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知事記者会見(平成24年3月22日)
平成24年3月22日(木曜日)午後3時00分
知事 |
予算が終わると今度は人事ですから、年度末の恒例の会見なのですが、お手元に「24年度人事異動の概要」という資料をお渡ししてございますけれども、これを見ながら聞いていただければと思います。 人事異動全体としては、このように、3年間の「行財政改革アクションプラン」の最後の年になりますので、職員定員の削減をきっちりと進めていくということと、他方で「県政運営の5つの柱」というものを申し上げておりますけれども、この2ページ目の真ん中辺りに「県政運営の5本柱に沿った組織の見直し(新設課長等)」とありますが、政策に沿った人員配置を行うこと、この2つがポイントでございます。 冒頭の1ページ目にありますが、異動の規模として全職員の45.9%、2,188人ということで、ひどく増えているように見えるのですが、実は来年度からチーフという名前の、「担当を総括する人」という意味合いなのですが、この呼び名がどうも分かりにくいということで、係長制にしようということにしましたものですから、呼び名だけが変わって実質的な異動のない人も、計算上は辞令交付がありカウントされてしまいますので、この見かけ上の異動規模を別にしますと1,874人、39.3%ということで、ほぼ去年並みだとお考えいただければいいと思います。特別そういう意味では、殊更に異動をさせたというわけではございません。 そこで(資料に)部長級、それから次長級、それから主管課長級がずっとございますが、これはそれぞれ固有名詞の世界でして、その次の2ページ目の「県政運営の5本柱に沿った組織の見直し(新設課長等)」というところでいくつか特徴のあるところを申し上げます。 1つは、予算も同様でありますけれども、何と申しましても「防災体制の強化」ということでありまして、人的には次長級で事務職の危機管理副統括監を1人追加いたしまして、警察併任職員の副統括監と併せて2人体制にするということでございます。この事務職の副統括監は、1ページ目の真ん中辺りにありますように、福井康博(ふくいやすひろ)、現在の林政部次長でございます。この新しい事務職の副統括監は、地震対策ですとか、原子力防災対策ですとか、そういったところを中心にやってもらおうということでありますし、この福井次長は、昨年夏に震災対策検証委員会をやりましたけれども、そこの事務局のまとめ役をやってもらった人でありますので、そういう意味で適任かと思っております。 それから原子力防災室を新設するわけでありますが、当初、室長を含めて4人体制でスタートするということでございます。このうち、スタッフの中に民間企業の経験者を1人採用いたしております。原子力に知見のある人ということで昨年秋に募集をいたしまして、原子力の燃料関係の民間会社に勤務された人、32歳の男性ですが、この方を採用したと、そして原子力防災室のスタッフとして入ってもらいました。 それから名古屋大学の修士(課程)を終えて原子力工学を専攻した25歳、若い人ですが、一般任期付きということで2年間の期限で、任期付職員ということでこの原子力防災室に採用いたしました。これは2年間の任期付きでございますが、延長可能でございますので、状況を見ながら更にいていただくことは十分にあり得ることだと思います。 原子力防災室、これはまさに名前のとおり、防災計画の見直し、原子力防災訓練等々でありますとか、先だって福井県と連動した原子力防災訓練の時には、前倒しで仕事をしていただいたということでございます。 それから、都市建築部の次長を1人、今度こちらの方は技術職を1人新設しておりまして、事務職の次長と合わせて2人体制になりますが、特にこの技術職の次長を置きますのは、諸々の住宅・県有施設等の耐震化、あるいは社会基盤の大規模地震対策といったような観点から取り組んでもらおうということでございます。これが防災体制に関連する特徴でございます。 2番目が、「経済情勢の激変に対応する産業・雇用の構築」ということでありまして、商工労働部の組織再編ということで、7課体制から10課体制に再編いたしますが、その中で、技術支援あるいは人材育成という観点から、産業技術課を新設すると。それから、機械材料研究所を工業技術研究所という格好で、工業系の試験系機関の中核に据えようということでございます。それから、観光交流推進局を商工労働部に移管するということと、国際戦略推進課をこの観光交流推進局の中に加えて、観光振興と海外戦略との連携を図るということで人材配置をしているということでございます。 3番目の柱が「支え合い、未来につながる岐阜県づくり」というものでございます。1つは岐阜県総合医療センター、旧県病院でございますが、こちらに小児医療センター(仮称)の拠点としての新しい新棟を建設するということで、総合医療センターの中に新棟建設企画監という課長級の職員を派遣いたしまして、小児医療の県内の拠点を整備するということで頑張ってもらおうということでございます。 それから福祉関係で申しますと、東濃振興局恵那事務所に福祉課を新設するということでございますし、岐阜・西濃・中濃・揖斐の事務所に7人の就労支援員を配置いたしまして、生活保護受給者の人たちの就労支援をやると。それから、こうした福祉政策は事務所で色々とやっていただくものですから、揖斐・中濃・恵那の3つの事務所の所長のポストを次長級に格上げするということでございます。 それからリニアの推進対策監を新たに設けまして、「リニア活用戦略」の策定・推進というものを担っていただくということであります。 4番目が「『清流の国ぎふ』づくり」でありますが、この中では、林政課の中に恵みの森づくり推進室を設けまして、清流の国ぎふ森林・環境税に伴って設置される基金の運営管理ですとか、市町村事業への助成、里山林の再生整備、それから企業と連携した森林づくりと、こんなことに取り組んでもらおうということでございますし、「生きた森林づくり」というテーマで、森林整備課の中に森林経営対策監というものを新設いたしまして、持続的な森林経営の確立に向けた人材育成等々に取り組んでもらうということでございます。 それから岐阜大学に、県の寄付金によりまして、来年度「野生動物管理学研究センター」に研究部門が設置されるわけでございますが、そこの研究部門に若手の技術職員1人を常駐させまして、特に鳥獣害対策、野生動物保護管理行政ということで、岐阜大学との連携を図るということでございます。 5番目が「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の開催」でありますが、盤石の体制を敷くということで、ぎふ清流国体推進局を6課体制から8課体制に拡充、再編するということでございます。具体的には、従来「報道・振興課」と言っておりましたが、これを「報道課」と「連携振興課」の2つの課に分けまして、情報発信、あるいは市町村との連携をそれぞれ充実していこうと。報道課がテレビ・新聞等のメディアに対する情報発信、それから連携振興課が市町村との連携強化でありますとか、国体をキーワードにした様々な県政の施策との連携調整、こんなことに取り組んでもらおうと思います。 それから運営調整課を新設いたしまして、宿泊調整、衛生対策、式典会場調整というものに取り組んでもらおうということでございます。 それから恵那市と高山市で冬季大会を開催したわけでございますが、やはり市町村との連携の重要さを痛感いたしましたので、国体推進局の総務企画課の中に地域対策監を5人設置いたしました。ちょうど5圏域それぞれ担当するわけでございますが、各圏域内の市町村、関係機関とのきめ細かな連携を行って、まさに県民総参加の機運の醸成を図っていくということで、5圏域それぞれ、地域対策監を任命をいたします。 その他の組織の見直しといたしましては、長期構想の見直しの推進という観点から、総合企画部総合政策課内に長期構想推進室を新設いたしまして、平成21年度からスタートしております向こう10年間の長期構想について、フォローアップと新たな課題の摘出をやってもらおうということでございます。 それから、庁内連携強化と申しますか、縦割りを乗り越えていくということで、行政管理課を新設いたしますが、県庁内の情報共有・連携、あるいは県民・職員から寄せられる様々な情報の一元管理ということで取り組んでもらおうということでございます。 「人事交流・人材登用」というものが次のページの下にございます。今年度は8人、宮城県と福島県に長期職員派遣をしておりますけれども、来年度も引き続き、宮城県へ6人、福島県へ2人ということで、それぞれ1年間の長期派遣をしようというふうに考えております。 市町村との連携という意味では、2人、副町長ですか、北方町とそれから大野町に派遣をいたします。現在、本巣市と山県市にそれぞれ副市長で出しておりますが、そういう意味で、副市長・副町長合わせて4人ということでございます。それからOBという意味では、今回、羽島市の副市長に行きます。これはOBでございますので、現役人材ではないのですが。 特に北方町は土木職の職員を派遣いたしますけれども、やはり現地の土地区画整理事業ですとか都市計画道路の整備でありますとか、快適な住環境の整備でありますとか、まさにそういう分野を担当する副町長として活躍が期待されていると、こういうことでございます。 それから中央省庁との人事交流でございますが、経済産業省からは商工労働部次長に小林出(こばやしいづる)さん、県土整備部の次長兼河川課長に国土交通省の岩崎福久(いわさきよしひさ)さん、都市政策課長に国土交通省から渡瀬友博(わたせともひろ)さんと、それぞれ交代人事でございますが、3人入れ替わるということであります。中央省庁との人事交流は10人でございますが、今年度末とこれは変わらない状況でございます。かつては19人までいったことがあるのですけれども、そういう意味では、多い時と比べますと今は半分くらいになっております。 それから民間からの新規採用ということで、先ほども少し申し上げましたが、昨年秋に防災分野と国際分野の人を採ろうということで選考を行ってまいりました。防災分野では、先ほどご紹介した原子力関連企業に勤務されていた32歳の男性を原子力防災室に採用させていただくと、これは通常の正規の採用であります。この他に、JICAで国内外で活動実績のある31歳の女性の方を新規採用いたしまして、地域産業課に配属することになっております。 こうした特定の分野で既に経験やスキルのある方を正規に採用していくということも、これからも随時やっていきたいと思っておりますが、一般行政職のこうした選考は、実は平成17年度以来6年ぶりということでございまして、私どもとしましては、よい人材がおられれば、引き続きまた考えていきたいと思っております。 それからしばしば聞かれますが、女性の登用ということでございますが、次長職が3人、課長職31人、合わせて34人ということでございまして、昨年が33人でしたので1人増えたということでございます。管理職全体に占める女性管理職の割合が5.6%、昨年が5.4%でほぼ横ばいと申しますか、1人増えて0.2ポイント増えたということでございます。 特に目新しいところでは、美術館の副館長のポストでございます。これは次長級なのですが、次長級の女性職員が教育委員会に出向して美術館に行くわけでありますが、教育委員会に出したのは初めてでございます。この他、国体報道課長、ここ(の会見場)におりますけれども、皆さんに鍛えていただいた人ですが、報道課長ということで国体でまたお世話になるということでありますし、それから飛騨の子ども相談センター所長とか中濃の保健所長等々、新しいポストもいくつかございます。 それから、これまであまり女性職員が配置されていなかった所属にも積極的に配属をして多様な経験を積んでもらおうと、あるいは能力を活かしてもらおうということで、例えば防災関連という意味で、危機管理部門の政策担当に初めて女性職員を配置しておりますし、その他政策立案部門に昨年9人配置しましたが、更に今年5人を配置いたしております。それから、女性職員の配置実績が大変少ない県土整備部にも積極的に配置をするということで、土木事務所に行っていただくということでございます。政策部門への女性職員の採用としては、危機管理、広報課、総合政策課、商工政策課、教育委員会の教育総務課といったところの政策企画に女性を配置させていただいております。 それから国の関係団体や大学院には、これまで男性を中心に派遣してきておりますが、今回新たに財団法人地域創造という総務省所管の団体なのですが、全国各地の地域おこしのための色々な活動を応援する団体に初めて女性を派遣いたしますし、財団法人自治体国際化協会、こちらにも女性を派遣をしますし、政策研究大学院大学、ここは2人目になりますが、女性に行っていただくというようなことで、幅広い視野を持った人材の育成を図っていきたいということでございます。 よく言われることですけれども、「組織は人なり」ということでございますので、組織、そして組織が進めていく政策がうまく機能するかどうかは、ひとえに職員1人1人にかかっているわけでございますので、私どもとしましては、適材適所、あるいは経験重視、あるいは新規の新しい発想でこれまでに例のないところに派遣する、色々な配慮をして組み合わせの中で異動をしていただこうということで考えております。 それぞれが高い志を持って、かつチームワークを大切にしながら十分に能力を発揮してもらいたいと、そういう願いを込めて、人事異動は今回やらせていただいているということでございます。私からは以上でございます。 |
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記者 | 冒頭で、係長職を設けるところで、チーフという名前が分かりにくいということで知事、言及されましたけれども、係長職を設けることで、逆に仕事の仕方として、早くなるだとか横断的な仕事ができるとか、どういった狙いがあるのでしょうか。 |
知事 |
主として今回のこれは、何と申しますか、呼び名と申しますか、チーフと言われても、一般の方にとってみると、何をする人なのかどういうレベルの人なのか非常に分かりにくいということもありましたし。それから、そういう意味で、課長がいて、それから○○監という名前の管理職がいて、例えば管理監という課長を補佐する課長クラスがいて、課長補佐がいて、係長がいて、主査や主任がいる、こういうほうが組織の階層としては、どのレベルのどういう人かということが分かりやすいのではないかと。 ただ、名称をそういうことで、チーフを係長に移行させる中で、一部、グループリーダーと言っていたものもありますし、既に一部では係長と言っていたものもありまして、実は混在しておりますものですから、それを1本にすっきりした格好に整理をしまして、また場合によると担当が非常に肥大化していたところもありましたものですから、適正規模に整理をすると、そういうこともやりました。 主として、チーフと言われてもどういう位置付けなのかということが、一般の県民の皆さんからすると分かりにくいという、その声に応えたということがメインでございます。私も実は、チーフと言われた時に、どれくらいの人かとよく聞くことが最初の頃、ありましたので。 |
記者 | 総合企画部に新設されます長期構想推進室なんですけれども、これは敢えてこの時期に設置をされたというのは、これまでのいわゆる企画調整室とか長期構想を担当していたところと何がどう違うのか、教えてください。 |
知事 |
端的には長期構想の見直し作業に着手をするということで、そのためのスタッフを何人か年度当初から指名をしまして、事実上、このフォローアップ、まる3年経って4年目になるわけですので、ちょうど真ん中辺りで見直しをするということになっておりますので。見直しをすると言って、今日言って明日すぐできるものではございませんので、まさに長期構想ですから、人口の減少のトレンドがどう変わるかなど、色々なデータを10年のタームで、整理をしたり分析をしたり評価をしなければいけませんし、それからそれに合わせて政策論議をやらなければいけないので、結構息の長い作業になります。 最終的に、正式に"見直し作業"と断って作業を始めるのがいつかとか、いつまでに見直し作業の成果物が出てくるかとか、そういったことはこれからまた詰めていかなければいけませんが、しかし、もう年度初めからその作業に取りかかってもらう必要があるのではないかと思っております。 特に平成24年度が終わりますと、いわゆるアクションプランが一区切りになりますので、ポストアクションプランというものは一体どういうことになるのかと、それから議会でもたびたび答弁申し上げましたけれども、その後の財政の中期的な展望というものをどう考えるのかですとか、色々と平成24年度中にもう手を付けていく必要のあることも出てくるのではないかと思いますので、そういう意味で設けさせていただいたということでございます。 |
記者 | 細かい点なんですけれども、人事委員会と監査委員会の事務局長を、部長級の方から今度、次長級の方へということですけれども、これは何か意図されているところはあるのでしょうか。 |
知事 |
全体に人を配属していくうえで、今おっしゃったポストにつきましては、適材適所の観点から、ここに書いてございます固有名詞の人にそれぞれお願いするのですが、まだちょっと部長級になるには、全体のバランスを考えると間がありますものですから、次長級ということで事務局長を置かせていただいたということです。何が何でも年齢だけで判断して人を置くということはしないと、やはり固有名詞を考えて配置した結果ということでございます。 ただ聞いてみますと、かつては、このいわゆる行政委員会の事務局の事務局長さんは次長級がずっと続いた時代もあったようです。そういう意味では、部長級でなければならないですとか、次長級でなければならないというこだわりよりは、適材適所ということでバランスよく配置をしたほうがよいかと。今回は次長級が並んだという格好でございます。 |
記者 | 防災ヘリのことなんですけれど、先ほど議会の後のお話の中で「組織として反省すべき点があった」ということをおっしゃいましたけれども、これはどういうことを指しておっしゃっているのかというところだけ。 |
知事 |
今回、注意処分を3人についてしましたけれども、この注意処分の意味というものは、先ほど会見で総務部長からお話ししたと思いますが、そういったことについて手配りが十分できていなかったということもあります。それから、例の(国土交通省運輸安全委員会の)事故調査報告書でも触れてありましたけれども、こういったそれぞれのポストに、特にこういう危機管理的なポストに、より経験を積んだ人を配置していったほうがよかったのではないかというような、事故調査報告書のご指摘もございました。 そういった組織全体の目配りと申しますか、そういった点がいわば反省すべき点としてあるのではないかと、このような思いでございます。 |
記者 | 今回の防災課長さんというのは、そういう現場の・・・。 |
知事 | ずっとこの道一筋で、危機管理一筋でやってきている人ではないのですが、過去の経験をよく眺めながら、適材適所でお願いしようということです。それから既に安全管理者というものも、去年の見直しの中で配置をしまして、ここはまさにその道の専門家を配置してありますし、組織全体としてそういう危機管理に対応できるような配置を今、心がけつつあるわけですけれども、そういう意味で反省するところがあったのではないかということでございます。 |