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知事記者会見(平成21年6月15日)

記事ID:0000085 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成21年6月15日(火曜日)午後2時

知事

6月補正について申し上げたいと思います。お手元にいろいろな資料が配られておりますが、個々の要求項目につきましては改めて担当部の方から詳しいご説明を差し上げます。

まずご案内のように、100年に一度の不況ということがよく言われておりますけれども、今まだ大変厳しい世界同時不況の中にあるというわけでございまして、折に触れて県内の経済情勢あるいは企業、雇用の状況など伺っております。ある程度底が見えてきたと仰る方も少しずつ現われてきておりますけれども、全体としては大変厳しい状況ですし、対前年同期比とか、比較してもまだまだ相当落ち込んだ状態にあるということでございます。

そういう中で、15.4兆円という、恐らく国の補正予算としてもかつてない規模の補正予算が先般国会を通過しまして、これをどう県として最大限、有効に使っていくかということで、今度の6月議会に私どもとしても、目一杯の、最大限の補正予算を出させていただこうということでございます。

この4月以来、「岐阜県経済雇用対策本部」というものを庁内に設けまして、私が本部長でありますけれども、いろいろと県内の情勢、国の補正予算の動向等々検討しながら、また県内多くの各界の方々の現下の情勢に対するご意見、ご要望を伺いまして、限られた時間ではございましたが、現時点で私どもとしては活用可能な目一杯の予算を作らせていただいたということでございます。県内の関係者98団体、各界48人の方々からヒアリングをさせていただいております。また、5月28日には私も出席しまして、「ふるさと経済再生有識者会議」といったものも開催いたしました。300項目を超える様々な提案、ご要望をいただいておりまして、そういったことも念頭に置きながら、予算を組ませていただいた次第です。

お手元の資料1が予算の概要でございます。ここにありますように、今度の私どもの補正予算の規模は1,009億円ということでございまして、これによりまして当初予算7,598億円が補正後には8,607億円になるということでございます。この6月補正後ということで対前年同期比較しますと、12.9%の増ということでございます。補正予算の規模といたしましては、過去最大のものでございます。

これまで一番大きかったのは平成5年、細川内閣の時の総合経済対策に呼応した613億円、2番目が平成7年、ちょうど私も総理秘書官をしておりましたけれども、村山内閣の時の経済対策に呼応した609億円、それから3番目が平成10年、小渕内閣の時の緊急経済対策に呼応した557億円と、こういったところが、過去の岐阜県としての補正予算の多い方からの3つでございます。これに比べましても、今回いかに大きな、思い切った補正予算かということがお分かりいただけるかと思うわけでございます。

この歳出でございますが、まず基金への積み立てが478億円ということで一番多くなってきております。今回の国の補正では、一定期間継続した対策に取り組むことができるように、国からの交付金を財源として基金の新設、あるいは拡充が認められておりまして、これに沿って最大限、まず積み立てたということでございます。

お手元の資料の1−2、これは各論編ですが、8ページをご覧いただきますと、ここにありますように新しい基金が7つ、既にある基金の拡充が5つ、合わせて12の基金で478億円を今回の補正で積んだということであります。この8ページの基金のリストをご覧いただきますと、左の方に「拡」と書いてあるのが拡充でございまして、カッコ内が今年の3月の予算でございます。例えば、緊急雇用創出事業臨時特例基金は、3月に32億円積んで、今回さらに66億95百万円積むということでありますから、合わせて98億95百万円と、こういうことでございます。足し算で見ていただければと思いますが、「新」というのは全くの新規、「拡」が拡充とこういうことでございます。まず基金への積み立てということであります。

それから、国庫補助事業といたしまして367億円ということでございます。資料の1に戻りますけれども、うち追加の公共事業が344億円、ここでは東海北陸自動車道の白鳥から飛騨清見までの4車線化、あるいは東海環状自動車道路の西回り区間の整備促進といったような追加公共事業を中心といたしまして、367億円ということでございます。

それから、この基金活用事業、これは実はダブル計算になるのですが、一旦基金に積み立てるものも歳出に計上してありますし、今度その基金から具体的な事業に使っていくものもまた歳出に計上してありますので、この104億円は内数でございます。したがって、厳密に申し上げますと、478億円積み立てた基金から103億円を取り崩して使っていく、1億円は別途一般の予算を使うということで、合わせて478億円のうちの103億円を取り崩して具体的な事業をやっていく、それに県費1億円を足して、104億円の基金活用事業を今度の補正予算で見込んでいるということでございます。

それぞれ基金の活用ということで言いますと、まさにその基金の目的、性格に沿ったことをやっていくということでございますけれども、私どもとしてはこの限られた期間の中で、具体的にどういうニーズがあるか、どんな仕事ができるかということについて、相当程度確認できたものをここに置いているわけでございまして、基金の残りは放っておくわけではありません。これからも引き続き県内のニーズ、ご要望をいろいろ伺いながら、必要に応じて9月補正、12月補正、更には来年3月補正というふうに取り崩していくつもりでありますし、この経済状況を考えますと、できるだけ前倒しでやっていきたいと思っております。

事柄の性質上、3年間くらいでやって良いよというものもございますので、平成22年度以降に取り崩す部分も一部あるというふうにご理解いただければと思います。それから、その他にかなり地域の活性化ということで、自由度の高い予算をいただいておりまして、このお金を中心に県の単独事業ということで、60億円使わせていただいております。これが歳出の大きな項目別に整理をしたものでございます。

それから、歳入、入りの方はどうかと言いますと、国庫補助金705億円、それから今申し上げましたように一旦積み立てた基金から取り出す部分が103億円、今回の6月補正で追加的に県債を発行するもの、県の借金でございますが、これが197億円。ただし、この197億円は別途地域活性化公共投資臨時交付金というものを175億円、国から頂いておりまして、これを資料1−2の8ページの一番最後の、先ほど見ていただいた基金のリストでいくと、一番下の地域活性化公共投資基金の中に積立ております。

これは将来的に来年度以降、県債の発行の見返りとして使える基金でございますので、この175億円を引きますと、実質的な県の負担は22億円ということになります。197億円の新たな県債発行の中で、県の実質負担は22億円で、後は国から頂いたお金を基金に積んで、それに充てるということでございます。その他に、諸々4億円ということでございまして、今回の1,009億円の補正予算が成り立っているというわけでございます。

主な事業の内容でございますが、この資料の1−2にございますが、大きな柱の1番目が緊急経済雇用対策でございます。最初に書いてございますが、25億円事業実施規模を上乗せしまして、新たに2,800人を超える雇用創出を目標に事業を拡大していくということでございます。これまでの事業が、2,200人強でございましたので、合わせて5,100人ほどの雇用創出になるということでございます。

それから、離職者あるいは求職者向けの緊急職業訓練等がございます。それから、セーフティネットのところがございますが、雇用維持に努める企業への支援、あるいは取引先企業の倒産による連鎖倒産を防止するということで、資金調達時に必要となる信用保証料を全額県が負担をするということで、資料1−2の1ページの下から2ページの最初にございます。

信用保証料ゼロで保証を付けていただいて、資金調達ができるということになるわけでございまして、こういった経営合理化資金の雇用支援枠というのをやっているのは全国で3県のみでございますが、これをゼロにするのは岐阜県が最初ということでございます。関連倒産防止資金につきましては、これはかなり多くの県で行われておりますが、保証料をゼロとしますのは岐阜県を含めて全国で4県ということでございます。
また、解雇や派遣労働者の雇い止め等によりまして、住宅、住居を喪失する人に対する支援も用意をさせていただいております。あるいは、この売上減少で大変痛手を受けている中で、意欲のある企業がカイゼン、ムダ取りといったようなことについて、外部の指導を受けながら取り組むとか、企業連携をやるとか、そういったことに対する支援策も用意させていただいております。このあたり、中小企業の再生というところで、いくつか施策を用意させていただいております。以上が緊急雇用経済対策であります。

2番目の大きな柱が、地域経済の活性化ということでございまして、まず海外をターゲットとした農産物その他の県産品市場の拡大、観光誘客の強化を進めていくということで、地域資源を生かした新たな商品開発の支援でありますとか、外国人観光客の受け入れ体制の整備でありますとか、あるいは既にスタートしております「飛騨・美濃じまん運動」につきまして、特に「じまんの原石」と選ばれたアイテムにつきまして、地域の更にそれを磨いていく取り組みを応援していこうというものもございます。

それから、地域を支える基盤整備ということで、次の4ページにありますが、ここでは先ほど申し上げましたが、東海北陸自動車道の4車線化に201億2,500万円ということで、このプロジェクト一つでこれだけのオーダーでございます。更には東海環状自動車道路西回り区間の整備促進11億4,400万円でございます。ちなみに東海北陸自動車道の4車線化でございますが、私どもの予算としてはこの201億円と立てておりますが、プロジェクトとしては890億円のプロジェクトでございまして、中日本高速道路の方で工事をしていただくわけでございます。早急に工事に着手し、できる限り前倒しで工事を進めていくということで、今、ご相談をしております。また、東海環状自動車道路の西回りにつきましても、県費としては11億円でございますが、事業規模としては34億円という規模でございます。

それから、4ページの下にありますが、新エネルギーへの取り組みということで、太陽光発電、燃料電池等々を組み合わせた新たなエネルギーインフラといったようなもの、あるいは太陽光発電設備の設置といったようなものを掲げています。

それから、3番目の大きな柱が暮らしの安全・安心ということでございまして、まず何と言っても、新型インフルエンザの対応ということでございます。本部会議をオープンにして、今やらせていただいておりますけれども、そこでの議論を踏まえながら、抗インフルエンザウイルス薬を追加備蓄するとか、あるいはリアルタイムで感染症を監視するシステムを緊急に整備するとか、等々必要な予算でございます。

また、ホテル、その他観光業、この新型インフルエンザで売上、販売に大きな影響が出ておりますが、融資ということで、経済変動対策資金、あるいは返済ゆったり資金の対象に、このインフルエンザの影響を受けた企業支援ということも加えていくことも考えております。

それから、介護福祉人材の確保でございますが、介護サービスにおけます処遇の改善、あるいは介護福祉に取り組んでおられる方々の就労・定着支援、あるいはキャリア支援ということを掲げています。また、地域の実情に応じた創意工夫ある子育て支援といったものも、次の6ページでございますが、応援していくということで、様々な予算も掲げさせていただいております。

それから、防災対策ということで、スプリンクラー設備の設置でありますとか、耐震化の推進でありますとか、そういったことを考えております。その他、J−アラートシステム、震度情報ネットワークシステム、あるいは災害派遣医療チームの体制強化等々、この際、しっかりと整備をさせていただこうということでございます。

最後の大きな柱が教育関係の整備でございます。特に重度・重複障がい児童生徒等に対応するために、特別支援学校のトイレの改修、これが大変ご要望が強うございまして、あるいは床暖房設備の改修といったこと、あるいは児童生徒が急増しておりまして、まだ新設したばかりではございますが、海津の特別支援学校、更に教室不足の解消が必要であるということで、これにも手を付けるということでございます。その他、特別支援学校における就職支援でありますとか、私立高校生に対する奨学金の支援でありますとか、そういったことも掲げております。

以上が6月補正の概要でございます。また、詳細についてはそれぞれの担当部からご説明させていただきますが、大まかなイメージを申し上げますと、国の補正予算15.4兆円のうち、地方向けに用意されておりますのが6.9兆円あります。この6.9兆円のうち6.4兆円が、大体こういう仕組みでこうやるんだという仕組みが明らかにされてきております。今回、私どもはこの6.4兆円に対応して、岐阜県としてどれだけの補正予算が組めるか、最大限活用したいということで、この予算を組ませていただいたということでございまして、補正予算規模が1,009億円、そして国庫から705億円いただくということになっております。

それ以外の0.5兆円につきましては、まだどのように使っていくのか、国会は通っておりますけれども、具体的な話が必ずしも明確でございませんので、これが明確になり次第、さらに私どもとしては国に対して要求していこうと思っております。例えば、地域グリーンニューディール基金ということで、地球温暖化対策絡みの550億円の予算が国にあるわけでございまして、これを地方にと言っておられますけれども、どういったテーマについてどのようにやっていくのかと定かではございません。私どもなりにこのグリーンニューディールということで岐阜県として何ができるか、何をしなければいけないか、こんなことを今いろいろと勉強しながら、あるいは制度が明らかになったところで頂くべく手を挙げたいと思っております。整えば9月補正、12月補正でやっていきたいと思います。

またさらに大きなお金として地域医療再生臨時特例基金というのが3100億円ございまして、10の都道府県には125億円、37の都道府県には50億円、それぞれ内容、テーマに応じて医療再生計画について支援をするということになっております。私どもとしてはこの大きい方の125億円を頂くべく、今岐阜県としての地域医療再生で国にお願いするものは何かといったようなことを検討しておりますが、これはおそらくは各県からいろんなアイディアが出揃って、第3者委員会にかけて議論をして選んでいくということでございますから、もう少し時間がかかりそうです。

また医療施設耐震化臨時特例基金というものがございまして、これも1,222億ございまして、これは具体的にどこの病院のどういう建設計画があるかというところを見定めなければいけませんので、今県内でもどういうふうにこれを考えるか、100パーセントの補助金ではなく病院自身の負担もある程度ございますので、このあたりも検討しております。

それから定住自立圏等民間投資促進交付金というのがございまして、これは県に予算をつけてそこから定住自立圏に取り組むところにお金が流れるということでございます。550億円ございまして、美濃加茂市など中心市とされているところで具体的な中身を検討しておられますので、ある程度準備が出来ればと思っております。ざっと5,000億円を超えるお金がまだ具体的に割振りをする前でございます。

この他に、15.4兆円のうちの6.9兆円が地方向けと申しましたが、あと国プロパーとして8.5兆円持っておられまして景気対策として地方に裨益する部分としてかなりあるわけであります。例えば、ハローワークを中心とする雇用対策でありますとか、中小企業金融でありますとか、相当思い切ったことを考えておられるようですし、それから地域協働研究拠点整備というプロジェクトがありまして、一か所数億から30億円程度の研究開発の拠点を全国の相当部分に整備しようということで、当然これにも岐阜県としても手を挙げていこうと思っております。

また、文化振興ということで県を中心にプランを作れば、大きなオーダーで国にお金を頂けるというものもありますし、まだそういった意味でこれからというものもございますので、私どもとしては現時点で積み上げられる、かつ使用可能な予算をこういう形で組ませていただいたということでございます。今申し上げましたようなまだ手つかずの部分の予算についてこれからも可能性を求めていくということと、一旦積んだ基金の未利用分についてこれからも引き続き積極的に県内のニーズを見極めながら活用していくといったようなことで、9月補正12月補正来年3月補正と経済状況を見ながら、ニーズを見ながら活用していきたいと、こんなふうに思っているわけでございます。私から以上が今度の6月補正の内容でございます。

記者

補正予算の県単独事業60億円の部分ですけれども、地域活性化が主に中心になることをおっしゃってましたが、特に目玉になるものはどれになるのでしょうか。

知事

お手元にお渡しした資料の1の2には、基金を利用してやる部分と交付金を利用してやる部分とそれから国の補助金を使う部分とが混在しております。とにかくそれぞれの財布から可能なものをどんどん引き出して、要は私どもとして今緊急に必要なものを精一杯、ということでこの資料の1、2が成り立っております。どの部分がどの財源から来ているかという点は、担当からまた詳しく説明させていただきます。何がしたいかということの基本は、この資料の1の2に書いたものを、大事なもの代表例として考えさせていただいております。

記者

今回景気対策としてということですけれども、岐阜県の場合、地場産業についての何か施策等は考えていらっしゃいますでしょうか。

知事

岐阜県は伝統的な刃物とか陶磁器とか、和紙、木工、繊維とか、地場産業があるわけでありまして、今回のこの緊急経済対策の中で雇用にせよセーフティネットにせよ、あるいは中小企業の再生にせよ、こういったところの手段が地場産業に大いに裨益していくと考えております。旧態依然としたところから新しい取り組みをしていこうということであればこのお手元の資料の中小企業の再生についてのいろんな支援策が該当しますし、雇用を維持するとか、新しい分野に職業訓練をやっていくとか、職員の研修をやっていくとかそういったこともあります。

それから地域経済の活性化ということで、観光交流とか、海外からの誘客促進とか、地域の魅力を高めるための商品開発とか、あるいはその地域の自慢づくりの支援とか、いったこともやはり岐阜県の伝統的な地場産業に裨益するのではないかと思っております。狭い意味で地場産業対策として敢えてうたってはおりませんけれども、私どもとしては相当広範囲にご活用頂けるのではないかと思っております。

特にさきほどご紹介しましたが、保証料ゼロというのは、とにかく手金なしで保証を得て資金調達できるわけでありますから、これなども、特に資金調達の厳しいところにとっては大きなメリットがあるのではないか、意味があるのではないかと思っております。

記者

あと1点でありますけれども、新年度予算、補正予算も含めて、県として国に対しては、いわゆる使い勝手のいいものを求めていると思うのですけれども、それに関しては補正予算、使い勝手の部分ではどのように考えていらっしゃいますか。

知事

1兆円ですか、地域の活性化というテーマでかなり柔軟に使える交付金を用意していただいております。

それからもちろん景気対策で即効性を求めるわけですから、提示したらすぐ使えるというものももちろんありますけれども、少し時間のかかるものもありますので、基金という格好で一旦積ませていただいて、そこから先は地方が創意工夫で、もちろん基金としての本来目的に沿ったものでなければいけませんけれども、その基金を活かす、使っていけるということであります。

それから公共事業、例えば東海北陸自動車道でございますが、890億円のプロジェクトを決定していただいてできるだけ前倒しでやろうということなのですが、そのうちの約200億円は県債を発行して借金をするわけであります。200億円のうちの9割、180億円は交付金という格好で頂けますので、県の実質負担20億円になります。さらにそのうちの2分の1は交付税で措置するということでございますので、それも含めますと10億円ということになります。890億円の大型のプロジェクトのうち、地元負担が一切合財いれますと10億円ということでありまして、私どもとしては目いっぱいの国からの支援をお願いしておったわけなので、そういった面では耳を傾けていただけたのではないかと思っております。

ただ他方で、例えば不妊治療の上限額とか、介護の報酬でありますとか、消費者相談員でありますとか、こういったものは基金を積んで3年間使うことになっております。つまり向こう3年間介護の報酬はこれだけあげられるよ、と。あるいは消費者相談員を増員すれば国のお金が使えるよ、と。不妊治療もこれだけ上限額があがるよというわけなのですが、じゃあ3年経った後どうなるのですかということについては、やはりこういったものについては3年経ちました、はい、おしまいですというわけにはなかなかいかないわけです。そういった性格のものは、もちろん3年間基金を置いて3年間均等に持続的に使ってくださいということなのですが、この先どうなるかということもいろいろと県民の皆さんやいろんな団体からもお問い合わせもありますし、私どもとしてはそういう意味でその先についても、やはり国としてきちんと見て頂きたいと思っておりまして、こういったことはこれからまた要望していきたいと思っております。

それから先程の私の冒頭説明の最後にご紹介しましたが、まだ予算の枠組みなり段取りなりが、必ずしも明らかでないものが相当あるわけです。まさに緊急経済対策、経済危機対策ということでありますので、やはりスピード感が大事でありますので、国に対してはまだその辺の枠組みが決まってないものについて、私どもとしてはある程度想定しながら準備作業を受け皿作りをやっていきますけれども、早く方針を決めていだたいて、早く地方で使えるお金を持ってきていただきたいと、こういったことも強く要望したいと思っております。

記者

基本的な質問で恐縮なのですが、今回補正予算の規模が1,009億円ということで過去の補正予算の規模と比べても倍近くなっているわけですが、これは国の補正が過去より大きかったのでこれに呼応して県も倍近くなったと、そういう理解をしておけばいいのでしょうか。

知事

国の15.4兆円のうち、地方に振り向ける中には、地域の実情に応じてある程度割り振るものもありますし、それからニーズの高いものを優先的に決めていくものもありますし、いろんな性格のものがあります。それからこちらにちゃんとした受け皿、用意がないと国としてもお金を配れないわけでありまして、私どもとしては6月補正予算、まさに緊急対策ですから6月補正予算に最大限のという思いで、受け皿を早急に用意をしました。

それから東海北陸自動車道はまさにその典型ですが、すでに用地買収も行われていて、早急に工事にとりかかれるような、つまり早急に動けるようなプロジェクトをどんどん国にお示しをして、そして優先的に頂けるものはどんどん頂いていくということです。国のパイももちろん大きいということもありますが、私どもも受け皿なり、必要なプロジェクトを積極的に国に申し上げて、そして頂ける額を見定めてこの補正の中に盛り込んだということでありまして、その両方の組み合わせかと思います。

それからまだ私どもとしては、スピードが大事だということで日々作業をしておりまして、これはどうなるかわかりませんけれども、例えば今度の議会7月9日が最終日でございますので、仮に7月9日までの間に国の方針が定まって、私どもの受け皿はこれですよという話がつけば、場合によっては、またこの補正予算の追加の緊急上程もあり得るということです。とにかく積極的に頂けるものは目いっぱい頂こうということで今思っておりますので、7月9日までに目途がついたものはさらに上乗せをしようと言う構えでおります。

2点、私の方からご報告させていただきます。1つはご記憶の方もあろうかと思いますが、一昨年フランスの大使以下、東京のフランス大使館の幹部が県庁においでになりまして、岐阜県との交流プログラム、かなり具体的なプランをまとめたところでございます。かれこれ2年間経ちまして、今度はこちらから私も含めて県の幹部が在京のフランス大使館へ行って、向こうでフォローアップと今後のさらに進め方を議論させていただくということで、3時間半ぐらいかけて議論しましょうということでございます。

去年の1月に、前のル・リデック大使から今度フォールという大使に交代されていますが、偶然というものは恐ろしいもので、前の大使とは、大使の奥様が私のフランス語の家庭教師だったご縁で30数年来のお付き合いなのですが、今度の大使もまた偶然ですけれども私のフランス留学時代の同級生でございます。同級生のよしみで岐阜は特別であるということで、面白いからやろうじゃないかというお話をしたわけでありまして、当日は分野ごとにカウンターパート会合をやって、それが終わったことを見届けてから大使と私が参画をして、公邸でごちそうになりながらディベート議論をするということでございます。

例えば平成19年には在日フランス大使館の後援を得て、県美術館で大ナポレオン展という企画展をやりましたし、それから平成19年20年と相次いでフランスの陸上のナショナルチームが飛騨御嶽高地トレーニングエリア、高地トレーニングの日本ではメッカとなる場所だと思っておりますが、こちらで大阪世界陸上、北京オリンピック直前までトレーニングをおやりになりました。トレーニングされた方が入賞されたというようなことで、場所的にも高い評価を頂いております。

それから大使館経由でフランスのミシュラン社が日本にやってきていろいろと調査をしてインタビューをするというようなことで、その取材に私どもも協力をさせていただいて、ご案内のように高山、白川郷が最高ランク三ツ星の格付けをされましたり、あるいは多治見の幸兵衛窯が二つ星になったり、大変ご評価を頂いております。

これからも持続的な交流を、ということで、まさにオール岐阜県対オールフランスということでございまして、お手元の資料の後ろの方にそれぞれ観光でありますとか、文化芸術交流でありますとか、研究開発交流、科学技術の交流でありますとか、いろんな分野の交流が考えられておりまして、かなり進んでおりますし、また新たに加えるものは加えていこうということでございます。

19日金曜日の午前中から午後にかけて行いますが、ただセキュリティの関係上、大使館の中、大使公邸の中、プレスはご遠慮頂きたいということでございますので、終わったところでまたご報告させて頂きたいと思っております。

それからこれが一つのきっかけになりまして、例えば陶磁器業界の方々、あるいは飛騨の木工業界の方々がフランスの見本市なり商談会に参加しておられます。それから岐阜市内にバス停に大きな広告が付いたものが最近できましたが、あれはフランスのエムシー・ドゥコーという会社が岐阜乗合自動車と契約をして据え付けをしているということでございますし、それからフランスの大学と岐阜大学との間での研究機関の共同研究も動いております。いろいろな意味で他にはない多面的な交流を促進できればと思っております。

それからもう一つ、同じく国際交流に関してですが、日本とオランダの水シンポジウムというものをこの岐阜で開催しようというものでございます。外務省の外郭団体でシンクタンクの日本国際問題研究所と岐阜県、大垣市、中日新聞社が共催で開催します。
6月26日、ソフトピアジャパンで、オランダから大使をはじめ、治水の専門家に何人かおいでいただいて、「水シンポジウム」ということで予定をしております。

次のページにありますが、「迫りくる巨大水害にどう対応するか?日蘭の経験を基に」ということであります。なぜオランダかということでありますが、ちょうど明治時代にオランダ人技師のデ・レーケさんが、まさに木曽三川の分流工事を完成させるにあたってご指導いただきました。オランダは海抜0メートルの地でございますので、まさに水害に備えた水防技術が世界でもトップクラスの技術を誇り、水害対策、地球温暖化対策など、いろいろなことをやっておられます。一方岐阜県は、木曽三川もありますし、伊勢湾台風50周年でもありますし、それから、全国豊かな海づくり大会に関連した、水との共生という岐阜県のテーマにもフィットしておりまして、そういった流れの中でシンポジウムを開催したいと思っております。

それから、オランダは長崎県平戸の商館開設400周年だそうです。そういったことでもオランダの得意な治水というテーマで、日本のどこかでこうしたことをやりたいということで、私どもとしては喜んでお招きしようじゃないかということになりました。岐阜県にはオランダといろいろ御縁があるということで手を挙げさせていただいたところでございます。

様々な専門家が集まって議論をしていただけるということで、インパクトのあるシンポジウムになることを期待しております。
私の方からのご報告は以上でございます。

記者

木曽川水系連絡導水路の関係ですが、ちょっと前になりますが、愛知県知事が副知事・副市長クラスの会談を申し込んでいるが応じてくれないとぼやいていました。それについて岐阜県としては、開催を求めていくのかどうか、その辺のお考えを教えてください。

知事

まず、この問題はいつも申し上げておりますが、国の直轄事業ですので、国の事業としてこの問題にどう対処していくのかというのがまず基本です。

そのために導水路監理検討会というものが3県1市の部長クラス、それから国土交通省からもしかるべき方が出て、議論がスタートしたところであります。実は明日、この検討会が開催されることになっております。

前回参加者からこの問題の論点は何かということで、多くの論点が出される一方、名古屋市としてはまだやめると決めたわけではなく、検討中ということでございましたので、明日の会合で、その後の名古屋市における検討がどんなふうに進んでいるかということの話もあるのではないかと思っております。

それから、前回出された論点の考え方についても議論が行われるのではないかと思いますので、まずは明日の会議を見守りたいと思います。私は別に出席者のレベルにこだわるものではありませんが、国の直轄事業として関係者が一体となってこの問題を考えていくのかということの考えをきちんと詰めていく必要がありますので、その状況に応じて必要なレベルでやっていただいたらいいのではないかと思っております。まずはこの部長クラスの会議で議論が動き出したところですので、私としてはこの会議、とりわけ明日の会議でどの程度進展するのか、その辺の議論の進み具合を見極めていきたいと思っております。その上で、次にどのレベルでどういった議論をすればいいのか考えればいいと思います。

記者

明日、全国知事会の直轄事業負担金問題プロジェクトチームの会合が予定されていますが、内容はどのようなものになりそうですか。

知事

これはプロジェクトチームということでございまして、明日、知事クラスで議論をして、ある程度の整理をして、7月に全国知事会が三重県伊勢市で行われる予定となっています。

そこでいろいろな委員会やプロジェクトチームの報告が行われ、議論がありますので、そこに繋がっていくということになります。明日一日で終わるか、もう一回開催するかはわかりませんが、この直轄事業負担金問題プロジェクトチームとしての議論を煮詰める会議になろうかと思います。まず、既に先週金曜日にスタッフクラスで実務的な議論も行われておりますけれども、先般、国の方から平成20年度分がどうであったかということについて情報開示が行われておりますので、この開示された中身について分析・評価を行うことが第1点です。それから2番目の論点は、この実情を踏まえながら直轄事業負担金の対象範囲の基準についてです。それから、比較的知事会でも意見が一致しております、維持管理費の負担金の廃止について今後どのように、一連の議論を踏まえながらどのように主張していくのか、ということです。

7月には知事会がありますし、秋には今年度の支払いが始まってきますので、そこら辺も踏まえて議論し、整理したいと思います。そしてこれは最終的には知事会で議論することになります。私もこれは大事な問題だと思っておりますので、明日、上京して出席する予定です。

記者

直轄事業負担金についてお聞きしますが、47都道府県の中には、直轄事業負担金のこの問題を次期衆院選の争点の一つにすべきではないかとお考えの知事さんもいらっしゃいますが、古田知事のお考えは。

知事

プロジェクトチームでかなり論点も明確にして詰めていくわけですから、そしてまた、知事会全体としてのコンセンサス作りを、今後の手順も含めてしていくわけですから、その流れの中で積極的に議論していきたいと思っております。いきなり政治化するということは私個人としては考えておりませんで、むしろ、現状がどうなっているのか、それをどう評価するのか、その部分がどうおかしいのか、それをどう変えていくのか、きちんとした議論を積み上げていくべきだと思っております。

記者

最終的に議論が煮詰まった場合においても、政治化するかどうかはわからないということですか。

知事

既に先日、我々は、3大臣とプロジェクトチームの知事との会合もございましたし、今後もこうした会議を継続してやっていこうということもございます。いろいろな形で議論を、スピード感を持って進めていきたいと思っておりまして、まずはそれが先だろうと思っております。

記者

明日、国の地方制度調査会の答申が正式決定するようですが、平成の大合併が一息ついて、特措法の期限が来年3月で切れます。それに合わせて新しい法律で合併を支援していくのか、あるいは、小規模の市町村に対して、都道府県レベルで何らかの行政的な支援を行うような内容が盛り込まれそうですが、今後、来年度以降の岐阜県の行政的な政策がわかれば教えていただきたいのですが。

知事

市町村合併の問題は、第1には市町村ご自身がどう考えるのか、どうしたいのかということもあります。いわゆる平成の大合併をどう総括するのかということも含めていろいろ議論があるところです。それから既に法律的には、総務省の方で県知事が、さらに合併を誘うことも可能となっておりますが、基本的には市町村の主体的判断だと思っております。

県内でも次の合併はという議論は、今はあまりないのではないか思います。むしろ、既に合併を進めた自治体が合併の実が上がるようにどうしていったらいいのかというのが中心となっていろいろな議論がなされております。そういったことについて国がいろいろと応援策を考えるのかどうかわかりませんが、もう少し国の動向を見守っていきたいと思っております。

しかし何といっても基本は市町村の主体的な判断だと思います。それこそが地方分権の基本だと思います。合併をさらに進めたい人たちがどういった支援を求めるのかといったこともしっかりと見極める必要があるのではないかと思っております。

記者

直轄事業負担金についてお尋ねします。最近の議論を見ていますと、以前は、直轄事業負担金の廃止という議論が大きかったと思いますが、最近の議論は、維持管理費をどうするかとか、直轄事業そのものの見直しに知事会としての考えが傾いてきたのかなと思いますが、直轄事業の廃止なのか見直しなのかどちらでしょうか。

知事

このことについては、3つの段階があります。

今の制度の下でどのように我々の負担したお金が使われているのかどうか明らかでない、今の制度の下でどうなっているのか明らかにしてもらいたいという、情報の開示を求める流れが一つ。そしてこれについては一定の開示があった。そしてどう評価するか、と同時に、やはり支払われるべきでないものがあるとすれば、きちんとしたルールを決めるべきではないか。こうした制度を前提とした議論が一つです。

それから、道路などが出来上がって、それに対して国が責任を持って維持管理を行うわけですが、出来上がった後の維持管理費の道路の場合、45%を自治体に持たせるのはいくらなんでも行きすぎではないかと、逆に補助事業の場合には、国は全く手当てしてくれないじゃないかというようなことで、この維持管理費はいかがなものかという議論が2つ目の段階です。

これについて、今では制度が変わっているのですが、岐阜県で昔、飛騨川バス転落事故というものがあってこれが補償問題になりまして、相当な額を補償しなければならなくなったのですが、このお金を維持管理費から払うということを国がおっしゃって、当時の岐阜県は、平野知事の頃ですが、岐阜県としては払えないとがんばったことがありました。当時は、特別交付税で面倒をみるからここは矛を収めてくれということになって対応をしたようでございますけれども、その後これはやっぱりひどいねということになって、こうした災害になった時の補償金まの考え方がありまして、最後の考え方は法律改正まで伴います。

ですから、この3つをどのようにで維持管理費で払うというのは、今の制度ではありません。

そのくらいこの話しは古い話で、いろいろなことがあって、やっぱり維持管理費は、維持管理をしている人が払うというのが筋ではないかという考えになってきているのです。

3番目は、そもそも地方分権のあり方を考えると、制度論として、財源と権限をしっかりと国と地方に分けて整理をして、それぞれが必要な財源と人員を確保して必要なことをやる、そして、終始、首尾一貫して行うという形が望ましいのではないかと、そういう意味では直轄事業負担金制度は廃止すべきではないかと考えます。

この3段階議論していくのかということでご理解いただければと思います。

記者

直轄事業負担金の流れで、国と都道府県、それから政令指定都市の関係でお金の使途が不透明だとかという議論がありますが、県と市町村の間でも地元の市町村が負担していることがありますが、そこで、国と都道府県の関係と同様に使途をあまり示していないという状況にあると聞いていますが、岐阜県として来年度以降、そうした市町村に対しての使途の明示などについて、どのようにお考えですか。

知事

その辺りのことをいろいろ聞いてみますと、この件については、それなりのデータをお出ししていると聞いています。国と同じことを県がやっているとは思っていませんが、これはまさにパラレルな問題です。国との間で新しいルールを作っていこうとしていますので、同じことを県と市町村の関係でも当てはめていくのが基本だと思っておりますので、そういう観点から、今、岐阜県と県内市町村との関係を検討させているところです。

具体的に県内市町村から問い合わせは来ていないようですが、同じ次元の問題ですので、そういうスタンスで実態を見極めながら国と県の間でどう整理されるかに合わせてどう整理していくかということできちんとやっていきたいと思います。

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