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令和元年度重大ニュース

飛騨農林事務所2019年重大ニュース

 職員の意見をもとに決定した、飛騨農林事務所の2019年重大ニュースは下記のとおりです。

1.畜産では県内初となる就農研修拠点「ひだキャトルステーション」が開設

 担い手の育成、確保並びに飛騨牛素牛の生産などの課題解決に向けて、飛騨市古川町に就農研修拠点「ひだキャトルステーション」が令和元年4月12日に開所しました。
 本研修施設は、JAひだが廃業した酪農牛舎を取得し、岐阜県と飛騨市の支援により100頭規模の和牛繁殖牛舎を設置し、JAひだ、飛騨市並びにJA全農岐阜が出資して平成30年11月に設立した「(株)ひだキャトルステーション」により運営していきます。
 今後は毎年2名以内の研修生を受け入れ、2年間の研修後には、飛騨地域での就農により、担い手確保につながるものと期待されています。

ひだキャトルステーション開所式
「ひだキャトルステーション」開所式

2.家畜伝染病CFS(豚熱)対策で野生イノシシへの経口ワクチン及び豚へのワクチン接種を実施

 平成30年9月に国内で26年ぶりに岐阜市での発生が確認されて以来、県内で感染拡大が続いてきたCSFは、管内での発生こそありませんでしたが、令和元年6月11日に荘川町で発見された死亡野生イノシシから初めてCSF陽性判定が出ました。その後も野生イノシシの陽性判定が拡大していく中、令和元年7月12日から高山市内で経口ワクチン散布を実施してきましたが、飛騨市、白川村にも野生イノシシへの感染が拡大しました。その後、令和元年8月、9月、12月にも管内全域の延べ864地点で野生イノシシへのワクチン散布を実施しました。
 そうした中、令和元年10月25日から飼育されている豚に対するワクチン接種を開始し、県内最大規模の養豚農場を含む管内全3農場において令和元年10月26日までにワクチン接種が完了したことで、今後の感染拡大防止が期待されています。

野生イノシシへの経口ワクチン
野生イノシシへの経口ワクチン散布

3.国際水準GAPの認証進む

 東京オリンピック、パラリンピックを契機に、国内での取り組みが進められているGAP(農業生産工程管理)の認証は、飛騨地域においても取得する農業者が増えています。
 令和元年5月に(農)なめこファーム飛騨「品目:なめこ」、6月には(株)アグリランド「品目:米」がJGAP認証を取得しました。また、10月には飛騨高山きのこの里(株)「品目:しいたけ、きくらげ」が、GLOBALG.A.P認証を取得しました。
 その他、畜産ではGAP取得チャレンジシステムを藤瀬肉牛農場(有)、県畜産研究所が取得、岐阜県GAPもトマト、ほうれんそう、果樹、水稲農家での取組が進んでおり、食品安全、労働安全への意識がいっそう高まっています。

(株)アグリランド役員JGAP認定証
(株)アグリランド役員 JGAP認定証

4.おいしいお米、飛騨米のブランド化に向けて

 令和元年10月31日、JAひだ農業管理センターにて、第5回飛騨の美味しいお米食味コンクール(主催:飛騨の美味しいお米・食味コンクール実行委員会)が開催されました。飛騨の美味しいお米づくりに向けたレベルアップを目指すため、飛騨地域の462名の生産者が参加、754点が出品され、米の食味値、味度値及び官能試験により、5名に金賞、10名に特別優秀賞が授与されました。
 令和元年11月30日、12月1日には、千葉県木更津市にて、第21回米・食味分析鑑定コンクール国際大会in木更津(主催:(一社)米・食味鑑定士協会等)が開催され、全国から選りすぐりの米5,137点(内飛騨地域320点)の出品があり、飛騨地域(下呂市含む)からは、国際総合部門で金賞6点、特別優秀賞6点など、各賞合わせて入賞点数23点と全国で最多の入賞数となりました。
 JAひだで行われた国際大会の結果報告会では、受賞者からは来年に向けた新たな決意・意気込みの報告と、JAひだ駒屋組合長からは飛騨の米づくりをリードしてほしいとの激励があり、今後も引き続いて美味しい米づくりに向けた飛騨地域一体となった取組みが期待されます。

第21回米・食味分析鑑定コンクール:国際大会結果報告会
第21回米・食味分析鑑定コンクール:
国際大会結果報告会

5.スマート農業元年!各地でスマート農業の取り組みスタート!

 岐阜県は、令和元年度から5年間に重点的に取り組む「岐阜県スマート農業推進計画」を策定し、スマート農業の導入・拡大を図っています。飛騨地域においても各地でスマート農業に関する新たな取り組みが始まりました。
 飛騨市では、KDDI株式会社と連携し、水田の水管理の省力化に向けた実証実験が開始され、水管理において71%の削減効果が得られました。また、白川村では人工衛星が撮影した画像から米の食味を推定するリモートセンシング技術が試験的に導入され、今後の食味向上対策の切り札になるのではと期待されています。高山市においてもトマトのハウス栽培で環境モニタリングシステムが導入され、収量アップや低コスト化への貢献が期待されています。
 その他にも営農組合や農業法人で圃場を一括管理する圃場管理システムや防除作業の省力化を図るためにドローンなどの導入も始まり、県では展示会、実演会、研修会などで情報提供を行っています。

ドローン実演会
ドローン実演会

ドローンの実演風景
ドローンの実演風景

リモコン式除草機実演
リモコン式除草機実演

自動止水栓の設置
自動止水栓の設置

6.夏秋トマト3Sシステム導入で単収20トン採り達成!!

 岐阜県中山間農業研究所で開発された、夏秋トマト向けの養液隔離栽培システム「3Sシステム」の現地実証試験を高山市の4戸の農家で目標単収20tを掲げて取り組みました。
 管内のみならず県外からも視察を受ける注目の栽培法で、8月末には岐阜県議会の農林委員会の視察も行われました。
 今年度、生産者とJAひだ、中山間農業研究所、農業経営課、農業普及課が研究会活動で研修会を行い、毎週の生育調査と養液管理相談を重ねた結果、4人全員が単収20tを達成しました。なかには単収30tに届くのではといった生産者もあり、地域平均単収の2.5から3.5倍が得られる技術であることが実証されました。
 次年度は実施者のシステム面積の拡大や近隣の高校も導入する予定となっており、地域へ推進を図っていきます。

3Sシステムのトマト着果状況
3Sシステムのトマト着果状況

農林委員会の視察の様子
農林委員会の視察の様子

7.第2回かぼちゃサミットin飛騨高山が開催!!

 「ざいをかぼちゃでまめにせんかなぁ!(田舎をかぼちゃで元気にしよう)」をテーマに、「第2回かぼちゃサミットin飛騨高山」が令和元年11月22日(金曜日)に開催されました。主催は、JAめぐみのかぼちゃ生産協議会及び宿儺かぼちゃ研究会で組織した第2回かぼちゃサミットin飛騨高山実行委員会。
 このサミットには県外からの参加も含め約120名が出席するなか、県内及び県外の計5団体による産地紹介や、「地域を元気にするかぼちゃ作り」をテーマに飛騨農林事務所がコーディネーターとなり、4名のパネラーによる意見交換会、さらに「しあわせな田舎のつくりかたー地域の誇りが人をつなぎ、小さな経済を動かすー」という演題で金丸弘美氏の講演が行われました。
 これを契機に参加者が、より生産意欲を向上させ、かぼちゃ作りに活かしていくことが期待されます。

会長の挨拶の様子
会長の挨拶の様子

宿儺かぼちゃの果実
宿儺かぼちゃの果実

意見交換会
意見交換会の様子

8.県営中山間地域総合整備事業庄川上流地区が完成

 平成24年度から進めてきた県営中山間地域総合整備事業庄川上流地区が平成31年3月に完了しました。この地区は、大郷用水路の水管橋の改修、荻町交流施設の設置を目玉として、白川村の農業用水や農道、農村集落環境の整備を行ってきました。事業の概要は以下のとおりです。

総事業費:460,711千円
事業量

  • 農業用用排水路9路線・・・L=620m
  • 農業用道路1路線・・・・・L=228m
  • 農業集落排水1路線・・・・L=42m
  • 防火水槽・・・・・・・・・N=4基
  • 交流施設1路線・・・・・・A=6,861m2
  • 生態系保全施設1路線・・・L=177m

県営中山間地域総合整備事業庄川上流地区完成
大郷用水路水管橋

9.飛騨高山高校生(農業土木)の現場研修会を開催

 令和元年9月12日に飛騨高山高校環境科学科2年生を対象に、飛騨農林事務所管内の農業農村整備施設の現場研修会を開催しました。
 農業土木を勉強している高校生に、授業では接する機会がない工事内容や農業農村整備事業の進め方などを説明することにより、県の役割を理解してもらうことができました。
 特に本年度は、入庁2年目の若手職員である後藤渚技師が実体験を踏まえた説明を行い、高校生たちは真剣に聞き入っていました。

現場研修会
現場研修会の様子

10.全国土地改良大会の開催(県外事業視察者の受け入れ)

 令和元年10月16日に、29年ぶりに岐阜で開催され、岐阜メモリアルセンターで愛ドームに全国の土地改良関係者4,000人が集い、今後の農業農村整備のさらなる推進を確認しました。県外からの参加者は翌17日より県内事業地区の視察を行い、飛騨農林事務所では疎水百選の「瀬戸川用水」、世界文化遺産の白川郷で展開する「県営中山間地域総合整備事業荻町交流施設」、飛騨野菜の重要拠点となった飛騨東部農地開発からは「大羅野団地」を全国の皆さんに紹介しました。

全国土地改良大会
飛騨東部農地開発「大羅野団地」視察状況

11.「たかやま林業・建設業協同組合」設立10周年

 たかやま林業・建設業協同組(大山龍彦理事長)は、平成22年1月、高山市と白川村内の建設事業者18社と飛騨高山森林組合で協同組合を設立し、本年度で10年を迎えました。この協同組合は、県が推進する「林建協働」施策の一環として設立された組合です。建設事業者が持つ安全管理やコスト管理のノウハウを林業に取り入れ、高性能林業機械の活用と地域に合った路網整備による低コストの木材生産に取り組んでいます。
 令和元年5月31日には、高山市内のホテルにおいて組合設立10周年記念式典・祝賀会を開催し、これまでの取組みを振り返るとともに、さらなる飛躍を誓い合いました。

間伐材生産
路網整備と高性能林業機械を組み合わせた間伐材生産

間伐材搬出
間伐材の搬出

12.(福)高山社会福祉会「本母保育園」が竣工

 令和元年10月7日に、内装材に県産材を使用した(福)高山社会福祉会の「本母保育園」が完成しました。高山市産のスギやクリの木をふんだんに使用したことで、木の香り、ぬくもりを感じることができる新しい園舎となりました。
 園児や保護者からは「木のにおいがして、気持ちいい」と好評で、また「木の香りで癒される」「子どもたちはとても心地よく、のびのびと園生活ができています」など、保育士も満足されています。

 設置場所・・・・・高山市本母町地内
 事業主体・・・・・社会福祉法人高山社会福祉会
 延床面積・・・・・1,531.7m2(2階建て)
 木質化面積・・・・927m2
 県産材使用量・・・30.43m3
 補助事業名・・・・県産材需要拡大施設整備事業
 全体事業費・・・・525,582千円(建築分)うち、県産材関係補助金額9,270千円

本母保育園遊戯室廊下
遊戯室・廊下

本母保育園未満児室
未満児室

13.飛騨高山高校生を対象に林業就業促進研修会を開催

 林業の専門教育を受けている飛騨高山高校環境科学科の生徒を対象に、森づくりの実践的な手法を学ぶ研修会を同校演習林(高山市清見町)で2回開催しました。
 令和元年7月26日に、スイス連邦の林業経営の専門家「フォレスター」を講師に迎え、2,3年生11名が、専門家からアドバイスをもらいながら、環境保全と森林経営の観点から演習林の管理手法について学びました。また、令和元年9月12日には、2年生9名が、飛騨高山森林組合の森林技術者から伐採、搬出について学ぶとともに、実際にチェーンソーを使ってスギの間伐を体験しました。
 本研修会は、飛騨高山高校と飛騨農林事務所との共同企画で毎年開催。林業の魅力、やりがいを感じ取ってもらい、林業への就業意欲の向上につながっています。

スイス・フォレスターのアドバイス
スイス・フォレスターからアドバイスを受ける高校生

伐採研修状況
チェーンソーを使った伐採研修

14.平成30年7月の豪雨災害からの復旧・復興

 平成30年6月27日から7月8日にかけて梅雨前線がもたらした豪雨により、飛騨地域の広い範囲で農地・農業用施設(水路や農道)が被害を受けました。
 農地・農業用施設の被害は2市で188箇所、約6億4,800万円(査定ベース)と甚大なものでしたが、両市の農地・農業施設災害の早期復旧に向けて補助金を昨年度から今年度にかけて予算化し、早期復旧を支援しました。
 平成30年12月から復旧工事を進め、市・工事受注者の尽力により、治山・国道の復旧工事と調整を要した数河地区の農地と農業用施設1箇所ずつを除き、工事が完了する見込みとなりました。
 今後は、被災した農地・農業用施設が再び農業生産活動に利用されます。

被災状況
被災時の状況

復旧後
復旧後の状況

15.平成30年7月の豪雨災害により被害を受けた林道施設の復旧

 平成30年6月27日から7月8日にかけて、梅雨前線がもたらした豪雨により、飛騨地域の広い範囲で林道施設が被害を受けました。
 林道施設の被害は2市1村あわせて51路線84箇所、約4億7,900万円と甚大なものでしたが、市村の災害復旧事業の早期復旧に向けて補助金を平成30年度から令和元年度にかけて予算化し、早期復旧を支援しました。
 平成30年10月から復旧工事を進め、市村、工事受注者の尽力により今年度内にすべての工事が完了する見込みとなり、通常3年のところ2年で復旧することができました。今後は被災した林道が再び森林整備や木材生産活動などに利用されます。

林道双六ー瀬戸線被災
法面が崩壊した林道双六ー瀬戸線(高山市)

林道双六ー瀬戸線復旧後
林道双六ー瀬戸線(高山市)復旧後

林道神原ー数河線被災
路体が崩壊した林道神原ー数河線(飛騨市)

林道神原ー数河線復旧後
林道神原ー数河線(飛騨市)復旧後

16.県単治山事業(松尾【まつお】)治山工事施工中

 平成30年7月の西日本豪雨により、飛騨市古川町数河地内において、大規模な土砂崩れが発生しました。平成30年4月に完成した治山施設(谷止工)の一部が破損し、流出した土砂により、直下の農地と国道41号が被災しました。主要幹線道路である国道41号は、約200m埋塞するとともに約67時間全面通行止めとなり、数河地区の住民と旅行者が孤立しました。
 この災害を契機に、国と県と市の三者が「三位一体」で災害復旧事業を進めています。
 治山事業(県)による災害復旧は、平成30年度に1期工事の緊急県単治山事業を実施しました。令和元年度には、2期工事(通常県単治山事業)と3期工事(県単治山事業豪雨対策)を実施しています。それぞれ谷止工と山腹工を行っており、令和元年度内に谷止工の本堤が完成する見込みです。

<治山工事の概要>

 施工地・・・・飛騨市古川町数河松尾地内
 総事業費・・・約158,000千円(1期+2期+3期)
 事業概要・・・谷止工(生コンクリート)N=1基(L=52.5m、H=13.0m、V=1935.9m3)
 前庭保護工N=1式
 土留工(生コンクリート)N=1基(L=18.0m、H=7.0m、V=170.1m3)

谷止工被災状況
治山施設(谷止工)の被災状況

国道41号被災
国道41号の被災状況

谷止工施工状況
谷止工の施工状況(県)

国道41号復旧
国道41号の復旧状況(国)

<外部リンク>