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知事記者会見(平成23年2月3日)

記事ID:0007928 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成23年2月3日(木曜日)午前11時

知事

私の方からは3点申し上げます。

お手元に資料がそれぞれありますが、1つはドクターヘリの運航がいよいよ開始されるということでございます。もともとは防災ヘリによるドクターヘリ的運用ということで、いざという際には、各務原から岐阜大学の附属病院へ飛んでいって、そこから医師、看護師を運ぶということをやっておりましたけれども、これですと、いきなりドクターヘリで運航する場合と比べて、20分から25分のロスといいますか時間がかかるということでございます。私どもとしては、岐阜県の面積が広いこと、あるいは山間地域が多いということも考えて、やはりドクターヘリそのものを直截的な形で運用したほうがいいだろうということで準備を進めてまいりました。

昨年11月からずっと訓練をやってまいりまして、特に医療機関と消防機関の連携が大変大事でございますので、県内全22消防本部での訓練を一通り終えたところでございます。お手元に資料がございますが、2月8日にこのドクターヘリの開始式を行いまして、9日から正式に運航を開始するということでございます。

特に、先程申し上げましたように、医療機器の面でも、また医師、看護師のスタッフの面でも、整った、いわば診察室としてのドクターヘリということで、格段にこの救急医療体制が充実、強化されるのではないかと私どもも期待しているわけでございます。これによって、俗に言われるような「たらい回し」的な問題について、今岐阜県ではかなり連携が進んでおりますので、「たらい回し」事案として特に取り上げられることはございませんけれども、よりスムーズに運べるのではないか、あるいは治療ができるのではないかと思っております。

平成21年の10月に医療機関と消防機関の関係者で、「岐阜県消防・医療連携協議会」というものを作らせていただいておりまして、そこで緊急搬送・受入実施基準といったものも策定しておりまして、昨年末に発表させていただきました。そういう連携の体制整備と併せてドクターヘリの整備もということでございます。

それからしばしば報道もしていただいております「救急医療支援情報流通システム」、通称「GEMITS(ジェミッツ)」と俗に言っておりますけれども、岐阜大学の小倉先生の下で、モデルプロジェクトといいますか、パイロットプロジェクトをやっております。この「救急医療支援情報流通システム」の下でもドクターヘリの活用ということをその一環として組み込んで、実用化に向けて検討していただくということでございまして、緊急医療体制の整備というものがまさに県民の皆さんの安全安心に直接関わるものでございますので、引き続き積極的に取り組んでいきたいと、こういうことでございます。

それから、2番目は、昨年のAPEC中小企業大臣会合からの流れでありますけども、APECの時の関連行事の中で、私どもの(財)岐阜県産業経済振興センターと、それからお手元の資料にあります韓国の2つの団体、中小企業振興団体でありますけれども、そちらと今度協定を締結することになりました。双方で研修生の受け入れでありますとか、企業間の協力関係の構築でありますとか、そういったことについて進めていく、あるいは端的に商談とか展示会、セミナーといったこともやっていこうということで、協定を結ぶことになった次第でございます。これもAPEC中小企業大臣会合の機会を捉えて交流が始まったということでありますし、あの会合で採択された「岐阜イニシアチブ」というものを、いわば中小企業のAPEC地域における国際展開といいますか、支援していこうという流れの一環として意義のあるものではないかと思っております。

この協定につきましては2月13日から関係者が韓国を訪問して結ぶわけでございますけれども、私どもも大いにこれを歓迎しておりますし、その際に私の親書も持って行っていただきまして、県としてこういった動きを積極的に支援していくということをお伝えしたいと思っております。

それからお手元の資料にはありませんけれども、1月27日、岐阜県の中小企業団体中央会の辻会長がソウルを訪れまして、韓国の中小企業庁長官、キム長官にお目にかかって、中小企業間のビジネス交流について、意見交換もし、これを進めるにあたって支援を要請したということでございます。この際にも私の親書を持って行っていただきましたけれど、これまたAPEC中小企業大臣会合にキム中小企業長官がおいでになって、そして辻会長といろいろとこの岐阜で意見交換されたことがきっかけとなって、辻会長のソウル訪問が実現したわけでございます。

そういったことでAPECの会合がこういう動きに繋がっていくことについては私自身大変歓迎するところでございます。引き続き応援をしていきたいと思っております。

3番目でございますが、環境省が中心となって推進している「J-VER」というカーボン・オフセットのクレジットがありまして、特定のプロジェクト、施設がどれだけCO2削減に貢献しているかということを認証して、その認証されたところのCO2の削減量に見合って取引をするということが可能になるわけでございますが、今般、県内第一号の「J-VER」として、下呂市の馬瀬の温泉施設であります「美輝の里」が認証されたということでございます。

ここでは従来、灯油ボイラーを焚いておりましたものを木質ペレットボイラーに転換して、CO2排出量の削減、あるいは森林資源の有効活用に繋がっているということでこれが評価されたということでございます。これが認証されましたものですから、昨年の6月の全国豊かな海づくり大会で追加的に排出されたCO2をこの美輝の里のCO2削減でオフセットするという取引といいますか、売買も成立いたしました。この美輝の里では年間402tのCO2が削減されると認証されておりますが、これに対して海づくり大会では参加者に募金を呼びかけて23万円のご協力をいただきました。海づくり大会では30tのCO2が追加的に出たという計算をしておりまして、この23万円を美輝の里に払って、402tのうちから30tをいわば買うことによってオフセットするということで、こういう仕掛けでの取引の第1号ということでございます。地域で発生したCO2は地域でオフセットする、相殺するという、いわば「CO2の地産地消」の第1号の事例が誕生するということでございます。

来週2月7日ですが、お手元の資料にも書いてございますけれども、県庁の第1応接室で、このJ-VER認証取得の報告会とカーボン・オフセットが行われることについての式典をやらせていただこうと思っておりまして、こうした取り組みがこれからどんどん進むことを期待しておるわけでございます。この美輝の里以外にも、今、8事業者が認証取得を目指して取り組んでおられますし、この環境省のJ-VER以外にもグリーン電力証書とか、あるいは経産省の国内クレジットという制度もございまして、そういったところに申請をしておられるところもあります。また、昨年東海三県一市で、このカーボン・オフセット推進のためのワーキング・グループをつくって、それぞれの県市においてどれだけのクレジットがあるかということについてデータベース化をするとか、情報交換するとかいうことで、お互いに積極的に活用できるようにしていこうではないかということで議論しておるわけでございます。

2月16日には環境省主催、岐阜県も含めまして三県一市共催で「カーボン・オフセットEXPOin名古屋」というものが愛知芸術文化センターで行われることになっております。このカーボン・オフセットについて東海地域でも大いに取り組んでいきたいということでございます。

私の方からは以上です。

記者 新年度予算についてですが、先日の政調回答で規模については本年度を若干下回るという見通しを示されました。税収の見通し、企業の決算を見ていると回復傾向にありますので、税収についても回復していくのかなというふうには思われるのですが、新年度どのように見通されているのか教えてください。
知事 今まさに、地方交付税とか臨時財政対策債といったものについてどの程度見込めるのかというような作業が国でも行われておりますし、またその動きをみながら各県がこれをどうそれぞれの予算編成の中に取り込んでいくのか作業をしているところですので、もうちょっと具体的な金額についてはお時間をいただいて、大体こんなところでいけそうだというところで発表させていただきたいと思っております。もう少し時間をいただけるとありがたいなというのが正直なところでございます。
記者 建設会社の希望社が、差額の寄付を断ったという問題がありますが、知事なりの所感をお伺いしたいのと、希望社が今後も同じような状況になったらまた寄付を申し出るなりなんなりすると言っているんですけれども、今後また寄付の申し出があった場合にどう対応されるのかお伺いしたいんですが。
知事

私ども最低価格制度というものを敷いて、その算定方式も国の考え方、基準、標準、それから岐阜県として具体的にどうするかというようなことについて、庁内の検討会もありますけれども、第三者委員会にもお諮りをして、ひとつのシステムとして運用しているわけです。今回の一連の経緯の中で、改めてそういったことの精査も第三者委員会も含めてさせていただきましたけれども、この趣旨は例えば下請けへのシワ寄せとか、いろんなことも含めて最低価格制度を敷いているわけで、この制度自身に改めて精査して特に問題があるという議論はございませんので、やはりこの制度は維持していこうということであります。それから希望社との契約もまさにその制度に則って行われてきておりますので、仕事もお金のやりとりもその制度に則ってやっております。全てが終わった後で実は過剰所得があったんですよと、こういうふうにおっしゃるわけですけれども、私どもとしては過剰所得を折り込むようなシステムだとは思っておりませんので、過剰所得だということでご寄付されるのであれば、それは私どもとしては理解できないところであるというふうに申し上げておるわけであります。そうではなくて一般のご寄付であればもちろんお受けするわけでありますけれども、過剰所得だということでお出しになるとすれば、私どもとすれば趣旨が違うんではないかということでお断りしているところです。

したがって、最低価格制度についてはやはり不断の見直しが必要かと思いますので、いろんな議論はしてまいりますけれども、現時点で私どもとして特に問題があるというふうには思っていないということでございます。

記者 下請けへのシワ寄せという話が出てきましたけれども、例えば希望社の場合は、希望社の下請けが実際に利益があがっていたのかどうかとか、そういうヒアリング、あるいは調査はされたんですか。
知事

最低価格制度というものが、一つ一つコストの積み上げをやってきているわけですね。

それについて国の標準もあり、岐阜県の状況もあり、そういうことを勘案して作られているものですので、その最低価格制度の中に過剰利潤を入れて計算しているということは私どもにはありません。そういう意味でこの制度を維持した上で進めていくということでございます。

記者 個々のケースまでは検討しなくていいということですか。
知事 お金に色は付いていないわけで、どれがどう、それぞれの下請けのそのまた下請けへ、というところを追究していくのが最低制限価格制度ではありません。また、全国的にも一定の標準、計算方法も決まっているわけですし、私どもなりに県内の状況を踏まえて第三者委員会に諮ってそういうことをやっているわけですので、さきほど申し上げましたように不断の見直しはもちろんございますけれども、今回の出来事の中でシステムを変えるつもりはないということです。
記者 希望社の件ですが、知事は今、問題ないとおっしゃいましたけれども、最低価格制度が高すぎるんだという問題提起だと思うんですが、その辺についてはどうお考えですか。
知事

今回も希望社の一連の事例について、庁内の検討会でもそうですし、第三者委員会でも今回の最低価格がどうであったかということについて再審査をして、問題がなかったという結論になっておりますので、私どもとしてはそれに則ってやらせてもらったということです。

それで、過剰利潤だとおっしゃることについては、そういうロジックは私どもとしては最低価格制度、今の最低制限価格、これについては、本件については問題ないと思っております。

記者 内ヶ谷ダムの情報公開の関係で、クマタカの営巣について、それが、営巣しているのかどうか全く分からないような状態で情報公開が行われなかったということなんですが、この公開について知事のお考えを教えていただけますか。
知事

今日実は、今朝新聞を読んで、私も登庁してから状況を聞いたばかりなものですから、もう少し精査をしたいと思っております。考え方としては県の情報公開条例があって、それに則った運用があるわけなんですが、情報公開条例の中に「当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがある場合には、情報公開を控える」という一種の例外規定があって、これも公開しておりますけども、「岐阜県情報公開条例解釈運用基準」というものもありまして、その中に希少野生動植物種等の生息場所等というのがございます。これには、希少野生動植物種等に指定されている生物の生息場所等が具体的に特定できる情報であって公にすることにより、盗掘・乱獲のおそれがあり、当該生物の保護に支障を及ぼすものは非公開とすると、こういうルールになっております。

実はこの考え方は国の方も同様でありまして、内閣府でも例えば、治山工事などで対象区域が公表されていて、どの辺に希少植物・生物がいそうかという絞り込みが可能となっている状況の下では、情報公開をすべきではないという運用がなされております。

私どもの解釈もそういう規程に沿ったものでございまして、本県の場合には、この内ヶ谷ダムのダム本体の位置も確定しておりますし、そこに至る工事用道路も最終段階まで来ているということで、かなり生息の場所について具体的なレベルまで来ているということで、事務方としては情報公開を今の考え方に則って控えさせていただいたということだと報告を受けております。なにぶん今朝、私も伺いましたので、もう少し精査をさせていただきたいと思います。

記者 私もいろんな環境調査の取材をしてきて、通常、いろんな事業でこういう希少種が見つかった時に、場所は言えないけれど当該地域あるいは周辺に出たというような種の名前は公表するのが一般的だと思うんですが、今回のケースは何が特殊だったんですか。
知事

まさに、精査したいと申し上げたのはそういうところなんですが、私が報告を受けている所で申し上げますと、だいたいどこにいそうだということが、プロジェクトとしてかなり特定をされるので、そうすると、今おっしゃったように種を公表すると、あそこにいるな、ここにいそうだな、ということが具体的に見えてくるということを判断材料にしたということです。もう少し、例えばどう具体的な懸念があるのか、私なりに精査をさせていただきたいと思っております。ロジックはそういうことなんですが。

例えば、長良川圏域河川整備計画の中でクマタカ、オオタカ、イヌワシが生息しているということを公表したことがあるんですが、その時は、長良川流域と言っているものですから、かなり広いということで、どこということがそこから特定されないので、おっしゃるような種を出したという判断でした。一方、この内ヶ谷ダムというとかなり限定されるというのが私ども事務方の判断基準だと聞いておりますが、その辺り、いろいろな事例だとか、具体的にどこがどう特定されると懸念されるのか、そういうことをよく見てみたいと思っております。

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