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地方の財政需要を的確に反映した地方財政の充実・強化を求める意見書

記事ID:0141055 2021年3月24日更新 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

 政府は、「骨太の方針2018」において、地方の安定的な財政運営に不可欠な一般財源総額について、2021年度地方財政計画までは、2018年度計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保することとしている。
 現に、現在、通常国会に提出されている国の新年度予算案においては、過去最高水準となった今年度の地方財政計画とほぼ同額の63.1兆円が確保されるとともに、地方交付税総額についても、前年度を0.9兆円上回る17.4兆円が確保されている。
 しかし、その財源を見ると、新型コロナウイルス感染症の影響により見込まれる地方税の減少分を、臨時財政対策債を大幅に増加することで収支均衡が図られている。昨年9月の概算要求時に6.8兆円と試算されていた臨時財政対策債は、5.5兆円に抑制されたものの、前年度比2.3兆円増という高い水準となった。
 臨時財政対策債の返済に要する費用は、後年度の地方交付税で全額措置されるものとはいえ、近年、地方の公債費負担は、右肩上がりで増えてきており、確実に地方財政の硬直化を招いている。
 臨時財政対策債制度は、普通交付税の代替措置として、元々3年間の措置として平成13年度に創設された特例債であったが、地方財政制度の抜本的な見直しがなされないまま、経過措置の更新が繰り返され、創設から20年を迎えようとしている。
 また、新型コロナウイルスの感染拡大による地方の大幅な減収に対応するため、令和2年度限りの措置として、減収補填債の対象に地方消費税など7税目を追加する措置が講じられた。しかし、減収補填債も、後年度に元利償還金の75%が地方交付税措置されることになっているとはいえ、この返済分も公債費負担に上乗せされ、後年度の財政運営を圧迫するため、積極的な活用をし難い財源である。
 一方で、長引く新型コロナウイルスへの対応は、自治体財政を圧迫しており、自治体の貯金である財政調整基金は、大幅に減少し、ゼロ近くまで減少させてしまった団体もある。しかし、近年は、局地的な豪雨や台風による自然災害の頻発等もあり、今後の不測の事態に備えるためにも、枯渇させることはできない重要な財源であることから、自治体の新型コロナウイルス対策に充てることができる国の交付金の重要性は高まっている。
 よって、国においては、地方財政の充実及び強化を図るため、次の事項を実現されるよう強く要望し、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 

1 臨時財政対策債に頼ることのないよう、地方交付税の法定率の引上げを含めた制度の抜本的な見直しを行い、地方交付税の質の改善を図ること。また、これまでに発行された臨時財政対策債の償還財源を確実に確保すること。

2 新型コロナウイルス感染拡大防止のための「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」や「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」については、今後も地域の感染状況や実情に応じた適切な対策を実施できるよう、令和2年度の補正予算にとどまらず、令和3年度予算においても、国の責任において十分な財源を確保すること。

 

令和3年3月24日

 

岐阜県議会議長    

 

(提出先)

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣、経済再生担当大臣、内閣官房長官