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知事記者会見(平成23年10月19日)

記事ID:0008370 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成23年10月19日(水曜日)午後3時

知事 いくつか私のほうからご報告がございます。まず「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会」に向けた地域ブランドということで、この後に試食会もありますし、それからここに色々展示もしてあります。これは平成20年度からスタートしておりまして、技術開発と申しますか、研究開発をほぼ終了したということで、いよいよ生産・普及というフェーズに入ります。これから1年間、それから国体の本番でも、岐阜の新しいブランドと申しますか、国体を念頭に開発した新しい商品ということで大いにキャンペーンをしていきたいと思いますので、よろしくご支援をお願いできればと思います。

県の5つの研究所で7品目のブランド化ということで、この何年かやってまいりまして、今日は7品目の展示と、それから柿と栗と豚肉とカジカの試食も後でご用意しております。私も楽しみにしてまいりましたので、よろしくお願いいたします。

お手元の資料に、それぞれのどんな品目がどのようなことで開発されたかということが書いてございます。花きと申しますか、花は3種類でして、フランネルフラワーとサルビアとトルコギキョウ、それぞれ国体の開催時期を睨んだ新しい品種の開発をしたということであります。来年の国体の推奨花ということで、会場の花飾りに大いに使っていきたいということでございます。

果実・果物はイチゴと柿と栗と3種類ございますが、これも国体の時期を念頭に置いてということでして、イチゴは夏から秋の生産というと難しいわけでございますが、県内で申しますと、郡上その他中山間地域の涼しい気候を生かして、新しい品種の選定をしたということです。それから柿も、富有柿というものは当然あるわけですけれども、国体は9月末から10月上旬ということでございますので、早生の甘柿の新品種ということで、「早秋(そうしゅう)」、「太秋(たいしゅう)」という品種の栽培技術を開発したということであります。栗は、大粒で味が良くて皮が簡単に剥けるという「ぽろたん」、これは既に色々なところでお菓子や料理に使っておりますが、大いにこれもPRしていきたいということでございます。

それから豚肉は、霜降り豚肉と申しますか、霜降りがわかるようなそういう豚でございまして、私も去年、試作品をちょっといただきましたが、非常に美味しいです。何とも言えない、霜降り豚と言うのでしょうか。今日試食をやります。

それから、カジカもなかなか、希少種ですから天然では難しいわけですけれども、非常に簡易な、簡便な養殖方法を開発したということで、川魚の料理店や宿泊施設でコースの提供も既に始まっておりまして、これも大いに売り出していきたいということであります。

それから最後に食器ですが、これは廃食器を配合したリサイクル陶器ということでございまして、強度は従来の1.5倍と、それからリサイクル率を20%から50%に大幅に上げたということであります。それからやはり重さ、軽量化ということで、20%軽量化した軽量強化食器ということで、給食その他に大いに使っていただこうかと思います。

このあたりは、今度の土・日の農業フェスティバルで国体1年前イベントを開催しますけれども、そういった機会に大いにPRしていきたいと思います。よろしくお願いします。

それから次に、お手元の資料に「ネットで飛騨・美濃うまいもの巡り」と書いてありますが、6次産業化商品等を販売する「岐阜県農業ネットフェスティバル」でございます。農業者の方々が農産物を生産するのが1次産業、加工するのが2次産業、流通・販売が3次産業ということで、それを全部、一気通貫でやってしまうと、1次・2次・3次を全部やってしまうという意味で、1+2+3=6ということで6次産業と、こういうことで、10何年か前に大学の先生が言い出した6次産業のコンセプトです。

これで、言わば"儲かる農業"ということで、今回、楽天のインターネットのショッピングモールである「楽天市場」で、まさに「岐阜県農業ネットフェスティバル」ということで、県内農業者の6次産業化しているものを、今回は30品目、販売をさせていただくということでございます。

これと合わせまして、飛騨牛やその他岐阜県の人気商品も組み合わせて販売して盛り上げていきたいということですし、また、農業フェスティバルでも、これもアピールさせていただきたいということであります。具体的なものにつきましては、お手元の資料をご覧いただくといくつかございますので、よろしくお願いしたいと思います。

それから3番目の資料が「岐阜県農業フェスティバルの開催」ということで、過去の来場者数が、資料の下のほうをご覧いただくと分かりますように、去年が19万2千人、その前が18万3千人、16万8千人ということで年々増えて来ております。おそらく県内の定例的な行事では最も集客力のある、来場者数の多いイベントでございますので、これと"国体まであと1年"というものも組み合わせまして、また今の6次産業化のPRも重ね合わせて盛り上げていきたいということでございます。

今年で25回目ということでございますが、あちこちでやっておりますように、震災の復興支援ということでコーナーも設けまして、売上金を義援金としてお届けするように、岩手・宮城・福島の物産販売もやろうということでございます。その他諸々のイベントが予定されております。

それから最後の資料が「一日中小企業庁inぎふ」ということでして、来週27日(木曜日)に一日中小企業庁というものをやらせていただきます。これは経産省の幹部あるいは中小企業庁長官をはじめとして、都道府県を訪問して、地元の経済団体との意見交換、その他シンポジウム等々毎年やっております。昭和39年から始まりまして54回開催されておりますけれども、岐阜県はこれで3回目ということでございまして、47都道府県で54回開催して3回目というのは、新潟県と並んで全国最多ということでございます。

前回は平成18年、前々回は平成4年にやっておりますけれども、去年、APEC中小企業大臣会合もやらせていただきまして、岐阜県の中小企業の取組みについてそれなりにご評価をいただいて、こういうことでやっていただけるのではないかと思います。テーマとしては『日本を元気に!挑戦し、変わる中小企業』ということで、様々な行事を予定しております。このお配りした資料のとおりでございます。

それから同時開催ということで、去年のAPECの時の女性起業家サミットに倣いまして、県内の産業界で活躍する女性が中心となる「ぎふ女性経営者懇談会」がございますが、これもやらせていただきます。それから、ネットショップの店長さんたちの勉強会であります「ぎふネットショップマスターズ倶楽部」も併せて開催するということでございます。

私自身は、午前中の県内経済団体代表者と経産省幹部との意見交換会と、午後の中小企業フォーラムにちょっと顔を出そうかと思っておりまして、勉強させていただこうと思っております。これを機会に、色々な意味で県内の中小企業の方々の改革につながっていければというふうに思っております。

資料に基づくものは以上でございますが、先週この場で例の〇〇〇の問題に質問が集中しましたものですから、この1週間であまり多くは申し上げることはないのですけれども。

国体のオフィシャルスポンサーの500万円については、解約して返金をしたということが先週ございましたけれども、その後も、委託契約につきましては解除を前提に調整を進めてきておりまして、「Changeマイライフ」の普及啓発契約ですとか、それから国体の「ミナモのおみせ」の運営でありますとか、農業以外の企業が農業に参画するモデル事業ということでの委託業務、山県のニンニク栽培などといったものを運営しているわけですが、遅くとも年内には解除する方向で今、具体的な精算や、個々の事業のどこで区切りをつけるかや、雇用の問題をどのように整理するかなど、そんな調整に入っております。

特に「ミナモのおみせ」につきましては、単純にやめるというわけにいきませんので、これも今、代わってやっていただけるところを、また応募をしてもらうべく、あるいは提案をしてもらうべく調整をやっておりますけれども、これも手が挙がれば、所定の手続に沿って選定作業をしていきたいと思っております。これは日々やっております販売事業ですから、これの精算・整理が一番丁寧にやらなければいけないところでございますので、そういったことについて調整していくと。何とか年末までに新しい事業者の選定をして、スムーズに移行させる方向で今、やらせていきたいということでございます。

それから、指定管理者のほうは3件ございますが、まず岐阜アリーナですけれども、これについては近日中に、来年4月以降について申請の取下げという方向になるのではないかなというふうに思っております。現在、来年4月以降の指定管理者の選定作業を行っているところでありますが、○○○を除いた候補企業について、これから最終的な選定作業に入りまして、何とか12月の県議会に、来年4月からの指定管理者について議決をしていただく方向でやりつつあるということでございます。それから、今やっております作業は、来年4月1日からの指定管理者ということで手を挙げてもらっているわけですが、ある程度次の候補が定まれば、場合によれば、岐阜アリーナも日々運営しているわけでございますので、どの程度、次の指定管理者に前倒し的にやってもらえるかどうか、その辺りも見極めまして、12月に議会で仮に議決していただければ、その後、早めにかつスムーズに新しい指定管理者と入れ替わるようなことができればと、こんなふうに思っております。

それから、県民ふれあい会館と岐阜県科学技術振興センターは、まだ今年の4月にスタートしたばかりでございますけれども、これも〇〇〇のほうから指定取消の申し出をいただいて、一方で速やかに、この後指定管理をやっていただけるところについて11月中に公募をいたしまして、そして所定の審査手続を経て3月議会にお諮りをすると、そして4月1日から新しい指定管理者に入れ替わるというのが、比較的スムーズにいったスケジュールではないかというふうに思っております。これは審査手続と議会の手続を考えますと、12月議会ということは到底無理でございますので、そんなスケジュールかなということで今、やらせていただいております。

それからもう1つ、前回申し上げておりませんでしたが、○○○を構成メンバーとする「県民ふれあい会館DN運営共同体」に対しまして今年度1件、補助金がございます。これはもうほとんど金額的には支払い済みですので、若干残っている部分も含めまして整理をするということになると思いますが、少子化対策の「親子でお出かけ大作戦事業」の補助金ということで、ふれあい会館での託児サービスについての補助ということでございます。大半が支払い済みでございますので、これも整理できるところは整理していくということで考えております。
私の方からは以上でございます。

記者 国体絡みで、メイン会場の真ん前にある未来会館についてどうなさるお考えなのか、改めてお尋ねしたいのですが。地域の住民の方が、この夏あたり、若者がたむろしたりして防犯上あまりよろしくない状況が生まれるといけないということで、自分たちで自警団じゃないですけれども、夜回りの回数を増やして防犯対策を取ったりしたようでありまして、そのようなことも含め、いつまでもあのままの状態ではよろしくなかろうと思うのですが、その辺りはどういうお考えですか。
知事 あそこは特に吹き抜け構造になっておりますので、光熱費を中心に維持費が非常にかかるということと、それから、建設してからある程度年月も経っているものですから、本格的な補修というものも必要になってきているということでございます。

私どもは「行財政改革アクションプラン」の中で、それだけの費用を県財政として今、負担していくのもなかなか大変だということで、しかるべく買い手がつけばということでやってきておりますが、パラパラと手は挙がりますけれども、ほんの瀬踏み程度でありまして、まだ具体的な話にまではなかなか進んでいないことであります。

さりとて、改めて相当なお金をかけて補修をするとか維持管理をするというのも、財政的には難しいということで、最低限の維持をしているということであります。今の自警団の話は必ずしも詳しく存じませんので、どういうことになっているのかよく聞いてみたいと思います。

理想を言えば、しかるべき買い手が見つかることと思っておりますけれども、色々な業種の方に関心は持っていただいておりますが、なかなか進んでいないというのが現状です。もう少しそういう方向で、色々トライしてみたいと思っております。

記者 文化施設としての未来会館ということで、新たな買い手をということで前回公募され、それに対する手が挙がったところについて、県として話が折り合う、それ以上進めるところまではいっていない状況だと思うのですが、県としてのハードルを下げるとか、あるいは間口を広げるというようなことについてはいかがですか。
知事 今はどちらかというと第1ラウンドと申しますか、今おっしゃったような主旨の、希望を募るということはひと回りやりましたものですから、今は逆に、まさにハードルを下げると申しますか、もう少し広く、あそこを活用したいというところがあればお話を伺うという姿勢でやっております。

色々な業種からというのはそういう意味でして、ちらほらと問い合わせはあるようでありますが、そこから先にはなかなか話が進んでいないということでございます。

記者 必ずしも文化施設ということに限らない使用方法も、県としては考える余地があると。
知事 私どもが申し出たラインでは話が成就していないわけですから、まさにおっしゃるようにハードルを下げながら、どういうニーズなりリクエストがあるかということを今、眺めているところでございます。
記者 これはいつ頃までに。
知事 希望はできるだけ早くとは思っておりますけれども、何せ相手があることですから、もう少し様子を見ようということであります。
記者 以前にもお伺いしたのですが、TPPについて、このところ民主党のほうでも論議を本格的に始めているところを見ますが、以前お聞きした時と時間が経っていますので、改めて知事のお考えとして、TPPに参加すべきか、それとも反対すべきか、またそれを何故そのように考えるかというお考えをお聞かせください。
知事 私は、基本的には、日本は資源の乏しい島国でありますので、やはり外に開かれた国として、広く世界に開かれた経済交流、文化交流など、様々な交流の中で発展していくというのが基本的な姿だろうというふうに思っております。そういう中で、特にアジア・太平洋地域の国々と色々な意味で連携を深めていくと、あるいはそのバリアを下げていくということについては、積極的に取り組んでいく必要があるのではないかと思います。

既に1990年代に入りましてから、「アジアは世界の成長センターだ」というようにつとに言われてきましたし、あるいは「大西洋から太平洋へ」と、世界の活力がそちらに移っていくのだと言われておりましたし、また当時、お父さんのブッシュ大統領、ブッシュ政権も、アメリカは太平洋国家であると、アメリカは太平洋にコミットするのだということを当時、強く打ち出したということもあります。

そうした流れの中で1つ、APECというもの、あれも作る時には、全くサイズも違えば発展状況も違えばで、本当にAPECというまとまりでできるのかという議論もございました。このAPECを作っていく作業に、私自身も個人的に政府の一員として関わってまいりましたが、今日ひとつのestablishment(制度、体制)として、システムとして存在しているわけです。

そういう中である時期、ボゴール宣言というものがありまして、APECの中の先進地域は2010年までに全ての関税をゼロにする、ということで約束したわけでございます。国際社会というものは、何が約束できるか、何が約束できないか、あるいはそれぞれ主権国家として、できること、できないことをきちっと述べ合いながら折り合っていくと、協調していくということでやってきているわけです。APECの掲げたその高い目標は、必ずしも十分いっておりませんけれども、今それに変えまして、この経済連携や自由貿易や色々な形で、可能なところが可能な形で進めていこうということで、色々な国々が色々なことをやって、2国間で合意をしたり、複数の国で合意をしたりしているわけであります。

そうした流れの中の1つとして、最近急速に出てきたのがTPPということですから、私は大きな流れとしては、日本の有り様として、この成長センター、アジア太平洋地域にコミットしていくと申しますか、開かれていくことが必要ではないかと思っております。

ただ、そうは言いましても、どういうスケジュールで何をやっていくのかということは当然各国、色々な事情を抱えているわけですので、だからこそ交渉になるということでして、交渉の中で、どういうテンポでどこまでそれぞれやれるのかということを突き合わせなくてはいけないと思います。

特に、常にこういう議論になりますと、必ず農業の問題、ウルグアイ・ラウンドの時に例の2兆円の農業対策というのがありましたが、農業問題が出てくるわけであります。日本の農業、岐阜県について考えてみましても、一方でどう見ても、思い切った強化策と申しますか、改革というものが必要だと思いますし、同時にまた、日本の農業の魅力をむしろ外に打って出るということで、今、岐阜県も海外市場開拓を一生懸命やっているわけですけれども、そうした農業改革というものは当然やらなくてはいけない課題だと思います。やはりそうした改革の課題と、それから日本がどのようにアジア・太平洋地域に開いていくかと、何ができて何ができないかといったことを、やはり議論を深めていくということが大事だと思います。そういう目で見ております。

それから、そういう意味で、オール・オア・ナッシングではありませんので、全部真っ黒とか、全部真っ白とかいうことではなくて、交渉の中で1つ1つ、本当にどういう影響があるのかと。プラスの影響もありますし、マイナスの影響もありますし、それから日本経済トータルとしてどうなのかなど、色々な分析が必要だと思います。

ただ残念なことに、ずっとTPPについて、日本国としてどうするかという方向が定まらないままに、議論が深まっていっていないのではないかと。と同時に、交渉は交渉で進んでいるわけですから、その辺りの情報もどこまで正確に入っているのかということもありますし、そうした意味で、もう少し議論の深まりと、それから本当に何が起こっているのかと、どういう交渉をしているのかと。それから、どういう形で日本が関わっていき得るのか、いけないのかという、その辺り、正直情報が少なすぎるなと、議論が少なすぎるなというのが私の率直な印象でございます。同じレベルの議論がずっと半年以上続いているだけで、なかなか深まっていかないというのが、正直もどかしいところであります。

記者 知事としては、参加すべきだという方向で考えていらっしゃるということですか。
知事 参加するにしても不参加にしても、何がどうなっているのかという、もう少し情報と、それから議論の深まりが必要なのではないかというふうに思っております。

ですから、何も無しにただただ参加すればいいですとか、ただただ参加してはいけないと言うつもりはないのですが、そういう判断材料と申しますか、議論の深まりをもっと早急に、スピーディーにやっていただくべきなのではないかと思っております。

記者 贈収賄事件の件で2点お伺いしたいのですが。先日おっしゃられた庁内調査は現状でどの程度進められているのか、たとえば、その他にも関係していた者がいたのか、もしくは今回の件について何か知っている者がいたのか、その調査の現状をお伺いしたいのですが。
知事 私どもも、広く関わりのあった職員、それから職員だけではなく民間の方も含めて、関わりのあった方々から話を聞きつつあるところということでありますが、今日現在までに特に、今おっしゃったような事例と申しますか、具体的な話は確認できていないということでございます。
それから、やはり何と言いましても、最終的なコアになるのは、本人とどういうタイミングで接見できるのかと、本人からどういう話が聞けるのかというところが、最後、最も大きなところだと思いますので、そういったところも最終的には全部踏まえた上で、色々なことを話していきたいということで、まだそういう意味では継続中というふうに申し上げておきます。

特に、今おっしゃったような広がりですとか、何か問題になるケースですとか、そう思しきものは、今日現在では出てきていないということでございます。

記者 関連ですが、現在の知事のご感想で結構なのですが、今回の問題というのは、あくまで今回逮捕された職員の個人的な資質の問題というふうにお考えか、もしくは何らかの制度的な問題もしくは組織的な問題があったとお考えか、現段階での知事の率直なご感想をお聞かせください。
知事 個人的な不心得の問題というレベルと、指定管理という新しい制度を導入していく中で、その担い手とどのように職員が関わっていくかという中での、制度上というかルール上で、ある一線を越えた問題がどうかですとか、あるいはそもそも制度なりルールが緩かったのかどうかですとか、色々なレベルがありますので、それぞれについて1つ1つ、きちんと議論していく必要があるのではないかというふうに思っております。
それから指定管理者制度につきましては、去年の暮れから今年にかけて新しいガイドラインも作りまして、制度、システムはかなり見直したつもりでおりますけれども、それでよかったのか、足らざるところがあったのかという辺りも見なくてはいけませんし、もう1つは、公募型のプロポーザル方式と言うのでしょうか、こちらのほうも、どういうシステムでどういうチェックをして、事後評価もどういうふうにやっていくかという辺りを、指定管理と同等に、もう少しきちっとしたチェックが働くような仕組みを考えなくてはいけないかなという感じもしております。

ただいずれにしましても、今申し上げましたように、それぞれきちっと詰めた上で、直すべきところは直すということでやっていきたいと思っております。

記者 東日本大震災後のがれき受入れの話ですが、隣県の愛知県は、国の方針がある程度示されない限りは、現在の受入状況の調査結果についても国には報告しない旨、会見でもおっしゃられていたようですけれども、知事ご自身はこのがれきの受入れについて、今どのようなお考えなのか、お聞かせください。
知事 これは国の要請で、県から市町村にお尋ねをしているという状況ですけれども、やはり実際の処理の当事者、あるいはその処理施設周辺も含めて、住民に最も近いところにあるのは市町村ということでありますので、やはり基本的には市町村の皆さんの判断を尊重するということだと思っております。

ただ、県としましても、たとえば廃棄物の汚染状態をどう確認していくのかですとか、搬入のやり方ですとか、その搬入の量や処理の方法ですとか、あるいは処理が終わった後の残さをどう処分するかですとか、色々な観点からのチェックが必要だと思いますので、そういう意味で、何がどこまで、全体のシステムとして明らかになっていくのかというところは、しっかりと見つめていきたいと思っております。

それから、基準の議論も今、出ておりますけれども、今言われておりますのは、焼却後の灰について埋立て可能な基準はこんな程度ですよということだけですから、それ以外の基準については必ずしも定かではありません。たとえば生のままの、持ち込まれるがままの状態の廃棄物の基準はどういうものなのだろうかとか、焼いてみないと分からない、どうなるか分からないという話でいいのかとか、色々とやはり、住民の皆さんの懸念というものはありますので。それからまた、色々な事例の集積が、必ずしもこれまでのところ十分でないということもあるのですが、いずれにしましてもやはり、国からもう少し色々なデータを出していただいて、どのように考えるのかということについて、住民の皆さんが安心できるようなことを言っていただく必要があるのではないかと思っております。

記者 調査結果は公表されるご予定ですか。
知事 これは基本的には環境省の調査ということで、私どもが聞いておりますのは、環境省は今回の再調査で回答した個別の自治体名については公表しないとおっしゃっておられますので、環境省からは出てこないと。そうすると、後どうするかということでございます。

県民の皆さんに、地域、市町村がどう考えているかという情報をどう提供するかという話なのですが、やはり第一義的には、市町村からの回答ということでありますので、市町村がまずどうお考えになるかということかと思っております。

記者 公表する、しないは、市町村が判断すべき話だということですか。
知事 国も公表しないと言っていて、市町村も出さないと言っている時に、私どもから言えるかどうかということでして、基本的には市町村の考えを尊重するということかなというふうに思っております。
記者 了解が得られたところは公表する、という理解でよろしいですか。
知事 市町村が開示したいというものを止める、開示してはいけないという理屈もないと思います。
記者

御嵩町の柳川前町長襲撃事件が、今月末で時効を迎えます。1991年の計画発覚から2008年の知事が主導した3者合意まで、結局17年の年月がかかっています。今振り返って、この問題とは何だったのかということと、県として行政として、教訓を得たこと、または反省はどこにあるのかという点をお伺いしたいのですが。

知事

この御嵩町の柳川前町長襲撃事件というものは何だったのかということは、色々な多くの方々が関わっておられるものですから、それぞれに色々な思いがあって、しかも時間も長時間にわたっておりますので、なかなかこれを一言で言うことは難しいですし、関わった方お1人お1人、色々な思いをそれぞれに持っておられるという、そういう印象でございます。

私自身は知事になりましてから、この問題をどのように考えたらいいのかということで、県庁のスタッフと一緒に、この10年を超える過去の経緯を1つ1つ丁寧に洗って、何が課題であって、どこでどういうふうに難しくなっていったのかという、過去の経緯と申しますか、事実関係を丁寧に整理をいたしました。

その上で、柳川前町長が退かれる少し前に、私どもなりに論点を整理した上で、柳川前町長さんといいますか御嵩町、それから寿和工業、社長さんにもお話をしまして、3者で、10年以上にわたるこの色々な出来事をもう1回論点を整理して、お互いに折り合えるところはないのか、あるいは一定の信頼関係の下で論点を整理できないものかということで、お声掛けをさせていただきました。そして御嵩町の場合には、柳川前町長から渡辺町長に引き継がれたわけでありますけれども、1年半くらいかかりましたか、結論を急がないでじっくりと1つ1つ、課題は何か、どういう経緯だったかというようなことをやりまして、最終的に3者の合意文書をお出ししたと思っております。

これは結構複雑なのですけれども、今はもちろん手元にありませんが、お出しした合意文書を見ていただけると、少なくとも2008年と言いますか、この3者で直接膝を突き合わせて、何を議論して論点は何であったかということが、できるだけわかりやすく書いてあると思いますので、もう1回見ていただけるとありがたいと思います。当時、合意文書という形で発表しておりますので、見ていただいたらいいと思います。

そこでのエッセンスはやはり、お互いの意思疎通を長年にわたって十分出来なかったこと、それから、あそこから色々な考え方がどんどんもつれていったこと、信頼関係が薄れていったこと、そういうことの積み重ねの中で、結果的に、行政という私どもの立場から見ますと、許可申請書が出ている状態の中で10年以上にわたって行政としては何らの判断もしてこなかったということについて、行政としてはやはり反省すべき点があるということもその中で謳っております。

それから、ちょっと正確な文言は忘れましたが、そうした中で3者で折り合えるとすると、住民投票という格好で地元の意思が既に表明されていると、そのことの上に立ってそれぞれで、許可申請書の取り下げをする人は取り下げをする、それから、かなり中途半端な形で調停案という格好で出された県の案も引っ込める、その過程でできたものは全部白紙に戻すということで、この問題は1つの区切りとするということで、最終的には折り合ったわけでございます。正確な文言は今、手元にないので分かりませんが。

そういうことでありまして、私どもとしてはまさにその合意に尽きるわけでございます。確か1年半くらいかかったと思います。それなりに時間はかかりましたけれども、何が論点であったかということにつきましても、3者で共通の認識に立って、そういう解決策に向かって、解決と申しますか結論に向かって、一緒に議論ができましたので、よかったのではないかというふうに思っております。

ですから、行政という立場で申しますと、繰り返しになりますけれども、許可申請書が出ている中で、10数年が経って判断しないままに放置されていたという話。それから、同じく合意文書に書いてありますけれども、柳川前町長さんの事件、これは何としても早急に犯人の解明が行われるべきであるということも大前提として、つまりこういった不幸につきましても、合意文書の中で、あってはならないことであるということも触れられておりますので、それも、私どもにとりましても共通の認識であるということであります。

記者 その申請文書の10数年のたなざらしですけれども、今振り返ってみて、なぜそんな長期間にわたって止まっていたというふうにお考えですか。
知事

当時の方々の、担当していた人たちの思いはあるのでしょうが、私自身は、一般論として、許可申請書を行政庁が受理をしたら、許可をするか、不許可にするか、あるいはその申請書が不備であれば不備であるということで差し戻すか、そのいずれかだと思います。

どんな法律もどんな行政手続きも、10年以上にわたって許可申請書を受け取ったまま放置しておくことを前提にはしていないはずですので、地元の同意に関するこだわりが双方にあったのかもしれませんけれども、その3つのいずれかで対処すべきだったのではないかと思います。

記者 がれきの関連ですが、調査の結果、受け入れるという自治体と受け入れないという自治体が出てくると思います。最終的にはやはり自治体の判断を尊重すべきとお考えか、もしくはあまりにすぐ全てを受け入れないということになってしまうと、調整が必要になってくると思いますけれども、そういった調整は、受け入れる意思はなくてもやはり引き受けてもらうような、そういうことが必要になってくるとお考えでしょうか。
知事

今の段階は調整をする段階ではなくて、今年の4月に第1回目の、いわばお尋ねですね、どのような意向ですか、どのような考えですかというお尋ねが、4月と申しますか、まだ早い時点であったと。それから月日が経ちまして、色々な状況が分かったり、落ち着いてきた中で、改めてどう考えますかというお尋ねですから、調整をしてどうするかとか、どうしてほしいなどという類の話ではありませんので、それにつながるような行動を県が取っていくという、そういうタイミングではないと思っております。

ただ、先ほど申し上げましたように、どういう廃棄物がどういう状態でどういうふうにやろうとしているのか、これはまだ今のところ、政府の方針も定かではありません。したがって調整云々と言うよりは、単にその意向についてのお尋ねというところまでですから、その意向が国に伝わるということで、この調査としてはこれでおしまいだと思います。

それを今度は、受け取った国がどのように考えてどうされるかは次の話だと思いますので、そういうこととして考えますと、県が何か調整をしてどうするこうするということには、この時点ではちょっとならないのではないかと思います。

 (○○○とあるのは、個人情報保護の観点から、非公開としています。)

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