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知事記者会見(平成23年2月10日)

記事ID:0007948 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成23年2月10日(木曜日)午後3時

知事

今日は来年度の予算編成について、私どもの案をご報告させていただきたいと思います。お手元に資料がございますので、それに沿って順次、かなりのボリュームですけれども、私の方からは大筋の基本方針とか、あるいは予算編成にあたっての考え方とか、そういったところを申し上げまして、後で遂次担当の方から、各論の方はご説明させていただきます。

まず全体像ですけれども、基本方針という1枚紙がございますが、来年度予算の、あるいは県政運営の方向として、「魅力あふれる『清流の国ぎふ』づくりへ」というテーマにさせていただきました。既に、昨年、あるいは一昨年から、全国豊かな海づくり大会をはじめとして、この「清流の国ぎふ」ということを内外にアピールしてまいりまして、いろんなテーマがたくさんあるわけですが、これを本格的にいろんな角度から進めていくことが、大きく言って来年度の基調かなという感じがしております。平成22年度がいわば「清流の国づくり」の1つのスタートであるとすれば、これを本格的な本流として進めていきたいと、そういう思いでいるわけでございます。

内容的には4つの柱を考えておりまして、第1が「活力ある産業・雇用の創出」ということで、特に「"変わる"中小企業」というテーマで、総合的な中小企業対策を掲げております。昨年の10月のAPECの中小企業大臣会合で、岐阜イニシアチブといいますか、大臣会合で合意された地域主権の掘り起こし、そして国際展開、国際交流ネットワークといったようなことも、こういう中に含めて考えておりますし、雇用対策、あるいはブランドづくり、また、製造業だけではなく、観光、農業、林業、畜産業、いろんな分野で強い産業を作っていくということでございます。

それから2番目が、「安全・安心な地域づくりと人づくり」ということでございますが、防災体制の整備、防災対策はもちろんでありますが、加えて、地域医療体制の充実、あるいは特別支援学校の整備、いわゆる社会的弱者に対する支援と、こういったことを織り込んでおります。最近「無縁社会」というものが随分言われておりますけれども、地域の繋がりということで、これをどう再生していくのか、こんなことにも取り組んでいきたいというふうに思っております。

3番目が、狭い意味での「清流の国ぎふ」の展開ということでございまして、5年前の全国植樹祭、そして昨年の全国豊かな海づくり大会を通して、「清流の国ぎふ」をアピールしてきたわけでありますが、この岐阜のまさに清流といいますか、そこに代表される豊かな自然環境をどう守っていくか、活かしていくか、そして伝えていくかといったことについて様々な施策を展開していこうということでございます。

それから4番目が、来年ということになりますが、「ぎふ清流国体・ぎふ清流大会」の成功に向けて、本格的といいますか最終的な準備ということでございます。来年1月にはスケート、2月にはスキーの国体が岐阜県で行われるわけですから、そういう意味ではもう23年度の、来年1月、2月には既に国体が始まるということであります。大いに盛り上げていきたいと同時に、1回限りのイベントということではなく、この国体を契機に、岐阜県全体の地域おこし、活性化、環境づくり、スポーツ振興、健康づくり、いろんな施策をこれに合わせて展開していくという視点も大事なのではないかというふうに思っております。これが、大きくいったところの「清流の国ぎふづくり」ということで整理をさせていただいております。

2番目の点は、行財政改革アクションプランの着実な実施ということでございまして、これは平成22年度から平成24年度まで3年にわたって歳出削減、それから人件費の削減、そして歳入確保と、3つの分野で最大限の改革をやっていこうということでスタートしております。この3年計画の2年目にあたるわけでございまして、引き続き、着実に進めていこうということで、これを通じて、起債許可団体からの早期脱却を目指していくと、こういうことでございます。

以上が、来年度予算および、県政の基本方針ということでございまして、その方針のもとで、どんな編成がなされているのかというのが、次の平成23年度予算編成という資料でございます。

予算規模でございますが、7,458億円ということで、7,500億円台を割って、平成22年度の当初比でマイナス44億円、マイナス0.6パーセントということでございまして、10年連続のマイナス予算ということでございます。

これを歳入と歳出に分けて見てみますと、予算資料の下に表がございます。この増減額の欄を見ていただきますと、県税、地方譲与税、交付税がプラス、あるいは繰入金がプラス、これに対して県債、とりわけ臨時財政対策債が大幅なマイナス、国庫支出金もマイナスということで、全体的としてマイナス44億円ということになっております。歳入に占める県債、借金収入の構成比が平成22年度当初で17.5パーセントだったものが15.5パーセントということで、2ポイント小さくなっているということでございます。

次の2ページに、項目ごとに若干の解説がございますが、今見ていただきましたように、世界経済の緩やかな回復、企業収益の回復ということで、法人二税は22年度当初比に比べますと、105億円の大幅増でございます。一方でエコカー補助金などの終了による内需の減退などによって消費関連税が減収されるというようなことで、プラス100億円ということでございます。

一方、平成22年度3月補正後の、つまり22年度の県税収入見通しでございますが、ここに書いてございませんが、大体私ども1,925億円を見込んでおります。平成22年度当初が1,805億円であったわけでございますが、これを1,925億円と見込んでおりますので、これとの対比でいきますと、来年度の1,905億円というのはマイナス20億円ということでございまして、今年度の補正後の実勢に対して、やや慎重な見通しで考えているということでございます。

それから地方譲与税も企業収益の回復を反映しての増と、それから地方交付税のほうは、国の地方財政計画で約5,000億円増額になっておりますので、本県の配分もそれに伴って増加をすると見込んでおります。

一方県債につきましては、国の一般財源の不足の議論を反映いたしまして、臨時財政対策債を大幅に減少させております。また、臨時財政対策債を除きましても公共事業費の減を反映して、県債も減少しているということで、全体として160億円のマイナス、12.1パーセントのマイナスということでございます。

それから、国からの補助金等でございますが、諸々減ってきておりますので、それらを反映してきておりまして、この部分で実はちょっと昨日まで悩んでおりましたのは、いわゆる一括交付金の取扱いでございます。地域自主戦略交付金というふうにおっしゃっておられますが、先般記者会見で申し上げましたけれども、私ども全国知事会一括交付金のプロジェクトチームとして、1月に緊急声明を出させていただきました。その緊急声明の中で、一括交付金の対象となる事業は何であるのかと、一括交付金の対象とならないものとなるものとでどこで線を引くのか明らかにするよう求めております。それから、継続事業分が9割、客観的指標に基づく分が1割ということで配分しますと言っているわけですから、継続事業の定義といいますか、何をもって継続事業と言うのか、客観的指標というのはどういうものであるのかとか、そういったことを早急に明らかにしていただいて、大体、推定でもよろしいから、とにかく私どもとしてこれを予算編成に生かせるような方向でお願いしたいと申し上げておりました。現時点でみますと、個々の補助金のこの部分は一括交付金の対象ですよと、この部分は残された補助金ですよということで、大分整理は進んできておりますが、全体として明らかでないところが随分残っております。また、配分の基準についてはまだ何も示されていないという状況でございまして、私どもとしてこの地域自主戦略交付金という名前の一括交付金として、ひとつの塊として振り分けて、整理をするというのは、相当の推測に推測を重ねてやらないと困難だということであります。今回は国の都道府県向けの投資補助金について、一括交付金化するということでございますので、私どもとしてはそのような予算の全体像を眺めながら、それを踏まえて、従来通りのやり方で予算計上させていただくということです。今後予算が国会を通過して、予算案が成立した後、9割分の継続事業に関わるお金の配分が、3月か4月かその辺で行われて、それから7月に、残りの1割の客観的指標の分について、配分が明らかになるということでございますので、その配分、それから最終的な対象事業が確定したところで、補正予算で再調整する他ないなということで考えております。

今の私が申し上げたことは、全国的にもほとんどの県がそういうやり方をするということでございますが、ごく一部の県では、それでも敢えて、このぐらいはもらえるんじゃないかという推計に推計を重ねて、この部分が地域自主戦略交付金というふうに予算書にお書きになるところも若干の県があるということでございますが、私どもとしては、ちょっとあまりにも推計の推計でございますので、通常のやり方で今回はやらせていただいたということでございます。

それから繰入金ですが、財政調整基金の取り崩し分が53億円、それからすでに補正予算で、諸々国からいただいた基金ということで積んでありますが、それを使っていくということで、312億円取り崩すということで、全体としては24億円のプラスということでございます。

次に3ページが歳出でございますけれども、増減額のところを見ていただきますと、社会保障関係経費が50億円のプラスで、あとは全てマイナスということでございまして、人件費、公債費、それから普通建設事業費、これはハードの諸々の対策費でございますが、こういったところがずっとマイナスになっているということでございます。

それから構成比をご覧いただきますと、人件費でマイナスになっておりますけれども、構成比率で30.7パーセント、公債費が17.4パーセント、人件費と公債費を足しますと48.1パーセントということで、予算の5割近くが人件費と過去の借金ということであるわけですし、それから次の社会保障関係経費は、毎年30億、40億円のオーダーで、これからもずっと一貫して増えていくということが見込まれるわけなのですが、今回も50億円の増でこれも否応なく用意をしなければいけないお金でございます。いわば義務的な経費でございますが、この部分が11.8パーセントでございますから、人件費、公債費、社会保障関係経費を足しても既に59.9パーセントで6割が固定費というか、義務費でございます。それからその後の普通建設事業費とかその他の中にも国の補助金の補助裏でありますとか、諸々検討して義務的にやらざるを得ないものもありますので、そういう意味でこれを見ていただきますとわかるように、いろいろと厳しく抑制をしてきておりますけども、地方の予算というのは固定的なところが非常に大きいということでございます。

各項目について見ますと、人件費が退職者の減、それに伴う退職手当の減、それから職員の臨時的な給与抑制の継続、職員数の減少ということで減ってきているということでございます。

それから公債費でございますが、平成21年度をピークに2年連続で減少と、ここのところ公共投資の縮減などによって県債の発行額を抑えてきたことの結果ということでございますが、こういうことになっております。

それから社会保障関係経費が今申し上げましたように、諸々増加してきているということでございます。

普通建設事業費でありますが、一方で介護施設整備であるとか企業立地促進とかプラスもございますけれども、国の公共事業費が5.1%減とされたことなど、公共事業費がマイナス103億円ということでございます。ということで、全体として50億円の減少ということでございます。

その他としましては、子宮頚がん等のワクチンでありますとか、緊急雇用創出の追加でありますとかが増です。中小企業制度融資でございますが、これは実需をみますと22年度が558億円、これに対して来年度は500億円を見込んでおりまして、少し世の中落ち着いてきて減ってくるんではないかということで、そういったことを反映しているということでございます。

以上のような形で歳出と歳入が見合った形での予算編成になっております。

それから次に、「政策課題に対応した組織の見直し」という資料がございますが、予算だけではなく組織問題についても手をつけておりますので、これについて整理しております。

組織の見直しをやってきているわけですが、まず職員の定員ですけれども、平成17年度当初が27,550人、これを23年度は24,392人ということで、3,158人のマイナスということでございますので1割以上のマイナスになっております。22年度当初、昨年の4月1日段階では24,537人でございましたので、22年度当初に比べますと145人のマイナスということで、職員定員の削減を着実に進めていく一方で、政策本位の組織づくりという観点から行政ニーズに対応したプラス面といいますか、新しい組織を作ったり、あるいは整理をしたりというようなことをやっておるわけでございます。

まず、新しい組織づくりの方では、「活力ある産業・雇用の創出」というテーマで、課内室でございますが、商工政策課の中に「次世代エネルギー・産業技術推進室」というものを新設いたします。それから、モノづくり振興課のやはり課内室で「ビジネス改革推進室」というものを新設いたします。これらは、いわば課の中のプロジェクトチーム的なものでございますが、まとまった仕事をするプロジェクトチームとして活躍をしていただこうということでございます。

それから農政部につきましてはシャッフルをいたしまして、次のページに別添1ということで絵がございますが、9課1事務局1課内室という体制を、8課1課内室に整理いたしまして、農政課に加えて戦略的な流通販売を担当する農産物流通課、担い手の育成確保を行う農業経営課、売れる農産物づくりということで農産園芸課、畜産課、水産課と並んで、魅力ある農村づくりということで農村振興課、そして農地整備課ということで、今回予算編成の中で整理した政策課題に則して既存の課や事務局をいくつか廃止をいたしまして、こういった格好で再整理をするということでございます。より政策目標に沿った体制にしていこうという趣旨でございます。

それから「安全・安心な地域づくりと人づくり」ということでは、「地域医療推進室」ということで、下呂病院の整備もございますし、その他地域医療の医師の育成、確保といった問題もありますので、これもひとつのプロジェクトチーム化していこうということで医療整備課の中に置こうというものでございます。それから、環境生活政策課の中に「地域安全室」を置きまして、地域の絆・つながりの問題、コミュニティの再生の問題をやっていただこうということでございます。それから「清流の国ぎふ」ということで、既に清流の国ぎふづくり推進室というものを地球環境課の中に置いておりますが、これを独立した課に格上げするということでございます。またあとで見ていただきますが、清流を守り、活かし、伝えるといったような政策の展開、生物多様性政策、あるいは地球温暖化対策といったものを独立した課でやってもらおうということでございます。

それから国体につきましては、さらに体制強化ということで、95人体制から114人体制にしようということで3ページに別添2ということで書いてございますが、こんな形で強化をしていくということでございます。

2ページに戻りますと、現地機関の再編につきましては、国の出先機関の議論がなかなか進みませんものですから、じっとこう眺めているところでございますけれども、当面地域を限定して試行的に組織見直しをやろうということをかねてから申し上げております。今回、中濃総合庁舎の中の現地機関で、内部管理、契約業務、あるいは用地取得業務といったものの担当を統合一体化するというような形で試行してみようということを考えております。

それから試験研究機関でございますが、現在は総合企画部の中で全部統括しているわけでございますが、むしろその試験研究機関の性質に応じて、農政部とか林政部とか商工労働部とか、各担当部局にあった方がいいというような意見が大変強くございますので、総合企画部では研究機関を総括する体制は残しますけれども、個々の研究機関の所管を各担当部局に戻すということをさせていただこうということでございます。

その他として組織の廃止等ということで、行財政改革の一環としてミュージアムひだの廃止、それから不法投棄の問題が少し落ち着きましたので、不法投棄監視課と廃棄物対策課を統合しようということでございます。したがって増えるところもあれば減るところもあるということで、全体としては定員が減っていく中で組織の見直しをさせていただいたということでございます。

次に「行財政改革アクションプランの着実な実行」という資料がございますが、アクションプランとの関係で、今度の予算はどういうことになるのかということをざっくりと整理をさせていただいております。昨年作りましたアクションプランでは平成23年度につきましては、何もしない場合には、財源不足がざっと290億円あるんではないかというふうに見込まれておったわけでございますが、1年経ちまして、そして先程の歳入状況、いろいろ精査していく中で、23年度何もしない場合に比べると270億円財源不足が生じると、こういうことでございます。これを歳入確保対策では60億円、人件費の削減では101億円、歳出削減では109億円ということで、今回の当初予算ではアクションプランなかりせば270億円足りないところをこういう格好で補っていると、こういうことでございます。

その下にもう少し各論がございますが、歳出削減対策としては、県事業補助金等につきましてこの表にございますような形で、23年度の何もしない場合のものをこれだけ削ったということで、事業数、金額が書いてあるわけでございます。それから次のページですが、公の施設の休廃止、機能の見直し等々によりまして、約9億円削減効果があるということでありますし、外郭団体の見直しの中では3億円ということで、全体として歳出削減対策は109億円ということでございます。

それから人件費でございますが、2ページ下にありますように、こういう人数の推移で、長期構想で平成24年の4月1日を目標値として掲げておりますが、例えば公営企業ですと既に達成しておりますし、警察本部も下回っておりますし、かなり近づいてきておるということでございまして、24年度予算のときにまたこの長期構想の数字をにらんでどうするかまた議論をさせていただきますけれども、目標にかなり近づいてきておるということで、定員の削減でございます。それから次の3ページにありますが職員給与の抑制ということで、昨年度の人事委員会勧告の中で期末手当のカット分がございましたので、その分を踏まえて職員給与抑制率は調整をいたしますが、いずれにしましても人件費の削減としては当初予定どおりの101億円の削減ということでございます。

それから歳入確保対策としては、財政調整基金の取り崩し、あるいは特別会計の繰越金、あるいは自動販売機設置への競争入札制度の導入による収入と、こういったものを入れて60億円補てんをしたということでございます。

こういうことを通じて次の3にございますが、実質公債費比率は、単年度ベースでは21年度の20.8%をピークに着実に減っていくと、それから3か年平均ベースでは22,23年度と19.6%が続きますが、そのあと24年度で18.3%、25年度で16.8%ということで、このアクションプランの期間を終えれば、25年度には18%を切るということで、この路線で着実にやっていきたいとこういうことでございます。

それから次が個々の23年度当初予算の概要ということでございますが、冒頭申し上げました4つの柱に沿って整理をいたしておりますので、まずこの目次を見ていただくと大体それぞれの項目でどんなところを念頭に置いてやっておるのかということがお分かりいただけると思います。その各論の方は後で詳しくご説明させていただきますが、私どもとしては特に限られた時間の中でコメントさせていただきます。

まず、「活力ある産業・雇用の創出」の中では、「"変わる"中小企業」ということで、ビジネスモデル改革、APECの成果を活かした海外販路の開拓、国内販路の開拓ということでは観光施設のショーウインドウ化でありますとか、次の2ページにあります「GIFUモノづくり首都圏キャンペーン」でありますとかいろいろと始めますし、インターネットを活用した販路開拓では、ネットショップの事業者の売上げ向上支援を新規に始めようということでございます。また新規商品の開発支援では、国体あるいは清流大会を契機とした新商品ということを意識的にやっていきたいということです。それからフードビジネスの振興ということで、県内のグルメ商品の掘り起こし、あるいは農商工の連携を、それから3ページにありますスマートフォンの世界では、アプリケーションソフトの開発とそのための人材の育成。それからこれはもうリーマンショック以来やっておりますけれども、高利益体質へということでカイゼン・ムダ取り、これは大変好評でございますし、中小零細企業の再出発の支援という全国でもユニークな支援策をやっておりますが、こういったことは引き続きしっかりやっていこうということ、それから4ページですと、金融支援の方は実需に応じてやっていこうということでございます。

それから人材雇用改革ということでは、ぎふ中小企業の祭典というものが、同じく4ページの真ん中の下の方にありますが、一日中小企業庁、それから産業振興に特化した国際陶磁器フェスティバル、ものづくり岐阜テクノフェアと、こういったことが立て続けにございますし、それから5,400人規模の新規の雇用機会の創出ということを考えております。それから5ページにありますが、若者の雇用促進ということで、県内中小企業の魅力発見とマッチング、あるいは学卒未就職者に対する支援、あるいはインターンシップの充実ということ、それから女性起業者、女性経営者の問題、それからパーソナルサポートといいますか、個々の求職者に対する一貫した伴走型支援といいますか、そういった体制づくり。それから成長分野の開拓という意味では、成長分野に重点を置いた積極的な企業誘致、ぎふ技術革新センターの運用開始といったようなところが新しいところでございます。

それから6ページが観光・交流でありますが、自然・健康・癒しをテーマとした宿泊滞在型旅行ということで「ぎふウェルネス・ツーリズム」というものを大いに商品化し、観光プロモーションをやっていく、あるいはアジアに重点を置いた、観光・食・モノの一体的なプロモーションをやっていきたいということでございまして、この6ページの真ん中辺にありますように「飛騨・美濃大交流会」、「ぎふ旅スタイル展」、「ぎふウェルネス・ツーリズム」ブランド向上プロモーション、あるいは7ページの上にありますような「岐阜の宝もの」のブラッシュアップでありますとか、それから海外については昨年、一昨年やってまいりましたものを継続して進めていきたいということでございます。

それから8ページが「強い農業・攻めの農業」ということで、特に本県の主力農産物の「夏秋トマト」、「夏ほうれんそう」、「えだまめ」、「かき(柿)」といったところについて、重点園芸品目ということで強化をしていきたいと。あるいは9ページの上の方にあります飛騨牛のブランド力向上ということで、首都圏を中心に飛騨牛フェア等々考えております。9ページの真ん中辺の下にありますが、6次産業化商品の開発というようなことも積極的にやろうということです。10ページでは、イオンとの連携ということで、食文化の振興プロジェクトということで、「ぎふ伝統食文化グランプリ」といったようなものを、このイオンと連携しながらやっていこうということ。それから新規就農者の育成支援ということで、就農相談から定着まで一貫したサポート体制を作っていこうということでございます。それから10ページの真ん中の下のところに、小規模・高齢化集落の担い手ということで、支援チームをモデル地域に派遣をしようということも考えております。それから11ページは、鳥獣被害ですが、これは先頃本部をスタートしたところでございますので、本部での議論を通じてやっていきたいということでございます。あと環境保全、都市と農村との交流等々でございます。

それから12ページは林業ですが、内陸型の合板工場が、この4月1日から東濃の中津川の加子母でスタートいたしますので、これに伴う需要の増大に対応した供給体制ということで、利用間伐とか、低コスト林業でありますとか、A材加工体制の整備でありますとか、いろいろと考えております。14ページでは、22年度に始めました「ぎふ性能表示材」について、さらに強化していこうということでございます。

それから県土整備は、予算的にはかなり厳しい状況でございますが、優先度をはっきりしながらやっていこうということで、東海環状自動車道、とりわけ養老JCT〜大垣西IC間、これは国体までに開通させていきたいということでございます。この「国要望」と書いてあります部分、これについては予算は無いのですが、むしろ国に当初予定通りやってくれということで、東海北陸自動車道4車線化でありますとか、濃飛横断自動車道などについて要望し、それから15ページにあります生活道路、それから15ページの真ん中の下に、やはり道路施設の急速な高齢化ということが掲げてありますが、これから大きな問題でございますので、維持管理、維持補修といったことにも、かなり力を入れていく必要があるということでございます。

それから16ページは、福祉、医療ということで、いわゆる社会的弱者ということで、児童虐待防止のための子ども相談センターとか、地域見守り活動でありますとか、きめ細かにやっていきたいということでございます。17ページが地域医療体制ということで、ドクターヘリ、いよいよ運航開始いたしましたけれども、これの円滑な運航、あるいは下呂病院の整備促進、それから認知症疾患医療センターを各圏域に作っていこうといったようなことを考えております。18ページは安全・安心なまちづくりということで、「7・15豪雨災害」の検証を踏まえた対策、あるいは防災ヘリ2機体制による防災力の強化ということでございます。それから災害に強い県土づくりが18ページの下の方に、森林、治水、土砂対策の推進を掲げてございます。

それから20ページにまいりますと、少子化対策と教育ということで、仕事と家庭の両立ということで、企業に積極的に関わっていただこうということです。あるいは、子育てタクシーの導入でありますとか、乳幼児連れの親子がお出掛けできるような仕組みを作っていこうとか、それからイクメンプロジェクトを今回スタートしておりますけれども、このイクメンプロジェクトの充実でありますとか、いろいろと知恵を絞っているところでございます。それから21ページに特別支援学校の整備が下の方に書いてございますが、この23年4月に可茂特別支援学校がスタートいたしますし、それから飛騨北部、飛騨南部につきましても実施設計が始まるということでございます。それから特別支援学校の就労支援を思い切って強化しようということで、一番下のところに新規の政策が書いてございます。それから22ページは、中学1年生の段階での少人数学級の導入という点、それから基礎学力の定着プロジェクトということで、教員対策も含めて積極的にやっていこうということでございます。それから高橋尚子杯「第1回ぎふ清流マラソン」も開催。それから地域のつながりという点では、「新しい公共」支援基金ということで、NPOの支援でありますとか、それから、これは先に述べましたけれども下の方にあります「地域での見守り活動」の充実でありますとか、それから23ページの上にあります買い物弱者の支援でありますとか、それから地域づくり・まちづくりでは、岐阜駅周辺のにぎわい創出について、今も始めておりますけれども引き続きやっていこうということでございます。それから24ページで上の方にあります、意欲あるまちづくり活動への支援、移住・定住に対する相談体制、こういったところを新規で考えております。

それから「清流の国ぎふ」という点では、25ページにありますが、水質保全について特に、新たに河川類型指定といったようなことを考えております。それから魚つき保安林でありますとか、環境保全型農業でありますとか、それから26ページで、カーボン・オフセット、先般第1号を発表いたしましたけれども、これをやっていこうということ。それから自然と共生した川づくりということで、いろいろな自然素材を使った工法でありますとか、あるいは若い世代の水環境研究支援でありますとか、農山村のビオトープ空間への支援でありますとか、そんなことを考えております。

それから27ページが、「清流を活かす」ということで、小水力発電、木質バイオマス、これら引き続きやっていこうと。それからさっき申し上げました「ぎふウェルネス・ツーリズム」もこういった観点からも意義があるものだということでございます。

それから28ページから29ページにかけて、「清流を伝える」ということで、環境学習、体験学習、様々な政策を書いてあります。来年度は5月に全国植樹祭の5周年、それから6月に全国豊かな海づくり大会の1周年、7月が第1回目の清流の国ぎふづくり県民大会、それから下の方にありますが、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の1年前イベントというようなことで、「森・川・海のイベントリレー」と、こう言っておりますけれども、この流れの中で、大いに清流を伝えるということをやっていきたいということでございます。それから30ページにいきますが上の方にあります、「清流の国ぎふ」ロゴマークでありますとか、あるいは「ぎふ清流環境大賞」でありますとか、そういった広報活動、顕彰活動も考えております。

それから31ページからは、地球温暖化対策、それから生物多様性地域戦略ということで、様々な政策を考えております。

それから34ページからが、最後でございますけれども、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の開催準備ということです。順調に競技施設・式典会場の整備も進んでおりますが、引き続きこれを進めていく、あるいはアクセス道路の整備といったこともあるわけでございます。それから開催気運の盛り上げということで、1年前イベントでありますとか、グッズの開発、販売促進、それから国体、清流大会を契機とした商品開発の支援、それから岐阜県版のスマートフォンのアプリケーションの中に、清流国体・清流大会のPRにも活かせるようなものを開発していこうということでございます。また、35ページの一番下にありますように、6,000人規模のボランティアの募集・育成ということでありますとか、次の36ページにありますように、式典に向けた取組みとか、それから競技別リハーサル大会といったようなものも本格化していくということでございます。36ページの真ん中にありますように、スケート、スキーの冬季競技会はもう1月、2月に開催するということでございます。それから、選手の強化ということも本腰を入れてやっていかなければいけないということです。

以上のようなところが、来年度の当初予算の主なポイントでございます。各論はまた後で説明させていただきます。そんなようなことでございますが、この23年度予算編成でございますが、昨年度の予算編成と比較して、振り返ってみますと、1つは昨年度は何といってもアクションプランをどういう内容のものにするかということで、市町村、議会、各種団体、あるいは県民の皆さん、また組合、いろいろなところと侃々諤々の議論をしたわけでございます。今年度は、むしろそのアクションプランに沿って、これをフォローアップしながら着実に進めていくという大きな流れの中で、作業をさせていただいたということでございます。そういう意味では、アクションプランの考え方が一応基盤になっているといいますか、定着してきているという、そういう印象が一つございます。それから、昨年4月、人事異動をやった後、新しい体制になったところで、22年度、そして23年度各部局でどんな政策をやっていくのかということについての政策論議を部長クラス、課長クラスでやりまして、その後、秋、それから年末、そしてこの予算編成期の1月と、4回にわたって、私自身も参加する格好で、政策論議をやらしていただきました。職員の皆さん、非常に厳しい、自由度の限られた予算編成でありますけれども、今ちょっと各論を見ていただきましたように優先度、メリハリを考えたり、あるいは新しいアイデアを盛り込んだり、いろいろな新しい課題に対応していくために、努力をしていただいたということで、職員挙げて大変厳しい中で、頑張ってもらったということで、私としては感謝をしております。また、人事委員会の勧告からさらに深掘りをして、給与の抑制ということも、23年度もやらざるを得ないということで、組合の方に提示をさせていただいております。今が岐阜県財政のボトムであるということで、理解と協力を改めて職員の皆さんにもお願いをするわけであります。また、アクションプランを進めていく中で、当然各種団体、あるいは市町村にもいろいろとご負担をお願いをするわけでありまして、そういう意味で、全県挙げて、この行財政改革を、この3年間しっかりやって、この最も厳しいところを乗り越えていきたいと。そんなような思いでおるわけでございます。

それから、この予算編成に併せて、先程もちょっとご紹介しましたけれども、県の定員、あるいは組織、こういったことについても積極的に見直しをしてもらいました。こんなことで進めていきたいと思っているところでございます。

ちょっと長くなりましたけれども、私の方からのご報告は以上でございます。

記者 今、色々とご説明いただいたことは、アクションプラン2年目の予算編成の中で、特にご苦労された点というのはどんな感じでしょうか。
知事 申し上げましたように、昨年のアクションプランを作る時の苦労といいますか議論に比べますと、比較的安定した議論ができたのではないかというふうに思っております。アクションプランの中で、22年度やってみて、少しちょっとこれは厳しすぎるとか、もう少し予算的に振り向ける必要があるとかいうことで、ある意味では緩めたところもありますし、逆に当初よりさらに厳しく深掘りをしたところもありますし、機械的にやったわけではありませんけれども、ただその議論のベースが、ある程度できていたというところで、そういう前提での議論をさせていただいたということです。さっき棒グラフのような図を見ていただきましたけれども、昨年作った時に、23年度予算について想定していたものと大きな削減策の変更もなく、大体そのレールの上で議論ができたということでありますので、そういう意味では、一定のそういうレールに則って、新しい課題にどう対応していくかということについて、いい議論ができたのではないかなというふうに思っております。
記者 関連する質問になると思いますけれども、アクションプランを作った時に想定されていた国全体の景気ですとか、あるいは県財政の状況というもの、ある程度推測して、それに合わせてアクションプランを立てられたと思いますけれども、2年目になって、国の景気なり、県財政なり、予定とそう大きく違わない感じで推移していると認識されていますか。
知事 アクションプランというのは、別に不磨の大典ではありませんので、大きく事情が変われば見直さなければいけないと思っております。昨年4月以降、不断に見直しをし、フォローアップをして議論をしてまいりましたけれども、大筋においては、この枠組みの中で、23年度についてはやっていけるのではないかと。ただまた23年度の途中で、環境の激変みたいなものがあって、そしてアクションプランが想定している24年度の姿と大幅に乖離してくるようなら、また改めてそこは議論する場面も出てくるかもしれませんけれども、今のところはこの枠組みでいけるのではないかなということだと思います。
記者 いろんな数字を拝見していますと、厳しいことには変わりないんだというふうには感じたんですけれども、かと言って、その一方で去年に比べると、いろんな数値が好転しているなと。臨財債が大分減っているとかという気もしていて、県税収入も1,905億円という見込みをされていますけれども、今年が1,925億円だと、ちょっと堅い感じという気がするんですけれども。全体的にこれだけちょっと好転してくると、県民ニーズに応えるためにも、もうちょっと財政を積極的に展開してもいいんじゃないかという意見もあると思うんですが、ここでまた、マイナス予算となった知事の思いみたいなものをお聞かせください。
知事 基本的な認識としては、平成22年度から24年度が県財政のボトムであるということですが、25年度になると急に良くなるということはないので、厳しい状況は続くと思います。しかし、ボトムにあるという認識の下で、現に起債許可団体にもなっているわけで、平成21年度の数字で全国でワースト4ですか、実質公債比率がそういう位置付けでありますから、そこからの脱却ということも含めて、この一番厳しいところを越えていく時に、あまり楽観的な考え方で物事を進めていくのはかえってリスクが大きいということで、私自身としては一方で改革の手綱を緩めるわけにはいかないと思っております。ただ、そういう中でも新しい課題が次々と出てくるわけで、そういう意味では、やはり経済・雇用対策に対するご要望が大変強いと思いますし、TPPだとかFTAだとかいろんな議論がある中で強い農業をどう作っていくかということは待ったなしでありますし、それから、ドクターヘリもスタートしました。それから防災ヘリ2機体制に何とか戻ろうとしている中で、地域の医療とか安全安心とか、こういったことも待ったなしでありますし、折角、一昨年、昨年と県の観光キャンペーンを内外でやってきましたので、これをさらに加速させたり充実させたりということもあります。それから全国豊かな海づくり大会で盛り上がった、「清流」という岐阜県の有様をいろんな角度からやっていこうということですし、何といってもまとまった支出先としては、ぎふ清流国体・清流大会がありますので、これを行事のための予算だけに終わらせないで、いろんな波及効果がある意義のあるようなものにしていきたいということで、新しい課題はたくさんあるわけです。それから、昨今で言えば鳥獣被害対策などありますので、そういう新しい課題にただお金を積めばいいということではなしに、いろんなアプローチを工夫して知恵の限りを尽くして、やっていこうではないかということで、県庁の職員のみなさん、一生懸命にがんばってもらったということです。もちろん、もっと自由自在にお金を使えればという思いを持っている職員もいるかもしれませんが、私としては今、このボトムを乗り切っていく中で、しかし岐阜県の未来づくりといいますか、これを「清流の国ぎふ」といういい方をいっておりますが、未来づくりについてやっぱり加速させていかなければいけないと思っておりまして、そこら辺のバランスの問題でもありますが、よく頑張ってくれたんじゃないかと思っております。
記者 6割が義務的経費という中で、自由度の低い予算編成だと思いますが、その中で特に古田知事のカラーといいますか、力を入れている施策、思いのある事業というのはどれでしょうか。
知事 カラーといわれてもなんですが、先ほど各論でいくつかご紹介した政策、あるいは基本方針に書かれている4つの柱、ここに書いてないこと、これ以外のこともたくさんあるわけですけれども、私としては、この魅力あふれる「清流の国ぎふ」づくりということをいろんな角度から追究していこうという思いでありまして、それをいわば座標軸にしてこの予算編成なり組織の見直しをやらせていただいたということであります。かつ、財政の制約がありますので、岐阜県の予算、あとで資料を見ていただけばわかりますが、かつては土木や建設、そういったものが民生費の額を上回っていたんですが、今や民生費の方が高くなっております。やはりハードからソフトへという流れは大きな流れとしてはすでに現実のものとなっていますし、しかし一方でどうしてもやらなければいけない社会資本整備もさっき見ていただいたように東海環状自動車道の西回りの整備でありますとか、4車線化とか幹線道路もいくつかありますので、それはそれで国と連携を取ってやっていくということです。ちょっとお答えとしてはなかなか一言でいいにくいんですけども、私としてはこの基本方針のあり様が私の思いそのものであるとご理解いただけるとありがたいんですが。
記者 国の子ども手当についてですが、県は計上しているんでしょうか、していないんでしょうか。また、その理由をお聞かせください。
知事 県が計上しているお金は国の方針に沿って計上しておりますけども、従来の児童手当分、この部分がざっと50億円ございます。私どもは全国知事会でも申し上げておりますが、もともと子ども手当というのは民主党政権のマニフェストの中で国費であるとずっと言われておりますし、現金給付は国が、サービスの現物給付は地方が、という形で役割分担を整理するのがいいのではないかと、そういう意味でこの児童手当分については別の形で子育てのための私たちとしては活かしていきたいということを申し上げてきておりますし、その思いは変わってきておりません。そういう意味では大変残念に思っておりますし、まだまだこれから議論が進む中でその議論を続けていきたいと思っております。他方、3歳未満の子どもに対する上乗せ分、これも地方負担をという議論が一時ありましたが、これに対して私どもとしては強く反発をいたしまして、最終的に子ども手当の上乗せ分は国費で対応するということで、その分については国としては理解をしてもらったということでございます。そういう流れの中で、大変不本意ではありますけれども昨年度と同様の対応をとらせていただいたということと、それから仮に子ども手当をお配りすると予算計上をしないままにお配りをするとどこでどうやって後で財政的に整理をするのかという問題が当然生ずるわけで、それについてどういうふうに考えるかということもございます。そういったことも含めていろいろ考えますと、24年度以降については、さらに議論を国とやっていくということで今回計上したということです。
記者 先程から話題になっているアクションプランについてですが、市町村向けの福祉医療の補助金の補助率が少し上がるようですが、補助率が上がる理由を教えていただきたいのと、それから県財政の立て直しの観点から考えますと、アクションプランの着実な実行が必要になってくると思うんですが、このアクションプランの見直しというのは知事はどのように捉えていらっしゃいますか。
知事

まず、後者からいきますと、先程申し上げたことと関連するんですが、現時点までのところでは、このアクションプランの中で22年度、23年度、対応することができたということで、この23年度中に状況がどう変わってくるのか、どうなるか、そういったところを見ながら、また、24年度については考えていきたいと思っております。大きな変更がなければ24年度もこのまま進むということになろうかと思いますし、それからもう一つは、いずれにしてもおそらく24年度予算をやるときには、アクションプランの見直し云々もありますけども、じゃあ、25年度以降はどうするのか、どうなるのか、どういう方針で財政に臨むのかという問題は避けられない問題ですので、そういう意味では23年度の、まだいつということは厳密には考えておりませんけれども、然るべき時期からアクションプランどおり仮にいったとして、25年度以降の岐阜県財政をどうしていくのか、ということは議論を始めなければいけないというふうに思っております。

それはアクションプランの見直しということではなしに、25年度以降をどう視野に入れていくか、向こう3年か5年かわかりませんけれども、やはり先へ先へと考えていかないといけない、特に社会保障費は義務的経費として毎年30億、40億円確実に増えていく一方で、それに見合って収入は増えていきませんので、これはどんどん苦しくなるということもありまして、そういったことを今、考えております。

それから、市町村補助金の件は、昨年も大議論になったところでありまして、市町村にとりましても市町村固有の医療福祉予算はどんどん増えていっていますし、それから子宮頸がんの対策でも市町村の負担が増えていっているということで、私どもとしても少しでも市町村の状況、財政状況、ご要望、声に対応できればということでして、戻した部分はざっと8億円です。ですから、さっき見ていただいた資料の歳出削減対策ですが、その部分を戻していなければ実は117億円の削減対策をやったことになります。

それを全体のバランスの中で少し戻させていただいたということで、非常に喜んでいただいておりますし、私どもも何とか予算は組めましたし、社会保障費に対する県も市町村もなかなか厳しい状況にあるということで、お互いに今、努力をしあいながらやっていこうという気持ちでそうさせていただきました。

記者 先程から力を入れてみえる国体の費用についてですが、厳しい財政の中で、開催前年ということで増額をされたわけですけれども、いろいろ厳しい財政の中でこれだけ増額をすることそのものに対して是非の議論というのはあると思うんですが、知事としてはどういった効果を見込んでこれだけの増額をされたのか、一方でやはりこの厳しい財政の中で国体の見直しもいろいろ全国で言われている中で、費用をかけることに対する批判の声もあると思うんですけども、そういったご指摘に対してはどのようにお考えですか。
知事

まず、国体をお受けしたということで、全国各県持ち回りでやってきているわけですけれども、まさに各県の国体と比べても岐阜県はそれに恥じないような立派な国体をやると、成功させるということは、お引き受けした以上、しっかりやらなければいけないということと、それからこの国体の経費は特に平成22年度、23年度はハードの整備も急速に進めなければいけませんし、それから平成23年度はもう、リハーサル大会も含めて本番さながらというところまで持っていかなければいけません。そもそも何年も前に国体予算というものを考えた時に、あるいはこのアクションプランを考えていく中でも国体予算トータルとしては過去の他県、近年の他県の国体の中では最も質素なローコストなものでいこうではないかということになっています。そういう中でも国体スタンダードというものがありまして、これとこれは必ずやらなければいけないとか、こういう設備は必ずなければいけないとか、そういうものはしっかりとクリアをして、あとはいろんな工夫をしながら何とか乗り越えていくというようなことで、特に節約の最たるものは温水プールです。温水プールを作る、維持をする、これは先々のことも考えますと、大変な費用がかかって、水泳連盟から強い要望がございましたけれども、私どもとしてはこれはとても無理だということで、開会式前の9月早々に水泳競技会をやってしまうということで、今のプールの改修で何とか賄おうということです。これも、体育協会の方には御了解をいただいておりますが、そういった工夫をいろいろとしながら、一方でコストはできるだけ抑えていきたいという努力はやっておりますし、たぶん、近年の中では最もローコストだと思っております。

と、同時に、一過性のイベントに終わらせないためにも、地域おこし、町おこし、あるいはおもてなし、観光、あるいは環境、医療、健康、いろんな面で岐阜が変わったと、良くなったと、岐阜は本当に住みやすいところだという方向に、この国体そのものを持っていけるように、しかもそのお金をかけて整備する競技場や器具だけではなしに、やっぱり人の心といいますか、みんなで取り組んで盛り上げていくという所が大変重要なわけです。国体の成功というのはハードだけではなく、むしろそれ以上に県民挙げて、本当にしっかりした運動を展開できるかどうかというところだと思いますので、その辺り、私自身は重視しているつもりでおります。幸い、5年前の全国植樹祭、それから昨年の全国豊かな海づくり大会、他県と比較してみてはいけませんけれども、前例と比べて圧倒的な内容と規模と、しかもコスト的にはおそらく最も少ないコストでやって、成功と評価を頂いているわけなので、私はこの岐阜県というのはそういうことをやっていける力が十分にあると思っておりますので、そういう姿勢で取り組んでいきたいと思っております。

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