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知事記者会見(平成21年4月7日)

記事ID:0000082 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成21年4月7日(火曜日)午後3時

知事

今日は、新年度がいよいよスタートしたということで、議会でも議論になりました「行財政改革推進本部」がスタートしました。早速全庁を挙げての作業に取り掛かります。

それから、従来、「岐阜県緊急雇用対策本部」といっていたものを「岐阜県経済・雇用対策本部」に改組しました。緊急対策だけではなくて、この百年に一度と言われる不況の中で、どのように岐阜県の経済・雇用を立て直していくかということについて、恒常的に議論をしていくために新しく模様替えをしまして、1回目の会議を開催させていただきました。内容はご案内のとおりです。

今日、私の方から発表させていただく項目のうち、1つは瑞穂市でのレジ袋削減・有料化についてです。この協定締結式が4月16日にありまして、6月1日からレジ袋の有料化を瑞穂市でも実現するということで、瑞穂市とその地域の住民の方々、事業者の方々、そして県で合意するわけでございますが、これで晴れて県内全市町村でレジ袋有料化という体制が出来上がることになります。

スタートは昨年1月に輪之内町でした。3年間で何とか全県的にと申し上げておりましたが、1年半で目標達成ということになるわけでございます。既に実行しているところのレジ袋の辞退率は、ほとんどのところで9割を超えております。一部8割台の後半という所もございますが、私どもが想定しておりました8割という水準も上回っております。市町村ごとに原則として、県、市町村、事業者、住民とともに協定を結んで積み上げていくというやり方で、全県的にこうした有料化を実施するのは全国初のことです。

今、全国的には16都道府県がこの積み上げ方式で取り組んでいますが、私どものように全県で積み上がったのは初めてのことだと思っておりますし、市町村単位で行っていただいておりますので、参加店舗数も805店舗と多く、これも今後増えていく可能性もあるわけですが、他県と比べましてもかなり大きな数字となってきております。

また、参加店舗の業態も、スーパーマーケット、ドラッグストア、あるいは農産物の直売所、商店街の小売店舗等々、幅広くやらせていただいておりますので、そういう意味では非常に順調に進んできております。今回の瑞穂市が協定としては最後になるということです。私どもとしてはこの協定の下で、もっともっと多くの店舗が参加をしていただいて、完全な有料化体制に持っていければと思っております。

それから次が、介護福祉士等の修学資金の貸付ということでございます。昨年の秋に、この福祉・介護といった面でサービスを充実するために、どのような行動計画を採るべきかということを幅広い関係者の方にレポートをまとめていただきましたが、その中の一つの提言として、人材確保という観点から、介護福祉士等修学資金の貸付をスタートするわけでございます。今週金曜日から募集を始めて5月29日までということで、当面100人程度の方々を予定しておりますけれども、介護福祉士、または社会福祉士の養成校に在籍し、県内の介護業務等に従事しようとする方々に対する貸し付けでございます。卒業後1年以内に県内の施設で介護福祉士等として従事して、原則として5年間引き続き従事した方は返還が免除になるというものです。修学資金の貸付を通じて人材の確保を図ろうというものでございます。十分、周知徹底を図りたいと思っております。

それから、3番目が、お手元に「子どもかがやきプラン改訂版」のダイジェスト版をお配りしております。このプランの改訂については既に教育委員会から発表させていただいたところですが、これまでいろいろな形で各方面からご支援をいただいておりまして、例えば、岐阜ライオンズクラブでありますとか、岐阜遊技業協同組合、あるいは岐阜新聞岐阜放送社会事業団などから、特別支援学校に対するスクールバスの提供がございました。大変ありがたいことでございます。それから市町の給食センターも特別支援学校に通学する児童生徒のための給食をお願いしております。

また、新しい特別支援学校を開校するに当たり、旧小学校の校舎をかなり活用させていただいておりまして、リフォームによって新規開校しております。そういった面でもいろいろとご支援いただいているわけでございます。

そこで明後日でございますが、谷汲小学校の旧校舎をリフォームいたしまして「揖斐特別支援学校」が開校いたします。4月10日には「飛騨特別支援学校下呂分校」、これは益田清風高校の旧下呂校舎を活用させていただきますが、これも開校するということでございます。また、明日は「郡上特別支援学校」の高等部が、郡上市の大和町から八幡町に移転をして新たにスタートします。

着実に特別支援学校の整備開校が進みつつあるということでございます。

私自身、「揖斐特別支援学校」と「飛騨特別支援学校下呂分校」両校へ出席をさせていただいて、この機会に保護者や児童生徒のみなさんと意見交換をしたいと思っております。
私の方からは以上です。

記者

今日、行財政改革推進本部が開催されましたが、平成24年までに職員の数を2,400人削減することなどを盛り込んでございますが、2,400人となると行政サービスへの影響も懸念されますが、そのあたりはどのように考えていらっしゃいますか。

知事

その点はまさに、これまで言ってきておりますような事務事業の徹底的な見直しの中で洗い出していって、必要なサービスは向上させこそすれ、低下させてはいけないという思いでおります。そういう中で少しでも、改善できるところ、合理化できるところ、工夫できるところを洗い出しながら定員を削減していこうと考えております。そういう意味で、定員だけではなく、全体としてこの行財政改革を実施していく上で、丁寧に手順を踏んで、関係者の方々の意見もよく聞きながらやりませんと、急激なサービス低下になりかねません。

今日も私の方から本部会合で強く申し上げましたけれども、そういった関係者の方々のいろいろな思いやご意見、あるいはこれまでのいろいろな施設、政策の成果といったものも一つひとつきちんと見極めながら、どういうふうに改革をしていくのか、十分な納得と説得で一歩一歩やっていく必要があると思います。

今回新年度になるや否や、この本部をスタートしたのですが、やはりそういった面での丁寧な検討なり調整なりが必要だろうということで、新しい人事体制になったこのタイミングで、いち早くスタートしたということです。相当そういうことについて時間をかける必要があるだろうという思いでおります。改革はしたけれども、サービスが目に見えてひどくなったということではいけませんので、そういった点で各方面からのご批判やらご意見を積極的に伺いながらやっていきたいと思います。

記者

北朝鮮の弾道ミサイルが発射されましたが、今回の結果についての総括、それから今後の課題があれば教えていただきたい。

知事

私どもとして、今回の出来事についてやるべきことは、1つは国から得た情報を迅速かつ正確に市町村、或いは警察、消防、関係機関に伝えるということ、それから何かあった場合に迅速に初動ができるような体制を整えていくということと、それから各地域での被害状況といったものを迅速かつ的確に把握すること、に集約できるのではないかと思うのですが、そういう意味では今回、一定の成果が上がったのではないかと思っております。

しかし何と言っても、今回の事案では特段被害の発生ということはございませんでしたので、最大のものは情報の伝達が迅速かつ正確に行くかどうかということでありました。そういう意味で言うと、これまでにない2つの取り組みがありまして、1つはエムネットの活用ということで、従来は国から都道府県に防災行政無線FAXで連絡をし、それを県が市町村にまたFAXで伝えるという段取りでやっていました。今回の事案では瞬時に国から県や市町村に情報発信できるエムネットが使われたということです。
これまた、たまたま廻り合わせですけれども、私どもの西藤副知事がこちらにくる前に、まさに内閣でこのエムネットの全国的な整備という仕事をやっておりましたので、彼がいろいろな意味で一部始終を詳しく知っているものですから、そういう意味では私どもとしてもやりやすかったのではないかと思っております。

それから、2つ目は携帯メールを活用した職員への迅速な伝達方法ということです。一度に大勢の職員に短時間でメッセージを伝えるという意味では、この携帯電話のメールも大変有効であったということでございます。そういう中での連携でしたが、特にトラブル等もありませんでしたし、迅速にできたのではないかと思っております。

そういう中で、いくつか課題と言いますか、今後のことを考えますと、県内で6つの市町がまだエムネットを整備できていないということで、これは今、国に接続申請中でございます。そう時間がかかる話ではございませんので、一日も早く使用できるように、国に対する働きかけをしていきたいと思っております。これが1つでございます。

それから、瞬時に情報を伝えるという意味ではエムネットの有効性が発揮されたわけでございまして、今後の災害も含めた危機事案について、こうしたエムネットのようなメール機能を活用した情報伝達手段というものをどういうふうに構築していくかということです。今あるエムネットは国から全国に流すわけでありますが、例えばあるブロック単位とか、都道府県単位とか、必ずしも全国的ではない、しかし相当広域的な災害情報といったものについて、こういうようなものをどう活用していけるかといったことも考えていく必要があるのではないかと思います。

それから、携帯メールも今回初めてやりましたけれども、いろいろ改良を加えながら、緊急連絡に使えるようなことも考えていきたいと、こんなふうに思っております。

記者

先ほど行財政改革を進めていくに当たって、丁寧に手順を踏んで、意見をよく聞いてやっていくことが大事だという話がありましたが、その議論を進めていく上で、やはり透明性というのが重要な要素になってくると思います。今後、行財政改革推進本部などで、より具体的な取り組みをまとめていく上で、県民への情報提供をどのように考えておられますか。

知事

一気に結論を導き出すというよりは、段階を踏んでやっていきたいと思っております。当面何と言っても大きな課題は22年度予算です。貯金も底をついたところで、かつこの経済情勢、先行きまだまだ厳しいものがあろうかと思うので、そういう中で22年度予算をどう組んでいくかです。ざっと私どもの試算値では、350億円の財源不足があるということですが、これに対応できるようなフレームワークというのを、秋に向けて固めていく、方向付けを行っていくというのがまず最初に取り組まなければならない課題です。

かつ、この350億円の財源不足の中で、一時的な対策、例えば土地を売るとか、県の施設を売るとか、そういうことをしても一回限りですから、またその翌年も対策がいるわけです。これに対して、歳入、歳出どちらの面でも構造的な対策が取れれば、その分だけ、23年度、24年度がその分だけ対応済みになるわけなので、できるだけ構造的な改革の部分を大きくしていくためにはどうしたらいいのだろうかということも含めて考えなければいけません。それやこれやで22年度、23年度、24年度の3年間、緊急財政再建期間全体を睨んではいますが、差し迫った話としては、この秋口までに22年度予算のフレームみたいなものをお出しできればというのが1つの大きな流れです。

それも、いきなりフレームが出てくるということではなしに、今日も議論しましたけれども、まず素案があり、中間報告があり、そして、名前は何でも良いです、アクションプランと言っても良いし、フレームと言っても良いですが、そういったものが秋口に出てくるということで、それぞれのステップごとにいろいろな形で多くの県民の皆さんやら議会やら、あるいは関係団体、或いは県職員組合、広くご相談しながらやっていきますので、そういう中で自ずと透明性と言いますかね、段階的なアプローチの中でご相談していけるんじゃないかと思います。

記者

国の直轄事業負担金の問題についてですが、今、与党の方で、交付金制度にすることによって地方負担分を肩代わりするというような検討がされているようですが、その評価についてどうお考えですか。

知事

まだ、最終的にどういう案に落ち着くのか、最終的なところは聞いておりませんので、断定的なことは言えません。いずれにしましても、私自身もこのところ東京に行きますと、永田町あるいは霞が関各省庁を回ったりしていますけれども、当面、地方の懐、地方の負担を期待して思い切った直轄事業をやっていくということは、これは難しい、あるいは無理だという認識は各方面でかなり定着していきているのではないかと思います。

前回の記者会見の時に岐阜県の数字を申し上げましたけれども、他県も同様ですから、「さあ景気対策だ。直轄事業をやるよ、思い切って」と言っても、地方の財政がそれに伴っていかないのです。したがって、そういう状態だという認識がかなり広まっている中で、しかし一方で、必要な公共事業もこの際やりながら、景気対策、経済危機対策をやっていこうということになるわけなので、そうだとすれば、元々これは国の直轄事業、国の事業ですから、国が何らかの財政措置を講じようということになるのは、ある意味では当然だというふうに思っております。
そういう中でどういうやり方が良いのかとか、どの程度の金額にするのかとか、それから今回のこういう措置が長期的にはどういうことになるのかと、いろいろ詰めがあろうかと思いまして、そういったところを私どもとしては注目しております。

ただ私自身は基本的には国の事業と地方の事業をきちんと整理をして、国の事業は100%国のお金でやる、地方の事業は100%地方のお金でやる、そのために必要な財源なり人の配分も予めきちんとやっておくというのが基本だと思っております。そういう意味では制度論としては、直轄事業の負担金というものは無くなっていいのではないかと、無くなるべきものではないかと思っております。

とりわけ、維持管理費については即刻やはり無くすべきものだと思っております。まさに管理者が管理費用として負担すべきなので、これについて、新たに公共事業をやる場合の3分の1よりも更に上乗せをして45%地方の負担というのはおかしいのではないかというふうに思っております。

そのような長期的にこの制度をどうするかという話と、当面の景気対策で交付金なりの格好でどういう財政措置を講ずるかという話とは、論理的には制度論として別だと仰る方もおられるかも知れませんが、私自身としては、本来のあるべき姿を念頭に置いて、今回の経済対策でも、補正予算でも、国の事業は国が賄うという考え方でしっかりと整理されて良いのではないかと思っております。その第一歩となることを期待しているということです。

記者

そうすると、抜本的解決にはならないというお考えですか。

知事

制度論としては負担金は無くすべきだと思っておりますので、それが抜本的解決だというふうに思っているわけですけれども、今、議論されているのは、何らかの財政措置を講じて負担を軽減しようということです。軽減するということと、その制度をなくすということとの間には溝がありますので、私自身としては、無くす方向を睨みながら、今回の措置が検討されていくことを期待するということです。

記者

知事はエムネットの有効性が認められたということで、聞いていたら、県内でも独自のものを整備したいというふうに聞こえたのですが、それはどういうことでしょうか。

知事

県内独自のものということではなしに、申し上げたのは、今回、オールジャパンでこういった事案で一斉に流すというシステムは一応できたということなのですが、これを広域的な災害に活用するということで、いろいろと検討してはどうかということです。

エムネットは官邸と自治体を即座につなぐシステムですから、広域的な災害というのはやはり官邸も大いに関わるわけでありまして、そのエムネットという仕組みを使って、官邸と広域的な自治体が繋がるというようなやり方もあるのではないかということを申し上げたのです。

記者

今も官邸から県に来て、県から県内市町村に即時に繋がっていますよね。

知事

全市町村に、オールジャパンなんですよ。でも、災害というのはオールジャパンで起きるわけではないので、広域的な災害対策としてエムネットをどう活用するかという議論はまだされていませんので、今度はそういった議論をやったらどうでしょうかということを申し上げたのですけれども。

記者

災害にも活用するという議論ですね。

知事

はい。

先ほどの直轄事業負担金の関係でもう一つ言いますとね、この財政的な手立てがどのくらいの期間続く話なのかということです。つまり、国の直轄の大規模な事業は1年で終わるものはむしろ少ないわけで、何年もかけてやるわけです。そうすると、この財源的手当てというのはいつ頃までの話なのかというところを見届けないと、今度はその部分がなくなった時に、さあと言っても「私は負担金と言っても無いんですよ」ということになったら、それでは工事は止まってしまいます。そうした事業をとにかく確実に実行に移して、それが社会的な基盤整備として国民の役に立つということのためにやるわけですから、その事業ごとにどういうふうなことになるのか、そこもこの財政的措置ということを議論する中では1つのポイントになるのではないかと思っております。

岐阜県について言えば、ご案内のように、22年度、23年度、24年度、そこで漸く収支トントンまで持っていけないかというようなことを言っている時期ですから、その後も決して楽になるわけではありませんので、そういった意味でも私は、先ほど申し上げましたように、本来の制度論に沿った第一歩となることを、期待しているということです。

実は明日の夕方、金子大臣の所で、何人かのこの問題に関わる知事が集まって意見交換をすることになっておりまして、総務大臣ほか若干の大臣もお出でになるやと聞いておりますけれども、私も明日、参上していろいろと意見を申し上げたいと思っております。

記者

市岐商の問題がひとまず決着したようですが、どのように受け止められましたか。

知事

これは、岐阜市として、岐阜市議会も含めて、この問題にどういうふうに対応するかということについての判断と言いますか、お考えが出されたということでありますので、私としてはこの2年数ヶ月間、ずっと注意深くフォローしてきておりましたけれども、岐阜市としてのご判断ということで受け止めております。

記者

東海環状の西回り区間の御望山周辺のルートが、先日Bルートでどうかということが国から示されて、これから地元説明会などもされるということですが、県としてはどうのように受け止められますか。

知事

私どもはこの安全性の問題は、大変大切に考えておりまして、県庁内にこの問題の検討チームも既に作って、いろいろな角度から検討してきております。今回、国土交通省としてのお考えをお出しになられたので、我々としてもそのお考えを詳しく伺いながら、安全性について、我々なりの検討を進めていきます。それから今月の中旬以降、説明会も行われるわけでありますし、これから県民のみなさんからいろいろなご意見が出てこようかと思うのですが、それに対してまた国土交通省がどういうふうにお答えになるかということです。いずれにしてもそういったところを一つ一つ見極めながら、それから私ども自身も検討しながら、議論を煮詰めていきたいと思っております。