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知事記者会見(平成23年11月16日)

記事ID:0008428 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成23年11月16日(水曜日)午後3時

知事

お手元に2件、資料をお届けしておりますけれども、まず、「災害時等の大学等高等教育機関による支援協力に関する協定」というものが第1点でございます。

これは県内26の大学等高等教育機関がございますが、これらとの間で今回協定を結ぼうということでして、来週11月24日(木曜日)に締結式を行うこととしております。県と県内全ての大学等がこの災害・防災分野で包括的な連携協定を結ぶというのは、全国でも初の試みということでございます。

3月の東日本大震災でもございましたけれども、大学において避難者を収容するですとか、あるいはヘリポート、救護所、ボランティアセンターといったような機能が相次いで開設されるですとか、災害対応の最前線の拠点ということで大学が大きな役割を果たしたということがございます。キャンパスの中に最大で1,000人くらいの被災者が暮らす避難所ができましたり、それからテントを張ったグラウンドが、延べ9万人の方が利用されるようなベースキャンプになった大学もあるということでございます。

私どもはこの5月に「震災対策検証委員会」を設置し、8月早々に提言をご報告いただきましたけれども、その中で、そうしたことを踏まえて、救援部隊・支援部隊の活動拠点として、広大な大学敷地の活用を検討すべきであるというご提言をいただいておりまして、これを私ども県から各大学に申し上げましたところ、県内の全大学等高等教育機関から賛同が得られたということで、今回の締結に至ったものでございます。大学の有する施設と人材という豊富な物的・人的資源を、この災害・防災対策に活用させていただくということになったわけでございます。

それで協定の内容ですけれども、今申し上げましたようなことを反映しまして、被災者の一時避難所等を設置するための大学施設の提供、専門的知見を活かした指導・助言、学生ボランティアの派遣等による被災者支援、災害・防災に関する県民を対象とした啓発活動と、そういったことになっております。体育館、講堂、グラウンドなどの大学施設の提供につきましては、県からの要請に基づきまして、被災者の一時避難所、支援物資の集積所、災害ボランティアセンター、緊急時のヘリポートの設置等といったことを念頭に置いております。また、これによりまして、県と大学等との協定ではございますが、実際には市町村レベルの色々な対策が必要になるわけでありまして、結果として市町村と大学との連携強化にもつながるのではないかと期待しております。

それから、県内の大学等には2万7千人を超える学生さんがおられるということで、これら学生さんの災害ボランティア活動への参加ということも、いざという時には大変大きな、貴重な人的な資源になるのではないかということでございます。

それからこの協定に絡んで、「岐阜県・大学等災害対策連絡会議」というものを設置することにしております。緊急時・災害時はもちろんでありますけれども、平時から具体的な対策や連携強化など、色々と検討・研究を重ねていこうと、このような姿勢でございます。来週24日に締結式を行いますので、よろしくお願いいたします。

それから、もう1点が国体の関係でございますが、いよいよ来年1月27日(金曜日)、「ぎふ清流国体」の開幕となるスケート競技の開始式がございます。あと72日というところまで来ているわけでございまして、それに向けて、スピードスケート競技の少年強化指定選手の強化練習会が来週24日(木曜日)から開始するということであります。

場所は、この競技の会場地となりますクリスタルパーク恵那スケート場でございまして、来週23日(水曜日・祝日)に冬季営業オープンいたしまして、その翌日から強化練習が始まるということでございます。このクリスタルパーク恵那スケート場は、今年6周年を迎えるスケート場でございまして、日本で最も西に位置する屋外400mのスピードスケートリンクということでございます。

あとスケート競技で申し上げますと、愛知県のほうでフィギュアとショートトラック、アイスホッケーが行われます。この冬季大会のスケート競技は、愛知県と岐阜県の共催という形を取っておりますので、ご参考までに申し上げておきます。

その他、国内外で開催されている競技会に出場している成年強化指定選手も、1月中旬からは帰ってくるということでございます。強化指定選手が練習している姿が、国体PRの絶好の機会になるのではないかということで、いよいよ競技開催間近ということになるわけでございます。私からは以上でございます。

記者 裏金問題の裁判で控訴審判決を受けて、判決文を読まれての改めての感想と、上告についてお考えが決まっていたらお願いします。
知事

先週は、ちょうどこの会見の最中に結論だけいただきましたものですから、取りあえずの感想だけ申し上げた次第でありますけれども、その後判決文を読ませていただきまして、今後どう対応するか、正直まだ、上告するか否かの最終決定には至っておりません。今、弁護士等も含めて検討中というのが現状でございます。

今回の判決につきましては、私どもとしてはかなり不満な点があるということでございまして、色々なことで論点があるわけでございますが、特に感じておりますのは、処分の前提となった行為に対する評価ということでございます。判決としては、これは公務員としては違法な行為であって、懲戒処分事由に該当するという判断は相当であるということで、懲戒処分をすること自身は妥当だと言っているわけでございますが、問題は、そうであるけれども、その懲戒免職という処分を採用したことについては重きに過ぎるのではないかということで、行政にとっての裁量権を逸脱したものだと、こういうふうに判断しておられるわけでございます。その理由として、私どもとしては、今回の行為を県庁の幹部の一員としての責任と考えているわけでございますが、これについては、上司からの指示に無批判に従って伝達をするという従属的かつ代替的な行為、と評価をしておられます。

また、当時既に県のトップのところで裏金の存在を認めないという方針が出ている中で、それと異なるような行動を取ることは心理的に困難であったのではないかということですとか、それから私どもは、裏金を作った、裏金を各部署で持っていたということ自身がまず大きな問題であることに加えて、全国的に特に"岐阜県の裏金"ということで厳しい批判を浴びましたのは、これを更に職員組合に組織的に隠蔽しようということを行ったことでございまして、これはかつてない、岐阜県だけにしかない行為でございまして、当時非常に厳しく批判されたわけでございますけれども、これについては、そのこと自身は隠蔽効果が薄いんだというような評価をしておられまして、この辺りは私どもと考え方が大きく異なるのではないかというようなことでございます。

そういったことを中心に、私どもとしましては、この岐阜県の裏金の深刻さと申しますか、あるいは社会的にも県民の皆さんからも厳しく批判を受けた部分についてのこの裁判における評価が、私どもの受け止め方とはかなり異なっているということで、私どもとしましては、裏金問題についてそういった厳しい批判を受けまして、私どもなりにきちっとしたけじめを付けたいということで、処分を含めてやらせていただいたわけでありますけれども、そこのところが、私どもから見ますと正当に評価されていないと、こういう思いであります。

ただ、法廷での論議というものはまさに法律論議でありますので、今申しました点も含めまして、どういうふうに法的な反論が可能かと、あるいは上告審というものは一審・二審とは位置付けが違いますので、そういう上告審の性格に沿ってどういう議論が可能かと、そういったことについて、弁護士さんにも相談しながら今検討しているところですので、その上で最終的な結論を申し上げたいと思っております。

記者 判決文の中では、他に懲戒処分になった職員は、多額に裏金を消費したか、私的に使った場合に免職処分になっていると。〇〇〇さんだけ、私的に使っていないのに懲戒免職処分にするのは処分が重いのではないかという指摘もされていますけれども、それについてはどうお考えですか。
知事

これは先程申し上げましたように、既にある裏金を更に目に届かない所に組織的に隠蔽しようとしたと、具体的には職員組合に運んで隠そうとしたということについての評価に関わるわけでございます。判決のほうは、それは隠蔽されたものを更に隠蔽するのだから大したことはないと、こういう議論なのですが、私どもからしますと、私的に使用する・しないの議論ではなくて、既に隠蔽されていたものを更に組織的に職員組合に隠蔽をするということの重大さを、当時も県民の皆さんからも、また社会的にも、いったい組織ぐるみで隠蔽工作を更にやっていくというのはどういうことかということで、これが岐阜県の裏金の1つの大きな批判された点であったわけでございます。

従って、そういう組織的な隠蔽工作に関わった方々は、私どもの考え方では全て同等の処分に値するということでございますけれども、たまたま原告が現役として残っておられたと。それ以外の方々は既にOBになっておられましたものですから、OBの方々を処分することはできないということで、結果的に原告1人が処分の対象になったということでございます。

当時、処分を発表しました時にも、これは、これに関わった組織的な隠蔽に関わった人全てが、現役であれば同じ処分を考えておりますということも、当時も申し上げておりましたし、法廷でもそういう議論を展開したのですけれども、そこについて、私どもの議論について受け止めていただけなかったということで残念であります。

記者 先日、野田総理がTPPの協議入りということを各国に表明したわけですが、それについてどう評価するのかということと、交渉の中で、岐阜県の立場として何を主張すべきなのかと、守らないといけない分野はどの点なのかと考えておられますか。
知事

協議入りを発表されましたので、これから協議に入る、協議が整えば今度は、次は交渉に入るということですから、まさに国際交渉というのは国益を懸けたいわば勝負の場ですから、このTPPにとって国益とは何かということを明らかにして、堂々の協議、そして仮に交渉に入られるとすれば堂々の交渉をやっていただきたいと。

ただその際に色々と、まだこれまでのところ、交渉のどういうことが争点になるのか、どんな見通しになるのか、あるいは既にどこまで議論が進んでいるのか、必ずしもよく分からないままで、やや隔靴掻痒の議論が行われてきておりますものですから、私どもとしましてはそのプロセスについてできる限りオープンにしていただきたいと、そして私どももそういった情報を得ながら、色々意見を、全国知事会を通じてか、色々なルートがあると思いますけれども、対応させていただきたいと、そんな思いでおります。

ただ、前々から申し上げておりますように、APECというものがありますけれども、APECという存在自身がアジア・太平洋を1つのマーケットとして、より、人・モノ・金・情報を自由に往来するようにしていこうではないかと。そのための色々な障害を、足並みを揃えて取り除いていこうと。それから、経済的にいわゆる進んだ国と申しますか、先進国と、開発途上にある国とのギャップもありますから、その辺りは経済協力援助を通じてそのギャップを埋めながら、アジア・太平洋全体として足並みを揃えて、より障害の少ない自由なマーケットを作っていこうというのがAPECの狙いです。

そうした狙いに沿ってAPEC自身も色々とやってきましたし、それからTPPもその1つの同じ方向に沿った試みですし、それからASEANプラス3というものも、議論がこれから始まります。色々な流れの中で、日本がそういう流れの中でルールづくり、あるいはネットワークづくりの中で指導力を発揮していくべきではないかということで、これまでもやってきたはずですし、私もかつてそういう努力をしてきたものですから、そういう流れに沿うようにTPPも展開していけばいいなと思っております。

ただ、これは交渉ですから、まさに国益と国益のぶつかり合いですから、決してじっとしていて良い結果が天から降ってくるわけではありませんので、やはり良い結果を得るためには相当な努力が要ると。各国に対して、例えばどの部分の障害を取り除いてもらいたいかということについての、恐らく交渉になればリストを出していくわけですよね。それぞれの国ごとにこういう障害を取り除いてほしいと、関税もそうですけれども、諸々の障害についてやっていくわけですから、そういう中で1つ1つ、きちっと取り上げていっていただきたいというふうに思っております。

例えば、私自身が海外で飛騨牛のキャンペーンをやりました時に、その飛騨牛の輸入手続きで色々と時間がかかるとか、窓口が分かりにくいとかあれば、当然そういったことについて、私自身、トップセールスの中で注文を付けたりすることはあるわけです。TPPという交渉自身がまさにそういうバリヤーを減らしていく交渉ですから、参加している各国の色々な障害をきっちりと分析をして、日本にとってどの障害がどういう効果があるかということを、どんどん主張していっていただいたらよいのではないかと思います。

記者 今、飛騨牛の話が出たのですが、他に岐阜県の産業構造からして、これだけは主張しておきたいと、医療分野とか農業分野で、そういうものは頭に思い描いておいででしょうか。
知事

今、私どもとしましては、やはり海外の市場開拓ということを、この数年一生懸命やってきておりますので、その市場開拓をしていく中で障害に感じられたところについて、TPPの参加国の中にそういうものがあればそれを指摘していくというようなことで、我々もどういう手順で、どういう論点で、どういう交渉が行われていくかというものを見ながら、岐阜県にとっての意味のあることを政府にお願いをすることもあるのではないかと思います。

当面はやはり、ポジティブに考えますとまず、市場開拓にとってどういう障害があるかというものを、TPPの交渉が進めばよく勉強をしていきたいと思っております。

それから逆に、各国から日本側に要求も来るわけです。そうしますと、どういう要求が来ていて、その要求1つ1つについて、岐阜県の農業なら農業、畜産なら畜産にどういう影響が予想されるかということを、1つ1つについて分析をし、そして守るところは守っていくということで意見を申し上げていくというようなことも当然あるのではないかと思います。

こういう交渉は、よく我々は言うのですけれども、守りと攻めと申しますか、攻めるチームは他国の障害を徹底的に勉強して洗って、これを外せ、これを外せ、これを外せと、こういうふうに主張するわけですね。それに対してそれぞれの国が反論をしてくる、あるいはここまではできる、これ以上はできないなど色々なことを言ってくるわけです。

それから一方で、守りと申しますか、ディフェンドというものは、今度、各国が日本の障害について、ここをこう直してくれ、こうしてくれと言って来る、それに対して反論をしていくというようなことをずっと積み重ねていって、ある種のパッケージと申しますか、総合パッケージで、これで良いかどうかということを、皆さん判断するわけです。

例えば、日本がアメリカにある点で妥協したら、そのことは他の国にも適用されるわけで、他の国がそれに対してまた色々な評価をしてくるなど、マルチですから、そうしたトータルなパッケージを色々な角度で、今のようなことで、攻めと守りの中で作り上げていくという、こういうプロセスに入っていくと思います。それがどういうふうに動いていくかということは、私どもも、岐阜県としての利害を主張できるように、やはりプロセスをできる限りオープンにしていただきたいという、そういう思いで見ております。

記者 中日新聞の記事にもあった先程の裏金の上告の件なのですけれども、最終決定には至っていないということだったのですが、上告をする方針というか、方向性はある程度固まっているのかということと、専決という話も出ていましたが、その点、24日までということなのですが。
知事

まず後者はスケジュール的に期限がございますので、これは専決で行政としての責任でやらせていただくということになろうかと思います。その上で、追って議会には報告をさせていただくということになろうかと思います。

それから、最終決定でなくても方針くらいは決まっているのかという話なのですが、先程申し上げましたように不満な点が多々ございますので、その不満な点を上告という最高裁の土俵にどのように乗せていき得るのかということを、きちっと議論を煮詰めた上でないと決まりませんので、そういう意味では、どのように論理構成ができるのかということを、今まさに議論をしているところでございます。その結論を得てどうするかということが決まってくると。予め何か方針を決めてやっているわけではありませんので、まさにそういう詰めの作業を今、積み上げているということでございます。

記者 まだだいぶ、判断が出るまでにお時間が、期限ぎりぎりまでかかりそうでしょうか。
知事 そこは何とも言えませんけれども、いずれにせよ期限が来週の24日(木曜日)ですから。23日(水曜日)は祭日ですし、その他に土日もありますから、いずれにしましても、それほどもう日にちがあるわけではございませんので、まさに詰めを急ぎたいと思っております。
記者 関連ですけれども、判決の中で、知事も先程触れられましたが、いわゆるトップが裏金を無いものとするという方針の中で、一職員がそれに刃向かうことはできなかったという、その中でその職員だけを責めるのは酷だという判決だったと思うのですが、例えばトップがそういう違法であることを命じたような場合に、どこまで職員がそれを自分で判断して抗うと言いますか、そういうことをしなければいけないのかというところなのですが、その点について、今回の判決は、知事はどのようにご覧になりますか。
知事

行政処分というものは、行政のトップが実際に生じた職員の行為に対して処分するわけでございます。それでその時に、処分される人が、上司の命に従いました、言われるとおりにしました、特に、トップが関わっておりましたと言うと、論理的には皆誰もが、処分される立場の人誰もが同じことを言い得るという形になって、それを言い募った場合にどうなるのかという議論もあります。つまり、上司に言われたから免責されるのだと言い出しますと、本当に結構、難しい議論にぶつかると思います。

それからその場合、ではどこで線を引くかというお話もありましたけれども、つまり、一職員なのか、幹部職員なのか、何なのかということなのですが、私どもは、一職員は裏金を持っていてそれを組合に持って行ったとか、そういう示唆を受けて動いたとかいうことなのでしょうけれども、つまりそれを組織的に動かすことを、示唆というか指示というか何というか、仄めかすというか、これは法廷でも色々な言葉遣いがあるのですが、いずれにしましても職員に対してこういうやり方を、更なる隠蔽行為を促したという側につきましては、これは逆に、それに従って職員が動いたとすると、それは相手が一職員だから動いたのではなく、それなりの責任ある立場の人がこちらに持っていったらどうかという、示唆というかそういうことを言っているわけですから。

私どもとしましては、そういうふうに促した側に立った方の責任はきっちりと、しかもそれは県の幹部という高い地位にあるからこそ、多くの職員がそれに耳を傾けたわけですから、既にそこは自ずと立場が違うということで、先程も少し申し上げましたけれども、この促す側に立った幹部の方々は、現役であれば全て同じような処分をすべき立場と申しますか、そういうことになったのではないかということで申し上げたわけでございます。

私どもとしてはそういうふうに、厳密に線を引いたわけですね、考え方を整理しているわけですが、この辺りはまさに、行政に一定の裁量権が与えられていると思います。機械的に予め何か線が引かれているのではなく、起こったことの実態を見ながら、かつこの判決が言っていますように、これは違法行為なのですよね。懲戒処分に値する行為だと、これは裁判所も認めているわけですので。

では懲戒処分に当たる行為となった時に、どのレベルの処分を当てはめるかということにつきましては、私どもは行政に相当程度の裁量権を与えられていると、そういう中で私どもなりに、この全国どこにもない、職員組合に組織的に更なる隠蔽工作をしたということを厳しく重く受け止めまして、事は県民の皆さんからお預かりしている税金であると、その税金をそういう形で組織的に取り扱ったことについて厳しく重く受け止めて、私どもなりに反論させていただいたと。

そしてそのことが、裁量権の逸脱だというふうに今回の判決で言われているわけでございますけれども、私どもとしましては、与えられた裁量権の中で私どもなりに厳しく、当時も今もそうですけれども、この裏金問題にどう対処すべきかという時に、私どもなりに一定の線を引いて処分をさせていただいたということでございます。私の立場を申し上げますと、そういうことでございます。

記者 先程、厳しく対処されるというお言葉だったのですが、現役の方は懲戒免職に処分に付されて、一方で、既に退職された方は一切行政処分をすることができないと。そういう場合に、例えば刑事告訴をするとか、そういう選択肢はなかったのでしょうか。
知事

これは当時のレポートにも書いてありますけれども、時効にかかっている問題ですとか色々な観点から刑事告訴は難しいというのが当時の第3者委員会の結論でございましたので、そこまでは難しいだろうという判断をいたしました。

他方で、金利も含めまして19億2千万円というこのお金を、一刻も早く返還をしていただくということで、現役もそのある部分を担うと、そしてOBの方々にもその責任の重さというものをしっかりと受け止めて返還をしていただくということであたったわけです。幸い半年で、19億2千万円まとめて県のほうに戻したということで、皆さんにあの時点としては、これだけの金額をこれだけの短期間に戻していただいたということは、そういう県職員の現役もOBも責任を感じたからこそやっていただいたのかなと思っております。

しかしおっしゃるように、たまたま現役で残っていた人と全く同じようにはいかなかったことについてのバランス論は、当時としても議論はありましたのですけれども、訴追までは難しいという判断でした。

記者

各務原市にありますテクノプラザに、早稲田大学が今、WABOT−HOUSEというものを作っていて、これが今年度で協定が終わるということで、来年度以降、岐阜を中心としていわゆるこのエリアのものづくりを支援するような新たな研究所といいますか、組織を立ち上げると、そういう方向で大学として検討されておられるようです。

それで岐阜県の方にも既に、できればWABOT−HOUSEの後に入るような形でやりたいという要請をされているというお話を大学から伺ったのですが、岐阜としてこれを受け入れるかどうか、知事として今、どのように考えておられるか教えていただけないでしょうか。

知事

WABOT−HOUSEは私も何度かお邪魔したことがありますけれども、岐阜県の産業政策と申しますか技術開発政策と申しますか、そういう中でロボットというものをどう位置付けるかと、それから基礎的な研究と実用と申しますか、そういったことをどのように考えるかということでございます。確か愛知万博にも、岐阜県からロボットを出展しました。比較的実用に近いのは、チェーンソーロボットといって木を伐るロボットでした。

おっしゃったことにつきましては、まだ具体的に担当から私の方に上がってきておりませんけれども、私の問題意識といたしましては、これまでそういう応用編・基礎編やってきたことを、コストベネフィットを含めてきちっと整理をしまして、岐阜県としてどこに重点を置いてロボット技術というものを考えていくのかという方向性をある程度きちんと見据えて、重点化する必要があるのではないかと思っております。

例えば、ロボットと人が共生するとどういうことになるかということで、ロボットのいる家ということで、そこで人が生活をしてロボットもまた色々動いているというようなことで実験的な家を作ってやっていましたけれども、こういったことなどもどのように成果を整理して今後のこの政策にどうつないでいくのかということも、是非私も、具体的にきちっと詰めたものを提示していただいて、そしてこの先を見据えていくということで。

いわば、色々なことをやってみるというフェーズ(段階)がだいたい終わりに来ているのではないかと思いますので、どう重点化していくかという観点で、遠からず担当から上がってくるでしょうから、そこでよく議論したいと思っております。

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