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知事記者会見(平成21年11月27日)

記事ID:0000096 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成21年11月27日(金曜日)午後3時

知事

今日は岐阜県知事固有の話というよりは、知事会の一括交付金プロジェクトチームのまとめ役という立場で、たまたまここの場所で会見をさせていただくということでございますけれども、ちょうど例の行政刷新会議の仕事、事業仕分けですが、これが今日終わるわけでありまして、延べ9日間で447事業について行われてきたということで、ご案内のとおりでございますけれども、この事業仕分けについてはいろいろな見方があるわけでございます。私自身としては、時間の制約とか、いろいろなことがありますけれども限られた中で公開という形で、いろいろな無駄とか、いろいろな政策の課題とか、そういったことを率直に意見交換する、議論するということ自身は意義のあることだというふうに思っております。ただ他方でそこで出た結論がどういう位置付けになるのかとか、それからかなり短時間で思い切った結論になっているものもありまして、関係者からするともう少し議論させて欲しいという思いの残るものもあります。総理もこの後は政治判断だということもおっしゃっておられますので、この後政治判断も含めて予算編成のフェーズに入っていくと思うわけですけれども、今後ともこの結論がどのように次の予算編成の中で活かされていくのかを注視しながら、私どもは岐阜県、または知事会という立場で言うべきことは言っていかなければならないと思っているわけでございます。

一昨日、総理、それから閣僚方と一緒に総理官邸で全国都道府県知事会議がございまして、その時にもいろいろ申し上げた次第です。個別案件にかかわるのですが特に地域科学振興・産学官連携事業というものについて廃止というようなお話がございますけれども、私ども東海地域で、大学、企業、研究機関、一緒になりながら地域の活性化に向けて、いろいろなテーマでやらせていただいておりますので、これを中途半端な形で切り上げるということについてはちょっと乱暴ではないか、ということで一昨日、総理へ私から申し上げた次第です。

それから経済産業省のプログラムで岐阜大学がモデルになりまして、妊婦のたらい回し事件というものがございましたけれども、いわゆる「たらい回し」をしないための救急車両とITを活かしたシステムを今始めているところでございますが、これも大なたを振るわれそうな勢いでございまして、こういったひとつひとつのテーマにつきまして、地域の声を上げていく必要があるのではないかということでございます。
なお、これらの点については福岡県が中心になりまして週明けにも緊急の共同声明を出すようなことを言っておられまして、私もそこに名前を連ねることにしております。

今日、お手元にお配りしましたように私の方から特に私の立場で申し上げなければならないのは地方移管ということでございまして、事業仕分けの中で例えば国土交通省の下水道事業ですとか、まちづくり関連事業ですとかかなり規模の大きいものがございますが、実施は各地方自治体の判断に任せるという結論になっているわけでございます。この「判断に任せる」ということが一体どういう意味なのか、どういうことになるのか、ということについては必ずしも議論がなされておりません。むしろ私どもとしてはこの帰趨について注目をしているわけでございまして、お配りした紙にもございますように、まず地方自治体が地域の実情を踏まえて主体的に事業を実施するということ自体は大変結構なことだと思っておりまして、まさに地域主権の観点からは望ましいと思っております。ただ地方の判断に任せるということが、どういう仕組みで行われるのかということについて、それぞれひとつひとつの予算項目についてきちんと制度設計をするのか、それぞれの予算項目について趣旨とかお金の使い方や配り方をひとつひとつ詰めていかれるのか、束ねるような格好で一括交付金みたいなことでおやりになるのか、どういう地域にどのようにして必要な財源が行き渡るのかというところが大事でございまして、この点について私どものプロジェクトチームでも大変不安視する知事さんたちが多いわけでございまして、その点について十分な留意をお願いしたいというのが今回の趣旨でございます。

それから原口大臣がつとにおっしゃっておられまして、また鳩山総理も一昨日言われましたけれども、一括交付金というものを具体化していきたいということも民主党政権のマニフェストに掲げられているわけでございます。これは平成23年度から実施したいということが総務大臣のお考えのようでございまして、これはもう少し時間がありますので、しっかりとした概念、配分方法、制度設計、金額、いろいろな面でこれから来年に向けてずっと議論をしていきたいと思っております。当然、こういう議論については国と地方との協議の場が出来るわけでありますので、その1つのテーマとして議論をしていったらいいのではないかというふうに思っております。そこで1から4までございますけれども、今回、地方移管ということに関して申し上げたいことは、1つは地方移管ということの意味を明らかにしていく必要があるのではないかということです。2番目が財源の問題について、事業実施に支障がないように確実な対応をしていく必要があるのではないか、少なくとも現行補助金をきちっと確保できるような仕組みを考える必要があるのではないかということ。3番目が補助金を頂くときに、補助金を頂くということは地方は補助裏の負担が当然あるわけで、この負担については地方債とか地方交付税で、財源措置をされているわけでございまして、この部分も引き続ききちんとした財源措置を講じてもらいたいということ、これが3番目です。それから4番目は、この地方移管の趣旨に鑑みて、国の関与を可能な限りやめて地方の自由裁量で実施できる仕組みとしていただきいと、こういうことでございます。これらの点については私ども9人の知事のコンセンサスを得まして、また全国知事会長の了解も得まして発表させていただくということでございます。次のページに9人の知事のメンバーがございますが、こうしたメンバーで議論をさせていただいております。私の方からは以上でございます。

記者 今回のこのアピールですが、これは今後どのようなスケジュールで行われますか。
知事 おそらく、今日こういう所で発表させていただいて、その上で来週できれば関係大臣あるいは関係省の政務3役にお会いをして、知事会のプロジェクトチームの名において要請をするということを申し上げられないかと思っております。今後進められていく予算編成の中で、項目的にはこの地方移管とされた分がかなりあるんですよね。ひとつひとつどのようにどうやっていくのか、それぞれ所管省庁、そしてまた総務省とも実質的な議論をしていかなければいけないということでございます。まずは私どものこの思いというか基本的な考え方を来週にも持っていきたいと思っております。
記者 これは他のプロジェクトチームもそれぞれのリーダーがそれぞれの場で、アピールをされているということでしょうか。
知事 それぞれの必要に応じてといいますか、タイミングに応じてということなので、一斉にやっているわけではありません。私どもはたまたま事業仕分けが終わったタイミングで、この事業仕分けの中で少なからぬ項目が地方移管、地方の判断に任せるという評価になっているものですから、これについてその方向でもしやるとすれば、少なくともこの4つの点について配慮しながら制度設計をやってもらいたいし、当然地方ともよく相談をしていただきたいと、こういうことを思っております。
記者 今日で事業仕分けが終わるということなのですが、今度の予算編成に与える影響というのはどのように把握していらっしゃるのでしょうか。
知事 まだ全部チェックしたわけではございませんけれども、今ひとつひとつリストアップをしながら、どれがどういう影響があるかということを作業しております。自治体に移管するという類いのものは、まさに財源と権限、そういったものをどう議論してくかというのがこれからのテーマですし、それからもう廃止をすると言われたものやら見直すと言われたものやら、大幅カットと言われたものやら、そういうものについて改めて検討して整理をしてその結論について問題点があれば、それをそれぞれの所管の省庁に申し上げていくということになろうかと思います。当面、私どもとして、先般の総理との知事会議で反応させていただいたのは、科学技術、技術開発のところですけれども、それから医療、医師確保、救急・周産期補助金というものが半減という結論になっておりまして、これも地域の立場からすると問題あるということで、詳細よく詰めた上で、必要な反論はしていきたいと思っております。
記者 先程知事が触れられました、地域医療のIT化に関しては、仕分けで廃止という結論が出ているわけですけれども、週明けに福岡を中心に共同声明をお出しになるという中に個別に盛り込んでいくようなことも・・・
知事 正確に申し上げますと、「車載ITを活用した緊急医療体制の構築」というプロジェクトでありまして、いろいろな医療機関の医師の勤務状況、今どこで何をしているかとか、手術をしているかとか、手が空いているとか空いていないとか、あるいはベッドの稼働状況とか、いろいろな情報をリアルタイムで収集をして、それから救急隊が現場から今こういう状態の患者がいるよということで情報を出すとそれを加味して最適な搬送先はどこかということを割り出していくシステムでありまして、4年かけて平成24年度までにシステム実証事業を行って25年度から実用に供すると、こういうプロジェクトです。今年度がスタートの年で、諸々の準備がどんどん進んでいるわけでして、これが廃止ということになりますと、いろいろな所でこの岐阜大学の試みというのはメディアでも紹介もされておりますし、全国的にも注目されておりますので、これは私どもとしてはぜひ大切にしていきたいプロジェクトだと思います。これについては、個々のアイテムをいちいち名指ししていると大変なリストになりますのでそこまではいきませんが、緊急共同声明の中で趣旨が盛り込まれるように文言を考えていただこうと思っております。
記者 地方移管について、声明をお出しになりました。言われることは理解できますが、望ましいことと言いつつも、知事の今の発言を聞いていますと、逆に地方分権に後ろ向きなのではないかと受け取られがちだと思われるのですが、この声明で地方移管の概念が「明確でない」とか、「早期に明らかにしてくれ」と言うだけじゃなくて、どういう形が望ましいのかということを、地方から挙げる必要があると思うのですが、どうお考えですか。
知事

まず、地方の自由度が増すということについては私は歓迎です。決して腰を引いているわけではありません。ただ、一昨日、私からも他の知事からも申し上げましたが、あの三位一体改革のトラウマが残っているわけですね。つまり、税源移譲をしますよ、それを上回る交付税・補助金をカットしますよ、気がついてみたら・・ということで、これは、総理も総務大臣も、そういう懸念はわかる、そういうことは絶対あってはいけない、必要な財源の移譲を考えていかなければいけないんだ、というような議論を官邸でしたわけです。
そういう意味で三位一体改革の二の舞にならないようにという思いを言っているわけです。

それともう一つ、制度設計というのは大変難しいんです。たとえば、「まちづくり交付金」という制度がありますが、年間いくらという金額を国が用意するとします。そうすると地方に任せるということは、年間何十億というお金をどうやって配るのか。例えば岐阜県にいくらもらえるのか、その根拠は何なのか。昨年岐阜県はいくら使ったのか、それに合わせて使うということなのか、過去の実績で行くということなのか、それとも岐阜県がこう使いたいと言ってきたものを、また査定をするのか、あるいは地域によってはこういう交付金こそ格差是正のために使ってほしいから、いろいろな意味で経済的にあるいは雇用の面でも苦しいところを優先的に配ってくれという意見が出てくることもあります。

つまり、まちづくり交付金を国が用意しても直ちにこれをどこにどう配るのか、この配る基準は何なのかという議論がすぐに出てくるわけです。その辺りは私どももひとつひとつ国の意見も聞きながら、あるいはこちらから逆提案することも含めてこれから考えていきたいと思いますけれども、ここに書いてあるのはまさに緊急提言として最低限、今申し上げておくべきことということです。個々の下水道のお金をどこへどう配れというのか、それからまちづくり交付金について言えば、まちづくりとはどういう概念で何でも使っていいのか、まちづくりと言った以上はここまでという限定が付くのか付かないのか、全く自由に地域が使うお金は全部まちづくり交付金だということになるのか、ひとつひとつ見ていきますと結構難しいんですよ。

そういうことを申し上げているのであって、したがって我々としても当然、カウンタープロポーザルはしていきたいと思っております。まずは、今日の段階では最低限、地方移管とおっしゃるけれどもそう簡単な話しではないですよということを、十分留意する必要はありますよ、ということは申し上げているわけで、私どもとしてはその上で個々の問題についてはひとつひとつ言っていきたいと思います。

記者 いつまでにそういう話しをするんですか。これでは全く具体性がないと思います。
知事 これは、緊急的な今日現在の、事業仕分けが終わった時点でのリアクションですから、来週、各閣僚にお目にかかったり、各省庁の三役の方にお目にかかって、省庁としてどういうスケジュールでいくのか、そういうことも伺いながらということです。例えばまちづくり交付金だってたくさんほしいわけですよ、みんなが。そうするとまちづくり交付金はどういう概念でどういうスケジュールでどのように進めようとしているのか、ということを伺いながらそれに対して意見を言っていくということではないでしょうかね。
記者 喫緊にどうするのか決めなくちゃいけない話なので敢えて聞きますが、まちづくり交付金について知事はどうしてほしいのかという部分が僕たちにはわからないんですが。
知事

ひとつひとつ検討していく必要があると思います。まちづくり交付金についても47都道府県、あるいは全国の市町村のニーズをきちんと見極めて配り方を考えるというのが一般論ですよね。これは国のお金ですから、それをどういう仕組みでやるんですかということ、その辺は意見交換をしながら制度を決めていくということではないでしょうか。

一般論で言えば、地域のニーズに沿って配ってくださいと、じゃあ、地域のニーズとはなんぞやというと、今やりかけ中の仕事を優先するのか、新規のものはどうするのか、その辺の整理もあるでしょうし、それから地域的ないろいろなバランスの議論もあるでしょうし。

記者 それについての知事の意見はどうなんですかと聞いているんです。
知事

ニーズに沿うということに沿って議論していきましょうよ、ということです。

まちづくり交付金ができると、全都道府県・市町村が少しでも多く欲しいと考えますよね。そうするとこれは、一定のルールを決めないと収拾がつかないですから、じゃあ、そのルールってなんぞやというと、抽象的とおっしゃるかもしれませんが、まず、ニーズをどう捕まえるかということと、それから地域のバランスとか、新規事業なのか今やりかけ中の仕事なのか、過去においてどれだけのまちづくり交付金をそれぞれの県が使ってきたのか、過去の実績を重んじるのか、そういう辺りを整理して制度が出来ていくのではないでしょうか。今、私の口からかちっとしたものを申し上げられる状態にはありません。

ただ、それは当然、予算編成が終わるまでには詰めないと大混乱になります。みんな欲しいんですから。

記者 地方分権を目指したいというのはどこの自治体にもありますが、そこで地方の考えを持たない段階で国と議論をしてもしょうがないと思います。地方としてどういう考え方で進めていくのかということを聞いているんです。ニーズは当然、国も言うことなので、どういう視点で地方は攻めていくのかということを聞いているんです。
知事 一つのボトムラインは、従来からやってきているものを最低限保障してもらいたいということだと思いますけどね。
記者 事業仕分けについて、限られた時間の中で無駄や政策課題の洗い出しをしたことについては意義がある、とおっしゃったのですが、一方でネガティブな評価で、公開裁判であるとかいう言い方をする方もいらっしゃるようですが、知事からご覧になって、非常に短い時間である意味乱暴に議論して、十羽ひとからげで事業をぶった切るというか、ああいう形をどう感じられますか。
知事

一つひとつをすべてテレビ中継で見ているわけではないものですから、一括してどうこうは申し上げられませんが、一部耳にする中には、おっしゃるようにちょっと荒っぽいなと思うところがあることは事実ですね。

たとえばGXについても前提となる数字が大幅に違っている中で、ばっさりやるということを決めたわけですけれども、実は私もかつてGXに関わっていたことがあるものですから、変だなと。民間主導型の開発であったはずだけれども、急に変わってしまったのかなと思いながら結論を聞いたら、翌日、前提が違っていたという話を聞きましたので、ああいうところを見るとちょっと乱暴だなと思いますね。

記者 結論が最終的に政治判断されて、どうなるかというのはまだ決まってないわけですが。
知事 あそこで出した結論がこれからどういうふうに判断されるのか。それぞれ扱った事業もそうですし、類似の事業にもアプライ(適用)するようなことも言っていますよね。それがどの程度行われるのか。それと同時に最後は政治的判断だということもおっしゃておられるので、そのあたりがどういう組み合わせになるのかということは注視していきます。私どもとしては岐阜県という立場で、先ほど申し上げましたように、問題だと思うところについては個別具体的に意見を言っていくということになろうかと思います。
記者 ボトムラインとして、従来からやってきているものを最低限保障してもらいたいということですが、具体例を一つ出していただけますか。
知事 例えば、岐阜県としてまちづくり交付金を一定額いただいていて、駅前の開発などに使っていますよね。そうした流れの中にあるわけなので、そこで具体的なプロジェクトがあって必要だと思っているものについては最低限保障してもらいたいと思っておりますけれども、ただそれだけを言いますと新しいことはやらなくていいのかという話になりますし、一つのプロジェクトの中でも増えたり減ったり紆余曲折があるわけですから、そこをどうするのかという話になるわけです。そうすると制度的になかなか厄介な話になるものですから、厄介ですよと申し上げているのはそうしたことなのですが。ただボトムラインはそういうことです。県内各市町村で既に、まちづくり交付金を前提にいろいろなプロジェクトが動いているわけですから、それを最低限、ということはあります。
記者 既に動いているものを続けるということですか。
知事 と言うと新しいものは一切やっちゃいけないというように聞こえますが、そういうつもりでもないので、最低限、動いていて必要なものはいただきたいけれども、更に新しいものについても地域としてニーズがあるということで手を挙げていくことも可能にしてほしいということです。そうすると今度は金額が全体で幾らくらいになって、どう既存のものと新しいものに振り分けるかという、そこの制度設計になるわけですね。
記者 新政権になって政府への要望とか提案の仕方が変わったということで、知事としてどのように捉えていらっしゃるか。やり易くなった、やりづらくなったなどご感想を伺いたいのですが。
知事

いろいろなシステムを変えていこうということで変わり目にあるものですから、もう少し状況、推移を見届けたうえで判断をしたほうがいいのではないかと思っておりますが、今までと違うという意味でいろいろな方に戸惑いもあります。私ではないのですが、ある県の知事さんがアポイントを申し込んだら1か月後にやっと返事が来たというお話を伺ったこともあります。私自身はそうしたことは経験していないのですが、過渡的なことでいろいろなことが生じているかもしれません。政治主導で情報を収集し、意見交換をし、判断をしていくという流れの中で、どうやっていくのがいいのか。大事なことは地域主権を標榜しておられるので、この政権の一丁目一番地だとおっしゃっておられるわけなので、地域主権にふさわしい意見交換の仕方をどう構築していくかということで、そういう意味でいいますと今のところまだ、地域主権にふさわしい仕組みができあがったなというところまでは言えないのではないでしょうか。

各知事さんもそうですし、市町村もそうですし、いろいろな団体の方々もそうですけれども、まだいろいろと戸惑いがあって、どこにどのように意見を伝えていくのか戸惑っている中で結論がポーンと出てくる、「決まりました」と言われるケースがまだありますので、もう少し良く見極めていきたいと思います。これから国と地方との協議の場の具体的な姿について議論が進みますし、知事会もいろいろと提案をしていますし、それから地域主権戦略会議もいよいよスタートしますし、いろいろな形で整理されていくと思います。私どもの関心としてはあくまでも地域主権にふさわしい意見の収集、意見の交換、あるいは要望の聴取の仕組みはどのようなものか、という観点からいろいろなことも言っていきたいと思っております。

記者 国交省関係の直轄事業の概算要求の関連で、先日、中部地整から内容が提示されたと思うのですが、それをご覧になって事業費の動きであるとか、ご覧になった感想をお聞かせいただきたいのですが。
知事 まず、必ずしも明確でない部分がかなりあるんです。例えば導水路を含めて、ダムの扱いをどうするかとか、そのあたりについては確たるご説明はありませんでしたし、それからいずれ基準を作って基準に沿ってやっていくということですが、その基準はどんなスケジュールでどうやって作られるのかも必ずしも定かではありません。それから東海北陸自動車道の四車線化ですが、これも補正予算という格好でやることはよろしくない、本予算でしっかりと議論するんだと大臣がおっしゃいましたけれども、どういう形で議論がなされるのか必ずしも見えていないし、この間の説明でも定かではありませんでした。そういう意味でまだまだわかりづらいところが幾つかあるということです。その一方で概算要求としてはほぼ2割カット、大変厳しい中で一定の優先順位で配分を考えておられるということですが、そこからさらに予算の査定作業の中ではそのまま通るのか、いろいろな議論がたぶんあり得ると思います。このあたり、特に公共事業の部分は厳しくなっているなというのは実感ですね。それからその必ずしも定かでない部分についてはできるだけ早く明らかにしていただきたいと思いまして、そのお話を中部地整局長には申し上げましたけれども。
記者 東海環状自動車道の西回りに120億円から130億円付けますよ、という説明もあったと思うのですが、県単分として3分の1、40億円近くは必要になると思うのですが、県の厳しい財政状況の中ですが用意できる額だとお考えでしょうか。
知事 西回りについては、私どもとしても優先度の高いプロジェクトでございますので、国もそこを配慮した、それなりの配分はしておられますし、私どももそれに対応していかないといけないのではないかなと思っておりますけれども。