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知事記者会見(平成23年7月19日)

記事ID:0008278 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成23年7月19日(火曜日)午後2時

知事

清流ミナモ
今、私の後ろにボードがございますけれども、昨日「清流の国ぎふづくり県民大会」を開催しました際に、今後の岐阜県の清流の国づくりのシンボルとして、このボードにあります「清流ミナモ」が発表されました。せっかく国体に向けてミナモが広く理解されていると申しますか、人気がありますので、これを活かした形で清流の国づくりを続けていきたいということで、3つのデザイン案をお出ししてインターネットによる県民投票をやらせていただき、それで圧倒的に支持を得たのがこのデザインでございます。清流にミナモが立って、岐阜県を掲げているというデザインであります。

今後、「清流の国ぎふ」という時に、このデザインを中心にアピールをしていこうと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから、お手元に「ぎふグリーン・ツーリズム」夏企画のご案内という資料がお配りしてございます。岐阜県は、非常に清流に育まれた自然と農林漁業が盛んですので、これを活かしたツーリズムと申しますか、観光をやっていこうということでございます。

これも清流の国づくりの一環でして、これまで体験指導者の育成でありますとか、メルマガの発行でありますとか、色々と発信をして参りました。昨年11月には、全国から延べ1,000人を超える関係者が集まり、3日間に渡って「全国グリーン・ツーリズムネットワーク岐阜・三重大会」という全国大会を開催させていただいております。

そういったことを受けまして、今年は、都市部からの誘客を狙いとして、「ぎふの田舎のとっておきツアー」と「ぎふの田舎へいこう!キャンペーン2011」、この2つを実施したいと思っております。

まず、「ぎふの田舎のとっておきツアー」でございますが、グリーン・ツーリズムと既存の観光資源を組み合わせた名古屋発着のバスツアーを、年間50回やってみようということでございます。特にこの7月、8月だけで、34回・4種類を企画しております。お手元の資料にございますように、「飛騨の田舎で5つの体験!」ですとか、「思い出づくりのサマーアドベンチャー岐阜の田舎で夏休み」、「乗鞍山麓に残された秘境五色ヶ原を歩こう!」、「新緑スペシャル」というようなことで、散策体験・餅つき体験なども入れております。

今、岐阜県のグリーン・ツーリズム参加者の約半分が愛知県からおいでになっておられますので、愛知県のファミリー層を主な対象として、安い価格設定でお気軽に田舎体験をしていただこうということです。こうした大手旅行業者と県がタイアップをして本格的なグリーン・ツーリズムの旅行商品をつくるというのは、岐阜県としては初めての試みでございます。

(株)JTB中部さんは、東海エリアで26万人の会員向けの旅行カタログを持っておられますので、そちらを中心にアピールしていただいたり、愛知県に限らず、三重県、静岡県、それから当然、岐阜県の人にも参加をしていただこうということであります。この次のページに、少しカラフルなチラシが入っておりますが、このような感じでPRをしようということでございます。

それからもう1つが「ぎふの田舎へいこう!キャンペーン2011」ということでして、これは明日7月20日から9月30日まで、夏休み期間限定の特別企画でございます。県内70の施設を農林漁業体験施設として県で登録しているわけですが、そのうち56施設が参加しまして、夏野菜の収穫体験、川遊び、森の散策、そば打ち、お茶揉みなど様々な体験プログラムを提供していただいて、かつ、おいでになった方に東北の特産品などをプレゼントさせていただくというものでございます。

都市部の方々に田舎を訪れていただくことを通じて、田舎暮らしの楽しさですとか、あるいは移住・定住といったことに弾みがつけばということで、実施させていただく次第でございます。

それから、資料をお配りしておりませんが、少し前になりますけれど、5月15日に「第1回高橋尚子杯ぎふ清流マラソン」を開催させていただきました。そこで義援金を1千万円いただきましたので、これを岩手県・宮城県・福島県に3等分してお渡しをしようということでございます。明後日、東京都内で岩手・福島両県につきましては東京事務所長に直接お渡しをし、それから宮城県につきましては仙台に直接、高橋さんが行かれまして、村井知事にお目にかかってお渡しをされるということです。

この大会はチャリティマラソンと言っておりましたけれども、この1千万円を3等分にして、それぞれにお渡しするということでございます。
私はたまたま、民主党の地域主権調査会総会がございまして、東京におりますものですから、岩手県と福島県の東京事務所長にお渡しする時には陪席をさせていただこうと思っております。仙台は高橋さんがお一人で行かれるということです。高橋さんのお気持ちとしては、スポーツ・教育関係の復興などに役立てていただければと、こういうことをおっしゃられるのではないかと思います。

私の方からは以上でございます。

記者

放射性セシウムを含む稲わらを与えられた肉牛が全国に出回っている問題ですが、岐阜県内でも、実際に何店舗か販売された実績が出てきました。

知事として今回の件をどう受け止めていらっしゃるのかということが1点と、それから稲わらについて、新潟であるとか他県にも広がりつつあるということで、政府の対象の中にはまだ入っていないようですが、県内にもしかしたらそうしたものが入って来ていないかという危惧をされている方も多いと思うのですが、県としてこれを調査する意向があるのかどうか、その2点をお願いします。

知事

この問題は大変残念と申しますか、食するものでありますから、色々な方のご心配が当然あると思いますので、私どもとしては、情報提供と、流通状況の調査ですとか、回収できるものは回収するですとか、そういったことを迅速に手を打つということをこの連休中、心掛けてやらせていただいております。これはまだ収束しておらず、むしろこれからまだ出てくる可能性がありますので、更に迅速性が要求されると思っております。引き締めて対応していきたいと思っております。

具体的には、国から、放射性セシウムに汚染された稲わらを供与した牛の個体識別番号の連絡がまずございましたので、この情報を県内の200店舗の食肉処理業者に対し、協同組合や保健所などを通じて急いで情報提供いたしまして、当該個体識別番号の牛肉の取り扱いはどうなっているかということを確認いたしました。それから、それとはまた別ルートで、他の自治体から、当該個体識別番号の牛肉が流通しているという通報もございますので、これも状況を聞いて流通状況の調査をするということをやらせていただいております。

その結果、流通段階にその牛肉があった場合には販売をしないこと、それから既に販売したものについては、店頭告知によって消費者の方に呼びかけて、回収できるものは回収することを販売店に指示するということをやらせていただいております。

それから、スーパーのポイントカードの履歴を見ますと、当該牛肉の購入者を特定できるものがございますので、これも追跡調査をいたしまして、お買いになった方が消費されていない場合には回収するよう、販売店に指示をしているということでございます。

そういったことを通じて確保された牛肉につきましては、県の保健環境研究所において放射性物質の検査を実施しておりまして、どういう状況かということについて調べて発表させていただくということでございます。

既に126頭が、今申し上げました流れに入っておりますが、この他に本日さらに411頭の情報提供がございましたので、この分につきましても、今急いで、今のような形で連絡をし、確認をしていただいているということでございます。

それから、稲わらの話でありますけれども、東北・関東地方から、県内の農協ないしは飼料会社が購入した稲わらについて確認作業をやりまして、2例ございました。宮城県から購入したものは、3月11日以前、昨年の12月に収集したものを購入し、かつ屋内に保管されていたということは確認しております。それから栃木県から購入したものがありまして、これは5月に購入したものもありますが、敷きわらと言って、牛が横になる時の下敷きに利用した上で、既に処理、始末をしているということを確認しております。

報道によりますと、新潟県、山形県において、宮城県産の稲わらについて高濃度の放射性セシウムが検出されたということですので、現在、岐阜県の農家で保管されている宮城県から購入された稲わらについて、本日中に放射能汚染の有無を確認をするということで今やらせておりまして、何かありましたらご連絡をしたいと思っております。

それから、今日午前中に、農林水産大臣が稲わらの流通利用状況について全国調査を行うという発表がございました。まだ来ておりませんけれども、今日中に、各都道府県にもその旨通知があるというように聞いておりますので、私どもとしては県内関係者と協力いたしまして、県内酪農・肉用牛農家858戸全てについて、稲わらの流通利用状況の調査を行いたいと思っております。

それから併せまして、これまでの情報で、放射能汚染の恐れがある可能性が何がしかでもある飼料については給与しないよう、再度、周知徹底をしようということでして、まだまだ広がることがあり得るということを念頭に置きながら、危機感を持って、丁寧に迅速にやらせていただくということでございます。

記者 関連ですが、どうしてここまで広がってしまったのかということですけれども、この点はどのように受け止めていらっしゃいますか。
知事 そこはまさに、その放射性物質の拡散についての検証を急いでいただくということではないでしょうか。どういうルートでどういう可能性があるか、その辺りを検証しませんと、さらに今後の展開がどうなるかということも予測できませんので、そういう意味で、私としましては、国にそうしたことの検証を早急にやっていただきたいと思っております。
記者

それからもう1点、関連といえば関連なのですが、少し前に菅直人首相が「脱原発」の会見をされました。将来的には原発をなくす社会を目指すということで、全国知事会でも、滋賀県の嘉田知事をはじめ何人かの方が、「卒原発」ということで、将来的に原発に頼らない社会を目指すとの考え方を打ち出されました。

知事としては、「脱原発」、「卒原発」という考え方について、どのように考えておられるのかお聞かせください。

知事

知事会でも少し議論がありましたけれども、スローガンやキャッチフレーズが独り歩きするということだけでは片付く問題ではございません。スローガンを言えばそれでどうなるということではありませんので、やはり、まず何と言っても安全確保が第一という前提で、福島で何が起こって何が問題だったのかと。こういったことが再発しないために、今の安全基準ですとか安全審査体制ですとか、こういったシステムのどこに問題があるのかという辺りを、1つ1つ積み上げていくきちんとした作業、検証作業が必要ではないかと。その上で、どうするかということになってくるのではないかと思います。

ただ、その辺りが明らかになるまでの間は、安全第一ということをベースに、できる限り安全性に重点を置いた対応をしていくということになるのではないかと思っております。

記者 いわゆる将来的に原発のない社会を目指すのか、もしくはやはり原発というのは必要であるのか、その点についてはいかがでしょうか。
知事

直近の状況で、既に3割のウェイトを占めるようになったエネルギー源を直ちになくすというシナリオが書けるのかどうか、それから、将来的に原発を、ある人は「縮原発」と言われたり、「卒原発」と言われたり、色々な言葉が流れておりますが、その言葉をおっしゃった時に、5年後はどうなっているのか、10年後にどうなっているのか、20年後にどうなっているのか、このタイムスケジュールも明らかではないですよね。

ですから申し上げたいのは、まずは、今申し上げましたような原発の安全性についてのしっかりとした検証、それから、どういう体制があり得るのかという議論と、やはり今回の事態に鑑みて、自然再生エネルギーというものについて、当然、従来以上に加速していくと申しますか、積極的な取組みをしていくことは必要だというふうに思っております。

この自然再生エネルギーについて、どのようなペースでどこまで伸ばしていけるのか、そのためにどのような政策的な手立てがあり得るのかというような多元連立方程式を同時に解きながら、全体として日本のエネルギーの安定供給というものを、どのような形で、今年も来年も、5年後も10年後も20年後も確保していくのかということを議論していかなくてはいけないと思います。

その中には、地球温暖化、CO2の問題もございますし、化石燃料と申しますか、資源の枯渇という問題もございますし、色々な角度から長いスパンでエネルギー政策を考えていかなくてはいけないと。その辺りの作業がまだ見えていなくて、スローガンだけが先走ってもいけないのではないかと、こんなふうに思っております。

記者 今のお考えを解釈しますと、やはり原発というのは、安全であればこれは必要ではないかという、そういうお考えだという理解でよろしいでしょうか。
知事

その、"安全であれば"ということの"安全"というものを、どのように考えるかということが今まさに問われているわけでして、今回の福島原発で何が問題だったのかと、今の安全審査基準でよいのかと、そのハードルを上げていった時に、本当にその原子力発電の実用、利用と申しますか、そういったことが、コストを含めて可能なのかとか、色々な議論が出てくると思います。まず安全第一というところから詰めていって、本当にどこまで使い得るものなのかということを、やはり徹底的に議論していく必要があるのではないかというふうに思っております。

これだけの事態が今、起こっているわけですから、やはりまず安全を第一にしながら、それから「非原子力」、原子力以外の燃料源について、特に自然再生エネルギーについて、どこまで加速できるかということも、これは全力でやらなくてはいけないと。

その上でトータルとして、日本としてはどういうバランスで、どういうスケジュールで、どういう姿を、エネルギーの安定供給と、しかも安全・安心な安定供給をやっていけるのかというように絵姿を描いていく必要がありますし、それについての国民的なコンセンサスを得ていく必要があるということでして、これは結構大変な作業だと思いますが、同時に非常に急がれると思っております。

記者 いわゆる将来的に原発のない社会を目指していくのか、もしくは原発の安全性を追求した上で、やはり原発という1つのエネルギー源を活用していくという方向にしていくべきなのか、これは行政官としてではなく政治家として、どうお考えになっているのかというところをお聞かせください。
知事 私は、今申し上げましたような手順で物事を考えていくべきだと思いますので、そういったことを踏まえないで、先に結論ありきとか、スローガンありきというのは逆に危ういのではないかと思っております。
記者 7月15日豪雨災害から1年経って、また大型の台風が来ているということですけれども、7月15日豪雨災害の反省なり検証を受けて、今回どのような備えをするのか、どのような指示を出したのかというのをお伺いしたいのですが。
知事

去年、7月15日豪雨災害が起こった直後に、地元の市町も含めて、これもまさに今の話とある程度似ているのですが、何が起こったか、それで何が問題であったかと。治水事業や土砂崩れ防止対策といったハードの側面ですとか、避難勧告というものはどのように住民に受け止められ、勧告を出した時に住民がどのように動いたかですとか。それから、ハザードマップというものがソフト対策として日頃からどのように位置付けられて、どのように作られて、どのように認識が共有されているかですとか、河川が溢れてきた時に、特にアンダーパスなど、ああいう危険な場所に色々なシグナルが置いてあったわけですけれども、それが機能しなかったとすればどこがおかしかったのか、今後どういうふうに機能させたらいいのかですとか。

それから、昨年の雨は130年に1回の集中豪雨だというのが終わった後の評価でしたけれども、ごくごく短時間に急速に雨量が増え水量が増え、またそれが去るとすっと引いていくわけですね。この急速な事態の変化ということを考えると、例えばパトロールの仕方というのはどのくらいの間隔で、どこからどういうふうに見ていったらいいのかとか。

色々と課題が抽出されまして、私どもとしては、「7月15日豪雨災害検証報告書」というかなり詳細なものをお出ししております。この報告書は、既にご覧になった方もおられると思いますけれども、もしご覧になっておられなければ是非見ていただきたいと思います。

昨年、国土交通省に非常に高く評価をしていただきました。全国にこの岐阜県の検証報告書を配られまして、岐阜県はこんなふうに丁寧に分析し対策をやっている、是非参考にするようにということで、国土交通省が全国に配布をされました。

また、それをご説明しながら、激甚災害指定のあり方も国として考え方を変えていただいて、ピンポイントでの集中豪雨について、一定のものについては激甚災害指定をするということで、従来の考え方を変えていただいたわけでございます。

そういったことをずっと積み重ねてやってきておりますので、そういう中で、ハード対策もソフト対策も、すぐにできるもの、半年かかるもの、1年かかるもの、2年3年かかるもの、色々とございますけれども、着実にこれを進めていくということでやってきているところでございます。まだそういう意味で、時間がかかって、そこで検証された内容で完成していないものもありますので、できるだけ急ぎたいということで話をしているところでございます。

検証報告書をもしご覧になっておられないようでしたら、一度見ていただければと思います。かなり詳細な対策を並べておりまして、それを1個1個潰していっているということです。

記者 先ほど、自然再生エネルギー普及の加速が必要というお話でしたが、自然再生エネルギーの全量固定価格買取制度の法案の審議が、国会でこれから始まりますけれども、これについて知事はどういうお考えでいらっしゃいますか。
知事

これは自然再生エネルギーを促進するうえで、1つの促進手段だというふうには思っておりますので、これはこれで早急に審議をしていただいて、通していただければいいのではないかと思います。

ただ、固定価格買取制度と言う時に、その固定価格とはどういう水準のものになるのかですとか、それから、その固定価格を今の法案では電力料金に上乗せしていいということになっていますので、この電力料金に上乗せするというのはどういう考え方でどういうふうにやっていくのかですとか、それから、2020年度末までにこの法律の廃止も含めて見直しをするという条件が今の法案についております。そうすると、それはどういうことを意味しているのか、2020年以降はどうするのか、その辺りは是非、国会審議の中で掘り下げていただきたいと思っております。

記者 県としては、太陽光発電などを2030年までに1,000万戸作った場合、火力発電所よりも8兆円費用がかかるという試算をされていますが、その8兆円のコストは、この全量買い取り制度で事業者が負担してでも進めるべきだというお考えでしょうか。
知事 先ほど申し上げましたように、固定価格の価格水準をどう設定するかとか、それから、全量という量はどの程度を想定するのか、どういうスケジュールでこういうものが入ってくるか、そうするとコスト負担の問題で他の電源とのバランスの中でどう考えるかなど、そこは0か100かではないので、ぜひ議論を深めていただきたいと思っております。
記者 知事は原発の安全性の議論をやるべきだというお話をされておられると思うのですが、知事が考える原発再稼働に繋がる安全性というものを、もう少し具体的に教えていただけないでしょうか。
知事

これはまず、当初、想定外の事故が起こった、想定外の事象が起こったというところから話が始まっています。この"想定外"というのが言い訳になるのかという議論も、当初の時点でずいぶんございました。

ですから、今回福島で起こったこと、地震によって生じたこと、津波によって生じたこと、それから福島第1原子力発電所の脆弱性やバックアップ体制のあり方など、そういったことを1つ1つ検証していって、この部分はここまでハードルを上げる必要があるというようなことを、1つ1つきちんと、議論を、検証をして、整理をして積み上げていってもらいたい、それを分かるようにやってもらいたいということでございます。

記者 福島のような事故が起きても、原発災害に繋がらないような安全性ということでしょうか。
知事 まず最低限、それはあるでしょう。福島のケースが起きても十分耐えられるということがまず最低限ですけれども、ああいうことが起こったということは、この際、他にも起こる可能性はどういうものがあり得るかですとか、そういったことについて、どのくらい幅を持って見ていくかということについて、やはりオープンにきちっと積み上げた議論をしてほしいと思います。
記者 先日、総務部長が財務省から来られました。財務省本庁から招かれましたが、人物と言いますか、どういうところを期待されておられますか。
知事

総務部の仕事というものは、特に予算編成、またその前提としての行財政改革が1つ大きな仕事に入りますし、そういう改革に合わせた人的な県庁のありようということもあると思います。

今、行財政改革アクションプランで、来年度いっぱいで1つの区切りということで考えているわけですが、ここへ来て、この東日本大震災で、国の予算も含めたリソース(資源)の割り振りがもしかしたら大きく変わってくるのではないかとか、あるいは社会保障と税の一体改革ですとか、アクションプランで想定していたもの以外に色々と論点が出てきております。

議会でも少しご答弁申し上げましたが、来年度予算は今のアクションプランを前提に組み立てていくというのが基本だと思いますけれども、そろそろ、ではポストアクションプラン、平成25年度以降の岐阜県の行財政の姿はどういうものを目指すのか、どうあるべきなのかということも睨みながら、平成24年度の予算編成、ハンドリングをやっていかなければなりません。

そうした中に、今申し上げましたような色々な要素が関わってきますので、そういう意味で、岐阜県全体の行財政のありようを中心に、大いに知見を活かして貢献してもらいたいというのが私の思いです。

この人は過去の経歴を見ますと、主計局の公共事業担当の主査を1係、2係、3係とやっておられますので、公共事業の予算というものについて、国の立場で直接に責任を持ってやってきた人ですし、税制1課、2課の課長補佐もやっておられますので、消費税論議の色々な経緯、問題について、これも担当しておられて熟知しておられます。

それから、4代にわたる財務大臣の秘書官をやっておられますので、財務省全体を、大臣を補佐するという立場から見てこられたということで、ある意味では財務省のオールラウンドな、海外経験もお持ちですから、そういう知見を色々と発揮していただけるとありがたいと思っております。

記者 再生エネルギー法案で、先ほど0か100かというお話もありましたけれども、産業界が懸念しているのは、固定価格で買い取ることによって電力料金へ上乗せされてしまうのではないかということです。電力料金には、やはりある程度上乗せというものは必要だと考えていらっしゃいますか。それとも、できればそれはやめたほうがよいというふうにお考えでしょうか。
知事

それは、どういうエネルギーをどういう値段で義務として引き取ってもらうか、そしてその負担というのはどこまで企業努力で耐えられるかということだと思います。

ですから、100か0でないというのはそういう意味でして、一般論ではなしに、もう少し掘り下げた議論をしてもらいたいということでございます。

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