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知事記者会見(平成23年4月5日)

記事ID:0008094 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成23年4月5日(火曜日)午後3時

知事 今年度初めての記者会見になります。昨日、渕上副知事も会見させていただいたと思いますが、また新しい体制で取り組むということでございますので、今年度またよろしくお願いしたいと思います。

今日ご報告するのは2点ですが、1つは特別支援教育の関係で、4月8日に可茂の特別支援学校の開校式がございます。この特別支援学校の整備は、私自身としては着任以来、特に力を注いできた分野でございます。と申しますのは、長期構想を議論した時にも出ておりますけども、岐阜県全体として本格的な人口減少のフェイズに入ってきた中で、かつ生まれてくる赤ちゃんの数も急速に減ってきている中で、障がいのあるお子さんの数が、逆に絶対数として相当増えてきており、そして特別支援学校に対するニーズが極めて高いということで、そういう意味での整備を急がなければいけないと大変痛感いたしました。

お手元に「子どもかがやきプラン」と資料があると思いますが、平成18年度からこのプランに沿って、優先的な政策課題として整備してきておりまして、今度の可茂特別支援学校で5校目の新設校ということであります。新設校以外にも、この資料にもありますように、分教室を作ったり、あるいは一括移転をしたりということで整えてきておりますけども、そういう流れの中で、出来るだけ早急に可能なところから整備してほしいという声に耳を傾けてやってきているつもりでございます。

可茂地域は、特別支援学校がない空白地域でございまして、ある方は土岐市の東濃特別支援学校へ行き、ある方は関市の中濃特別支援学校へ行くということでしたので、とりあえずということで、小学部を東濃特別支援学校の可茂分教室として、可児市内に平成20年に用意いたしました。今回はまさに可茂の特別支援学校ということで、小学部、中学部、高等部として、当初の予定を上回る184人でスタートするということでございます。私自身もこの開校式にはお邪魔しようと思っております。また今後は、プランにもありますように、飛騨北部特別支援学校が平成25年度開校、それから飛騨南部特別支援学校、これもむしろ前倒しで同じく平成25年度開校ということで、今作業を進めているところでございます。

それから、ちょうど春の就職シーズンになりますけども、特別支援学校を巣立って就職される方々に対する就労支援、これは一番後ろに資料がありますけども、卒業者数も増えている中で、平成22年度は21年度から就業者数も増えてきておりまして、このトレンドをどんどん加速していきたいと思っております。特別支援学校では、私ども「岐阜県版デュアルシステム」と言っておりますけども、学校の中での職業教育と、それから企業と連携して、企業に出かけていってそこで作業学習をするという2つの職業教育を並行してやっております。就労者の増加というのはそうした企業のご協力、あるいはそのサポーター企業にそのまま就職するというようなケースが増えてきていることにもよるのではないかなと思っております。現時点では、「働きたい!応援団ぎふ」に80社が登録企業としてご協力いただいておりますし、108人の就職者のうちの41人が27社に就職しているということでして、今後ともこの登録企業の拡大を進めていきたいと思っております。

それから、昨年12月に「MERGE&HOPES(マージ&ホープス)」ということで、シティ・タワー43でMERGEというお店をやっているのですが、そこにその特別支援学校の生徒さん達が作ったもので、ブランド力の期待できるものを並べて販売をしています。結構好評でありまして、私も先般、手織り布のアートということで、海津の生徒さんが作ったものを買わせていただきました。そんなことでいろいろと就労に至るまで積極的に応援していきたいと、こういうことでございます。これが1つ目でございます。

もう1つは、これまで楽天と岐阜県とのインターネットモールを通ずる連携ということを申し上げてきましたけども、今度は「アマゾン」のオンラインストアとの連携ということで、新たにこの国内最大級の「amazon.co.jp」というオンラインストア、ここに岐阜県フェアを5月下旬から2か月にわたって開催しようということでございます。このオンラインストアの中に「Nipponストア」という特設サイトがございまして、そこに岐阜県フェアコーナーを設けるということで、県内事業者から公募をいたしまして、説明会も県内でやろうと思っております。これも1つの新しい県産品販売のルートとしてトライしてみたいということでございます。

これは、いわば新たに何かショップを作るとか、そういうことではありませんで、自動販売機型などと言われますけども、現にもうオンラインストアがあるのでそこに一品単位で物を出すだけということでございます。このフェアについてはアマゾンが負担をしていただくということで、私ども県費の支出もゼロであります。とにかくそこのオンラインショップに品物を出すということで、1年間無料でやっていただけるという特典もありますものですから、トライをしてみようと、こういうことでございます。

ですので、ネット上に店舗を構えて商売をやるという楽天型のものと、ネット上のストアに品物を提供して販売するというこのアマゾン型のやり方と、それぞれ一長一短あろうかと思いますけども、やってみようということでございます。これは県の観光連盟とアマゾンとの連携の中で具体的な話が進んできたということでございまして、当面1,000アイテムほどの商品を販売してみようということを考えております。

私の方からは以上でございます。

記者 年度当初ということで、また議会も、県議選が告示されて、体制も新しく変わるわけですけれど、年度当初にあたっての今年の抱負といいますか、所感をお聞かせください。
知事 既に、今年度の予算ですとかその前提となる政策の方向ということで、「魅力あふれる「清流の国ぎふ」づくりへ」を掲げてこれから1年やっていこうということにつきましては、基本的に変わらないわけでございます。それからまたイベント的には、来年のぎふ清流国体が半世紀に一回の大きな行事としてありますので、このぎふ清流国体開催を念頭に置きながら、この開催が岐阜県の活力といいますか、清流の国づくりを加速するような形で、この機会を活かしていくといいますか、そういうことを中心に職員の皆さんと一丸となって取り組んでいきたいと、こういう思いでいるところでございます。

しかしその矢先に、ご案内のような東北の地震、津波、そして原発と大変厳しい状況が続いているわけですので、私どもとしてはやはり、まずは当面お手伝いできることは最大限何でもやろうということでございます。それから、明日は我が身ですから、お手伝いをしながらいろいろな教訓を学び、そしてまたこういったことを踏まえて岐阜県自身も防災、安全・安心ということについて、もう一回根っこから見直していくことをせざるを得ないのではないかということであります。

これはもう年度を始める直前から、当初予想をしなかったことではありますけれども、やはり安全・安心、防災ということの取組み、これが大きな課題となってきているのではないかと思っております。日本全体、ひいては世界全体を揺るがすような大きな出来事でありますので、これが日本経済、景気、それから日本のエネルギー政策、いろいろな面で大きなインパクトをもたらす、あるいは抜本的見直しにつながっていくということも予想されます。この震災から原発に至るまでのこの出来事にどういうふうに対応していくか、短期、中期、長期的にですね、それを睨みながら、それが岐阜県の経済なり、景気なり、産業構造なり、あるいは観光戦略なり、輸出戦略なり、あるいはエネルギー供給対策なり、いろいろなことに及んでくると思いますので、単なる狭い意味での防災ではなく、いろいろな角度から絶えず国の流れ、われわれ岐阜県としての対応、これは向こう1年間に留まらずですね、しっかりと取り組んでいかなければいけない課題が今、目の前にあると、そんな思いでございます。

記者 防災関連で2点お伺いしたいんですけれども、3月31日に政府が公共事業の予算を5%カットして復旧事業費に回すという方針を示しましたけれども、岐阜県への影響をどのようにみられているのかということと、この国の決定に関してどのように知事は受け止められているのかということをお聞かせください。

それからもう1点は、今日一部の新聞に出ていましたけれども、放射線の測定器を新たに導入することについて、その狙いと概要を教えてください。

知事 まず前段ですけれども、なんといってもこれだけの広域的な、しかも大規模な災害が生じておりますし、それからこの原発の問題がどこでどういう形で収束をして、その結果としてまたどういう対策が必要なのかということです。一説には16兆円から25兆円という数字も流れておりますけれども、まだこれは具体的にこれからいろいろな議論がなされていくと思います。そういう中でどういう対策をとるかということと裏腹で、どこに財源があるのかという議論になってくるわけです。

今回の5%という議論は、取りあえず急ぎ必要なものについて、全国的に5%協力をしてくれと、こういうことだと思うんですけれども、既に公共事業予算については大幅カットが続いてきている中で、しかも昨年度は2割近いカットですし、それに上乗せしてカットして、また5%カットということですから、よく優先順位を決めて、メリハリをつけてということを言っておりますが、さらに厳しく精査していかざるを得ないのではないかなということでございます。これは私どもとしては、今の緊急性を考えるとやむを得ないとは思うんですけれども、具体的に、ではこの5%カット後の姿として岐阜県としてどういう風にそこを飲み込んでいくかというのは、急いでメリハリをつけて検討せざるを得ないということです。

それから、一括交付金を可能ならしめる内閣府設置法改正法案というのが予算関連法案ということで、取り残されたら困るなと思っておりましたが、無事に通りましたけれども、あの国会審議の中でも、一括交付金をまるごと復興の財源に使ったらどうだという議論をされる方もおられましたし、最終的に24年度予算編成に向けてこの一括交付金についてまた見直すんだということが与野党一致で附帯決議がついております。それから、今年は5,120億円を都道府県に配るということでやったわけですが、次は全国市町村にも配る前提で、投資補助金のみならず経常補助金の一括交付金化という大変制度的に難しい話に入っていく中で、一方でそういう議論があるということです。

これはひとつの端緒といいますか、復興を巡ってどこにどういう財源を求めていくかということの、ひとつのまだ現われにすぎないと思っておりますが、いろいろなところでいろいろな議論が出てきますので、これをひとつひとつ丁寧に考えていかなければいけないと思っております。片山大臣は国会では、東北地方の復興資金をどうするかという財源の問題と、既にある公共事業予算の一部を切り分けて一括交付金化しているこの予算とは考え方が違うものなので、ここにこういう予算があるからここへ持っていったらとそういうこととは違うのではないかと、こういう答弁をしておられましたし、私もこの問題についてはそう思いますけれども、それやこれやでこれから出てくると思います。

全体として、全国的に経済・景気の落ち込みの中で、税収が落ち込んできた時に、さてこれをどのようにアロケーションと言いますか、分配をしていくのか、その中でさらにこの東北の復旧、復興をやっていかなければいけないというのをどう考えるのか、財源はどこに求めるのか、いろんな議論が起こってくると思います。そういう意味で注意深くフォローをしながら、必要に応じて意見を言っていこうと思っておりますけれども、そのいわば5%はひとつの端緒という、これでおしまいということはないと思いますので、端緒だと思って認識をしているところです。
放射線の方は、逐次、災害支援対策本部員会議は公開でやらせていただいておりますので、聞いていただいていると思いますけれども、やはり県民の不安解消、安全確保という観点もございますし、それから輸出品に対する各国の反応ということもございますし、いろいろな意味で、この放射線物質の検査体制というものを早急に強化する必要があるのではないかというのが考え方の基本であります。

現時点でも一定のことをやってきているわけですけれども、むしろそれをさらに強化しようということで、実は今日付けで専決処分をしたところでございますけれど、空間の放射線測定器と言うんですか、環境測定をする機器については現在、保健環境研究所で1台でやっておりますけれども、3台さらに購入します。それから、水道水や農畜産物に含まれる放射性物質を測定する機器としてゲルマニウム半導体検出器というのがありますが、これをさらに2台購入するということでございます。それから、避難されて来られる方ですとか、岐阜県から支援活動に派遣した方々が汚染の危険性のある区域に立ち入ったような場合に、身体の表面の状況を測定するための測定器をこれも17台購入します。

結果的に、空中環境における放射線の測定は、各務原市のみならず、揖斐川町、多治見市、高山市と、県内4箇所で測定できる体制にしたいということでございます。それから、ゲルマニウム半導体検出器、これは水道水、農畜産物の測定ですが、今、保健環境研究所に1台ありますけれども、これを3台体制にして充実をしていきたいと。それから、現在は3保健所・7医療機関の10機関で身体の検査をしていますけれども、さらに17台ということで、県内各地でさらに7つの県の保健所で2台ずつ、それから保健環境研究所にもさらに1台、県の保健医療課にも2台ということで体制を強化しようということでございます。

ただ、これはいずれもすぐに購入できるものではありませんので、調達に数カ月というオーダーで期間がかかります。そういう意味でも、専決処分をして、急いで調達するということでやらせていただいたところでございます。

記者 1つ目の質問に追加なんですけれども、すぐに岐阜県の予算にですね、やろうとしている事業の予算が5%カットされたからといって、影響するものではないというお考えでしょうか。
知事 いや、非常に影響は大きいと思います。かなり、ずっと切り詰めてきているものですから。大所でいえば、東海環状自動車道西回り区間を、とにかく養老ジャンクションから大垣西インターまでを国体前に完成するとか、その他いくつかの優先度の高い幹線道路もありますし、それからやはり岐阜県は災害の多い県でありますから、安全・安心という観点からどうしても手を加えないといけないところはありますし、そろそろ本格的な補修をしなければいけない道路や橋がかなりあります。これを緊急度の高いところから順番に、順位をつけてやっていくというやり方をしてきているわけですけれども、さらに5%というのは、またかなり悩ましい選択を迫られるということになると思います。今、県土整備部を中心に、精査をしてもらっているところですけれども。
記者 県議選のことで伺いたいのですが、県議選で河村たかし代表率いる減税日本から公認で県民税10%減税と訴えていますが、それは実現可能なのかという、その辺りの認識を伺いたいのですが。
知事 だいぶ前にも類似の質問を受けたことがありますけれども、改めて現時点で考えてみた時に、まず私どもとしては、平成22年度から24年度までを緊急財政再建期間ということで、すでに起債許可団体になっているわけですから、ここからとにかく3年間の努力を通じて、一刻も早く脱却しなければならないということでございます。相当思い切った予算のカットもさせていただいておりますし、そういう中で人件費も例外ではないということで、人事委員会の勧告を超えて給与のカットもやらせていただいておりますし、他方で特に経済雇用対策という面では、差し迫った課題もありますし、そういう中でギリギリの、どこまで県民サービスを落として良いのか、どこまで職員に我慢をお願いしなければならないのか、ギリギリのところで私としては予算を組んできております。

それから、市町村の福祉予算に対する補助金も、補助率を本来のあるべき姿からカットして、市町村にもご負担をお願いしているというこのような状況で、かつ、先ほど申し上げましたように今回の震災の波及として、おそらく日本経済もこれから厳しいところへさらに行くのではないかと見込まれる中で、つまり税収も落ち込んでいくのではないかということですから、今、減税というものを正面に持ち出して議論するというのは、私自身としてはなかなか考えづらいということであります。

むしろ先ほどのご質問にもありましたように、復興復旧財源を捻出していく中で、われわれもどこまで協力していけるかというようなことも考えなければいけませんし、いずれにしましても、この3年間頑張った上でどういうところまでたどり着けるのか、そして本当に持続可能な財政構造というものを、ある程度のところまでいけるのかどうかというところが課題でありますので、いきなり減税、さらにあそこをカットしてここをカットしてというのは、なかなか私としては見定めにくいなと。

当然、今は行財政改革アクションプランというものがあるわけですから、これに沿ってやらせていただいています。24年度予算をこの秋以降編成するとすれば、行財政改革アクションプランに沿ってやるというだけで良いのか、その後のさらなる財政の落ち込みとか、いろいろな影響も加味して、もっと厳しくやらなければいけないのかなど、そんな議論がまた秋以降始まるのではないかと思っておりますので、そこでさて減税というのは、私としてはちょっと考えにくいというのが正直なところです。

しかし、いろいろなお考えもおありでしょうから、またそういうお考えに対して県民・市民の皆さんがどういう反応といいますか、ご評価されるかとか、そういうことも関心を持って見守っていきたいと思っております。

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