関係者一同の思いでありますので、これもご理解いただきたいと思います。
 特にクラスターが出ますと、いっぺんにたくさんの陽性者が出ることになりますので、クラスターの発生に繋がるような行動は、是非、避けていただきたいと思いますし、現在、先ほどお話のありました、飲食の他に学校ですとか、高齢者施設も(クラスターの発生が)起こっております。特に、学校、高齢者というところは、やはりウイルスを外から持ち込むことによって、中で感染が広がっているというケースが多いので、やはりウイルスを持ち込まないということが、大切だろうと思います。
 そして最後に私がお願いしておきたいのが、このバッチに込められておりますけれども、「ストップ!コロナ・ハラスメント」であります。現在、医療者が必死になって、一生懸命、使命感でもって努力されておられますけれども、かなり限界に近づいております。それにも関わらず、やっぱり一部の方で、やはり医療関係に対する中傷、誹謗がやっぱりまだ報告されております。従いまして、是非、医療に携わる人たちを温かい目で見ていただいて、ご支援いただければありがたいということで、最後にそれをお願いして私のコメントを終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。

岐阜県病院協会 冨田会長
 それでは、岐阜県病院協会の冨田でございます。現場の病院の状況をご説明申し上げたいと思います。
 この2月以後、コロナの患者さんを如何にして受け入れながら、どういう治療をするかということで、一番に、コロナによって亡くなる方を最大限、とにかく防止するというところに主眼を置いてやってまいりました。
 病床を確保しながら、ずっとやってまいりましたけれども、今回のこの第三波というのがちょうど寒い時期と重なっておりまして、一般の患者さんが非常に増える時期でございます。特に、循環器疾患。脳卒中とか、心筋梗塞とか、そういった疾患が非常に、通常でも増える時期で、そこに第三波が重なっていて、コロナの患者さんをいずれの病院も半数近く受け入れておりますので、かなり限度に近くなってきております。
 コロナの患者さんには、元気のいい人もいるんですけれども、最近、いわゆる高齢者の方とか、認知症を持っていらっしゃる方とか、障がいを持っていらっしゃるとか、あるいはお子さんとか、妊婦さんとか、いろんな方がいらっしゃる。特に高齢者の方が増えますと、大変看護師にとって手間がかかります。どうしてもお食事のお世話とか、いろんな身近な介護的なファクターも入ってまいりますので、非常に手間がとられます。
 現在、既に起きていることとして、一般の病床のほうの看護師をコロナのほうに割かざるを得ないので、そちらに配置転換するため、一般病床を減少、つまり病床はあるんですけれども、未使用にしている。これ現実に、総合病院で起きております。
 また、中濃地区とか岐阜医療圏でも起きているんですけれども、コロナの患者さんは基本、個室管理しておりますので、いわゆる個室が無くなる。それから、集中治療室とか、そういう重症患者さんが出た場合にHCUを使いますので、そういったものも全体として使えるベッドが減ってきて、現在、ICUとかHCUが満床になって、救急車を止めざるを得ないと。非常に救急車を積極的に受け入れている病院でも、やむを得ず、一晩救急車を止めざるを得なかったといったことも現実に、この12月に入って起きてきております。
 ですから、一般の患者さんの診療制限が起き得る、もう現実に起きている状況に今なっております。
 我々現場としては、コロナの患者さんはもちろんですけれども、やはりたくさんの一般の患者さんに、できるだけ影響を与えないように、救える命は救わないといけないと思っております。そこを如何にやっていくかというところで、今、コロナの患者さんが占めるベッドを、なるべくホテルとか、そういう宿泊施設のほうに移れるものは移る、あるいはそちらに先に入っていただくというようなことを、今やっていただいてきております。
 ただ、この勢いで増えますと、おそらく現場としても、一般の診療を制限せざるを得ないというところにくると思います。せっかく岐阜で「自宅療養者ゼロ」ということでやってきていただいているんですけれども、それを維持するのも逆に今度は、一般の患者さんをきちっと観ようと思うと、コロナの患者さんも制限せざるを得ないという事態もあり得るのではないかと現場としては切実に思っています。
 ですからやはり、コロナ用の病床をこれ以上もう少し増やしてということになると、一般のほうを削るということになります。それと、特にECMO(エクモ)をまわすとか、あるいは人口呼吸器を付けるとか、高齢者の方とかで、看護師のマンパワーを非常に余分にとられますので、その分、一般の診療からマンパワーがとられる。元々、日本はぎりぎりの医療従事者で、何とか保っているというところでがんばってきてはいるんですけれども、現場としては、悲鳴に近い声が聞こえているのが現実でございます。
 特にこれから来週、年末・年始を迎えるにあたって、当然、医療従事者も手薄になります。それぞれの病院が普段よりはマンパワーを補充して、いつもより厚くして、しかも院内感染を起こさせないように、コロナの患者さんがいらっしゃっても別ルートで診られるような体制を、それぞれ整えてきてはおりますけれども、いずれにしても、普段よりはかなり手薄な状況になります。
 是非とも、新たな感染者が少しでも減るように、できるだけの強力な処置と言うか、メッセージをお願いしたいということは、我々病院側からも是非、お願いしたいと思っております。
 何とか一人でもコロナでお亡くなりになる方が減るように、現場としては最大限がんばっていこうとは思っておりますけれども、一番大事なのは、ご存知のようにいろんな病院で院内感染的な、院内クラスターが起きますと、地域の医療崩壊に繋がります。ですから、院内感染とかを起こさせないように、ぎりぎりがんばってやっていきたいとは思っておりますけれども、現場の状況としては、かなり悲鳴に近い状態になっているというのが現状でございます。
 極力、一般の患者さんの制限はしたくないと、救急車もできるだけ受けたいと、救急車を受けられないことによって亡くなる命は、そういうふうにしたくないと思っておりますので、また是非ともご協力いただければと思います。
 県民の皆さんにも、少しでも罹らないような、あるいは人にうつさせないようなご協力を更にお願いできればと思います。
 よろしくお願いいたします。

記者
 知事に伺います。医療危機事態宣言、これは今日発出という形でしょうか。

知事
 はい、そのとおりです。

記者
 これは県民全体に向けたものなのか、それとも医療従事者とかそういった特定の方に出されたものでしょうか。

知事
 県民全ての皆さんに出したものです。

記者
 それで、出された医療危機というものの根拠は、自宅待機ゼロというのが維持できなくなる、これが一番の理由になるのでしょうか。

知事
 そうですね。岐阜モデルとして、ずっとこれにこだわって、丁寧にやってきたわけでありますが、ここが一つ崩れますと、そうすると先ほど先生から話がありましたように、家庭内感染が更に一挙に進むというところで、更に収拾がつかなくなってくるという、次の更に深刻な事態に到りますので、何とかその手前で食い止めたいということで、この危機事態を宣言させていただいたということです。

記者
 初詣のことで言及がありましたが、三が日の参拝を自粛していただいて、それ以外の日に分散してということを呼び掛けると。

知事
 そういうことです。はい。

記者
 河合会長にも伺います。先ほど、599床中、57.7%。

岐阜県医師会 河合会長
 いや、47.7%。実際に使われているのは。空床率が52.3%になります。

記者
 これはいつ時点のデータかと言うのは。

岐阜県医師会 河合会長
 これは昨日の夕方です。しかし、このところほぼ40%台後半で来ていますので、こういう状況が徐々に更にひどくなっているということですので、これはもうステージ4基準の50%の本当に直前、目前と言っていいと思います。

記者
 これを何%くらいまで抑えたいという、そういう具体的な数字はありますか。

岐阜県医師会 河合会長
 現在ステージ3なんですが、これは25%以上なんですよね。現在すぐに使い得るベッドの25%以上、あるいは最大の20%以上がステージ3ですので、やはりステージ3をできたら切るところまで持ってくると一番いいなと。現在即応で使い得る、すぐに使い得るベッドの25%を切るところまではやっぱりもっていかないとちょっとまずいんじゃないかと。このままどんどん増えていきます。

記者
 冨田会長にも伺います。年末年始に医療従事者の方がかなり手薄になるというお話でしたけれども、平時に比べて、例えば、先月とかに比べてどれくらい手薄になるのかという具体的な数字があればお願いします。

岐阜県病院協会 冨田会長
 何を基準にするか、病棟あたりであれば、やっぱりそれだけ分、出てくる看護師さんも減ります。それから外来は基本的に休みになります。いわゆる一般病院の外来は。それで救急だけになりますから、だから、いわゆる普段全部開いている、いろんな科が開いているのが、いわゆる救急だけになります。例えば岐阜市で言いますと、休日急病センターとか、小児夜間急病センターのみになります。それでそこにもし殺到しますと、そこでオーバーフローしたり、あるいはそこでもし院内感染やら密な状態が起きたりすると、そこがパンクしたりするとまた大変なことになります。
 ですから、非常にそこはできるだけ極力少なくしてほしいし、分散してほしいです。例えば、昨年にしても一昨年にしてもインフルエンザが流行っているときには、数百人単位で休日急病センターでもいらっしゃいます。ですから、ただでも非常に密になっている中を、どうするかというので、例えば、人を、コロナ用にドクター、ナースを用意しておいて、それが怪しい場合はPCRとかいうのは別ルートで、別の場所で、別な方が、専属の人がやって、それで一般の救急患者は本来の当直医が診るとか、そういったことを、それぞれの救急をやっているような病院は、先ほど言いましたように、手立てを打っておるんです。ただ、そこに殺到されますと、やはり、一般の患者さんは白衣でも診れるんですけれども、コロナの疑いの方とか発熱患者は、ご存じのようにPPEという、我々、全部プロテクトしながら診察しますので、非常にその分時間と手間がかかりますから、非常に殺到される状況になると、非常に患者があふれるという状況が起こります。
 ですから何分の1というのはちょっと言えないんですけれども、外来がほとんど、全外来、基本的には休診になります。民間の開業医の方も、おそらく30日とかまではやられても、大みそかから三が日というのは、おそらく何処もお休みになるのではないかと思います。いろんな病院も基本的には、休みモードに入りますから、そういったものが全部救急に殺到すると、救急病院に殺到するというのが非常に、発熱患者が一挙に来た時に困るのではないかというふうに思って、そういう危惧をしております。

記者
 冨田先生にお伺いいたします。先ほどのお話の中で、12月に救急を止めざるを得ない状況が現実に起きているというお話がありましたけれども、具体的にどういったところで何日間ぐらいとか、そういったことは。

岐阜県病院協会 冨田会長
 一晩とか数日単位ですけれど、例えばある病院ですと、時間単位で、救急車ちょっとお断りという状況を知っています。それからある総合病院は、結局ICU、HCU、全部埋まっちゃって、空いているのは、コロナ用に開けているHCUだけは空いているんですけれども、そこに一般患者を入れるわけにはいきませんので。全ての病棟の個室が埋まっちゃってて、コロナ用の個室はあるんですけれど、その病棟に同じところに入れるわけにはいきませんから、一般用の個室、ICU、HCU全部埋まっちゃってということで、一晩、オールナイトで翌日まで救急車を止められたと。

記者
 それはひとつの病院ですか、複数そういった同じような病院がありますか。

岐阜県病院協会 冨田会長
 複数の病院で起きております。

記者
 地域としては、岐阜地域。

岐阜県病院協会 冨田会長
 岐阜地域もありますし、中濃地域もあります。

記者
 岐阜と中濃地域で今月に入って、救急診療を断った、一晩ですとか数日間とかというような。

岐阜県病院協会 冨田会長
 数時間とかいうのもね。現実にそういう事例がございます。

記者
 一般患者の診療制限が現実に起きているというご発言がありましたけれども、それはこういったことを指しているんでしょうか。その他にも。

岐阜県病院協会 冨田会長
 これもそうですし、ある病院は、一般病床用の病床を、そこにいる看護師さんを、コロナが増えてきているからそちらに回すので、こちらが手薄になるので、例えば50床であれば、40床に減らす、こっちを減らすということで、35床とか40床とかですね、ある一般用の病床を減らして、その看護師さんをコロナにもっていっているために、こちらの入院ができなくなる。一般用の病床。
 ですから、コロナ用の病床を増やすという、もし案があったとして、もしそれをやると、一般用が減りますよということになります。コロナが増えてきて、そこを手厚くせよという、もしプライオリティをコロナにもっていくと、今度一般用の。ですから、入院待ちがあったり、手術待ちがあったりとか、そういうことが起きてくると思います。

記者
 現実に、手術待ちとか手術の延期ということは現場で起こっていますか。

岐阜県病院協会 冨田会長
 現場はまだ、起きている場合と、考えている段階。もうそこまで来ているという状況。

記者
 一歩手前まで来ている。

岐阜県病院協会 冨田会長
 せざるを得ないと。もう議論されています。

記者
 知事にお伺いいたします。成人式の件ですけれども、全市町村に延期を含めた在り方をもう一回相談する。それで早急に対策というのを打ち出すという、このタイムスケジュールですけれども、もう年内少なくなってまいりましたが、市町村に問いかけして回答を待つという。

知事
 今は、リモートでテレビ会議できますからね。もう今日にも、今日の午後にもやろうと思っております。

記者
 基本的には、延期を視野に考えてほしいという投げかけをやるわけですね。

知事
 はい、そういうことです。

記者
 今回の資料にありませんけれども、国の特措法の改正の動きが出てきておりますけれども、それに対するご見解ですとか要望、もしくはこの1年を振り返って国のコロナ対策というものへの評価ですとか、そういった対応の総括という意味ではいかがでしょうか。

知事
 このコロナ対策というのはいろんな側面がありますので、アプローチとしていろんな切り口があるのと、それからそのタイミング、タイミングによっていろんなテーマが次々と出てくるわけなので、一括して一言で言うというのは大変難しいんですけれども、私自身のスタンスとしてはまず岐阜県の実態をよく見極めると。それでそのためにはオール岐阜で徹底した情報収集なり意見交換をすると。同時に、他県がどういう状況になっているか、実態とか、他県が取っている政策とか、そういうのもきちんと情報収集をすると。それから国がそれに対してどういう政策ツールを用意しているか。どんなふうに考えているかということについても、国とのその都度その都度の、直接連絡を取ったり、知事会経由であったりいろいろありますけれども、国の動きもきちっと把握しておくと。
 それからもう一つは、やっぱり世界のこのパンデミックの状況についてもよく見極めるということを一通り押さえながら、さて今日のこのタイミングでこのテーマについてどういうふうに岐阜県としては打ち出していけるかと。対策を打ち出す場合にルールとか、仕組みとか、規制とか、そういう面の対策と、お金を伴う対策がありますので。
 ルールについて言うと、国のルールと、我々が導入したいルールとの齟齬はあるのかないのかと。あるとしたらやはり国と率直にそこは議論しなければいけませんし、同じ方向なら同じ方向でやらせていただくと。
 それから、場合によって私どもの方が先になる場合には、国に対しては、情報提供はして、我々はこういう問題意識でこうやっているんですよということをご理解いただくと。
 それから予算について言うと、どの程度国としてサポートする目途があるのかというのを見極めながら、岐阜県なり市町村の予算の負担能力と、それから国のサポートの見通しと、この辺を見極めながら、タイミングを過たないように、補正予算をどんどん出していくということの組み合わせの中でやってきておりますので、割と早め早めに、実は国とはいろんな協議をしているんですね。
 意見が違う場合もありますし、ぴったり一致する場合もありますし、逆に私どもが先取りをして、これを国が参考にしていただくケースもありますし。ただ総じて私どもがやろうとしている対策についてはよく理解をしていただいてますし、財政的にも丁寧にフォローしていただいていますので、今回もちょっとバタついたんですけれどね。最初は6市が時短をやると言って、32になって、42になったわけです。
 その都度議論していますが、特段摩擦なく、むしろ時短に積極的に努力をしたいという岐阜県の姿勢の表れであると。かつ実施状況が95%という、相当浸透してきているんだということをご理解いただいて、すんなりですね。最初はオール岐阜県で一緒くたに塗りたくるのはいかがかという議論もあったんですが、よく理解をしていただいてということの繰り返し、積み重ねでありますので、私自身はそういう意味で、意思疎通と信頼関係と言いますか、そういうことを大事にしながらやってきているつもりなんですけれども。

記者
 今回、愛知県での飲食、若者に対して自粛を求めたりですとか、三が日の参拝自粛、これは特措法に基づくものではないということですか。

知事
 法律はまず条文を考え、つまり、法律でどこまでカバーするかということ。つまり法律でカバーしなければいけない分野、あるいは法律でなければいけない分野と、それから法律でなくてもできる分野がありますよね。それから法律でする場合には既存の法令との整合性とか役割分担とか、いろんなことを考えますよね。だから一つひとつ丁寧に議論していくわけですよ。だからすごく時間がかかるわけですよ。

記者
 新たな特措法の改正の時に、都道府県知事の権限というものが、こういった三が日ですとか、愛知県への自粛というときに、強く打ち出せない部分があると思うんですけれども、その辺に対してのご要望というのはございますか。

知事
 私自身は、これまで第一波、第二波を乗り越えていく中でも、とにかく先手先手としてどんどん打っていくと。つまり制度が出来上がるとか、法律改正まで待っている、あるいは国の予算が形を整えるのを待っているということではないので、これは危機管理そのものですから、やるべきことはどんどんやっていくと。
 そこで壁にぶつかったり、どうしようもない時に国のサポートも求めたりするわけで、やれることはどんどんやっていくという方針でやってきておりますので、それを振り返りながら、法令化するときには、さっき言ったのは、そういう緻密な作業がいるわけです。当然そこは時間もかかるし、ただ、これまでやってきたことを振り返りながら、この体制でいいのか、もう少し権限を強めた方がいいのかどうかという議論には入っていくと思うんですけれども、とりあえず私としては、今ここでしないといけないことはどんどん手を打っていくと。それで、そのことについては国と率直に議論していくということを今まで優先してやってきておりまして、いろんな事例とか経験がこれで10ヶ月積み重なってきていますから。そういう実績を見ながら、実態を見ながら、さてどこまで法律でやりますかという議論にこれから入っていくということで、できるだけ、一般論として言えば、できるだけ役割分担が明確になっていった方がいいと思いますし、役割分担を明確にするということは、責任の所在を明確にするということですから、そういう観点から、一つ一つのテーマについては見ていきたいというふうに思っています。

記者
 古田知事にお伺いしたいんですが、先ほど成人式と初詣についての言及がありましたが、若者については愛知県との往来を控えてほしいと。これから年末年始なので、帰省を考えている方もいらっしゃると思います。岐阜県への帰省、もしくは県内から県外への帰省を考えている方々に対しては何かご意見はありますか。

知事
 これについては、既に先般の年末に向けての宣言の中で触れてありますので、要するに人の接触をできるだけ少なくするということですから、かなり広くそういったことは申し上げている中で、今日この時点で更に上乗せとして追加的に申し上げるべき論点を先ほど来申し上げておるということです。県境を超える往来の自粛というのは、既にそういう意味ではお願い済みでありますから、これらはもちろん徹底してやっていただきたいと。こういうふうに思います。

記者
 知事にお伺いします。時短要請が始まって、その効果が見えてくるタイミングがまさに年末年始なのかなと思うんですけれども、その一方で感染者の検査が、かかりつけ医がお休みすることで、見かけ上、この年末年始は減るのではないかなというふうに想定されるんですけれども、その辺りの県内の感染状況の分析だったり評価というのをどのようにこの年末年始から明けにかけて進めて行かれますか。

知事
 後でまた先生に話していただいたら。私どもとしてはあらかじめ検査の数を限定するとか、制約をするということではなしに、ニーズにはきちんと答えていきたいというふうに思っていますし、今現在それなりのキャパシティは十分あるわけです。
 ただ一方で、年末年始ということですから、当然、通常の場合とは手薄になることは間違いないので、そこら辺の部分と実際にどういう検査のニーズが出てくるか、その状況によって、臨機応変に対応していかないといけないと思います。そのためにも、どこの病院がどういう状況になっているかということの年末年始の状況とか、それから、相談窓口ですね。そういったものの運用とか、そういったことは丁寧にやっていくということで、実際のニーズには応えていきたいというふうには思っています。先生。

岐阜県医師会 河合会長
 年末年始体制、本当にご懸念されているところだと思いますけれども、一応対応できる医療機関は全て把握されておりまして、県庁のホームページから、岐阜救急ネットのホームページを見ていただきますと、どこの医療機関が対応できるか出ております。
 医療機関としましては、だいたい30日まではかなりの医療機関、3分の1か、4分の1か、かなりの医療機関が対応しています。さすがに31日、1日は少し減りますが、また2日あるいは3日以降からは増えてきております。またこれ、ご確認いただきたいと思いますが、もう一つは検査体制ですけれども、診療・検査医療機関と言って、各医療機関で簡易キットですとかで対応できる、検査できる医療機関、現在、岐阜県内で522ございまして、これはだいたい全県の医療機関の40%近い数で、全国でもおそらくかなり多い方だと思っております。
 ただ、それらの医療機関、全て年末年始対応するわけではございませんので、当然、ご指摘のように限界はあると思いますが、年末年始休まずに検査されるところもございますので、その辺は相談センターとかにご相談されたり、あるいはホームページをご覧になったりして対応いただければありがたいと思います。
 ちょっと今、先ほど言い忘れたことを一点、追加しますけれども、今回、「医療危機事態宣言」ということで、医療という、あるいは危機という言葉を入れていただいたことで、大変感謝しております。全国を見ますと、医療非常事態宣言というのが岡山とか大阪でございます。それから日本医師会は医療緊急事態宣言というのを発しておりまして、これが日本病院会、あるいは歯科医師会、薬剤師会等を含めて、医療関係の9団体でやっておりますので、そういうタイミングでは、医療非常事態、あるいは医療緊急事態というのが出ておりますが、新たに岐阜県は独自に「医療危機事態宣言」ということで、これはやっぱり意義があることではないかと思っております。
 それからもう一点、先ほど言い忘れたのは、自宅療養のリスクとして、家庭内感染はやっぱり一番心配しているんですけれども、もう一つやっぱり自宅療養されているうちに急速に悪化して重症化してお亡くなりになるというケースが埼玉県等で起こっておりますけれども、自宅療養を万が一しなければいけなくなった場合でも、一応見極めをして、この人は重症化しないだろうという人も当然、見極めてからそういうことになるんだろうと思いますけれども、やはりそれだけやっても、急速に悪化することを予期することはできない場合もございますので、やはりリスクを最小限に避けるためには、やはり「自宅療養者ゼロ」は是非できるだけ堅持したいというのが我々の意思でありますので一応付け加えておきます。

記者
 知事にお伺いします。時短の要請で、飲食店に対して協力金という形でされていますけれども、一方で飲食店の営業に繋がっていろんな業務をしていらっしゃるような、例えば卸しの方とか、タクシーの方とか、そういうところにもおそらく影響が相当出ているんだろうなと思うんですけれども、そういうところに対してのケアというのを何か考えていらっしゃるのかどうかということを伺います。

知事
 経済行為とか、社会行為というのはずっと繋がっておりますので、この緊急事態の中で、どこまでを対象にして、どういう対策をやるかというのは、どんな手を取るにしてもどこかで線を引かないといけないわけでありまして、当面は、酒類を伴う飲食の感染爆発というところに焦点を当てて、その一番の現場に時短をお願いするということをやったわけであります。それの効果とか、それからもたらす影響とか、そういうことをどう見るかというのは、ちょっと事態を見ながら、次のテーマになるかもしれないということでありますけれども、まずは直接的に起こっているところに対してお願いをするということで整理をさせていただいたということです。

記者
 今、財政の問題、特に時短営業の要請に係る協力金が全県が対象になるということで、相当、多分県としての出費は増えるかと思うんですけれども、知事、これまでの県政運営の中で、財政状況が一時期悪化したところを立て直した部分があるかと思うんですが、これが再び多分悪化に、よくなることは少なくともないかと思うんですが、その辺の、税収減なんかもあるような状況の財政運営というのを、今どういう認識でおられるかというのを。

知事
 財政の問題は、県債発行の対象となる公共事業費的なものと、それから、そういう岐阜県の場合は、自治体は赤字県債というのは発行できませんから、とにかく借金をしないで回していく部分とあるわけで、その借金をしてどんどん赤字が膨れ上がって硬直化していく部分はどう抑えるかという問題。これはこれで長期的に見ていくことで、借金のできない部分については、入りと出を見ながらやっていくということです。例えば、今回の対策なんて言うのは、まさに入りと出を見ながらやっていくということで、国に対しては最大限の支援をお願いするということで、まずはこのための直接的な支援は経費の8割と。それで残り2割は地方自治体負担ということになっていますが、さすがに1日4万円と、25日間で100万円ということになりますと、県だけの単独負担というのはちょっとしんどいので、市町村にも5%負担をしていただくということです。これはご了解いただいたということで、ある種のバランスを取ったということと、それからもう一つは、そうではありますが、使い勝手のいい交付金があるわけですね。
 だから使い勝手のいい交付金を、今回も補正予算等も含めて、あるいは予備費も含めて国としてはいろいろ考えておりますから、そういう使い勝手のいい交付金をしっかりいただくことで、それを自己負担分に回すというやり方もありますし、そうなると今度、他のことにその分使えなくなるんじゃないかということはありますので、そこら辺の使い勝手のいい交付金の入りと。それから本当の自前のお金との組み合わせで、どの程度どっちにどう回すかと、そういうやりくりをして行くということですけれども、8割持ってもらって、残りについてもそういう使い勝手のいい交付金が一定量ありますから、これはやりくりできる範囲内だと。本県について言えばですよ。というふうに判断をして8次補正ということで出させていただいたということです。

司会
 以上をもちまして、知事定例記者会見を終了させていただきます。
 ありがとうございました。

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