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知事記者会見(平成25年2月20日)

記事ID:0009471 2015年9月11日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成25年2月20日(水曜日)午後15時00分

知事 私からは3点、ご報告させていただきます。まずお手元の資料にございますが、木造住宅の危険度をウェブサイトで見ていただけるような、そういう仕掛けを開設しようということで、名古屋大学と共同で取り組んできた話でございます。住宅の、その所在地ですとか、面積ですとか、価値ですとか、耐震強度ですとか、色々な条件をインプットすると、地震発生時にどういうリスクがどの程度あるか、あるいは、今後これを改修をしていくと、どの程度良くなるとかといったようなことを見ることができるウェブサイトであります。

狙いとしましては、県内の住宅の耐震化が、平成23年ベースですが77%ということでございまして、私どもの目標は平成27年に90%というふうに置いておりますので、なかなかまだまだ先があるということで、そういったことにも繋いでいきたいというふうに思っております。
要は、危険を自ら知っていただいて、そして命を守る取組みをやっていただきたいということでございます。こういう改修レベルを比較するようなウェブサイトは、全国では初めてだというふうに承知しております。

それから、先般の県議会でも議論がありましたが、簡易耐震補強工事というものについて補助対象にするということにいたしますし、それから対象者も、これまでは高齢者とか障がい者とか多雪区域と言っていたのですが、そういう要件も一切無くしまして、どなたでもこの簡易耐震補強工事をやれば補助金が得られるというところに移行したいということを思っておりまして。これも大いにご活用いただいて、命を守る取組みをやっていただきたいと、こういうことでございます。

それから2番目が、県の森林文化アカデミーの新しい学長さんに、涌井史郎(わくいしろう)先生をお願いしようということでございます。例えばテレビで言いますと、サンデーモーニングですか、コメンテーターで出ておられますし、これまでも岐阜県としましては、全国豊かな海づくり大会の開催にあたってアドバイスを受けたり、あるいは県主催のイベントでパネリストをやっていただいたり、美濃市の環境保全モデル林について助言をいただいたり、色々と深く関わっていただいております。造園学、生態環境工学、地域計画と、こういったことを専門にしておられる先生でございまして、ご快諾をいただいたということでございます。

この森林文化アカデミーは、いわば森林、林業、それから環境教育、木造建築、こういった分野で活躍できる人材を育成する2年制の専修学校ということでございまして、現在の篠田学長がこの3月で任期満了ということでございまして、今回そういうことで涌井先生にお願いするということであります。

涌井先生はまた、国レベルでも林野庁の「森林関係の地球温暖化対策を考える会」のメンバーでありますとか、あるいは愛知万博ですね、愛・地球博の総合プロデューサーもおやりになっておられますし、また、東京都市大学、東京農業大学の教授でもあられるということで、教育の実践あるいはアカデミーの運営のリーダーということで、指導力を発揮していただけるのではないかというふうに思っております。
先日県庁にもお越しになりましたけれども、非常に、このアカデミーの運営に熱意を持って取り組みたいとおっしゃっておられました。特に岐阜県には、回れば回るほど、埋もれた魅力と言いますか、この森林という分野で素晴らしい所がたくさんあるということで、そういった岐阜県の魅力発掘といったことも含めて、この森林文化アカデミーを拠点に色々と提言をしていきたいと、このようなことを先般おっしゃっておられました。
(任命は)4月1日付けでございますので、改めて学長の辞令交付を4月1日(月曜日)に行いたいと思っております。

それから3番目が、「森林・環境税を活用した緑豊かな清流の国ぎふづくり県民フォーラム」ということでございます。今年度から森林・環境税を導入したわけでございますが、どのようなことに活用されてきているか、色々な事例報告も含めて、まさに「森林・環境税を活用した清流の国ぎふづくり」を今後どう進めていくかと、色々と研究報告、活用方策の議論等々、3月3日(日曜日)に午後、水産会館でやりたいということでございます。

特にこの森林・環境税、初年度は10か月分ということで8億7千万円でございます。平成25年度になりますと12億円弱になるわけでございますが、今回この、今年度の実績について議論する中で、来年度以降、有効活用に繋いでいきたいということもあります。
それから、NPOや市町村の提案に対して一定の額を補助しておりますけれども、特にNPOの方々が色々な取組みをやってきておられますし、こういう森林・環境税があってこんな取組みをしているということで、更に新たに団体を立ち上げる方々も出てきておりますので。多くの方々に関心を持っていただいて、このフォーラムを有効に活用していただけたらということで考えておりますので、よろしくお願いします。私からは以上でございます。

記者 今日の発表のほうで、木造住宅の危険度評価で、全国初とあるのですけれども、こういうレベルが分かるのは全国初だと。
知事 そうですね。この「結果表示イメージ」というものがありますよね、この(配布資料の)裏のほうに。例えば、評点0.7というものが、先程申し上げました簡易耐震補強工事をやった場合のことで、この簡易耐震補強工事を今すぐやるとどうなりますかというのが青い線で、現状が黄色い線で、それで本格的な耐震補強をやると、建築基準法で求めるレベルまでやると、このグレーの線になりますよと。さてどれをお選びになりますかと。

今すぐ0.7(の簡易耐震補強工事)をやって、それから10年後に建築基準法に沿って全面的にやるということになると、費用が1回目がこうこうこう、2回目がこうこうこうと。それから、今すぐ全部やってしまうと費用はこういうことになって、このグレーの所まで行きますよと。その代わり5年後には、何もしなくてもここの維持はできますよと、こういう比較できるようになっていますので。できるだけ分かりやすく比較できるようにという、こういうやり方は全国初だと思います。

記者 知事の官舎も木造だと思うのですけれど、調べられたりはしましたか。
知事 幸いと言いますか、私も、入ったのが一昨年の5月ですか、入るにあたってチェックをしていただきましたので、そういう意味では、耐震はおかげさまで終わっております。
でもあれでしょう、外観を見ると危なっかしいでしょう。ご心配いただいて大変ありがたいです。私も最初、外観を見た時に、耐震はどうなっているのと聞いたのですけれども、ちゃんとやってありますということでした。
記者 当初予算のほうなんですけれども、知事が、知事選からかねて「清流の国づくり」というメッセージを発せられてきたと思うのですが、その「清流の国づくり」というその言葉とか進む方向が少し分かりにくいという声が、議会のほうなどからもあったりしまして、それを改めて知事のほうから、「清流の国づくり」とは何ぞやという話をお聞かせいただけますか。
知事 私も議会のほうから、特段何も聞いてないですけれども。選挙の時も各地で県会議員さんも応援演説をやったり、一緒に色々話をしましたけれども、皆さん「そうだ、清流の国づくりだ、清流の国だ」と言っておられて、何か分かりにくいとか、これをどうしろこうしろとか、あまりこう、コンセプトを色々とこう、何と言うか、一生懸命ひねるという類の議論は、あまり聞いてないのですけれども。

何と言いますか、どこかにこう理想形があって、ここにこういう造作を施して、こうやってこうやってこうやってやると、あたかも粘土作りのように、こういうふうに「はい、これできました。はい、これが「清流の国」」というそういう、あるいは、ここにこういう箱物を作りまして、ここにこういう道路を引いて、こういうネットワークをして、こういう施設があって、こういうイベントをやると、「これが清流の国づくりですよ」とか、そういう類のものとはちょっと違うのですよね。

まずは、岐阜は「清流の国」なのですよね。清流の国なのですよ、というのは、ちょっと言い方が悪いのですけれども、岐阜県民の歌を見てみますと、「岐阜は木の国、山の国」というものもあるし、それから「野の国、幸の国」ということもあるし、3番になると「詩の国、水の国」という訳ですよね。そういう、岐阜をどういう所か、「岐阜ってどんな所ですか、岐阜のブランドって何ですか」と言う時に何をイメージするかという、まず議論が1つありますよね。

これは今まで、色々な機会に色々な人が、自問自答したり、私に尋ねてきたり、あるいは主張したりされてきた中で、すなわちそれは岐阜県のアイデンティティーですよね。飛騨があり美濃があり、森林があり平野部があり、「岐阜県って何ですか、魅力は何ですか、一言で言ってください。何がアイデンティティーですか」という時に、色々なことをやっていく中で、ある県は「うどん県」という所もあるのですかね。それと同じで、やはり「清流の国」というものが言葉のイメージとしても良いのではないかということで、着実にそういう認識というか、意識がこう進んできたのではないかなと。

それが1つ大きく進んだのが全国豊かな海づくり大会で、豊かな山があって森林があって、そして清流があることによって豊かな海に繋がっていくということで、清流というものが岐阜県の豊かさと言いますか、そういうことの1つのシンボルではないかということとか。それから、山・森・川・海の繋がりと言いますか、上流下流の繋がりと言うか、そういう繋がりの中で、岐阜県民は生きていると言うか生活をしていると言うか、そういうことを皆で、その繋がりを意識しようではないかと。最近よく言われる言葉で、絆ということかもしれませんけれども。
そういったことで流れが進んできて、その前に全国植樹祭があったことも影響していると思いますけれども、そういう中で、さて岐阜国体というものを何と表現しようかと。何国体なのですかと。各県、色々なスローガンを掲げていますよね。「おいでませ、何とか国体」とか、「いらっしゃいませ」というような類の言葉を掲げる所もあれば、「元気よく頑張ろう」という類の言葉を考えられる所もありますけれども、やはり色々公募した中で、「ぎふ清流国体」というのが最もシンプルで、最も分かりやすく岐阜らしさを表現しているということで、これを採用した訳です。ミナモというものも、まさに清流に住む、水面の水の妖精ということで、同じような考え方でマスコットキャラクターとして出していってということで。

それから上海万博では、「岐阜県の日」では「清流の国から」というテーマで、水辺の風景のみならず、和紙のスクリーンで、和紙も刃物も陶磁器も木工家具も、岐阜の地場産業というものはまさに水の恵みでできているのですよということで、統一的なコンセプトで展示をした訳ですよね。

ということで、まず岐阜というものをどう考えるかという時に、「清流の国」ということが、多くの県民の皆さんにも心に響きつつあると言うか、定着しつつあると言うか、そういう流れの中で、昨年、国体あるいは清流大会をやって、そしてそこで大きなエネルギーが湧き上がった訳ですけれども、そのエネルギーを、これは県内どこへ行ってもそうですし皆さん方もそうですけれども、一過性に終わらせてはもったいないと。やはり岐阜県の未来づくりに繋いでいこうではないかということで。

「じゃあ、岐阜県の未来づくりってどうするの」という時に、例えば私が、これとこれとこれを作りますと、あるいは県が、というふうに一方的に決めつけるのではなしに、やはりぎふ清流国体・ぎふ清流大会が盛り上がったのは各市町村ごとに、炬火リレー1つ取っても創意工夫ですよね。それからおもてなしも、それぞれに違ったやり方をしてそれぞれに盛り上がりましたし。

そういうやはり、各地域でその「清流の国ぎふ」という、何と言いますか、スローガンと言うかシンボルの下で、自分の地域はこういうことで具体的にまちづくり、地域おこしをやっていくのだというふうにエネルギーを繋いでいくと言うか、将来を、未来づくりをやっていくと。そこに、県政あるいは市町村政が寄り添っていくと言いますか、そういう形を1つの運動体として作っていきたいというのが、私のイメージなのですけれどね。ですから、何かこう予め定義を一生懸命追求する、それを県が一方的に決めて「これなんだよ」と言うよりは、やはり「清流」ということについてのイメージも複数あっていいと思いますし。

そのようなことでいわば、アイデンティティーでもあるし、魅力、誇りでもあるし、そしてその未来づくりを進めていく上での1つの、皆がそうだと、「清流の国づくり」ということで頑張ろうと、やってみようというような、そういうこう、何と言いますか、「清流の国」という言葉にはそういう、こう鼓舞するようなニュアンスもありますし。そういう意味で、私も県内色々と廻って、色々な人と話をしましたけれども、これは本当に岐阜県として分かりやすいというか、皆が一致して取り組める、それも多様性の中で取り組めるスローガンではないかというのが現状で。

それを今度は取りあえず、まず来年度予算の中でどういう形で準備していくのかということで、ご紹介しているようなことがいくつか挙がっている訳です。それから組織的にも、県庁内の各部局で色々な分野を担当する訳ですから、それを横断的に束ねる部局があっていいだろうということで、「清流の国づくり局」というものを作って、その下に課も作って、オール県庁で横断的に、そういう県民運動を応援していくというような形で取り組んでいこうということで。

そういう1つの、何と言いますか、運動体としてうまくこれからどういうふうに盛り上げていくかというのが課題で、予算も逆に言いますと、そういう運動をプッシュしていくための、いわば道具立てと言いますか、スプリングボード(きっかけ)を用意させていただいて、それを県民の皆さんがどう、あるいは各市町村でどんなふうに活かしていくかというのが、むしろこれからだと思いますけれども。

ただ、敢えて言えば、国体の延長線上にあるスポーツの世界、「スポーツ立県」という中での色々なものもありますし。それから清流大会で、やはりバリアフリーということを、色々皆さん感じた訳ですので、清流大会というのは選手の数よりもサポーターの数の方が多い訳ですから、そういう多くの方が、ボランティアの方が関わって、バリアフリー、自分達はまだまだ目が行き届いていないということも感じ取った訳ですから、そういう意味での「障がい者にやさしいまちづくり」という、清流大会を踏まえたアプローチもあるでしょうし。それから観光交流とか「観光回廊」という言葉を使っていますけれども、広域的な観光政策、観光キャンペーンの中で「清流」というものを活かしていくというのもあるでしょうし。色々とそれは、それぞれの地域ごとに私は、取組み、アプローチの仕方があっていいと思うのですけれども。

今のところ、そういうこととして運動を進めていこうと。そのためのスプリングボードとなる予算も用意し、組織も用意をしていくということで。まさに「みんなが主役の清流の国づくり」ですから、いきなり誰かが出てきて、これだと決めつけないほうがいいのではないかなと、そんなことなのですけれども。少し長くなりましたけれども。

記者 「清流」という自分の地域のイメージを思い起こさせる、その清流の地域と、ぎふ清流国体が、2つ重なっているということですか。成果ですか、国体の。
知事 国体の成果を活かそうということでやっていくのも1つありますし、別に国体にこだわらなくてもいいのですよ。全国豊かな海づくり大会の成果でもいいし、全国植樹祭の成果でもいいし。

あるいは今度、全国育樹祭というのを考える時に、これは涌井先生がものすごくはっきり言っているのですけれども、この全国育樹祭を、実は涌井先生にも全国育樹祭のいわばコーディネーターというかアドバイザーをお願いしているのですが、先生がまずおっしゃっているのは、全国育樹祭をやるのはいいけれども、次世代に、つまり天皇陛下が御手植え、御手播きしたところででき上がった森林を、皇太子殿下、皇太子妃殿下が御手入れをするという、この時代を繋ぐというのが全国育樹祭の考え方なので、岐阜の全国育樹祭で次世代に何を繋ぐのですかと。ここのメッセージをきっちりしないと、全国育樹祭をやる意味が分かりにくくなるということをおっしゃっておられて、それはもうこれから考えましょうねということなのですけれども、そういうアプローチだっていいですし。色々とあると思いますけれども。

あまり、ですから、定義は何かと言って一生懸命、厳密に決め付けるのがいいのかどうかということですけれども。「うどん県」とか「おんせん県」というものがあったり、比較的評判がいいのがあれでしょう、「リョーマの休日」ですか。「ローマの休日」をもじって、知事が坂本龍馬の格好をして、バイクに乗って、後ろに女性を乗せて走っている画があって、「リョーマの休日」。「魅力ある、龍馬の魅力にあふれた高知へいらっしゃい」とこういうあれなのです。これも1つの観光キャッチフレーズなのですね。これはすごく評判がいいらしいのですけれども。各県の中で色々なコメンテーターがコメントしているのですが、それはそれで。ですから、色々なやり方があるのではないかと思いますけれども。

何となく私も、皆さん方の記事をじっくり読ませていただいているので、非常に勉強になりますので。むしろ読ませていただいて、またそれを参考にさせていただきますけれども。ただあまり今、定義を一生懸命決めに入るよりは、むしろ「清流」というスローガンの中で、何を皆さんがイメージをして、どういう地域の発展を考えていくかというところを、もう少し自由に議論をするというか、広げていきながらやっていったらいいのではないかというふうに思います。

それから時々、皆さん方の記事を読んでいると、三重県の「美し国(うましくに)」と比較する、あれも実は私、よく分からないのです。でもあれは、前の野呂知事の時に伺ったのですけれども、30年計画くらいなのです。第1段階、第2段階とすごくかちっかちっとつまりその、今おっしゃる定義を決める段階とか、こういう展開をする段階とか、30年計画になっているのです。「すごいですね」と言って、私も読ませていただいて。ですからそういうタイムスケジュールがあるから、ここまで来ましたとか、今度はこういうパンフレットを作りましたとか、この何とか会議でここまで結論を出しましたとかというのは、割と行程表を重視してやっておられたのですが、それも1つのやり方だと思いますけれども。

私自身はもう少しフレキシブル(柔軟)と言いますか、岐阜県というのは非常に多様でしょう。この多様性というものをやはり大事にしないと、多様性の中でのアイデンティティーというものをどういうふうに、あるいは多様性の中での魅力をどういうふうにやっていくかということもありますので。あまり定義を慌てて掘り下げるというよりは、もう少しこう柔らかいやり方というか、そんなイメージでおりますけれども。
もう少し、そういう意味ではお時間をください。ただ、言いたいことは分かっていただけると思いますけれども。それから、(県内)各地に行ってそんなに違和感はないですよ、話をして。このこと自身には。さてどうするかというのは、それぞれ色々なことをおっしゃいます、地域によって。

記者 木造住宅のウェブサイトの開設の件で伺いたいのですけれども。2点伺いたいのですけれど、まず国のほうが5年に1度、どれくらい各都道府県で耐震化が進んでいるかという調査をしていると思うのですけれど、例えばそれを県で独自に、どれくらいの耐震化が進んでいるのかという調査に乗り出されたりするのかどうかということと、あと改めて、このウェブサイトでどういう効果を期待したいのかというのを伺いたいのですが。
知事 耐震化のデータは、特に東日本大震災も経験した訳ですし、今、丁寧にやりつつあると思いますので、データは先程申し上げましたように、平成23年で77%、平成24年の数字がまだちょっと出て来ていないのですけれども、遠からず出てくると思いますので。データは、我々としては丹念に取っていこうということで。というのは目標を90%に置いていますものですから、できるだけ早くそこに近付けたいということですね。

このウェブサイトも、最後の狙いはそこなのですよね。耐震化を、何と言うか、いきなり本格的な耐震化しかありませんよと言ってしまうと、なかなか手が付けられないものですから、その少し手前の(耐震診断による評点が)0.7の簡易耐震化でもまずやったらどうですかと。簡易耐震化をやれば、次は、あとはこれとこれを足せばいいんだなということで本耐震化になると思いますし、費用的にも段階を追っていくわけですから。補助金は最初の簡易耐震化のところでもう出しますということに切り替えましたので、そういう意味で耐震化が進むということが目標です。

それをできるだけビジュアルに分かりやすく知ってもらおうというのが、このウェブサイトの目指す意図というか、そういうことだと思います。

記者 また「清流の国」に戻るのですが、「清流」というのが岐阜の魅力を端的に表しているというのは、分かりやすいと私も思うのですけれど。ただ「清流の国」となると、ちょっとまた、「清流」でイメージはしやすいのですけれども、「清流の国」となるとちょっとぼんやりして、「清流の国づくり」というと、更にもう少しぼんやりしてしまうのですけれど。

今の話で、各地域で自分のふるさとの魅力を見つめ直して、そこの地域資源を活用する取組みに、この「清流」というキーワードを使ってやってほしいということだと思うのですけれども、これは外に発信するフレーズではないということでしょうか。あくまで県民の中で、県民が自分たちの魅力を見つめ直すためのフレーズとして使ってもらうものなのでしょうか。

知事 先程申し上げましたように、上海万博では「清流の国から」と、もう外に向かって発信しているのです。それから東南アジアでも、色々な岐阜県の物産・食材・観光キャンペーンをやりますけれども、やはり「清流の国」という言葉を前面に押し出してやっていますので、既にそういう対外的なキャンペーンでも、「清流の国」という言葉は随分使っているのですね。

この前少し、この場でご紹介したような気はするのですが、シンガポールの国家開発大臣は「岐阜へ行って1つ日本語を覚えてきた」と言って、「それは清流だ」と言うのですけれども、彼らのイメージはまた少し違っていて、国家安全保障なのですよね。マレーシアとシンガポールというのは、水を巡って戦争をやった訳です。マレーシアからシンガポールが独立したけれども、水を止められたら生きていけない訳です。ですから清流に恵まれた国、清流に恵まれた地域というのは、シンガポールの人にとってみれば、あるいは香港もそうですよね、香港の人にとってみると死活問題で。ですから「清流の国」というと、ものすごくそういう、国の安全、豊かさというのを我々よりもっと感じられるのですね。

そういうことですので、私も行ってみるまでは気が付かなかったのですけれども、話をしてみると、それはもう分かったと、素晴らしいと、そういうコンセプトで地域を表現していくというのは素晴らしいと言って、彼には非常に褒められたのですけれども。やはりそれはシンガポールという国の置かれた状況とか、過去の戦争の歴史、独立の歴史と清流というのが、彼らの頭の中ではすぐに繋がるのですね。
ですからそういう色々な受け止め方、そういう清流の受け止め方があるのかというのは私にとっては発見でしたけれども。そういう意味で、県内でも色々な人が色々な所に住んで、発見があるのではないかと思います。

それから、これは今日(の会見に)おいでになるメディアの新聞ではないのですけれども、某紙は昨年か一昨年だったか、「夢の王国馬瀬」だったか、下呂の馬瀬村、何かそういうような大きいコラムがありまして。要するに、過疎地であるということを国際観光戦略の要に置いて、そこでも「清流」という言葉は出て来ていましたけれども、過疎地で、何と言うか森林やら清流やら、あるいは地産地消の食材やら、そういうものに恵まれた料理旅館がぽつんとあって。それが「味の巡礼」というテーマで、イギリスのロンドンの、あるクオリティーペーパー(高級紙)に紹介されて、イギリス人から火が点いて、問い合わせが殺到して。それで、一般的にキャンペーンをやりませんものですから、そういう口コミでしかお客さんを受け付けないということで、それを見た、世界銀行で副総裁まで登りつめた西水(にしみず)さんという女性の方なのですが、何か面白いなということで、ご夫婦で行ってみたらもうはまってしまって。

要するに過疎であるということを、そこに行くと何の、これというPRもしない、色々なもの、こういうものがあります、ああいうものがありますというPRをしないのです。ここはあり合わせのものしかありません、全部私が、これ手作りのものしかお出しをしませんのでと言って、おもてなしをするらしいのですが、これが隠れた国際ブームになっているらしいのです。

これは下呂で選挙の時に、私が言ったのです。そうしたらごく一部の人が「ああ、あれあそこのあれだ、あの人だ」と言っていましたけれども、9割くらいの人が知らなかったです。「馬瀬でそんな所があって、そんな人気があるの」と言って、話がありましたけれども。それはそれで1つの、馬瀬という地域でおもてなしをするにあたって、どういうコンセプトでどう出していくかという1つのやり方ですよね。
ですから、色々なやり方があると思うのですよね。私も、非常にそれが面白かったものですから、感ずるところがたくさんあったのですけれども。

やはり岐阜県のそういう、おっしゃるような地域資源というのは色々な見せ方があると思いますので。そういうものを、まずはその「清流」という、今現在では多分、県民的には一番理解のできる、納得のできるコンセプトを1つのスローガンにして、岐阜県の魅力発信、魅力づくりをやってみようという。

ですから、逆に言うと私は、清流以外の言葉を使ってはいけないとか、そんなことを言うつもりもありませんし、それぞれに色々なことをおっしゃっていただいたらいいのですが、取りあえずそういう、取りあえずというか、今この国体が終わって、さて未来づくりという時に、清流という言葉は、多分県民的には受け入れやすいし、皆さんあまりこれまで、過去の県政の歴史の中では、そういう言葉はあまり聞いてこなかったけれども、言われてみると岐阜県としてはいいよねという、皆さん喜んでいただいているので。ではその言葉を1つ、キーワードにしてやってみましょうかということで。

そんな意固地になっている訳ではないですよ。ただし、何だ、何だ、何だとあまり聞かれると、私もものすごくこだわって、岐阜県内に清流以外はないのかと。そんなことはないので。1つの運動体と言いますか、もっとこう何と言うかこの、スローガンと言うか、シンボルと言うか、キーワードと言うか。
でも、現に清流はあるのです。つまり、抽象的な、無い物を言っているわけではないのですよね。今あるもので、皆が「そうだよなあ、岐阜ってこう繋がっているよなあ」ということですよね。

ただ清流というのは、きれいなイメージだけで言うと、別の人は「いや、俺たちの町や村は水と闘ってきたのだ」と。「水害と闘ってきたのだ」と。「だから、何もきれい事だけではないよ」とおっしゃる人もいます。それはそれで1つの、水に対する受け止め方ですから。広い意味でのこの、清流を守ると。濁流ではなく清流を守るということになるのでしょうし。色々な考え方があっていいと思うのです。
ですから、あまりそんな、とことんこだわられるというと、ちょっと私もどうかなと思うのですけれども。そんな感じです。

記者 外部に発信する時にも色々な見せ方があるから、その、県外に発信する場合でも、そんなにコンセプトを決定しないほうが、色々な見せ方があるからそっちのほうがいいだろうという。
知事 と言いますか、「岐阜県ってどんな所ですか」と。「岐阜県ってこんな所なのですよ」と言う時に、何と言うかと。それはその、それが一番いいのは、現実にあって、アイデンティティーとしても皆が納得できて、しかも魅力的で誇りの持てる、そういうコンセプトであるのが、一番ハッピーですよね。そういうこともあり、またこの数年間の色々な出来事の中で定着もしてきているから。

今、岐阜県を発信するとすると、そういうやり方が一番分かりやすいし、皆あれだけ、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会で「清流」ということで頑張ってきたわけですから。そのエネルギーを更に活かしていく上でも。

ちょうど、ミナモというものを是非残してくれと、岐阜県のマスコットキャラクターとしてもっと使ってくれと、あるいはFC岐阜が使いたいですとか、色々な話がある訳ですよね。それも同じことですよね。ミナモというのは、なるほどと皆が、まさに「清流」ということで納得したからこそ、ミナモにも納得している訳ですよね。というふうにして、ある程度こう、浸透してきている、でき上がってきている、これを大事にしようじゃないかということでもあるのですけれどね。

ああも言い、こうも言っているので、なかなか受け止めにくいかもしれませんが、あまり性急な定義だけはちょっとまだ、そこまでは至っていないということですね。

記者 その「清流の国」で、今はその、色々な定義がということでしたが、例えばいつ頃までに何かこう、ビジョンとして何か固めたりとか。例えば清流の国づくり局というものを作って、今後何年で何をするとかというような、どれくらい続けていくとか。
知事 ですから今のところそういうふうな、先程「美し国」をご紹介したのも、つまり30年計画で、最初の5年間は何とか期間、次の5年間は何とか期間、次は何とか期間で、こうしてこうしてこうしてとそういうふうに、緻密に30年間の足取りをこう決めていくというか、ちょっとそういう感じではないのですよね。

ですから、例えば上海万博で「清流の国」と言ってみたと。大変好評でしたと、中国の方も分かりやすいとおっしゃったと。シンガポールで言ってみたと。そうしたら、いや「清流」というものはこれは先程の話で、死活問題、安全保障にも繋がる、これは大事だねと言う反響があったとか色々その、県外という意味で言えば。

県内という意味では、県民が納得できるコンセプトかどうかですし、県外という意味ではまさにその、何のために県外に行くかというと、岐阜の良さをアピールする訳でしょう。アピールして、観光であったり輸出であったり投資であったり、色々な交流を高めていくためにアピールしていく訳ですので、それは相手方の反応、こちらのプレゼンの仕方も色々変わってくるでしょうし、相手方の反応も変わってくるでしょうし、そしてその変わってくる中で、こちらも柔軟に修正していくということはいくらでもありますので。何か予めこう、がちがちに決めていくということはどうかという感じがしますね。

それからもうちょっと言いますと、少し前に、私と同じ名前ですけれども、「古田織部」というものを大きく出した時期があるのですけれども。これはなかなか、県内も県外も含めて、もちろん知っている人は知っている訳ですし、織部のこう何と言うか、型破りなというか、型に捉われない柔軟な発想、そういうものが大事なんだよという議論も、それはそれで1つありますし。どれを肯定する、否定するというのではないのですけれども。

ただ私自身は、この8年間ずっと一貫して、とにかく「岐阜ってどういう所」と。「岐阜のアイデンティティーは」と。「岐阜は1つか」と。それから、どう岐阜を表現すれば、県内・県外、皆さんがなるほどと思っていただけるかということを、ずっと考えながら色々なことをやってきた中での、辿り着いた方向付けですから、それで一生懸命やらせていただいて、また色々なご意見は出てくるでしょうから。ある種のそういう運動体としても考えていきたいなと思っております。

記者 オリベだとちょっと分かりづらかったということですか。
知事 どうでしょう。いやむしろ、説明すれば分かるのですよ、これはどういう人で、何をした人で、何故岐阜はオリベかと。私も同姓ですから、親近感がものすごくあるのですよ、私自身も。織部の本も読みましたし、親近感はすごくあるのですけれども。
じゃあ「オリベ運動」で行くかと言うのも、それは1つの考え方ですけれども、この間ちょっと8年間、そういうことでは必ずしも来ていないものですから。全国植樹祭があって海づくり大会があって、上海万博をやったり、海外の観光キャンペーンをやったり、国体をやったりという中でいきますと、今のような考え方です。

そこに何が入って来てもいいのですよ、別に。排除はしませんので。そこはそれぞれの地域のお考えも聞きながらということで。別に排除するものは何もありません。

記者 「清流」以外のことでお聞きしたいのですが。PM2.5についてなんですが。先日環境省のほうで連絡会議を開いて、全国の自治体と監視体制の強化について合意したというふうに聞いています。

国のほうは自治体に対して、測定地点を増やすということを要請しているというふうに聞いているのですけれども、これに対してどういうふうに対応していくかということと、あと来年度の予算も固まっている状況なので、国に対して財政支援とかそういったことを要望していくお考えがあるかをお聞かせください。

知事 まず、国の対応ということで、今言われているものが6つあります。1つは注意喚起のための暫定指針を策定しますと、こう言っている訳です。国としてですね。これは今月中には決定されるというお話ですから、我々としてはこれをお待ちしているというのが1つ。

それからそれができた暁には、2番目に、基準を超える日に外出や室内の換気を控えるように注意喚起すると。これが2番目。これはそうなった時にそうすればいい訳ですね。

それから3番目に、指針を作るにあたっては、心臓や肺に持病のある人、お年寄り、子どもに配慮すると。これも指針の作り方ですから、そういう配慮された結果を、私どもとしては学べばいい訳ですね。

それから全国で測定地点を、今550あるのだそうです、それを1,300か所に増やすと、こう言っている訳です。岐阜県は今いくつあるかと言うと、11か所でやっているのです。そのうち岐阜市が3か所、それから岐阜市の外で8か所やっておりますので、これをその1,300地点と言われた時に、岐阜県のこの11か所というものが多いのか少ないのか、あるいは今の配置がそれで足りるのか足りないのか、そこはちょっとその時点で判断しようと思っております。

それから、健康への影響を分析するというのですが、これはちょっとよく、ふわっとしていてよく分からないのですけれども。それは分析しないといけませんけれどね。

それから6番目に、環境省のホームページで情報を発信すると。これはしていただいたらいいので。という流れでして。
私どもとしてはまず、今11か所で測定をしておりますし、データも公表しておりますし、(この冬については)今までのところ、いわゆるその、環境基準と言われている基準を、まだ暫定基準ではないですよ、これは従来言われているものですけれども、従来の基準を超過した日にちはないという、岐阜県の場合はですね。ということは確認をしておりますが、色々、今月に入りましてから、県民の皆さんからの問い合わせもありますし、きちんとデータの公表をやっていくということが、今、ホームページを見ていただきますと、データを出しておりますので、見ていただければいいのですが。ということでしょうか。

ですから、まずはこの暫定指針がどの程度のものが出てくるのか。それに応じて測定地点がどの程度、緻密にやらなければいけないのか、広範囲にやらなければいけないのか。その辺りから次のステップが始まるのではないでしょうか。そんなことで考えております。

記者 「清流」に戻ってしまって恐縮ですが。予算の会見の時に、要は、色々紙面をご覧になったということだったのですけれど、総合企画部のほうであまりこう、説明がうまくいかなかったという、清流のコンセプトですね。知事のお話で多様性を大事にしていく、高めたいということが分かったのですけれども。
それで要は、全部の部局に対して、こういうふうにしていくというような、こう啓発というかそういうようなことをされる。
知事 今度は庁内啓発ですね。もちろん担当部局もできるわけですし、それから、この前ご紹介したように、各部局にも清流に関わる新しい係やら担当ができる訳ですから、まずはどこかのタイミングで、全体的な取組みの仕方を、1回きちんとまとめた議論はしたいと思っておりますけれども。

これは県議会でもそういった議論も出ると思いますし、それから新年度の人事にも関わってきますし、どこかでちょっと節目になるような形で、全庁的な体制を見極めて徹底したいと思います。
あれですか、総合政策課は、担当のほうは、それぞれのまた多様な思いを述べていた訳ではないのですか。

記者 多分そのような感じで、形で。やっぱりまとまり切らないものがあるということで、ちょっと説明に四苦八苦されていたようなところかなというふうに拝察したのですけれども。
知事 そうですか。ですから、あまり皆さん、定義、定義でこう追及しすぎたのではないですか。定義と言われると、ちょっと違うのですよね、そういう意味では。
記者 やっぱり3本の柱の1つとして、予算も付いている話で、その辺りがちょっと、皆さんやや消化不良だったのかなという。
知事 それとですね、私が言った、強いて言いますと、「清流の国」まではいいのですよ、先程の話で。まだいいのですけれども、そこに「づくり」と入れると、何か作ると書いてあるじゃないかと。で、予算の柱になっているのでしょうと、何を作るかちょっと言ってごらんなさいよと、こういう質問でしょうね、きっと。皆さんの質問の趣旨は。
記者 そんなに厳しい質問ではなかったかと。
知事 いえ皆さん、定義から入ってくると、そういうことかもしれませんけれども。先程申し上げたようなことですから。少しこう緩やかに、これからどういうものが生まれてくるかというか、どういうふうにこう、各地で工夫が凝らされてくるかというのは、私も積極的にこれから現場主義でやっていきたいと思いますし。これから大いに、私としては期待をしたいと思っております。
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