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知事記者会見(平成23年11月10日)

記事ID:0008425 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成23年11月10日(水曜日)午後3時

知事

今日は色々なことがある日でございますが、私からは、まずお配りした資料に基づいて若干のご報告をさせていただきたいと思います。

1つは、県立の希望が丘学園と岐阜希望が丘特別支援学校の再整備ということでございます。お手元に資料がございますけれども、昭和49年に整備されたものでして、かねてから医療と福祉と教育を併せた、いわば障がい児の療育の拠点ということで、この2つの学園・学校が機能してきたわけでございますけれども、老朽化あるいは狭隘化ということもございますし、たまたまお隣の伊奈波中学校が今年度末で閉校になり、県から岐阜市へ貸与しておりました敷地が使えるということで、この際、この2つの施設につきまして、更に機能強化ということで、予算的にも国の予算を活用しながら進めていく目処も立ちましたので、本格的に再整備をやろうということでございます。

お手元の資料にもありますが、新しい「岐阜県地域医療再生計画」の一環ということでございまして、医療と福祉の連携という流れの中で、特に医療の必要度の高い重度の障がいのある「重症心身障がい児への支援」ということと、それから自閉症児などの「発達障がい児への支援」、この2つを柱にして再整備をしようということでございます。

それぞれの機能強化ですとか、新しい施設の整備ですとかをうたっておりますので、この資料をご覧いただければと思います。これから基本設計・実施設計をやりながら、平成25年度中に着工、27年度中に供用開始ということで考えておりますのでよろしくお願いいたします。それが1つでございます。

それから2番目が、まちづくりの関係でございます。従来から「まちづくり支援チーム」を県内各地に、要請に応じて県庁の職員を派遣しまして、まちづくりのお手伝いをしてきたわけでありますけれども、もうかれこれこの試みは5年になるわけでございまして、これまでの成果を持ち寄ろうということで、「まちづくり活動成果報告会」を開催いたします。

場所は、第1回の支援チームを派遣しました谷汲の門前地区で、私も実はこの「まちづくり支援チーム」の活動状況を見に行ったことがありますけれども、ここの場所をお借りして成果報告会をやろうということでございます。

色々な施設整備その他、あるいはイベント開催といった目に見える成果と、それから地域の意識の向上ですとか、まちづくりの推進体制の整備ですとか、目には見えないけれどもその地域から盛り上がってくる成果というものがあるわけでございますが、今回はどちらかと申しますと、その後者、目に見えるものよりも、必ずしも目には見えないが地域として色々と盛り上げてきているものを持ち寄って、発表会あるいは意見交換会、体験会と申しますか、そんなことをやろうとしております。11月24日(木曜日)でございますけれども、是非、取材等もよろしくお願いできればありがたいなということでございます。

それから別の資料がございますけれども、新たに土岐市の土岐津町の高山地区という所に「まちづくり支援チーム」を派遣するということでございます。今年の11月から来年度末まで約1年半近くなのですが、中山道の脇街道の宿場町の高山宿を中心とした地域で、にぎわいの創出あるいは街並みの活用というようなことで、これは必ずしも色々な古い街並みが十分残っていないようでありますけれども、いわば復元をしながら、まちづくりビジョンを作っていこうということでございまして、街並み再生をゼロから支援していくという試みでございます。これも県庁の若い人に、思い切って活躍をしてもらおうということであります。

応援メッセージカード
それから国体の関係でございますけれども、小学生発案による応援メッセージカードを作るということでございます。こういうカードの裏面に応援メッセージを書くということなのですが、実は今年の5月に「高橋尚子杯ぎふ清流マラソン」を開催しました時に、岐阜大学教育学部附属小学校の6年生の児童が、出場選手に応援メッセージカードを作ってお渡しをしたところ、大変喜ばれまして反響が大きかったものですから、それなら国体に向けて、あるいはぎふ清流大会に向けて、こういったメッセージを作ろうではないかということで、最終的には全国障害者スポーツ大会の方、ぎふ清流大会の会場となる9つの市町の36の小学校が参加をして、ぎふ清流大会に参加する3,600人一人ひとりに応援メッセージを贈ろうということで始まっております。

これも子どもさんたちの自発的な動きとしてスタートしたわけでございますので、障がい者の理解ですとか、共に生きることの大切さを学ぶ機会になるのではないかということで、私どもも背中を押していこうということでございます。来週の11月14日(月曜日)に、この岐阜大学教育学部付属小学校6年1組で、カードにメッセージを書き込むという作業をされます。私はこの日は伺うことができませんが、こういった試みもございますので、取材等よろしくお願いできればということでございます。

それから、これから月単位でご紹介しようと思っておりますけれども、来年の国体あるいは清流大会までの間に、協賛行事あるいは協力行事と申しますか、国体に因んだ様々なイベントが県内で行われる予定でございまして、ざっと見渡しても500近く、既に名乗りを挙げております。今月11月、1か月取ってみましても、ここにございますように、5ページにわたって169のイベントが各地で行われます。こういったこと1つ1つを丁寧にやっていくことも、地域挙げての国体の盛り上げにつながるのではないかと、あるいは県民運動につながっていくのではないかということで、こういうそれぞれのイベントも大事にしていきたいと思っておりますので、各地の動きとしてご承知おきいただければありがたいと思います。私からのご報告は以上でございます。

記者

3点お聞きします。

1つ目が、県の環境啓発事業をめぐって県職員が収賄罪で逮捕、起訴された事件で、懲戒免職処分が出ましたが、改めて知事の責任についてお考えをお聞かせください。

2つ目は、判決が出た直後で恐縮なのですが、裏金をめぐる懲戒免職の取消訴訟で、県のほうがまた敗訴したようなのですが、感想をお聞かせください。

3つ目がその関連で、一部報道にあったのですが、裏金問題の不正防止で、県の監査委員のほうが抜き打ち検査をやるというように防止策を設けているようなのですが、それが4年半行われていないようです。そのことについてのお考えをお聞かせください。

知事

最初の点は、県庁という組織の中でどういうことが起ころうが、私としてはそのことに対して色々な意味で責任を感じながら、これにどう対応していくかということでやってきているわけでありますが、今回の不祥事も大変残念なことでございます。どういうことでこういう事態が生じたのかですとか、あるいはこういったことの再発防止のためにどうあるべきかということで、色々と事実関係、それから政策論をやってまいりましたが、私としましてはこういったことを1つ1つきちんと対応していくことが大事だと考えています。

今回の出来事につきましては、いわば職員個人の、特に女性関係から来た事件ということで、組織的な広がりも、私どもも色々と取材もしましたけれども、組織としての事件というよりは、そういう個人のいわば不祥事でございます。もちろん、それを広い意味で監督する立場と申しますか、組織を束ねる立場としては重く受け止めておりますし、再発防止のためには全力を尽くすということで、特に公募型のプロポーザル方式というものについて、少しディシプリン(規律)が明確でなかったということですとか、あるいは指定管理者制度につきましても同様に、去年見直しをしたわけですけれども、更にディシプリンをしっかりしていこうということで対応させていただきました。

組織的なことではなかったということで、これまでの例に沿って、直接の監督責任のところまでということで処分させていただきました。ただ、だからといって軽く感じているわけではありませんので、再発防止のために全力を挙げたいと思っておりますし、職員のモラルの面でも、研修その他、改めてしっかりやっていきたいと思っております。

それから、裏金の懲戒免職処分の取消事件につきましては、どういう判決が出たか、どういう主旨か、まだ聞いておりませんので、(情報が)来たところでお答えいたします。

監査委員のほうは、この裏金問題につきまして、いわば再発防止策の一環で、監査体制の強化ということで、監査委員及びその事務局はかなりスタッフ的にも、あるいは会計検査院のOBの人材をいただくということで強化をしてまいりました。私も今朝の報道を見て事情を聞いてみましたけれども、独立的な行政委員会ですから、それぞれの判断を尊重しなければいけませんが、私の立場から見ますと、やはり随時監査ですとか抜き打ち監査ですとか、こういったものを実施するということで指針もできておりますし、それからそのための体制の強化もしてきたつもりでありますし、それからこういった随時監査、抜き打ち監査の有効性と申しますか、あるいはそういうことが行われるということの心理的な牽制効果といったことも考えますと、積極的な方向で再検討していただきたいというふうに思っています。この辺りは監査委員事務局や監査委員の判断もあろうかと思いますので、そのご判断を聞きながら、そしてまた私どものそういう思いもお伝えしたいというふうに思っております。
今、メモをもらいましたけれども、この控訴を棄却するという判決でありました。主文の分だけ今、いただきましたので、具体的にどういう論理構成でこういう判決になったのか、これから判決文の内容を詳細に検討したいと思っております。

しかし、まず結論からして、私どもの県の主張が認められなかったというのは大変残念に思っております。

そもそもこの懲戒処分でございますけれども、県の中心的な役職を担っていた者が不正資金の存在を認識した上で、これを県の職員組合へ移して隠蔽をするという違法な行為を行ったわけでありますし、これによって県政に対する信用を根底から覆す結果を引き起こしたというふうに私どもは考えておりまして、その責任は大変重大であるということでこの処分をさせていただいたというのが、私どもの基本的な考え方であります。

今後どうするかということについてでございますが、今申し上げましたように判決文を詳細に検討し、また弁護士とも相談をしながら対応を考えていきたいと思っておりますけれども、私どもの基本的な思いは今、申し上げたことでございますので、そうした思いの上で、よく判決文を詳細に検討させていただきたいと、こういうことでしょうね。

記者 基本的には、上告する方針ということでよろしいですか。
知事 これはまだ、どういうロジックか、一審と二審がどういう考え方になっているのか、その辺りも含めてよく検討しなければいけないと思いますので、今日の時点ではまだそこまでは申し上げませんけれども、今申し上げました思いで、弁護士さんとも相談をしながら判決文の内容を子細に検討したいと、その上で然るべく対応をしたいということでございます。
記者 判決についてですが、裏金問題は過去の話なのですけれども、こういう、上司の命に従ったという意味で、その責任が減免されているという部分について、公務員の、いわゆる職務上でモラルハザードみたいなものが今後起こらないかという、今回の判決の影響についてはどのように考えられていますでしょうか。
知事 二審の判決そのものは、私ども、どういう判断をしているのか見ておりませんので、直接それについてのコメントはできませんけれども、一審の議論は、これは機械的なものであったと、受動的なかつ機械的なものであったというような、正確な言葉は覚えておりませんけれども、そういう言い方をしておられまして、私どもとしてはそうではないだろうということで控訴をしたわけですので、まさにおっしゃったその部分について、控訴審がどう判断したかを、まずはよく読ませていただきたいと思っております。
記者 今回の敗訴という結果は、どのような影響があると思われますか。
知事

まずは、私ども先ほど申し上げましたような、この懲戒処分の根本のところの県の考え方と申しますか、主張が認められていないわけでありますので、私どもとしては大変残念と申しますか、したがって、まずはどういうロジックで認められていないのかというところを、まずはよく見たいと思います。

その上で、どう対応するかということを早急に検討したいと思います。

記者 TPPのことでお伺いしたいのですが、今日の夕方、野田総理がTPPの交渉参加の表明をするという見込みが出ていますけれども、知事としてどう受け止めておられるのかというのと、岐阜県にとってどういうメリットがあって、またどういう懸念があるのかと。金額的な試算も、出しておられるなら教えてください。
知事

野田総理がどのようにこれまでの党内の議論を受け止めて、そしてどのように発表されるか、またどのような思いを述べられるか、まだこれからでございますので、むしろ総理のコメントが出たところで、それを伺った上で、私のコメントを申し上げたほうがよろしいのではないかと思います。

ただ今日、私は民主党のほうに、例の一括交付金の問題で明日急きょ、地域主権調査会の海江田会長以下でヒアリングをやるということで呼ばれましたし、また総務大臣からもお話がありますものですから、今晩出かけます。この時点まで来ますと、まずは総理のコメントなり思いを伺った上で、申し上げたほうがいいのではないかと思います。

 それから、そもそもTPP交渉なるものが、参加を表明した人たちの間で交渉途上にあるわけですから、どういう影響があるかということについて、既に色々な数字も出ておりますが、それに対する疑問もたくさん出ているわけでございます。岐阜県につきまして具体的に試算をしたものは、今のところございませんので、それぞれの交渉の状況なり内容が分かってまいりませんと、しっかりとした見通しも申し上げられないのではないかと思います。特にまだ今のところは、(試算は)しておりません。

記者 子ども手当に代わって来年度から支給される新児童手当について、先日厚生労働省が、現行のほぼ倍に近い9,800億円の負担を地方に求めるという方針を出しましたけれども、これについてのお考えをお聞かせください。
知事

この問題は全国知事会でも、一昨日ウェブで何人かの知事と、当面の地域主権の問題を議論したのですが、その中でもこの話は出ました。

まず、私どもとしましては、この問題は前から、「国と地方の協議の場」というしっかりとした法制化された場があって、そこできちんと考え方を持ち寄って議論を積み重ねましょうということを全国知事会として提案していたのです。それがある日突然、ぽんとですね、この政権はよくおやりになるのですけれども、ぽんと出てきたことについていかがなものかということと、それから、内容については民主党の公約をどう実行するかという話ですから、地方の財源を巻き込んでどうするこうするという話はいかがなものかですとか、あるいは地方税の中に相当大きな固定費のようなものができてくるわけですけれども、これもいかがなものかということで、全国知事会としては色々と疑問な点があるということと併せて、きちんと「国と地方の協議の場」という場で議論をしようではないかということで、一昨日地方六団体でコメントを発表しているはずであります。

私自身も、まさにそういうことで、一致した見解で話をいたしました。

記者 福岡県や三重県など、約200の自治体が利用している富士通のサーバーがサイバー攻撃を受けたのですけれども、現在、岐阜県内でも同じような動きがあったかということと、無いなら無いで何らかの対策を講ずる予定というのはあるのでしょうか。
知事 今のところ私のほうには、そういうことがあったという報告は上がってきておりませんので、特に岐阜県としてすぐに動くということになっておりませんけれども、おっしゃるように色々なリスクが感じられるわけですので、このままじっとしていていいのか、それとも積極的な対策を講ずるべきか、これは早急に検討をさせていただきたいと思います。
記者 富士通のサーバーというのは県も利用されているのですか。
知事 確認をしてご連絡します。
知事 訴訟については、あんなところでいいでしょうか。訴訟は論理を見てみませんと。私どもとしては、これは少なくとも県の考え方が受け入れられていないことは明らかですから。
記者 もし、どんなロジックかというのを知事がご覧になって、何か思うところがあれば言っていただいたほうがありがたいのですが。
知事

判決文というものは、そんなにすぐには届かないのですね。今日の何時に手に入るということではないものですから、弁護士を通じて後で来るものですから。その場で読み上げを聞いた人が、弁護士さんたちもいますから、感想を聞いてみるというか、どういうふうに受け取ったか聞いてみるということはできると思いますけれども、判決文そのものをというのは少し後になります。

事は法律論ですから、あまりふわっとした話でコメントするのがいいのかどうかというところはあります。

記者 ただ、今のやり取りではなかなか答えになっていないような気がしますが。
知事 現時点で言えるのはそこまでですね。法律論ですから。法に照らして違法かどうかという議論ですから。それから、こういう職員の処分につきましては、最高裁の判決もありますけれども、行政サイドに一定の裁量権があるわけですから、その裁量権を超えるものかどうか、超えるとしたらどういう理屈で超えているのかという、これは結構、法律論そのものですから。
記者 まさに、一審は裁量権の乱用が問われたわけですよね。
知事

そういうことですね。ですから、そこのところをどのように二審で考えているのかということは、少しきちんと読んでみませんと、あまり中途半端なコメントをしてもいけないかなと思いますけれども。

いずれにしましても、私どもも非常に興味がありますので、急いで見たいと思います。見たところでどうするのかということはまた考えますけれども、今日の今日は全文を見るのは無理だと思います。

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