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行政のデジタル化の着実な推進を求める意見書

記事ID:0117691 2020年12月17日更新 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

 国では、2001年に「e―Japan戦略」を策定し、同戦略によれば、我が国は、5年以内に世界最先端のIT国家となっていたはずだったが、新型コロナウイルス対策では、10万円の特別定額給付金をめぐり、マイナンバーカードによるオンライン申請が有効に機能せず、また、雇用調整助成金の給付でも、システムトラブルが相次ぎ運用が一時停止されるなど、迅速な実行が求められた多くの政策が機動的に展開できず、これまで取り組んできたデジタル化の推進について様々な課題が浮き彫りになった。
 先の臨時国会での菅首相の所信表明演説において、行政の縦割りの打破のために、司令塔となるデジタル庁を来年設立するとともに、行政への申請などにおける押印の原則廃止や、今後2年半でのマイナンバーカードのほぼ全国民への普及などを進めると表明し、行政のデジタル化の推進が最優先の課題に位置付けられている。
 また、今年6月、国の第32次地方制度調査会からの「2040年頃から逆算し顕在化する諸課題に対応するために必要な地方行政体制の在り方等に関する答申」では、社会全体で徹底したデジタル化が進むことで、東京一極集中による人口の過度な偏在緩和や、これによる大規模な自然災害や感染症等のリスクの低減も期待できるとされており、今後、国には、共通して活用可能な基盤やツールの提供、条件不利地域も含めた地域におけるデジタル化に必要なインフラの整備促進を早急に進め、自治体行政のデジタル化の取組を後押しする役割への期待が述べられている。
 20年前の「e―Japan戦略」から進められてきた行政の電子化が機能しなかったのは、アナログの業務を安易にデジタルに置き換えようとして、利便性が向上しなかったためであるとの指摘もなされている。デジタル化を進めるに当たっては、十分な現状分析、あるいは過去の経緯の分析も必要となる。
 よって、国においては、行政のデジタル化の着実な推進を図るため、次の措置を講じられるよう強く要望し、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

 

1 法令やガイドライン等により書面や対面・押印が義務付けられている行政手続について、可能な限り簡易にオンラインで実現できる仕組みを構築すること。

2 情報システムの標準化・共通化、クラウド活用を促進すること。また、標準化の効果が見込めるものについては、業務の内容に関する自治体の自主性を尊重することを前提に、自治事務か法定受託事務かといった事務の類型にかかわらず、標準化を進める仕組みを検討すること。

3 標準化を進める仕組みの検討に当たっては、個人情報の有用性に配慮しつつ、その適切な取扱いを実現するため、個人情報の保護と活用のバランスがとれた仕組みとすること。

4 今後の制度改正に伴うシステム導入や改修を行う際には、地方の事務処理の実態を正確に把握するとともに、地方公共団体の負担とならないよう十分な人的支援及び財政措置を講じること。

 

令和2年12月17日

 

岐阜県議会議長    

 

(提出先)

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣、行政改革担当大臣、デジタル改革担当大臣、情報通信技術(IT)政策担当大臣、内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度)、内閣官房長官