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知事記者会見(平成24年5月9日)

記事ID:0008873 2015年9月11日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成24年5月9日(水曜日)午後3時00分

知事 いくつかご報告がございますが、1つは国体の関係ですけれども、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の式典の音楽隊とアシスタントの衣装が決まりましたので、ご紹介をさせていただきます。

まず、開会式・閉会式で音楽を担当する式典音楽隊ですけれども、今のところざっと522人、バックスタンドの中央で演奏していただくということでありまして、(モデルを指しながら)背の高いほうの彼女が着ているものです。これは、県内の被服製作をしております専門高校ですか、11校から304作品の提案がありまして、日比野克彦総合プロデューサーをはじめ関係委員の選定によって、大垣桜高等学校3年生の瀬戸山藍璃(せとやまあいり)さんの作品に決定をしたということであります。白と青の爽やかな衣装ということで、清流の清々しさを感じさせるような、そのようなものではないかと思います。

今度のウィークエンドの5月13日(日曜日)に岐阜市文化センターで式典音楽隊の練習会をやりますものですから、私も少しお邪魔させていただいて、激励をさせていただこうと思っております。

それからもう1つは、式典の進行の中でアシスタントを務める女性の方の衣装ということであります。(もう1人のモデルを指しながら)同じくブルーと白の組み合わせになるわけですが、これは大垣桜高等学校から、是非とも関わりたいということで11作品の提案がございまして、これを審査した上で、3年生の間塚有香(まづかゆか)さんの作品に決定をしたということであります。これも非常に爽やかですっきりとした、岐阜らしいおもてなしをするのに相応しいデザインではないかなというふうに思っております。これが1つであります。

それから次に、お手元の資料に、花フェスタ記念公園における「ミナモロード・ミナモ橋」の開通式典というものがございますが、このぎふ清流国体あるいはぎふ清流大会のPRということで、各県営公園で今、色々なイベントをやっているわけであります。4月8日(日曜日)に平成記念公園と言いますか日本昭和村で、中村玉緒名誉村長と私とトーク番組をやらせていただきましたし、4月26日(木曜日)には世界淡水魚園で「ミナモ観覧車」の運行というものを始めましたし、今度、花フェスタ記念公園では、この「ミナモロード・ミナモ橋」ということで、園路にプランターや格子状の木で作った垣根を設置して、間伐材を使って、そこに花をあしらうという。

それから、「ミナモ花壇」というものもその周辺に設置をして、そしてまた橋をイメージするような造作を凝らして、お手元の資料をめくっていただきますと「ミナモロード・ミナモ橋」の図がありますけれども、こういう造作を花フェスタ記念公園に開通をして盛り上げていこうということでございます。5月22日(火曜日)に開通式典を開催する予定でございまして、地元の幼稚園児の皆さんと一緒にテープカット、渡り初めをやろうということで私もお邪魔することにしております。

この花フェスタ記念公園は、ちょうど今、「春のバラまつり」の開催期間でございますので、バラに関連したイベント、それから国体推奨花を使った花飾りですとか、国体グッズを販売するミナモのおみせですとか、色々と企画をしているということであります。

それからこのバラまつりに合わせまして、5月12日(土曜日)から6月3日(日曜日)までですが、土・日に、「土岐プレミアム・アウトレット」とこの花フェスタ記念公園を往復する無料シャトル便「国体応援特別便花フェスタ号」というものを運行することにしておりまして、乗られる方には国体推奨花の種を配布するということでございます。

花フェスタ記念公園は、昨年度で申しますと27万人の利用者がございますし、それから土岐のアウトレットでいきますと昨年は530万人の来場者がおられまして、県内での非常に有数の集客力のある施設でございますので、この両施設をつなぎながら国体のPRをしていきたいということでございます。

それから3番目が、「木の国・山の国ぎふの森林づくり」の第2ラウンドということで、「恵みの森林づくり」というふうに言っておりますが、平成18年に「全国植樹祭」を開催しまして、その際に「岐阜県森林づくり基本条例」、「岐阜県森林づくり基本計画」を作って、「生きた森林づくり」の施策ということをやってきましたけれども、この4月から第2期の基本計画になりまして、「生きた森林づくり」に加えて「恵みの森づくり」と申しますか、身近な里山林や川沿いの森林や奥山林など、そういったところの整備を進めていくということで、生物多様性の確保や環境保全など、そうしたことを図っていこうということであります。

その関連で、5月13日(日曜日)に土岐市内の「ドコモ土岐の森」で森林づくり活動を、これもぎふ清流国体・ぎふ清流大会の協賛と申しますか、記念イベントということでございますが、NTTドコモの皆さんと、それから「恵みの森づくりコンソーシアム」が共催でやるということであります。このコンソーシアムは、既に県内外の24の企業・団体が会員として参加しておられまして、林業生産ができない里山や奥山、川沿いの森を守り育てながら、癒しの場、観光の場を形成していくということで、民間主導で実践をしておられる団体でありますが、そこと一緒になって、恵みの森づくり、「ドコモ土岐の森」の森林づくり活動が行われるということでございます。

この手の森林づくり活動は、9月にかけまして10の市町でやっていきたいと思っておりまして、それの皮切りということでございます。
いずれも国体に関連したイベントあるいは試みでございますので、よろしくお願いしたいと思います。私からは以上でございます。

記者 今も国体で3本ご紹介がありましたけれども、先程、議会で国体応援団の集まりがあって、国体まで150日を切って、ゴールデンウィークも明けて、これからどんどん加速させていかなくてはならない状況だと思いますが、先程の(応援団)会長の挨拶にも、今一つ盛り上がりに欠けるのではないかという指摘もありました。

150日を切った現段階での準備状況等の考え方、それから、今後どのような形で更に盛り上げていかなくてはいけないか、この辺りについてご所感があればお聞かせください。

知事 当初と申しますか、9月29日の総合開会式に向けて色々な準備をしてきておりますけれども、これまでのところスケジュール的には順調に行っているのではないかというふうに思っております。

今年は、まずは最初に力を入れましたのは、1月と2月の冬季大会をどのように行うのかと。この冬季大会を、終わった後どのように評価をして、その評価に立った準備活動を全県的にどう展開をしていくかと、こういう流れの中で考えてきましたので、1月、2月はひたすら、この両大会の盛り上げと申しますか、成功と申しますか、そこに力を入れてきました。

今、市長会・町村長会でも話をしておりますけれども、非常に、大成功と言えるような結果に終わったということで、その成功体験を各市町村にシェアしていただいて、今回、全ての42の市町村が、何がしかの開催行事があるわけでありますので、それを参考にしていただきながら、その地域の特色、創意工夫を凝らして、それぞれに盛り上げていっていただくということで、競技ごとの、市町村単位の盛り上げですとか、準備の進展という流れが1つあります。

それからもう1つは、開会式・閉会式をどのように岐阜らしいものにしていくかということで、企画を練っていくというプロセスであります。その開会式の中にも、色々な個人の立場で登場していただく方もありますし、それから地域の伝統芸能ですとか、地域らしさを表現する行進ですとか踊りですとか、あるいは音楽や太鼓など色々とあるわけなのですが、そういう、開会式にどういうものを、どういうパフォーマンスをやっていただくかということで、これもかなりの程度、検討を付けてきておりまして、今、パーツごとに、それぞれ受け持たれたところごとに、練習が本格的に始まったということでございます。

私もできるだけ機会を見て出かけておりますけれども、先般、大垣西高等学校ですか、和太鼓部がちょうど式典前演技の皮切りということで、和太鼓が登場するというプランになっておりますので、練習風景を見てきました。かなり熱が入っておりまして、激励をさせていただき、またキャプテンの女性が思いを述べられましたけれども、話をしているうちに感極まって泣き出してしまうくらい熱が入っておりまして、そういう意味でそれぞれのパーツごとの練習が進んでいると。

それから、日比野克彦さんの発案に沿いながら、岐阜で既にかなり定着しつつある「こよみのよぶね」を、大型の数字を模した行灯を、1つの何と申しますか、歳月というか、過去・現在・未来をつなぐシンボルとして開会式で有効に使っていこうということで、この大型の行灯と、それから手作りの市町村の旗というものを、炬火リレーにも開会式にも使おうということで、これは小さな布を貼り合わせて作り上げていくものなのですが、こういった暦の行灯とそれから市町村ごとの旗作りを、ワークショップ方式で県内各地で手作りでやっていただこうということで、これもそれぞれの地域の地元の方やら学生さんやら、色々な方が参加をして今、作り始めております。

これも動き出しているというようなことで、6月から7月に入りますと、そうしたパーツごとで色々やっていただいていることを、今度はつなぎ合わせていくと申しますか、持ち寄ってパフォーマンスの流れを作り出していくということで、そういう意味でのつながりを作っていくための、パーツごとのつながりを見極めていくためのリハーサル、そういうものが6月から7月にかけて色々と行われていきまして、その上で総合リハーサルということで、全体的に開会式はこうやるのだということで、多くの方に観ていただけるような状態になると思います。そういう流れにこれからつながっていくのではないかと。

それから、もう1つの大きな流れは炬火リレーであります。42市町村をくまなく周るということで、各市町村に、どう周ってどういうつなぎ方をするかはお任せしてありますけれども、川を渡ったり列車に乗せたり、色々な工夫がありますし、またランナーも色々、その地域にちなんだ方々を選ぶということでやっておられます。この炬火リレーを、全市町村周るということを通じて、地域ごとの盛り上がりと申しますか、そういうものも私にはかなり感じつつありまして、話題になっております。

そういう中で、ボランティア的なおもてなし隊とも言うべき、各地域のそういうサークルの方々が、またその地域にふさわしいイベントなりおもてなしなり、企画を始めているということでございます。先だってはその一環で、昭和40年の時を1回思い出そうということで、樽綱という酒屋さんのショーウィンドーに当時の色々な物を置いて、色々な人に見てもらおうということでやっておられましたけれども、これも非常に、よくこれだけのものが残っていたなと思うようなことでありまして、40年の時の国体のあの盛り上がり、熱気を改めて思い出しながら今度の国体に取り組んでいこうと、こういうことも流れになるでしょうし。

それから、ミナモ(グッズ)のお店を県内1,000店舗ということで、ミナモグッズを徹底的に広くアピールするということで展開していこうということで、道の駅ですとか、あるいは様々な商店街でありますとか、色々なところにお願いをしているわけですが、ちょうどこの間の日曜日、たまたま私も(岐阜)高島屋の自由書房へ行きましたら、レジの一番前の一番いい所に、ミナモグッズにかなりのスペースを取って、色々な物を置いていただいておりましたので、これも非常に目に付くやり方だと思いました。

それから先だって、例えば名鉄が相当思い切って、有料の広告スペースを国体用に無料で提供していただけるということで、中吊り広告でありますとか、駅の待合所壁面や床やステップなど、色々な所でPRをしていくということです。私どもとしましては、JRの駅、名鉄の駅、セントレア、それから、あるいは列車、バス、それから諸々のショッピングモールですとか、人が集まるような色々な場所に、そういう国体のキャンペーンのためのリーフレットや旗やポスターや色々な物を並べていこうというようなことで、PRの輪を広げていくと申しますか、そんなことを重層的にやっていきながら盛り上げていきたいと思っております。

ここまで来ますと、県がどうしようこうしようというよりも、各地域ごとに、自分たちの地域の魅力なり、この機会をどう地域づくりに活かしていくかということで、創意工夫をしていただくことが一番の盛り上がりにつながりますので、今日、県議会の応援団の方々にもお集まりいただいたのは、そういうそれぞれの地元でありますとか、それから議員さん方はそれぞれ競技ごとに担当しておられますものですから、それぞれの持ち場、持ち場でエンカレッジ(激励)をしてもらえればありがたいと思っております。

それから、そういったことの中で、やはり天皇杯・皇后杯を何としても獲りたいということで、競技力向上のための最後の努力をしていくということで、色々な練習、その他便宜を図っていくということもあります。

先般、私も応援に行きましたけれども、女子の「さくらジャパン」のホッケーチームが見事に3回連続でオリンピックに行くということで圧勝しましたけれども、あの選手の半分は岐阜の各務原ゆかりの人たちでありますから、あの方々がオリンピックで活躍をして、そして凱旋帰国をし、そして国体で更に活躍をしてもらえるというようなことで、オリンピックから国体へという流れの中で、県ゆかりの方々が活躍をし、またそういうことに刺激を受けて、全体として最後の競技力向上への努力を重ねていくと申しますか、そのような流れを作っていければと。
そういうことの総体として、9月29日(土曜日)を迎えられたらいいなと、こんなふうに思っております。

記者 原発に関してなのですが、北海道電力の泊原発が今月5日に定期点検のために発電を停止して、全国の原発50基全てが停まった状態になっているという現状ですが、こうした現状を知事としてどう評価されているのか、望ましいと考えているのか、どうなのか、そういった点をお聞かせください。
知事 定期検査に入ったら再稼働は自動的には認めないという、そういう方針で今、政府が臨んでいるわけですから、その方針に沿えば、時間が経てば順番に停まっていくわけですから、その最後の1つが停まったということになるわけですので、そのこと自身がこの、何と申しますか、答えになるわけではなくて、今後、まずエネルギー政策をどういうふうに、短期・中期・長期、考えていくのかと。

私の理解では、この今の政権では、菅総理大臣の時にエネルギー政策は白紙であるということを公式におっしゃって、その後何も動いておりませんので、今、日本にはエネルギー政策は存在しないのです。白紙のままでありますから。白紙のままの中で、あれが停まった、これが停まったというだけでは、答えにならないわけでありまして。

やはりエネルギーの安定供給というものは、どこの国にとっても国策の1つの大きな柱でありますので、やはり早急にしっかりとしたエネルギー政策、短期・中期・長期ですね、やはり早急に作っていかなければならないということになりますし、他方で、原発について言えば、まさに安全第一ということで、議論を尽くして、そしてどういう判断をするかということになるわけであります。

これもストレステストにせよ、再稼働停止にせよ、それから最近出てきた安全基準にせよ、それから地元説明にせよ、いずれも法律に根拠を置かない、どういう法とルールの下で何をしているのかということがよく分からない状態の中で、その場その場で、超法規的とか、政治判断とか、行政指導とかいうことが繰り返されてきているわけでありますので。

これも前に申し上げたかもしれませんけれども、緊急事態の中で対応していく中ではやむを得ない面もあるわけでありますが、これからいつ頃になったら、どういう法とルールの下の体制に収れんしていくのかと申しますか。

その辺りの見通しを一方でつけながら、他方で安全基準というものを出されたわけですから、それについてそれぞれ、岐阜県もそうですし他県もそうですが、専門家の意見を聴こうということで地域ごとに色々な議論をしておられますが、この議論を尽くしながら、取りあえずの判断ということはあるのでしょうけれども、私自身はそういう意味で、法とルールに則った原子力政策というものが、いつになったらどうでき上がっていくのかと。いつまで、その都度その都度の行政指導、政治判断、超法規的措置を繰り返していくのかというところが、大変気がかりと申しますか、そのような思いで見ております。

記者 原発の関連なんですけれども、先程知事は日本にエネルギー政策がないということでしたが、その中でも、全原発が停まるというそういう現象は、40数年ぶりに今、現実に起きていることなのですけれども、今後のあり方として、国がどうするのかは政府が考えることとして、知事ご自身として、原発というものをどのように考えておられるのか。

昨日、新しい県議長に就任された駒田さんは、はっきりと脱原発を目指すべきだというお考えを表明されたわけですけれども、知事ご自身としては、今回これ全て停まったわけですけれども、このまま別の、要は代替エネルギーによるエネルギー政策を取るべきだとお考えなのか、もしくは、やはり原発というものは必要であるというふうにお考えなのか、知事ご自身どのように考えておられるのか、それをお聞かせいただけますでしょうか。

知事 少なくとも、これだけの大きな事故が起こって、今なお終結していないわけですから、そういう意味で言えば、従来のような原発のウェイトを高めていくという政策は、まずどうみても難しいのではないかなというふうに思っておりまして、そういう中で、それでは今ある原発をどうするのかと。停めようが廃炉にしようが動かそうが、それぞれに、その安全ということについては、何年にもわたって最大限の対策をやっていかなければいけないという、こういうことでありますので、そういう中で、一方でと申しますか、安全対策というものをやはり第一に考えて、どういうことなら安全と考えるのかということについてやはり議論を尽くすということが、まず基本だと思います、原発については。

ちょうど今、安全基準なるものが出ておりますから。しかもその基準の1は短期的にやらなければいけない対策、基準の2はストレステストに則った対策、基準の3は中長期的な対策ということで、それを一定の基準化をして、今とりあえず判断しようとしているわけですけれども、果たしてその基準が今回の事故の検証に立ったものであるのかどうかですとか、その基準なるものがどういうプロセスでどう作られてきて、果たして我々として信頼に足るものかどうかと、そこを早急に議論していく必要があるのではないかと。

そういう中で結果として、例えばよく言われますように、一定の期間を経たものはどう考えるかですとか、それから個々の原発の、最近また断層の、活断層の問題が出ておりますけれども、個別の原発ごとにどう判断していくかですとか、そういう丁寧な議論の中で、安全上問題があればこれは停めていかざるを得ませんし、しかし停めた上でもなお、これを安全に停めたままにしていくための対策がまた不可欠でありますので、そういったことをきちんと積み重ねていくという、そういうことを見定めた上で、エネルギー政策全体として、原発がどういうウェイトを占めることになるのかと、5年後はどうするのか、10年後はどうなるのか、20年後はどうなるのかと、こういうシナリオを作っていくと申しますか、そういう流れになるのではないかと思います。

それから、ここまで来てしまいましたので、今、安全基準ですとか再稼働ですとか色々な議論をしておりますが、元をたどれば、昨日の県議会の意見書にもありますけれども、通常事故が起これば、まず事故の検証がまずありまして、その検証結果が出て、その結果に照らして何が問題かということを摘出をして、その摘出した課題に照らして体制をどうするか、安全チェック体制をどうするか、行政体制をどうするか、それから安全基準のあり方をどうするかということが議論されて、そして新しいチェック機関が要るのであれば新しいチェック機関を作って、そのチェック機関が安全基準を議論をして打ち立てて、それに沿って検討していく、判断していくと、そういうプロセスの中で、地元の地域の理解をどう得ていくかという流れになるのが、オーソドックスな流れだと思いますけれども、なかなかそういう流れになっていない状態です。

一例を挙げれば、原子力規制庁の法案が国会に出ていながら、いつどのようにでき上がるのか、4月1日を過ぎてもさっぱり分からない状態でそのままになっているということは、本当に国会としてはそれでいいのかと、国会とは法とルールを作るところですから。そういう意味で、私自身は非常に心配しております。

記者 先日、県の震災対策検証委員会原子力分科会の専門部会で、原子力安全・保安院の担当の方がいらっしゃって色々と質疑の応答があったわけですが、先般知事も会見の中で触れていらっしゃった、4月の数日間で、4閣僚の閉じたお話の中で再稼働の例の新しい基準が決まってしまったということに対して、その専門部会でも、そのプロセスは拙速ではないかという批判が出席者の方から出て、それに対して保安院の担当者の方は、1年間かけて検討してきた結果であるので拙速ではないというように反論なさっていたのですが、それについて知事のご見解を伺えたらと思います。
知事 前回は、原子力安全・保安院の方の説明を聞いて、それに対する質疑をするということでほぼ時間を費やしましたので、来週、第2回を開くことにしております。前回のそういった諸々の議論、やり取りについて、我々としてどう考えるべきかということについての議論を来週やろうと。多分18日になるのではないかと思いますけれども、まさにそこで、今おっしゃったようなことは議論を進めていくことになっております。事務的に1年間かけて積み上げてきたということと、それから、国の方針としてこの基準で行くのだということを打ち出していくプロセスとは違うのではないかということで。

そういう意味で、事務的には1年間かけて色々な事象を見ながら整理はしてこられたのでしょうけれども、政府の意思決定として物事を決めていく時にあのやり方でよかったのかということについては、相当色々な議論があると思いますし、来週まさにそこを議論していただいたらいいのではないかと思っております。

記者 原子力防災関係なのですが、滋賀県が、美浜原発で福島第1原発事故と同等の事故があった場合を想定して独自に実施した放射性物質拡散予測で、人体への被ばくの影響の及ぼされる恐れのある地域が西濃の一部にも達していたというような結果が、岐阜県の方にも情報提供されていたかと思いますが、その予測結果の受け止めと、岐阜県の原子力防災対策にその結果を反映する考えがおありなのかどうか、お聞かせください。
知事 滋賀県の調査は、岐阜県がどうなるかということを念頭に置いておやりになった調査ではありませんで、あくまでも滋賀県を中心にして、その外延的なものとして、データと申しますか整理をされておられるわけで、滋賀県は滋賀県としての手法でおやりになったと。私どもは、もうかねてから自前でシミュレーションをやりますということで、補正予算も出しておりますし、現に今、作業をしているわけでして、今年の夏までには結論が出ますので。あくまで私どもは、岐阜県を対象とした岐阜県としてのシミュレーションをまず出して、それを踏まえて、防災計画の見直しですとか避難計画ですとか、あるいは新たな避難訓練、防災訓練ですとか、そういうことに取り組んでいくのだろうと思っております。
ちなみに私どもの理解しておりますところでは、滋賀県のこの想定は、まず岐阜県全域は入っていないと。私どもは岐阜県全域を対象としたシミュレーションをやっていこうと。出発点がそこで違いますし。

それから滋賀県の場合には、大気汚染物質の拡散シミュレーションシステムを使っておられますので、大気汚染物質を放射性物質に置き換えて計算をするということをやっておられまして。私どもとしてはむしろ直截に、放射性物質の拡散想定そのものをはじいていこうということで、SPEEDIと同じ計算手法を通じて想定をしていこうということでやらせていただいております。

それから滋賀県の場合には、3km四方のメッシュで計算をしておられますけれども、私どもは1km四方のメッシュですから、滋賀県に比べて9倍精緻な計算をするということになりますし、それから滋賀県は放射性物質としてヨウ素を言っておられますけれども、私どもはヨウ素以外にも、セシウムを含めた10種類の放射性物質を対象とした調査を実施するということで、私どもとしては私どもの考えに基づいて、より岐阜県を対象とした、より精緻なものをやって、それを踏まえて判断をしていこうと。もちろん、滋賀県がおやりになった、いただいたデータは参考にはさせていただきますけれども。

例えば、放射性物質特有の沈着状態でありますとか、半減期の問題ですとか、そういったことは滋賀県の発表には考慮されていませんが、私どもは例えば、8日間で半減するとなれば、8日間であれば半減を前提にまたシミュレーションを組んでいくわけですから、そういう意味での、私どもなりにより精緻にやりたいということでやらせていただいておりますので、もう少しこれは時間をいただきたいと思います。もちろん参考にはさせていただきますけれども。

記者 参考にされるとのことですが、今回滋賀県から提供されたのは、美浜原発と大飯原発の事故時を想定したものだったということですが、滋賀県は、岐阜県に最も近い敦賀原発についても、数は限られていますが予測を実施されているというふうに聞いておりますが、こちらについて参考までに、結果の提供を依頼されたり、希望されたりするご予定というのはありますでしょうか。
知事 敦賀原発のものですか。いえ、特に考えておりません。今申し上げましたように、かなりシミュレーションのやり方が、私どもとしては、私どもなりに十分内容を詰めてやらせていただいておりますので、私どもの調査をきちんと踏まえて判断をしたいと、こういうことですね、基本は。
記者 岐阜県が独自に実施されるこの拡散想定調査で、30kmを大幅に超えるような範囲に放射性物質の拡散が確認された場合に、滋賀県は独自にUPZ(緊急時防護措置準備区域)を40数kmに設定されたりとか、そういう動きがあるようですが、そういったようなお考えはあるかどうか。
知事 今まさに、これも早く国会を通していただきたいのですが、このUPZ(緊急時防護措置準備区域)の考え方の見直しをする法案が出ているわけです。これによりますと、30km程度と言っているのです、法律上。それは単純に30kmで円を描くのではなくて、地形や風向きなど色々な要素を考慮して、30kmを一つの目安としながら、UPZ(緊急時防護措置準備区域)のゾーンを具体的に、こちらでこう回って、こうなってこうなってというふうに描いていいということになりますので、私どももまさにその法律が通れば、機械的に30km、以上終わりではなしに、我々のこのシミュレーションの結果も見ながら、どのようにUPZ(緊急時防護措置準備区域)を線を引くのが適当かと。

ただ、30kmと言っているのに100kmのところに線を引くなんて、これはとても法の趣旨に合いませんけれども、法律自身が30km程度、ちょっと正確な言葉、「約」と言っているのか「程度」と言っているのか正確でないのですが、ある程度そういう、気象条件や地形などということを加味して、凸凹があっていいということでありますので、当然その凸凹はありますから、それが最大のところが35kmになるのか40kmになるのか、どの辺りになるのか。またそれが、なぜそこは凸凹にしなければいけないのかという理由付けも要りますから。

そういう意味で、そのシミュレーションの結果を踏まえながら、法律をとにかく私も早く通してほしいと思っているのですけれども、それができるという前提で作業を進めていきたいと思っております。

記者 滋賀県のシミュレーション結果についてなのですが、知事は、これは滋賀県の調査であって、岐阜県がどうなるか分析していないということですけれども、参考にされるということからも、非常にやはり原子力に対する県民の関心は高くて、この結果というものが昨年の秋に提供されていながら、情報公開請求をしなければ表になることがなかった、しかも大垣市で開かれた日本まんなか共和国知事サミットで、嘉田知事が岐阜県に提供したということを明らかにされて初めて、岐阜県に提供されているということが知るところになって、しかもそれがまた情報公開しなければ出てこないと。という状況について、果たしてこれだけ県民の関心が高まる中で、それでよいのかという問題があるのですけれども。

これはあくまで滋賀県の想定であって、岐阜県のものではないということを説明された上で、こういったものが滋賀県から提供されて、こういう結果でしたというところまでは、少なくとも県の方からまず出すべきではなかったのかというふうに私は考えるんですけれども、その点についてどのように考えておられるのか、それが1点と。

それから岐阜県の方で、昨年、原子力防災の専門家の方を4人ですか、委嘱されて、色々と県の政策に活かされているということですけれども、その方たちがどういう考え方で、どういう政策を県に提言されておられるのかということについての情報公開請求をしたら、それに対して全て黒塗りになって、一切表に出すことができないという結果になったわけですけれども、やはりこれも同じように県民の関心が非常に高くて、しかも彼らの意見がどのように県の政策に反映されているのかということを判断する上でも、これは出すべきだと私は考えるのですけれども。この点について、果たして県が十分に情報公開の姿勢を果たしているのか極めて疑問に思うのですが、その2点についてお願いします。

知事 情報公開でどこで線を引くかということだと思いますけれども、滋賀県のものについて申し上げますと、滋賀県自身も岐阜県にどういう影響を及ぼすかということを公表しておられないのです。滋賀県も、滋賀県の調査をして滋賀県分だけ公表しておられます。他の三重県ですとか京都府ですとか、隣県も恐らく及んでいると思いますけれども、それらの県も、これは特段、それは滋賀県の調査であってということで何らの反応もしていないわけですし、肝心の調査をした滋賀県が発表しないものを、岐阜県が発表するのかなということにもなるわけですので。

ただおっしゃるように、情報公開請求したら出せるものは出したらいいじゃないかという意味で言えば、その何と申しますか、出せない出せないと言ってこだわるかどうかということは、そこは議論があると思います。おっしゃるように、非常に関心も深いですし、色々な懸念もあるわけですから、出せるものはもちろん出していくという方針で臨んだほうがよいのかなと、今となっては思っています。

私自身は、そういう意味では、これは本来出せないものであるというふうにこだわるつもりはないのですが、当時の判断として、肝心の調査をした滋賀県が発表しないものを、滋賀県からもらいましたと、滋賀県は発表しませんが岐阜県はこうですよ、岐阜県はこう思いますよというのは、何かいびつだなということで、そこをためらったということです。しかも私どもは、他に調査をしないならともかくも、その時点で、滋賀県とは違う、先程申し上げましたような精緻な調査をやっていこうというプランがあった中での話ですから。それは、きちんとしたものを我々もやろうとしているのだから、我々がやることは我々が出したらいいのではないかと。

今度は逆に、我々がやったものを、滋賀県に及ぶのか及ばないのか、福井県がどう言うのか、三重県がどう言うのか、これまた色々なそれぞれの県のご判断がありますので、その辺りはまた、整理された段階で色々な議論が起こるかもしれませんけれども。

ただいずれにしましても、おっしゃるように情報公開をすれば、出せるものはどんどん出してほしいということはよく理解はできますので、滋賀県には一言断って出すというやり方もあり得たと思いますので、そこは次回以降、この類似の事はあり得ると思いますけれども、考えていきたいと思っております。

それからもう1つはこの、今こういう県原子力防災対策専門委員(アドバイザー)という制度を県として設けて、必要に応じてその都度お邪魔をして、色々な意見を聞いて、それを参考にしながら、しかもそれが別に全てではありませんので、色々な検討をする時に先生方のところにお邪魔して、アドバイスを受けて帰って来て、また色々議論をしてまたやってという、ですから専門委員会ですとか、きちっとその何と申しますか、やり取りをする場については、できる限り公開をするということをやらせていただいているわけですが、その都度その都度お話を聞きながら、そしてあれも何と申しますか、ご指摘のものも1回限りのものでもありませんし。

たまたまあの時点では、「滋賀県からこういうものが来ましたけれども、どう思われます?どの程度参考になりますか」と、あるいは「ああいう滋賀県のやり方を見ながら、岐阜県として更によりいいものをする上で、どういう想定調査をしたらいいですか」というようなことを、それぞれに意見を伺って来ているものですから。その都度その都度、個別にお邪魔して伺うものを、その都度その都度発表するという性質のものにするのかどうかということは、ちょっと微妙なところだと思います。

それから今回の場合、先生方の間でも、「私はいつどこにどう出されようが構いませんよ」という方もおられますし、他方で、「そういうプロセスの中での自分の考えを申し上げただけなので、発表するとかしないとか、あるいは公式に○○部会で表明した意見とかそういうことではないので、そこはもう少し柔軟に、フレキシブルな形にしておいてもらいたい」という先生もおられますものですから、その辺りをどう加味するかということであります。

ただ基本的には、できるだけオープンにする中で政策形成をしていきたいと思っておりますので、やり方として、今回は公開をしないという前提で意見を伺っているものですから、そういう前提を踏まえてやったわけですけれども、逆に、「公開を前提としてこれからお話を伺いますので、そのつもりで」と言ってインタビューをするというようなやり方もあるわけですけれども。

どういうやり方が最も、率直な意見も聞けて参考になって、そしてまたよりいいディスカッションができるかという、TPOを色々考えながら、それからご本人のお考えも伺いながらやっていくという、ちょっとクリアカット(明快)な答えではないのですけれども、できる限り情報公開するという原則の中で、そういった配慮もやはりある程度はせざるを得ないのではないかと、そのような思いでおります。

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