ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 分類でさがす > 県政情報 > 知事 > 知事記者会見 > 知事記者会見(平成21年10月28日)

本文

知事記者会見(平成21年10月28日)

記事ID:0000094 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成21年10月28日(水曜日)午後3時

知事

私の方からまず何件かご報告させていただきます。一つは、お手元に資料をお配りしておりませんけれども、今週の土曜日、31日に東京都港区の東京海洋大学で、天皇・皇后両陛下のご臨席のうえで第29回の全国豊かな海づくり大会中央大会が行われます。私自身は次期開催県の知事として出席させていただくことになっております。前日の30日、金曜日の夜にレセプションがありまして、そして土曜日に式典があるということでございます。大会旗の引継式に出席させていただいて、岐阜のPRをさせていただくという役割でございます。

子どもが主役ということをよく申し上げておりますが、水の子ども会議の学習成果発表会で最優秀校になりました加茂郡白川町の小学校の児童お二人も一緒に参加していただくことになっております。

当日の取材については、中央大会の事務局へ事前に申し込んでいただく必要があるということですので、その点はお含みおきいただきたいと思います。

次に、お手元に資料がありますが、緊急雇用創出事業ということで、特に中高年者向けに500人規模の事業を県として一括して実施するというものが一つと、それから、ふるさと雇用再生基金事業の民間提案募集の開始、というものと二つ並んでおります。思い切った雇用対策をやるということで、6月に基金ができているわけでございますが、これは新政権になりましてもそのまま認めていただいておりますので、これをしっかり実施していくということです。

緊急雇用創出の方は来年3月末までの短期のものでございまして、特に環境美化とか商業施設の夜間パトロールとか地域のイベント支援とか、そういった類の緊急雇用事業について、500人程度の雇用創出ということでございます。県が一括してこれを実施するということでございまして、こうしたやり方は全国でも他には無さそうでございます。

それから、ふるさと雇用再生基金事業は、雇用期間が原則1年間、またはそれ以上になることもあり得るわけですが、これまで県と市町村とでいろいろと可能な雇用の機会を発掘して参りましたけれども、今回は、単年度2.5億円、あるいは平成22年度と23年度を合わせて5億円という規模で民間を対象に公募をさせていただいて、こういうプロジェクトにこういう人が欲しいということにこのお金を活用していただくということでございます。

それから次に「岐阜県グリーンビジネス事業化総合支援補助金」という資料がございますが、これは今年3月の補正予算で、国からの交付金をいただいて基金化したものでございます。向こう3年間、グリーンビジネスについて積極的に応援をしていくというものでございまして、岐阜県産業経済振興センターに1億3千万円の基金が置いてあります。新しいビジネスモデルの創出でありますとか、新エネルギーの導入とかいったことを応援するということで、すでに100件ほどの問い合わせがございましたけれども、今回、新しいビジネスモデルの創出で2件、新エネルギーの導入で11件、事業決定をいたしました。

この新しいビジネスモデルで申しますと、「投げ入れ型水力発電システム」というものがありますが、これは工事をすることなく、小型の水力発電機器を流れの中に置けば低コスト高効率の発電が可能になるというものでございます。特に落差の小さい農業用水で使えるということで、新しいモデルになるのではないかということでございます。もう一つは苔を活用した屋上や壁面の緑化用の新しい資材の製造販売ということでございます。自動車のシートの保水機能を活かして、それに苔を融合して超軽量で強度の高い緑化資材を作るということでございます。また新エネルギーについては太陽光発電、木質ペレットストーブといった案件が上がっております。

3年間で1億3千万円を使ってまいりますが、これらはその最初の採択案件ということでございます。

それから次が、デザインセンターオリベ、付知の木工産地プロジェクトでございまして、付知の木工メーカー5社と日本を代表する木工デザイナーが連携しまして、木曽五木といいますか、木曽の五つの木、「あすなろ」、「さわら」、「ひのき」、「ねずこ」、「こうやまき」という五つの木を使って新しい台所用品の開発に取り組んだということであります。この木の頭文字をとって「asahineko(アサヒネコ)プロジェクト」と言っておりますが、男の台所道具というコンセプトでございまして、資料をめくっていただくと具体的な商品の写真が付いております。この中津川の付知町は伊勢神宮の式年遷宮のご神木の里でもございまして、いろいろな木工製品も作っているわけでございます。岐阜県では木工製品というと飛騨高山ということでございますけれども、この飛騨高山以外にも優れた木工産地があるということで、東京の六本木のミッドタウンでこのプロジェクトの紹介、トークショー、諸々ございまして、こういったことを通じて産地のブランド化を図っていきたいということでございます。また今後ですが、「TheCoverNippon」(ジカバーニッポン)というインテリアライフスタイルショップが同じくミッドタウンの中にありまして、そこに常設販売をするということで、売り込んでいきたいと思っております。

このプロジェクトは、実はこの10月20日に発表になっておりますけれども、経済産業省の「JAPANブランド育成支援事業」にも採択されておりまして、この先欧州市場、ヨーロッパ市場をターゲットとするブランディング戦略もにらんでおるわけでございます。それから、このほかに飛騨春慶につきまして、同じこのプロジェクトのコンセプトで12月に銀座の松屋百貨店で新製品の発表をするということで、また改めてご紹介させていただきたいと思います。それから私から見て左手ですが、あちらに木工製品を置いてありますので、後ほど触ってみていただいて、お値段も書いてありますので、ご活用いただければと思っております。

この手のデザイナーと地元のメーカーとのコラボレーションというのは、実は平成18年度からやってきておりまして、最初が美濃焼で、12人の建築家と美濃焼が一緒になってカップアンドソーサー、これを東京で大々的にやりましたし、19年度が飛騨の家具、20年度が美濃和紙、付知木工、飛騨春慶という今回のシリーズです。21年度は土岐市の駄知の陶磁器について、同様のアプローチをやろうと考えております。

それから最後になりますが、「ドコモ土岐の森」ということで、株式会社NTTドコモの東海支社、土岐市、岐阜県の間で、生きた森林づくり協定を結ぶことになりました。これは11月1日付けで考えておりますけれども、岐阜県としては昨年の1月から企業との協働による森林づくりということで、このドコモ案件がちょうど10例目になるわけでございまして、ドコモとしても積極的に社員、その家族の皆さんが年に1回は、この場所に訪れて里山の整備に汗をかいていただくということで、「ドコモ土岐の森」ということで大事にしていただくということでございます。

私の方からは以上でございます。

記者 先週、2011年度からの職員の新規採用の見送りという話がありました。それからまた、職員の給与カットについても今年度限りであったものを継続や拡大を考えているような話もありますが、その辺について職員組合との話し合いとか、削減率をどのくらい拡大するとか、どのようにお考えでしょうか。
知事 今いろいろ最終的に詰めは行っておりますけれども、近日中に組合の方に私どもの方からご提案させていただこうかと思っております。考え方としては今回の分科会の試案のたたき台、そしてアクションプラン、いずれも向こう3年間に構造的に県の歳入、歳出が見合う形にもっていきたいということでございますので、向こう3年間をにらんで、どういうことをお願いするかということの提案をさせていただきたいと思っております。近日中に申し上げたいと思っておりますので、またその時期になれば発表できると思います。
記者 職員の新規採用の凍結の件ですが、今までまとまった人数、50人程度採用していた一般行政職の数をゼロにするということで、地元に貢献したいという若者の意欲すら断ち切ってしまうような今回の施策に関して、どのように捉えていらっしゃるのかということと、県の退職者で外郭団体に再就職された方が多くいらっしゃるかと思いますが、その辺りを削らずに、新規採用凍結を先に打ち出した理由をお聞かせください。
知事

一言で言えば県の財政状況がそれだけ厳しいということと、可能なことについては最大限手をつけていくという中での話ですので、おっしゃったことの後段の部分については、大きな流れとしては再就職という流れは減少の方向へ向かっていくと思います。

今は、管理職は59歳で早期退職しています。あとは団体のニーズと退職者本人の意向がマッチしていれば、県がマッチングの労をとるということをしているわけですが、そもそも外郭団体自身を、私が着任してからかなり見直しをしてきておりますし、今回のたたき台でも相当思い切った見直しをするということを打ち出しておりますので、結果的に外郭団体が整理されていけば、退職者の再就職の数も減っていくことになります。

適材適所、能力のある方をどう活かしていくかという観点からいけばゼロまでいくかどうかはわかりませんが、県が自らできること、あるいは民間が自らできることといった点で既存の外郭団体を整理していけば、おのずと数としては減っていきます。現にそういう流れにあると思います。これはこれで大きな流れだと思います。それから新規採用の方は、一般行政職を考えているわけですけれども、警察官とか教員は定数について法律とか一定のルールが定められており、それに沿っていくというものでありますので、思い切って減らすとなるとどうしても一般行政職にならざるを得ないのです。一般行政職も私が着任した平成17年の当初はざっと5千人の規模でしたけども、既に600人ほど減らしてきております。さらにこれから3年間で400人減らすということで合わせてこれから4千人規模を念頭においているわけです。そういうふうに一般行政職員を減らしていくという流れの一環として、新規採用を今、年によって若干幅がありますが、60人から80人というオーダーで採用しているものを、ここ2〜3年ぐらいは見合わせざるを得ないかなということです。人事をやったりいろんなことをやっていく上では、人が欠けるというのは決して望ましいと思っておりませんが、逆にそれほどに財政が厳しいということで、最大限のスリム化をやっていこうという思いの表れだとご理解いただきたいと思います。

記者 知事ご自身が、給与を30%カットされるとおっしゃいましたが、割合の根拠は何を持って選択されたのかということと、職員の給与カットに向けて職員組合との交渉に入る予定だということですが、先ほどのお話の中で3年間をにらんだ提案になるというお話でしたが、昨年は、この割合で1年間削減という提案でしたが、今回は、今後3年間、給与カットという提案になるということでしょうか。
知事 後者の方はまさにおっしゃるように3年間をにらんだお願いをしようと思っております。アクションプラン自身も3年間をにらんでお出しするものですから、そういう中で先ほど来議論にありますような、人の削減と給与の削減というものを位置付けていくということになるわけです。それから、3割カットというのは、今年度で言うと15%カットさせていただいているわけですが、全国、他県を見渡してみますと、特に最近思い切った給与カット等をやっておられる県のいくつか、特に大きいところでは大阪府をはじめとして、だいたい知事は3割カットというのを打ち出しています。今は15%ですから、厳密な理屈があるわけではないのですが、全国的な流れと今年度の数字との見合いで、15%から30%へというのが一つの割り切りかと思っています。
記者 職員の給与カットについて、昨年度は提案としては財源不足がどうしても埋まらないので、それを埋めるために給与削減をお願いしたいという出し方だったと思うんですが、今後、3年間をにらんだ提案も趣旨としては行革だけでは財源不足が埋まらないので、その不足分を埋める形として職員の給与にも手をつけたいという趣旨なんでしょうか。
知事 今の財源不足という問題を突き詰めていくと、全ての計算をやり終えてからでないと提案ができなくなってしまいます。そうすると、今年の春先、ギリギリまで税収などを見極めた結果の苦渋の判断だったわけですけども、逆に唐突と言いますか、あまりにも急な話ではないかということでご批判もいただいたわけなので、私どもとしては先ほど申し上げましたように、全体で300億円というギャップを埋めていく上で、それぞれの行政サービスの分野でも定員の分野でも、いろんな分野でできるだけの対応をしていって全体として納めていかなくてはいけない、という流れの中で3年間という期間を念頭に置いてお願いをしようというわけです。
記者 財源不足を補うための給与カットというのは基本的に応じられないというのが組合側の話だと思うのですが、知事のお考えとしてはギャップを埋めるためのものでしょうか。
知事 ギャップというよりも全てについて最大限努力をしないと300億バランスをとることができないということです。ありとあらゆることをやる、歳入面での努力もする、歳出面でもありとあらゆることをやる。岐阜県の場合人件費の予算全体に占めるシェアが32.4%ということもありますし、それぞれ義務的経費も思い切って見直すとかできますし、先程お話にありました外郭団体の支出も見直すし、また、市町村からもいろいろとご意見を頂いておりますけども、市町村に対するいろんな助成も見直すと。いろんなところを見直しながら何とかこのアクションプランとして、バランスのとれた形に持っていきたいということです。
記者 給与カットはギャップを埋めるための一つの手段ということでは。
知事 まさに歳入と歳出がバランスのとれたものにしていく上で、歳入面歳出面、ありとあらゆる対策を考えていく、その一環として人件費にも残念ながら手をつけざるを得ない、こういうことでございます。一応この3年間ということで考えておりますので、何も恒久的なことと言っているわけではないので、この3年間は何とか皆で我慢をして頂いて、臥薪嘗胆ということでこの時期を乗り越えていかざるを得ないのではないかと、そういう思いでおります。
記者 来年度からの3年間ということですか。
知事 そうです。22、23、24と3年間です。もともと昨年度出しました長期構想では、21年度から24年度までを緊急財政再建期間というふうに位置づけていますので、その緊急財政再建期間の初年度となる21年度は570億のギャップを歳入面歳出面やっていく中で、人件費をお願いしたわけでありまして、残された22年度から24年度までの緊急財政再建期間というものを、どういうふうに乗り越えていくかということです。
記者 職員給与カットの部分で3年間という形で恒久的なものではないというお話であったのですが、そうしますと平成22年度から25年度までの予算編成の際に、計画上は歳入歳出のギャップが均衡すると、目指すところに達した場合は、戻すと、そういう話でしょうか。
知事 25年度のことを具体的にお話できる状況にありませんけれども、私どもとしては24年度までで何とかこのギャップを整理をして、バランスのとれた姿に持っていきたいというふうに思っておりますので、バランスのとれた姿になれば、やはり戻す方向に、これは25年度の話でありますけれども、そういう方向で努力をしていくということになるんだと思います。恒久的な給与カットを申し上げているのではありませんので。
記者 同時に市町村の補助金のことと絡んでくるのだと思うのですが、市町村側は例えば3年間なら3年間我慢をして、きちっとした歳入面が戻るのかという点が一つの論点だと思うのですが、市町村の補助金についても同様の・・
知事

その議論を始めると全部です。市町村の補助金だけを取り上げるのも妙な話ですし、それこそ医療から福祉から教育から産業政策からいろんなところで思い切った歳出カットをやっていくわけですから、25年度の県政として何をしていくのか、25年度の歳入歳出がどういう姿になっているのか、そこで総合的に判断していくのではないでしょうか。ただ、給与というのは今年度が初めてで、人事委員会の勧告とは別にお願いしているもので、こういう臨時緊急避難的なお願いなので、私どもとしては3年間なんとか乗り越えたら、これは戻す方向で考えていくべきものであろうと思っております。政策予算をどうするかはそれぞれの政策的な位置づけとか、総合判断の中で考えるということでありますけれども。

市町村の皆さんがどんなふうにお考えなのか今いろんな所で議論をしていただいておりますので、そういった議論にもよく耳を傾けながらやっていきたいと思っております。何としてもとにかく24年度末までにバランスのとれた姿にするということです。

ただいつも申し上げておりますけれども、大変悩ましいのが新政権の来年度予算の考え方でありまして、子ども手当一つとりましても地方の負担は、今の児童手当と同じようなことをもしお考えだとすれば、これはもうとてつもない額になってほとんどお手上げという状態になります。それからつい最近では新型インフルエンザのワクチンの接種、これも県に対しては4億円、市町村に対しては4億円の、計8億円の請求書が来ております。国がある政策をとって、「はい、地方負担はこれだけですよ」という格好で、年度途中なり、新年度なり、ぽんぽん請求書が来るということになると、これはまた私どもが考えている枠組みとは別に新たな負担が生ずるわけです。

そもそも来年度予算に向けて、交付税だとか暫定税率だとか、一括交付金がどうなるかとか、児童手当がどうなるかとか、いろんな要素がどのように収れんしていくか、その中で地方財政というものをどのように考えていくのかとか、この辺はこれから大議論になるところです。それからもう一つは景気動向です。景気が来年度はどうなるか、いろいろな不確定要素がありますが、今私どもはそういう不確定要素を除けて議論をしているわけなので、そういう不確定要素が本当に厳しくなったらどうするかというのはまた別問題として出てくるわけです。そういう意味での留保、一種の留保条件付きの議論になります。

<外部リンク>