ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 組織でさがす > 県民生活課 > 平成25年度「地域の絆づくり重点推進モデル事業」成果報告会を開催

本文

平成25年度「地域の絆づくり重点推進モデル事業」成果報告会を開催

平成25年度「地域の絆づくり重点推進モデル事業」成果報告会を開催しました

 今年度、北方町西小学校区をモデル地域に指定して実施している「地域の絆づくり重点推進モデル事業」の成果報告会を下記のとおり開催しましました。

 成果報告会ではモデル事業の実施団体である北方町ひなたぼっこくらぶの皆さんに、転入世帯の増加により、新旧住民の混住地化が進行している地域の取組みモデルとして、住民ボランティアの皆さんによる子育て支援や多世代交流を通じた地域の絆づくりに取り組んできた成果を発表していただきました。

日時

平成26年2月24日(月曜日) 13時30分から16時00分

会場

北方町公民館2階大ホール

 (住所:本巣郡北方町北方1323-5電話番号:058-323-1115)

参加人数

100人

内容

〇「地域支え合いセンター設置事業」について成果報告北方町西小学校区ひなたぼっこくらぶ(モデル事業実施団体)

houkoku1 houkoku2

★はじめに、ひなたぼっこくらぶ開設の経緯が説明されました。

・社会福祉法人和光会の所有する施設で運営していた子育て支援事業所を、利用頻度の少なかった県営住宅ハイタウン北方自治会の集会所を活用して継続できるよう、地元の自治会と連携して移設し、多世代交流拠点の場として地域住民の皆さんに協力をいただきながら、和光会から徐々に地域住民の皆さんにノウハウを伝え、部分的に協働していく形となった。

・前年度、一年間継続することにより、地域住民の皆さんに自信と自立心が芽生え、住民ボランティアへの協力の申し出や乳幼児親子の協力を得ることができた。

・モデル事業の対象となった平成25年度は、ハイタウン北方自治会を中心とする地域が主体的に運営することになり、北方町、町社会福祉協議会、町地域包括支援センター、社会福祉法人和光会、県の各機関が地域を支援し、それぞれの立場で連携、協働する運営体制を構築した。

・アンケートやワークショップから導き出された、大規模住宅団地を抱える郊外新旧混住地の課題に対応するため、乳幼児親子や高齢者の閉じこもり防止や仲間づくりへの支援を目的に、「住民によるさりげない「助け合い支え合い」の輪を地域に拡げ、多世代が交流することの相乗効果を期待し、地域力の向上に努める」取り組みを行ってきた。

houkoku3 houkoku4

★続いて、地域支え合いセンター設置事業の各取組みが紹介されました。取組み上の主な工夫点は次のとおりです。

・拠点となるひなたぼっこくらぶ(県営住宅ハイタウン北方自治会の集会場を利用)では、乳幼児コーナーと喫茶コーナーを1フロアー内に共存することで、お互いに交流できる間取りにした。

・毎月1回、月間行事予定表と活動報告を掲載した通信を発行し、全世帯にお知らせした。

・施設入口には、活動写真の掲示や手作り作品を掲示し、住民の皆さんが参加しやすいよう地域のミニギャラリー化を行った。

・施設外部には、オープン日が一目瞭然となるよう、OPEN旗を掲示した。

・利用者の地域を限定せず、誰でも利用できる・迎え入れる場とした。

・公共施設とは異なり、乳幼児親子が昼食後も引き続き交流できるよう、飲食可能な時間を設けた。

・掃除、消毒を徹底し、お互いが気持ちよく利用できる安全・安心な場所づくりを心がけた。

・「ひなたぼっこカフェ(住民同士が交流できる気軽な喫茶店)」の運営には、住民ボランティアによる半日交代の当番制を導入した。カフェ当番者は、喫茶利用者である一方、接客、掃除、片付け、花の水やり、行事のサポートなどを行う補助者の役割を担った。

・「はつらつデイ(主に高齢者向けの健康講座)」や「栄養教室」、「認知症講座」、「包括の日」では、各機関が1つの運営体になっていることで、内容に合った各機関の専門職を、効果的に講師として派遣できた。

・「ましゅまろday(主に乳幼児親子のふれあい遊び)」では、普段家庭ではできない体感遊びや季節遊びなどを、広いスペースを利用して行うことで好評を得たとともに、住民の皆さんと乳幼児親子とが自然に交流できる接点の場となった。

・「リフレッシュ講座(子育てママさんのリラックス時間の提供)」では、子育てママの目の届く範囲で、住民ボランティアの方に託児をお願いし、子育てママも乳幼児、住民ボランティアの方も安心できる距離感を保った。

・「共に夕食、昼食(孤食を防ぐ地域食事交流会)」では、調理器具や食材、調味料を持ち寄れるものは協力することで、運営費や各自の負担を軽減した。

・「教育支援(子どもたちへの身近な体験学習の場の提供)」では、学校等からの依頼は快く受け入れることで、取組みのPRにもつながった。

・「ひなたぼっこお助け隊(住民によるボランティア活動サポーター)」では、カフェの運営や顔見知りの関係による短時間託児への協力のほか、通信やチラシのハイタウン全世帯への配布・掲示、手芸やハーモニカ、包丁研ぎ等、自分にできること、自分が持つ特技を地域に少しづつ還元してもらった。

・「パソコン指導」や「福祉施設訪問」では、社会の一員としてつながり必要とされていたい、という子育てママさんに、高齢者パソコン教室における講師や乳幼児と一緒に福祉施設を訪問してもらい、互いに助け合う多世代交流の場となった。

houkoku5 houkoku6

★最後に、モデル事業を通じた地域の変化や提言などを紹介されました。

<地域の変化>

・受け身であった住民の皆さんや乳幼児親子が、自分たちが運営するという「自覚」が出てきた。また、自分たちにできることは何か、継続していくための方策について一緒に考えるようになった。

・住民の皆さんが手伝いや特技を発揮することで、「居場所」と「出番」の創出につながった。

・行事の開催時だけではなく、多世代交流が日常的な光景として根付いた。

・健康や介護、障がい、子育て、認知症など身近な福祉課題の現状を学び、情報(知識)を習得することで、住民の皆さんが支えられる側から支える側に意識が変わった。

<提言>

・地域で活動をゼロからスタートするためには、いくつかの「仕掛け」が必要である。

・社会福祉法人など地域との関わりを持ちたいと考えている機関は多数あると思われる。ただし、きっかけやタイミングを掴めないことも多いので、地域からの協力の誘いは有効である。

・同一建物内に仕切りを設けず、乳幼児親子、小学生、住民、高齢者が子どもを介在し、一緒に活動することが、地域のにぎわいと絆づくりに非常に有効である。

〇岐阜経済大学経済学部准教授菊本舞(きくもとまい)氏による講評・講話

houkoku7

・ひなたぼっこくらぶの皆さんが、ここまで多岐にわたる取組みができたのは、住民の皆さんが力を出し合ったからに尽きる。大規模集合住宅団地であるハイタウンや新旧混住地化が進んでいる北方町の特徴を取り込んだ形で進められたのではないか。

・ひなたぼっこくらぶでは、他の地域からも参加しやすい雰囲気がつくれていたと思う。

・成功の要因は3つ考えられる。1番目は、地域、福祉の既存の概念にとらわれず、新たなチャレンジができたこと。2番目は、使われていなかった集会場という、既存の施設を上手に利用したことと、各機関と連携して行ってきたこと。3番目は、乳幼児親子にとっても住民の皆さんにとっても、各家庭ではできないこと、自分一人ではできなかったことを地域で行い、集うことができたこと。「そこに集う人が大切にされる場所づくり」であったことが非常に良かったのではないかと推測する。

・多世代交流というと、子育てママさんと高齢者との交流、結びつきのように思われるが、主役は子どもであることがキーワードと考える。一方による支援の関係ではなく、主導権が互いに入れ替わりながら支え合う関係が良い。

・地域の課題がますます複雑、多様化する中、一人ひとりの多様性に応じたパーソナルサポートのあり方は大切である。一方で、課題の解決には、信頼され得る多数の力が必要になってくる。言うならば、問題の把握に対しては、1対1の関係を、課題の解決に対しては、地域のネットワーク、世代を超えた関係性が求められている。

 

〇参加者の声(アンケート結果から)

・私も北方町のモデル地区のような絆づくりができたら、と思っているので、参考に寄ってみたい。

・多様な活動がなされていたが、発表を聞くと、1人のリーダーの元に行われているのではなく、多くの人たちが、自分のできることで活動に参加していると思われる。

・行政、社会福祉法人、地域の方々、ボランティアの方々など、沢山の人たちがつながりを持って、素晴しい活動をされていると思う。来年度も是非、継続していただきたい。

・私たちの地区社会福祉協議会でも子どもたちが安心できる遊び場の提供、若いママさんの交流場所の開催を計画している。今回のましゅまろdayの取組み等を参考にしていきたい。

・住民、行政等、垣根を越えたまちづくりをされている状況がよく分かった。他の市町村、地域においても、各々の情勢に合わせてこうした取組みが実現すると良いと思う。

・多世代で支え合うことの大切さを再認識した。高齢者と子育て世代との交流など、為になる活動が多くあった。