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知事記者会見(平成21年5月26日)

記事ID:0000083 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成21年5月26日(火曜日)午後3時

知事

私から2点、先ず申し上げたいと思います。1つは、先だって既に官邸で官房長官から発表がございましたけれども、2010年、来年のAPECの中小企業担当大臣会合を今回、岐阜県に誘致することができたということでございます。

APEC自身の仕組みですけれど、お手元の資料の3ページにございますが、首脳会議と閣僚会議がありまして、この閣僚会議というのは外務大臣、経済産業大臣クラスの会合です。APECは元々、アジア太平洋経済協力会議ということで、貿易、経済面での協力をするということですから、外務省系統と経済産業省系統の閣僚が各国から参加し、その下に高級実務者会合というのがあり、その他にもいろいろな委員会があるということですが、経済政策一般と、貿易・投資政策と、ODAも含めた経済協力、技術協力と、この3つの大きな柱になっております。

私自身、個人的にこのAPECに大変深く関わっておりまして、最後のページにありますように、このAPECには最初は首脳会議というのはありませんでした。閣僚会議というのがあって、外務大臣、経済産業大臣が参加するこの閣僚会議が、アジア太平洋21の国・地域で集まって、アジア太平洋の自由な交流発展を議論するという場でございます。元々の狙いは、ヨーロッパの方を一所懸命向いているアメリカに、どうやって太平洋、アジアの方に戦略的に向いてもらうかという、北米を含めたアジア太平洋の発展というようなところが戦略的なものでございまして、日本が積極的にアイデアを出し、作り上げていったということです。

ちょうど、この1987年から90年まで、私自身はアメリカに駐在しておりましたので、アメリカとの間で、このアイデアについて、参加を促すべく、一所懸命裏方をやったという経緯があります。

こんなにいろいろな国が一緒になって何ができるのかというところから始まったのですけれども、1989年にまずオーストラリアからスタートしまして、クリントン大統領の時代の1993年に首脳会議をやってみようかということになって、首脳会議が始まって、以来、首脳会議と閣僚会議ということになっています。

その間、個別の大臣会合も少しずつ行われるようになり、中小企業担当大臣会合で言いますと、1994年インドネシアが議長国だった年ですが、大阪で第1回をやりまして、その後、毎年行われてきて、来年、日本で2回目が、岐阜で行われることになったということでございます。
議長国及びいくつかの国の要望を聞きながら、分野別の担当大臣会合で何をやるかというのは毎年違います。あまりやらない年もありますが、今回、日本の場合には、6つの担当大臣会合をやろうということで、毎年コンスタントに行われている中小企業担当大臣会合のほかに、貿易担当大臣、財務大臣、エネルギー大臣、IT担当大臣、それから観光大臣と6つの会合がございます。

いろいろ聞いてみましたら、オールジャパンで18の県或いは市がこの分野別担当大臣会合を誘致したいということで、大変な誘致合戦を繰り広げたということでございます。昨年の秋深まる頃から、岐阜県も手を挙げて、どういう分野別大臣会合をやりたいか、どんなおもてなしができるか、いろいろなことで岐阜県としてもご説明をし、それから外務省、経済産業省及び警察の関係の方々が、岐阜県にも今年に入って、視察にお出でになりまして、いろいろな角度から議論をして、最終的にこの6つの分野別担当大臣の開催場所が決まったということでございます。
聞いてみますと、中小企業担当大臣会合は毎年ずっとやってきているということもありますし、どこの県でもやはり中小企業対策というのは一つの大きな政策的な課題があるものですから、最もたくさん手が挙がった会合だったそうでございますが、モノづくりの岐阜県ということで選んでいただいたわけでございます。

あと、過去、日本国内で個別の大臣会合をどれだけやっているかというと、結構少ないですね。5回いろいろなテーマでやっているぐらいでありまして、私自身は1998年の沖縄でのエネルギー大臣会合にも実は参加をしておりますし、それから高級実務者会合というのがありますが、これの日本代表ということで、閣僚会議、首脳会議のお膳立て、あるいは実質的な合意文書づくり、いろいろなことで関わりました。

このAPECという、世界の成長センターであるアジア太平洋地域の発展を担っていく、それを進めていくこの会議をお招きするのは、岐阜県がモノづくり県としてアジアに発信していく上で、大変有意義ではないかということで、私なりに一生懸命やらせていただきました。とりわけ、先だって二階大臣にも直接お目にかかって、一生懸命お話を申し上げましたけれども、最終的に岐阜県のポテンシャルをいろいろな面から高く評価していただきまして、今回の決定に繋がったということでございます。

会合出席者、或いはセミナー等の参加者、プレス関係者、21の国・地域でございますので、恐らく1,000人前後の方々が各国からお出でになるのではないかと思います。岐阜県をアジア太平洋にアピールする絶好の機会であると同時に、これだけの規模の国際会議を岐阜県としてはまだやったことがありませんので、こういう経験を積んでいくこと自身が岐阜県の国際化にとっても大変意義があるのではないかということであります。

会合そのものをしっかりした内容のものにしていくということはもちろんで、これは各国の代表の方々が大いに議論されるところでありますが、その機会に岐阜県のモノづくりのご紹介、県産品のPR、観光のPR、県の中小企業と各国から来られる閣僚、行政スタッフ、あるいはいろいろな関係者の方々とのふれあいと言いますか、セミナーをやったり、視察を考えたり、いろいろなやり方があろうかと思いますが、岐阜県の産業観光を大いに知っていただいて、岐阜県が今後、アジア太平洋に展開していく一つの突破口になればとそんなふうに思っております。そういう意味で貴重な機会をいただいたということになるのではないかと思っております。

日本が議長国ですから、この会合の議長は、日本の時の経済産業大臣がおやりになるわけで、おそらく、そこで「岐阜宣言」とでも言うような合意ができて、アジア太平洋地域の中小企業政策の言わば総集編みたいなものが発表されるのではないかと思っております。

そういったことから、6月1日付で、商工労働部の商工政策課の中にAPEC中小企業担当大臣会合準備チームを設置することにいたしまして、担当職員も3名増強しまして、商工労働部長の下で準備をしていくという体制をとりたいと思っております。また、海外から来られる方への対応とかPR、県内視察、いろいろなことを考えますと、国際課、観光ブランド振興課にも頑張ってもらわないといかんということでございますので、総合企画部次長を同じく商工労働部次長に兼務といたしまして、部長の下で、一体となって準備に入るということを考えております。

2ページの上の方にありますが、1週間近くやりますので、いろいろな意味で岐阜を満喫していただいて、アピールができるのではないかと期待しております。これがAPECの中小企業担当大臣会合であります。

それから、もう1つは、資料はお配りしてございませんけれども、北朝鮮による地下核実験でございますが、これはもう国際社会の安全と平和に対する挑戦ということでございまして、強く抗議をし、国としてもやっていただいておりますけれども、大変遺憾なことだと思っております。強い姿勢で、当たっていく必要があるのではないかと思っておりますが、昨日消防庁の方からお昼に一報を受けまして、私どもとしましては直ちに県庁内に災害情報集約センターを設置いたしまして、3名24時間体制ということにいたしました。

情報収集に務めるということでございますが、同時に昨日午後2時から県庁内の危機管理担当者による連絡会議を開催いたしまして、情報共有と今後の対応についての確認を徹底したということでございます。その流れの中で、直ちに環境放射線測定器を有する県内の消防本部、9つの消防本部が10か所に環境放射線のモニタリング箇所を持っておりまして、その10か所で環境放射線をモニターするということで依頼をいたしまして、本日報告を受けておりますが、その結果としてはとくに通常時と比べて大きな変動はなかったということでございます。

それから、それとは別に、国の調査、委託ということで、県の保健環境研究所の方にも同じくモニタリングの依頼がきておりまして、これにつきましても、特段何か異常があったという話は聞いておりません。したがって今のところ我が県への放射線の影響はないというふうに考えておりますが、引き続きモニタリング情報に注視しながら、国の動き、国際社会の動き、そういったことを見極めていきたいということでございます。

私の方からは以上でございます。あと新型インフルエンザの話は、今朝ほど4回目の本部をやりましたし、公開させていただきましたので、現状についてはご了解いただいたのではないかと思いますので、特にここではご説明いたしません。

記者

APECについてですが、まだ気が早いかもしれないですけれども、結構長い滞在期間ということで、直接効果的な試算というのは何かされておりますでしょうか。

知事

試算ですね。岐阜県にとってどうなるこうなるということは、これからどういう企画をやるかとかにもよりますのでちょっと比較できないのですが、日本がG8の議長国をやった際、あの時に労働大臣会合というのを新潟県でやりました。G8ですから8カ国なので参加国の数がだいぶ違うのですが、当時の経済効果の推計、波及効果を含めて3億7千万という数字があります。来られた人が宿泊をする、食事をする、移動する、いろんな物をお買いになるとか、いろいろな面があることは間違いありませんので、そういった意味で地域経済に対する影響は、かなりのものがあろうかと思います。

そういうお金の当面の皮算用もさることながら、やはりそれ以上に岐阜県をアジア太平洋に向って、まさに一週間という結構長い間ですから、どういうふうにアピールしていくか、どう見せていくかということです。それからこの成果を活かして岐阜県がアジア太平洋にどう出ていくか、輸出等をし、いろんな出て行き方があると思うのですが、そういったことを、長期的に考えていきたいと思っております。あまり当座のお金の定量的な皮算用は私もするつもりはありませんけれども。何か機会があったら、APECとして他の過去の例はどうであったか聞いてみたいと思います。

それから日本は議長国としてやるのが2回目でして、初回はこのお配りした資料の4ページのところでありますとおり、1995年の大阪でございまして、大阪城本丸を使って会議をやりました。ちょうどあの頃は村山総理でありまして、私も総理の秘書官をやっておりまして、私も大阪城内におりまして、これはこれでなかなか趣のある会議でございました記憶がございますけれども、それ以来の議長国になるわけでございます。

記者

導水路の件ですけれども、名古屋市が導水路の負担金を一部凍結という形になっていまして、その辺について名古屋が着々というか独走というかいろいろ進めているんですが、その辺についての知事のお考えと、今後、国を交えた協議日程等がどのようになっているのか説明していただけませんでしょうか。

知事

この導水路の問題は、当初から私申し上げておりますけれども、非常に長い時間をかけて、国、水資源機構、それから岐阜県、愛知県、三重県、そして名古屋市という6者の間でいろんな角度から議論をしながらコンセンサスを作りながら、また途中にも過去にも名古屋市が利水計画の縮小を求めたこともあったわけですし、再度縮小をして見直しをして、もう1回再構築をする、負担関係その他の協力関係を再構築するということもあったわけであります。そういういろいろな経緯の中で今日に至って徳山ダムが完成し、運用が始まり、そしてその徳山ダムに確保された水利権を愛知県、名古屋市が行使をするという流れです。それから治水という面で岐阜県も裨益(ひえき)いたしますのでこの導水路という構想が出てきて、これについても一定の権利に応じた負担関係ということで組み立てられてきたものでございますので、いろいろな角度から丁寧な議論をしていく必要があるのではないかというのがまず基本であります。

この導水路の役割は大きく3つあると思っておりますが、1つは異常渇水時に長良川、木曽川の河川環境を改善するという渇水対策。2番目に愛知県と名古屋市が徳山ダムに確保した水道用水と工業用水を導水するという役割。3番目に岐阜県をとりましては可茂・東濃地域の渇水被害を大きく軽減する、つまり導水路から水が流れている分だけその上流の可茂・東濃地域においてはダムの水を保全できるわけでありますので、その部分が渇水被害の緩和に役立つと、こんなこともございます。私どもとしては導水路の必要性は基本的には認識もし、必要であるからこそこの議論に参加もし、一定の役割を担ってきたと、こんなようなことであります。

今回の名古屋市のお話は、市長さんもおっしゃっておられますようにまだ決めたわけではないということで、いろんな専門家やらいろんな意見も聞いてみたいということでございますので、そういったこともこれから名古屋市がまさにどういうふうにおやりになるかという流れをきちっと見守っていくのが一つでございます。

それからもう一つ、あるいは皆さま方に情報として伝わっているのではないかと思いますが、明日、木曽川水系連絡導水路事業管理検討会というものが開かれることになっております。これはこの導水路について様々な観点から適正な事業執行に向けて議論する場でございまして、国土交通省の中部地方整備局の河川部長が座長ということで、あと岐阜県からは県土整備部長、それから都市建築部長が参りますし、あと愛知県、三重県、そして名古屋市も部長クラスが出席をし、それから水資源機構の中部支社からは副支社長が参加されます。

こういう実務的には非常に高いレベルの会合でございまして、おそらく明日、初めて正式な形でこういう関係者が集まった場で名古屋市のお考えを聞くということになるのではないかと思っております。私どもとしてはまずは名古屋市のお考え、中身、今後の段取り、いろんな角度からしっかりとご説明を伺うように両部長に指示をしておりますので、明日、そこの場でどういうご議論をされるかまたそれを踏まえて考えていきたいと、こんなことを思っております。

記者

木曽川連絡導水路の話に絡んで、まだ名古屋市が正式に撤退ということを決めたわけではないので一般論としてお伺いしたいのですが、今、導水路の負担金が計画では岐阜県が約30億円ということです。一般論としてこれ以上負担が増えるということは好ましいのか好ましくないのか、どうお考えでしょうか。。

知事

一般論として申し上げれば今の財政状況、あるいはこれまでの経緯をいろいろと考えてみますと、岐阜県としてさらにコストが積み重なるということは好ましくないと考えております。

記者

今、一般論ということでお答えいただいたのですが、仮の話しになるのかもしれませんが、最終的に名古屋市が撤退するとなった場合、残された国と東海三県で導水路の目的を達成するために事業を継続するのか、あるいは他のいろいろな選択肢が考えられるのではないかと思います。岐阜県として名古屋市が利水者の一人が抜けてしまうということで、導水路の目的も多少変わってくると思いますが、その辺りについては、今のところどうお考えでしょうか。

知事

さきほど申し上げましたとおり、明日、名古屋市の考えも聞きながら考えていくことになろうかと思います。いろいろな角度の議論がありますので、そう簡単な話ではないと思っております。

それから、徳山ダムの建設費の負担の問題、それから、将来にわたる維持管理費の負担の問題、それを前提に確保された水利権の問題がどういうことになるのかとか、あるいは中部地域、東海地域で年によって渇水状況が起こります。各県協力していろいろなことをやってきております。そういうことがどういうことになるのか、いろいろな角度から検討していく必要がありますので、まずは名古屋市のお考えをトータルにきちんとお聞きをして、また、この問題は岐阜県だけで決める問題ではなく、まさに国のプロジェクトとして、徳山ダムがあり、導水路のプロジェクトがあるわけですので、国、それから実施主体としての水資源機構、そして愛知県、三重県という関係者のお考えもあるでしょうし、既に為された契約・同意というものの位置づけというものをどう考えるのか。

いろいろな論点があると思いますので、私は仮定の議論である部分だけをお答えするというよりは、まずは明日のお話しを聞いた上で、さらに足りなければさらに何度も聞いて一つ一つそういった点を、関係者がこぞって議論をしていく必要があるのではないかと思っています。
そういった中で岐阜県もパートナーの一人として、参加していくということだと思います。

記者

新型インフルエンザの件でお尋ねしたいのですが、先週もお尋ねしましたが、県内で患者が少数の場合には、保育所、福祉施設、介護施設が休業となると思いますが、一部だけでもどこか開けるとか、県としてお考えはありますか。

知事

これはあらかじめ機械的には全部決められない話でありまして、例えば今回福岡県が一番直近で発生したわけですが、これはアメリカから来られた方が、妻の実家に行かれてそこで発生したということで、そのルートを辿って、特に接触のあったところについて外出の自粛をお願いするということで、それ以外の措置はとらないというふうにやっておられます。

これは一つの例ですが、どういう場所でどのように起こるか、また、類似の事例がどの程度想定されるか、疑われるかなど、そういったことを見ながら柔軟に対応していく必要があると思います。大きくは、発生したばかりの初期段階、まん延した場合など、段階に応じる必要があります。じゃあ、どこからがまん延期と言うのか言わないのかなど、大きな枠組みとしては国の方針も出ましたし、岐阜県もそれを踏まえながら丁寧に整理をしたつもりではありますが、現実に起こった時には実態に即して考えていかなければいけませんので、特に初期段階は感染拡大を防ぐという観点と、それからただ規制の範囲を広げればいいというものではないということで、その辺りは慎重に見極めていきたいと思っております。

記者

導水路の件で、先ほど、コストの増加は望ましくないというご意見がありました。これは当然のことだと思いますが、現状、名古屋市の様子を見ていますと、計画のスキームが変わるということは十二分にあり得ることだと思いますが、その際に岐阜県として断固応じられるのでしょうか、応じられないのでしょうか。

知事

これからいろいろな角度から検討することになります。それから、負担増と一言で言ってもどの部分の負担増なのか、いろいろな議論がありますので、従って将来のいろいろな議論について考えますと、今、断定的なことを申し上げるわけではございませんが、まさに一般論として申し上げて好ましくないと思いますし、岐阜県としてこれ以上払う予定はない、これ以上負担をする予定はないという姿勢で明日の協議に臨みたいと思っております。

おそらく岐阜県として更なる負担増に応じる予定はないということは、明日の会議で私どもの部長からも申し上げることになるのではないかと思います。

記者

導水路について、今、名古屋市が導水路にどう臨むのかというのが宙ぶらりんになっていますが、先日、水資源機構の副支社長からは、名古屋市からの負担金が入らなくてもそれは全体の事業費からすれば一部なので作業を止める必要はないというお話がありました。
着工時期も名古屋市が宙ぶらりんだから遅れるというようなことは今の段階では申し上げられないというお話でした。知事のお考えとして、岐阜県としては環境の問題がはっきりしない限りはスケジュールにはこだわらないという姿勢を示されていますが、同様に、名古屋市の方針が決まらない限りは着工すべきなのかどうか、いかがお考えでしょうか。

知事

まだ、いろいろなことを申し上げる時期ではないと思いますので、もう少し議論の展開の中で考えていきたいと思っておりますが、やはりこの三県一市がこの導水路を活用するという前提で物事が成り立ってきた中での話でございますので、やはりそこでの関係者の合意をしっかりと確保するということが非常に大事ではないかと考えております。
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