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知事記者会見(平成23年5月11日)

記事ID:0008133 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成23年5月11日(水曜日)午後3時

知事

お手元の資料にございますが、一つはイオンとの間で新しい連携プロジェクトをやろうということで、「フードアルチザン・プロジェクト」と、それから「ぎふ伝統食文化グランプリ」ということでございます。県内の優れた食文化を、商品化をして全国に発信するということでして、「食の匠」を英語に訳すと「フードアルチザン」、食の匠プロジェクトと言うべきものでありますが、これをイオンと協働でやろうということでございます。

伺いますと、イオンとしては、桜島大根ですとか小豆島のオリーブですとか、安納(あんのう)いもというのが種子島にあるんですけれども、こういった特定の商品を改良して商品化して全国に売り出すということをやっておられるようなのですが、ここへ来て都道府県と協働で、こうした地域の優れた食文化を商品化するというのは初めての取組みということでございます。

双方で色々相談をしながら進めて来たわけでございますが、「ぎふ伝統食文化グランプリ」ということで今日から募集を開始いたします。その後、お手元の資料にありますように、プロセスを経て10月に最終審査ということで、グランプリを取った団体あるいは地域が、イオンと県と協働でプロジェクトを実施して、イオンのチェーンで積極的にアピールをしていただくといいますか、売り込んでいただくと、こういう趣旨でございます。ぜひ県内各地域から、あるいは各種団体から「こんな素晴らしいものが岐阜県にあるよ」ということで、イオンの全国ネットに乗せてアピールしたいものを大いに提案をしていただいて、これが具体的な形で結実すればと思っております。

先だってイオンとは、東北の物産展を4月末でしたか、大垣でやらせていただきました。当初の予定では4日間で100万円くらいとの見通しで色々なものを用意したのですが、4日間で400万円売れまして、もう初日が終わったところで「これはもう明らかに売るものが足りなくなる」ということで、大慌てでまた調達したというような経緯があったようでございますけれども、そうして色々と連携プロジェクトをやらせていただいています。

それからもう一つの連携プロジェクトが、「ぎふ清流国体応援弁当」でございます。お米が岐阜のハツシモ、それから下呂の郷土料理の鶏ちゃん、それからこの間NHKでもやりました「恋するキムチ」ではないですが、豚肉とキムチ、キムチ味で豚肉を料理してある豚キムチというのでしょうか、それから飛騨高山の赤かぶ、漬け物です。下呂の鶏ちゃんのちょっと甘みと、それから各務原のキムチのピリ辛と、飛騨高山のさっぱり味を並べて、岐阜のハツシモを使うということで、398円で「ぎふ清流国体応援弁当」としてこれから売り出すということでございます。今日は皆さん方にも行き渡るように用意してあるそうでございますから、後でお楽しみいただけるということです。私は今日の昼に初めて食べましたが、やっぱり岐阜の各地の風土を思い出しながら食べるということで、なかなか美味しくいただきました。ぜひお楽しみいただきたいです。こういうことで、イオンと連携をしまして、イオン系の東海4県のミニストップでありますとか、県内のイオンあるいはマックスバリュの店舗で販売をするということですので、ぜひ味わっていただきたいと思います。

それからその次が、BCP(事業継続計画)の研究会でございます。一昨年の新型インフルエンザの時に、BCPということで、色々な災害、感染症、事故が起こった時、緊急事態に、どのように事業あるいは組織を持続させていくかということで、平常からいざという時にどう備えていくか、そうしたBusinessContinuityPlan、BCPと言いますが、これを昨年、県として「BCP策定セミナー」ということで、新型インフルエンザに合わせてやらせていただきました。大変好評で、県内の色々な企業が取組みを開始されたというふうに伺っております。

今年度は、東北の大震災をにらみながら、事業継続計画がいかにあるべきか、どのような課題があるかということを色々検討していただくということで、「岐阜県BCP研究会」というものを発足させようということでございます。県内企業、様々な団体、行政機関、それから昨年、BCPの人材育成ということで養成講座をやりましたけれども、その講座を受けられた方々に集まっていただいて、やろうということでございます。

この第1回の講師の方は、BCPの専門家であります。今回の震災直後から岩手県の災害対策本部の中に入られまして、色々と復旧支援、被害状況の把握、それから色々な業界でいわゆるサプライチェーンが寸断された時に、どういうふうに被害が拡大していくのか、そうであればどうしたらよいのか、そういったことを分析しておられる方でございまして、そうした方をお招きして研究会をスタートさせようということでございます。5月20日に第1回ということですので、ご紹介をさせていただきます。

最後になりますが、今度は楽天と組んで、様々なインターネット販売ということで、岐阜県も色々なことをやってきております。お手元の資料の一番後ろのページに「主な提携事業」ということで書いてございますが、今回、ネットショップの運営指導・人材育成と言いますか、ネットショップをやっていけるような人材を育てようということで、5月16日に開講式を行うということでございます。

これも、岐阜県にとりましては雇用創出の一つの取っ掛かりということでございます。この事業では、3か月間の座学で405時間ですから、かなりインテンシブ(集中的)だと思いますが、「ネットショップ実務士」という資格を取っていただこうということで、全国的に認定をしておられる(財)ネットショップ能力認定機構と、それから楽天と組んでカリキュラムを用意するということでございます。それから、その後8か月間は、一種のインターンのような感じで、ネットショップの人材を求めておられる企業に無償で派遣をして、実務経験をしていただくというようなことを考えております。

そこで育った人材がそのままそのお店で就職して、継続して採用されることもあるでしょうし、色々なところでこの経験・知見を生かして、新しい就業の場を獲得していただくようなこともあるのではないかということで、ネット販売の促進と雇用促進を併せて、県として積極的にバックアップしていこうということでございます。

とりあえずご報告することは以上でございますが、今日は5月11日ということで、鵜飼開きの日でもございます。この雨の中、やるということですから、私もちょっと今晩、顔を出そうと思っております。

「3.11」のこの大震災から2か月ということでございまして、色々なことが次々と起こり、また色々なことが報道されておりますが、ちょっと整理いたしますと、4つの方向で、私どもとしては今、動いているということでございます。

1つは、何といっても東北支援ということでございます。今なお数百人のオーダーで、延べにしますと2,500人になろうとしておりますが、現地で、県の職員も含めて積極的な復興・復旧支援をしております。昨日も災害支援対策本部員会議でご紹介しましたけれども、多賀城市から、岐阜県の職員のパフォーマンスが優れているということで、あと1か月何としてもお願いしたいということでございました。

それから、東北から岐阜に避難をされた方々のケア、支援でございます。既に570人になろうとしていますけれども、これらの方々を、生活、それからお子さんの教育、それからご本人のご要望に応じた就労ですとか、今日は鵜飼開きですので、岐阜に来ておられる被災者の方々もお招きしておりますけれども、そうした色々な機会に、地域の活動ですとか、こうしたところにお招きするとか、色々なことをやろうとしておりまして、これが1つの流れでございます。

それから2番目の流れは、今度5月18日に第1回を開こうと思っておりますが、今回の地震・津波・原発から来る災害というものを、私どもなりに、国の動き、あるいは東北各地での色々な議論を見ながら検証していくということでございます。専門家の方々を中心に検証していき、そして岐阜県の様々な防災に関する計画ですとか指針ですとか、そういったものを早急に見直していこうということで、この5月から10月ぐらいまでを目処に、震災対策検証委員会というものをやっていただきながら見直しをやっていくと、こういう流れがございます。

そうした流れの中に、原発についての安全対策の関連で、先般、中部電力の副社長にもおいでいただきましたけれども、浜岡原発の状況についての情報交換、緊急時の連携、あるいは、更には今月中を目処に、福井の日本原子力発電、日本原子力研究開発機構、関西電力、石川県の志賀原発があります北陸電力、この4つの関係者のしかるべき方々に県庁においでいただいて、従来のそうした情報交換、意見交換、連携を更に強化していくということで話し合いをしたいと思っておりますし、機会を見て、また海江田経済産業大臣とお話をしたいと思っております。この震災対策というものを色々な角度から検証し、我々の体制を見直していくというのが2番目でございます。

それから3番目が、昨日、災害支援対策本部員会議で申し上げました「省エネ・新エネ推進会議」ということでございます。これに裏打ちするように、県庁の「省エネ・新エネ推進連絡会議」を設けまして、県庁自身も省エネ・新エネに取り組むと。そしてまた、県内の色々な分野の方々に、どこまで省エネ・新エネが岐阜県として可能か、エネルギービジョンを発表したわけでございますが、それらについてできる限り前倒しでやっていこうと。

もちろん、浜岡原発が停止した後の電力需給状況をにらみながら、我々としてどこまで懐が持てるかということを考えていかなくてはいけない、そういう意味での、省エネ・新エネ対策を推進するための流れが3番目でございます。

昨日、中部電力のほうから県庁においでになりまして、浜岡の原発を全部停止しますと、他は何も変わらないとすると、この7月、8月、9月にショートするということでした。東京電力への応援融通を止める、あるいは武豊火力発電所3号機を稼働に入れるといったことをやっていきますと、何とか7〜9月に2〜4%くらいの供給予備率が出てくるということなのですが、中電としては10%くらいの供給予備率を持ちたいということで、そのために色々な対策を、まだまだこれから詰めていくとおっしゃっておられました。

例えば、県内で言えば、受給調整契約を締結している大手のユーザーたる事業者もかなりありますし、もちろん計画停電ということは想定していないですとか、電気料金値上げも当面考えていないというお話はございましたけれども、管内で色々な形で需給調整契約を発動しながら、つまり節約をしていただきながら、電力確保できないかということも考えておられるということであります。

ちなみに、温度が1℃上がりますと、だいたい80万kwくらいの電力需要が上がるということで、これはだいたい3%に相当するそうでございます。ですから、温度1℃で3%、2℃で6%ということで、そういうオーダーとしてどのくらいの供給予備を持つかということも含めて、色々議論をしておられるということでございます。それらにつきましても、また逐次、状況を伺いながら、この夏をどう乗り切るかということも含めて、あるいは将来をにらんで、岐阜県として省エネ・新エネ対策を短期・中期・長期、色々な角度から早急に検討したいと、これが3番目の流れでございます。

それから4番目の流れは、よく自粛、自粛ということで言われておりましたけれども、そうではなくて、地域を活性化しながら被災地を応援していくというふうに反転させようではないかということで、このゴールデンウィークに向けて「ぎふを旅して日本を元気に」という岐阜県としての観光キャンペーンをしていただいております。

また、結果的には、このゴールデンウィークは個人客がかなり戻ってきました。安・近・短とよく言われておりますけれども、安くて近くて短時間でということで、高山もほぼ前年並み、あるいは下呂などはむしろ前年より増えていたとか、あるいは土岐のアウトレットモールはむしろ去年の5割増しのお客さんがおいでになったとか、あるいは各務原の世界淡水魚園水族館はこれも10〜15%くらい去年よりもお客さんが増えていたというようなことで、岐阜の観光関係者を挙げて、こぞって色々なメニューを用意し、東北の支援を交えたキャンペーンをやりましたけれども、ゴールデンウィークはそういうことで、何とか対応できたということでございます。

次は、今度は夏休み、あるいはその先をにらんでどういう戦略を立てていくか、今月中に「緊急観光戦略会議」というものも立ち上げまして、観光に関わる方々から知恵を集めて、県を挙げてやっていこうと考えております。

それから、インバウンドということで、海外のツアーエージェントの方々を岐阜に次々とお招きして実際に見ていただいて、これなら観光客を呼んでも大丈夫だ、旅行商品を組んでも大丈夫だとの確信を持っていただこうということです。既に、台湾・シンガポール・タイ・マレーシア・インドネシア・ポーランド・中国本土・香港等々、次々とインバウンドの対策ということでやっております。先だって東京に行きました時に観光庁長官にもお話をしましたけれども、岐阜はそこまでやるのかと大変驚いておられました。こういったキャンペーンをやっているということでございます。

それから、先ほど申し上げましたイオンの東北物産展が非常に好評でございましたので、これを県内各地で次々とやっていけたらと思っておりますし、その際に、併せて東北観光旅行のPRもやっていこうではないかと。

あるいは今度の日曜日に、チャリティーマラソンということで、第1回の「高橋尚子杯ぎふ清流マラソン」を行います。「心と心をつなぐのは今」というメッセージで、全国から、大分県を除いて46の都道府県から1万人を超える方々がおいでになる、また、著名なアスリートもおいでになるということで、これもチャリティーを通じて地域を盛り上げていくということでございます。その他、様々なチャリティーイベントをこれからも組んでいきたいと思っております。

そのようなことで、4つの流れの中で、この広い意味での震災対策をやろうとしているということでございます。

あとは今月の話として色々ございます。政府において、高速道路のあり方をもう一度根っこから見直そうという議論がありまして、どう整備するか、あるいは料金をどうするのか、あるいは建設費の負担をどうするのかというようなことを、寺島実郎さんを座長に有識者会議が設けられております。どういうわけかご指名で、私にものを言いに来いと、こういうことでございます。来週この会合に出て、岐阜県における公共交通ネットワークについて、色々な私どもの考えを申し上げたいと思っております。

あと、5月21日が植樹祭からちょうど5周年ということで、「あれから5年これから5年」というテーマで、岐阜県の林業政策について考える機会にしたいと思っております。

それから今年は、鹿児島県と岐阜県は例の薩摩義士の関係で、姉妹県盟約を締結しておりますが、ちょうど公式に連携をスタートして40周年になりますものですから、5月24日にその40周年の記念式典、25日に薩摩義士の慰霊祭が鹿児島で行われます。その際にお邪魔をして、また色々な岐阜県と鹿児島県との交流ですとか、あるいは連携・協力について幅広く鹿児島県知事と議論できたらと思っております。この秋はこの逆で、岐阜県側で記念式典と顕彰式をやります。鹿児島県知事が、秋にはこちらにおいでになるということでやろうと思っております。
そのようなことで、色々な課題ですとか、色々な仕事が目白押しでございますけれども、ちょうど「3.11」から2か月ということで、ちょっと整理をさせていただいたということでございます。私の方からは以上です。

記者

浜岡原発の停止の件で、知事はコメントを出されましたけれども、各県、周辺の知事の間でも英断であるとの評価であるとか、一方で場当たり的だというような批判もあります。知事として、今回の浜岡原発停止の要請とそれを受けた中部電力の判断をどう評価されておられるのかということを、改めて1点お伺いしたいと思います。

先ほど知事が説明された中でもありましたように、色々と中部電力のほうから、電力確保のために大手の節約を呼びかける等々のことをされるということですが、県内への影響がどのように及ぶのかというところをどう見ておられるのかというのが2点目。
最後に、海江田経済産業大臣と中部電力の方に昨日お会いになったということですが、知事のほうから何か要請をされた点等があるかどうか、その3点をお願いします。

知事

順不同ですけれども、今回の意志決定といいますか、国の要請、それを受けた中部電力の方針決定という運転停止決定は、何といっても、福島の事例を見ながら、かつ近い将来大きな地震の起こる確率の高い所ということで、安全を最優先して決断をされたというふうに私どもとしては理解をしております。そういう安全第一という考え方で、おそらくその結果もたらされることについての議論もあったかとは思いますが、まず安全を優先されたということで、私としては理解しておりますし、これはこれでそういうご判断はやむを得なかったのではないかというふうに思っております。

ただ、今度は、この浜岡の停止ということを踏まえて、一方で電力の安定供給というのも、これは法律に定められた電気事業者の責務であるわけですから、その責務をどのように果たしていくのかということについては、きちっとした道筋をつけていく必要があるわけです。それは国の方針でも、菅総理の言葉の中でも、あるいは中部電力の発表にも、やはり地域経済あるいは市民生活に支障をきたさないように対応していくということが謳われておりますので、それがどう具体的に進められていくかということもあります。

それから昨日、菅総理がエネルギー政策をいったん白紙に戻してという話もございまして、これはこの浜岡原発停止から更にもう一歩踏み出されたものだと思っておりますが、では具体的にどうその政策を見直していかれるのか、このところはまだ詳らかではございませんので、国の動きをよくフォローしていきたいと思っております。

そういう中で、中部電力として、先ほど数字を一部ご紹介しましたけれども、これから7月、8月、9月とピーク時に向かって、まずはどう乗り越えていくかということが当面の緊急の課題になるわけですので、それについて今、色々な方策を考えておられるようですし、関西電力の余力をどうする云々といった発言も政府から出ておりますけれども、そういったことを岐阜県としてはにらみながら、この「省エネ・新エネ推進会議」はできるだけ幅広く関係者の方々に参加していただこうと思っております。

岐阜県の場合には、製造業でだいたい47%、サービス業で26%、一般家庭向けが25%、これで98%、あとその他が2%、こういう需要構成になっております。岐阜大学ですとか、電力中央研究所ですとか、そういった研究機関に加えて、この地域の電力・ガス・石油の供給業者、それからエネルギー関連ということで家電・自動車・住宅メーカー、それから消費者団体・事業者団体・行政、広く参加をしていただきながら、この中部電力のオペレーションと、それに対して岐阜県としてどこまでどういう対応が可能かと。中部電力のこの夏の緊急対策をにらんだ対応もありますけれども、更に我々としては将来をにらみながら、どこまで懐が持てるかと。

ちなみに、私ども、4月にたまたまタイミングが重なったわけですが、「次世代エネルギービジョン」を発表させていただいております。これによりますと、今後2020年には、何も対策を講じない場合に比べて約14.5%、2030年には30.5%、エネルギー需要を落としていくという絵姿が描かれているわけですが、これを前倒しすると同時に、どういうスケジュールでどういう具体策を講じるかということで、更に踏み込んでやっていきたいと考えております。ですから当面の短期的な話は、中部電力の考え方・動き、政府の動き、そして岐阜県としてどういう懐を持つか・持てるかという流れの中でよく見極めていきたいと思っております。

それから最後に、中部電力なり大臣なりでございますけれど、まさに発表にありますように、地域経済とか市民生活に支障の無いようにやっていくんだという方針を出しておられますので、私どもとしてはそれはぜひ徹底してお願いをしたいということを申し上げております。そのためにも、適宜適切な情報交換・意見交換を密にしていくということです。

それから、海江田経済産業大臣には先だってせっかくお電話をいただきましたので、前から私は申し上げておりますけれども、浜岡ももちろん大事でございますけれど、浜岡と岐阜県の東濃が90kmでございますが、福井のほうは、敦賀の日本原子力発電が25km、日本原子力研究開発機構の「ふげん」が26km、関西電力の美浜が28km、北陸電力の志賀が80kmと、こういう距離でございます。こういった立地している市町村と県境がないと、法律上の隣接県という扱いにはなりません。法律上、隣接県になりますと、情報提供から始まって立入調査まで、かなりしっかりとした権能が与えられております。

法律改正が要りますので、今日言って明日というわけにはいきませんけれども、福島の状況を見ますと、岐阜県からの距離が25km、26km、28kmというものが福井にあるということで、この辺りのシステムを私どもとしては見直すことを提案申し上げたい、近くお邪魔してその辺りも含めてお話をしたいということを申し上げました。「もういつでも来てくれ」ということでございましたので、私としては、できれば来週にも機会を捉えてお話をしたいと思っております。

記者 中部電力の浜岡原発の件の関連ですが、浜岡原発の停止で東日本と状況が大きく違うのは、電力が足りないという問題よりも、どちらかというと原子力から火力に転換しなければいけないということ、コスト増という問題が当然エネルギーコストとして出てくると思います。愛知県知事などは、これを国が負担すべきだというようなことを言っておられるんですけれども、基本的には中部電力と国との間で決められることだと思いますが、コスト増になった部分の費用負担において、どのような形が望ましいとお考えで、どのように国などに求めていかれるかということをお聞かせください。
知事 今回、中部電力も、この流れの中で電力料金の値上げは考えていないということをはっきりおっしゃっておられ、そういった前提で、かつ、地域経済、市民生活にも支障をきたさないとおっしゃっておられますので、中部電力の企業努力、経営努力と、それから国の支援の組み合わせの中でできる限りのことをしていただきたいと思いますし、またそういう方向で、今おっしゃっておられるのではないかと思っております。
この停止にあたって、中部電力と経済産業省との間で確認事項がありますよね。その辺りの部分も触れられていたと思いますので、まずその辺りの国と中部電力の対応をよく見守りたいと思っております。
記者 考え方として、「電力が足りなくなるのだから受益者負担」という考え方もあるにはあると思うのですが、そこはやらないほうがよいとお考えですか。
知事 企業努力でどこまで対応できるのか、それから、それを国としてどこまで支援できるのか、支援の仕方も色々ありますし、その辺りについてはまず可能な対策をきっちりやってということだと思います。現に、国も中部電力もそうおっしゃっておられるわけですから、そのようにやっていただきたいということです。
記者 同じく中部電力の関連ですが、昨日、中部電力のどなたにお会いになられたのかということと、節電に対する要請を受けたのかということ、また、海江田経済産業大臣と話されたのはいつなのでしょうか。
知事

海江田経済産業大臣は、直接私にお電話をいただきましたけれども、土曜日の夕方だったと思います。確か、総理が記者会見をされたのが金曜日の7時で、その後すぐにもご連絡しなければいけなかったんですけれども、少し遅れたということで申し訳ないと言いつつお話がございまして、これが土曜日の夕方ということです。

それから、昨日は私どもの商工労働部長が中部電力の岐阜支店長に会っております。そこでお話を伺ったということです。大まかな当面の見取り図のようなお話がありまして、積極的に、「じゃあ岐阜県はこれだけですよ」というような具体的な提案ですとか要望というものはありません。

むしろ中部電力として、計画停電の実施を想定しないという前提でどこまで対応できるか、それからピーク時というのは、ある時、需要がピュッと跳ね上がります。そういう時にどう対応していくかという話ですから、余力をどれくらい持つか、では7月はどうする、8月はどうする、9月はどうする、ですとか、それから、おそらく中部地方のピークは、一番跳ね上がるところの部分はオフィスのエアコンなんですね。それから、もともと万一の場合に需給調整をお願いするという前提で料金を設定されていて、そうした大口契約が元々制度上あるわけですから、そういうものを使いながら、万が一にも対応できるようにと、そういうお話もございました。そういった色々な策をやっておられるというお話がありました。

私どもとしては、昨日聞いておしまいというわけではなく、更にもう少し、私どもの省エネ対策を検討しながら、かつ中部電力の更なる具体的な方針をしっかり聞いていきたいと思いますし、必要があれば意見も言っていくというスタンスで臨んでおります。

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