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知事記者会見(平成23年1月4日)

記事ID:0007770 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成23年1月4日(火曜日)午後3時

知事

改めましてあけましておめでとうございます。また今年1年お世話になりますが、よろしくお願いします。

今日は職員の仕事始め式でいろいろ申し上げまして、私の思いは概ねあのようなことでありますので、繰り返しはしませんけれども、暮れの会見でも1年を回顧していろんなことを申し上げましたように、今年は積極的な意味での清流の国づくりということで、国体への準備や、清流を守る、育てる、あるいは活かすといいますか、そうした「清流の国ぎふ」づくりに重点を置いてやっていきたいという思いであります。

「ふるさとへの誇り」ということでずっと県政をやらせていただいておりますけれども、5年前の全国植樹祭と、昨年の全国豊かな海づくり大会、あるいはAPEC中小企業大臣会合、上海万博等々を通じまして、「清流の国ぎふ」というイメージを多くの県民の方と共有できてきたんではないかと思っております。その「清流の国ぎふ」づくりということで昨年は良いスタートを切らせていただいたということで、言わば「源流」といいますか、あちらこちらでそういう水の流れが起こってきて、それを今年は「本流」にしていくというか、太い流れにしていくというのが今年の大きな方向かなと、こんなふうに思っております。

昨年は非常に行事の多い年でございましたし、また、それに相当エネルギーを割きましたけれども、今年は昨年と比べますとそういう行事を追いかけるというよりは、もう少し落ち着いた年になればというふうに思っております。

お手元に主要事業予定という資料がお配りしてありますが、御覧いただきますと、まず1月から始まりまして、1年後のぎふ清流国体に向けて、競技ごとにリハーサル大会というべきものが次々と行われてまいりますので、これ自身がぎふ清流国体の準備に繋がっていくということでございます。それから、新しいエネルギーインフラということで、公共施設型とか住宅型とかやっていますけれども、今度は岐阜市で「都市モデル」、郡上市で「中山間地モデル」を稼働させていこうということで、次世代エネルギー産業を岐阜県としてどう育てていくかということを視野に入れながら、こういったモデルを進めていくということであります。それから3月末までにはドクターヘリの運用開始も行われますし、それから2機目の防災ヘリの導入も行うわけでありまして、こういったこともございます。

それから「3月までに」の部分に書いてはございませんけれども、当然、来年度予算を編成して議会で御了承を頂くということであります。来年度予算の編成、今後その作業がいよいよ本格化していくわけでありますけれども、おそらく4つの柱立てで行うということであります。

第1が活力ある産業、雇用の創出ということで、とりわけ「変わる中小企業」というテーマで総合的な中小企業政策が打ち出せないか、であるとか、あるいは新たな観光交流の展開、さらには強い農畜産業の確立というようなことを念頭に置いた政策展開を考えております。

2番目の柱が、狭い意味での「清流の国ぎふ」づくりということで、先程申し上げましたが、清流を守る、活かす、伝えるというテーマで、様々な政策を束ねていきたいと思います。

それから3番目の大きな柱が、これにも関連しますが、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会の開催準備ということでございまして、今年どこまで準備をしっかりやれるかが、そのまま国体、あるいは清流大会への成功、不成功に繋がっていくというふうに思っております。おそらく来年1年間は、岐阜はスポーツイヤーになるのではないかと思っておりまして、1月が国体のスケート、2月が国体のスキー、それから4月から5月にかけましてはロンドンオリンピックのホッケーの予選の国際大会を各務原に誘致しております。日本も、男子女子それぞれそこに登場するわけです。それから5月の15日、高橋尚子杯「ぎふ清流マラソン」ということで、これはお手元の資料の5月のところにありますけれども、1万人規模の大会ということで、いろんな人に大勢参加していただいて楽んでいただきたいと思います。岐阜の魅力を満載したコース設定にしようということで、高橋さん自身に選んで頂いておりまして、そういう意味で盛り上がるということと、それから来年はロンドンオリンピックの年でありますので、ロンドンオリンピックに向けてアスリートが世界に羽ばたいていくという意味で参加していただくということもありまして、楽しめる、盛り上がる、羽ばたける、そういう大会にしようということであります。7月、8月はロンドンオリンピックがありますし、9月早々に国体の水泳が始まりますし、9月29日が国体の開会式ということになります。そしてその後10月に入りますと、清流大会があって、11月はいびがわマラソンということでスポーツを中心に岐阜の魅力を発信していくということになりますので、それの準備が今年の1年と、そういうことになるんではないかと思っております。

それから4番目の予算の柱が、安全・安心な地域づくり、人づくりということで、防災対策、あるいは地域医療、介護といったような暮らしの安全、安心ということと、地域のつながり、再生、少子化対策等々の人づくりということです。

おおざっぱなイメージですけれども、そんなような4つの柱を中心に予算編成作業がこれから進んでいくのではないかということですけれども、もうちょっと内容が詰まってきたらまた逐次、御紹介したいと思います。そんなイメージで今作業をしているところでございます。

それから今年の4月は、資料に「森の合板工場」と書いてありますが、中津川に、日本の合板の最大手メーカーのセイホクの、日本では初めての100パーセント国産材を使った内陸型の合板工場ができますので、これによって大きく間伐材の流通が変わってくるんではないかというふうに私ども期待をしております。

それから、私ども、「子どもかがやきプラン」ということで特別支援学校を順次整備をしておりますけれども、それの5校目が「可茂特別支援学校」ということで4月に開校いたします。

5月は「ぎふ技術革新センター」ということで、産学官連携のセンターを関市にある県の機械材料研究所に作ろうということで、特に航空宇宙関係の部材開発、あるいは医療機器の開発といったようなところに力を入れていきたいと思っております。

高橋尚子マラソンは今年が第1回、以降毎年5月にやっていこうということであります。

5月21日に、ちょうど5年前の植樹祭と同じ日ですが、あれから5年、これから5年の植樹祭ということで、下呂市で開催をしようと思っております。

6月が、ぎふ清流国体に向けての総決起大会。

7月が「清流月間」ということで、様々な環境保全の取り組みを集中的に実施していこうということです。もう少し固まったところで、正式に発表したいと思っておりますけれども、一部でも伝えられておりますように、音楽家の坂本龍一さん、彼が主宰をするNPOと、岐阜県としては正式に協定を結んで、森林づくりあるいはカーボン・オフセットというような仕組みと、岐阜県の環境をテーマとした観光、そういうもののコラボレーションをやっていこうということで、今調整をしております。岐阜においでいただいて協定を結ぶか、場合によっては彼の本拠地がニューヨークですから、こちらからニューヨークに参上して協定を結ぶか、できるだけ早くきちっとした形でスタートを切りたいなというふうに思っております。

9月、10月が3年に1回の「国際陶磁器フェスティバル」ということで、東濃3市を舞台に行われますけれども、これまではどちらかというと芸術性というところに着目して、優れた作品を顕彰する、評価するということを重点的にやっておりましたが、今回のフェスティバルは陶磁器産業の振興、産業振興というところにも重点を置きまして、どのようにして消費者にとって魅力のある、競争力のある、売れる陶磁器産業を育てていくかという観点からのフェスティバルにしたいと思っております。

10月の「ものづくり岐阜テクノフェア」これは隔年でやっておりますけれども、同様の考え方でやっていこうかなと、こんなことでございます。

去年は、海外はマレーシア、シンガポールへ4日間ほど行きましたし、上海もありましたけれども、今年は今のところ具体的な海外出張のイメージはありません。ただし、カリフォルニアへの移民が盛んだったころに、岐阜からも随分行っておられまして、南カリフォルニア岐阜県人会というのが今年100周年を迎えるということで、大会をやりたいという話もいただいております。100年に1回と言われますと、やはり応援、激励、あるいはいろいろなお手伝いに行くのも務めかなと思っております。

あと海外は、去年、一昨年でやってきたことのフォローアップをやっていくということですから、必ずしもトップセールスでなくてもやりようがあるのかなという感じでおりまして、私自身、どこに出掛けてどうということは今のところありません。やっぱりエネルギーの相当部分は、国体の準備に使っていかざるを得ないのではないかなと思っております。

それから、ぎふ清流国体・ぎふ清流大会、この両大会に向けて、例えば様々なジャンルのボランティアが大体6,000人ほどお願いしないといけないということで、この6,000人のボランティアをどういうふうにお願いをしていくかとか、それから延べ18万人余の宿泊客数になるということでありますので、この宿泊体制も、まちづくりと併せて、おもてなしと併せて、エネルギーを注がざるを得ないのではないかと、そんなことを思っております。

大体以上が、今年1年間の展望でございます。

それから、もう1つは、今日仕事始めの御挨拶の時にも申し上げましたけれども、12月28日の夕方、私どもの東京事務所長が宮内庁に呼ばれまして、陛下の御製を頂いてまいりました。それをお話するタイミングがありませんでしたので、既に御案内かもしれませんが、御報告させていただきます。天皇皇后両陛下の行幸啓、3つの大きな行事というのは、御案内のように植樹祭、国体、海づくり大会とあるのですが、去年は植樹祭が神奈川県足柄、それから海づくり大会が岐阜県、国体が千葉県でしたから、それぞれ3県が呼ばれまして、こういうものをいただきました。この中、ボードの中にこういう御製が入っているということでありまして、これは手でお書きになられた文字ではなく印刷した物なんですが、「手渡せるやまめは白く輝きて日本海へと川下りゆく」と、こういう歌でございます。私ども推測するに、陛下は、岐阜の魅力というのは、日本海へ通ずる水系と、太平洋に通ずる水系と2つの大きな水系を持っていることで、これを大切にすべきだと、こういうふうにおっしゃっておられたわけございます。長良川から太平洋に流れゆく魚については、あそこで御放流をされておりますので、樋をつたわってずっと長良川に下りていって流れていくところは見ておられるわけですが、もう1つ「お手渡し」というのがありまして、その1つが「やまめ」なんですけれども、日本海側に放流する魚を子どもにお手渡しをされました。陛下から子供に「やまめ」の稚魚をお手渡しになって、その稚魚はそのまま白川村に行き届けられまして、白川村で放流をして、庄川を通って日本海に注いだということございます。長良川、太平洋に行く稚魚については、目の前で見ておられるわけなんですが、その放流を御覧になっていない、「やまめ」について思いをいたしておられるということで、そういう意味で、その放流した魚も、そしてお手渡しをした魚も、両方お心に掛けて頂いている、そういう主旨だということで、私どもも思っております。そういう意味で、この「やまめ」が生き生きと下っていく姿が思い浮かぶわけでありまして、まさに生き生きとした清らかな印象を受けます。「清流の国ぎふ」にふさわしい御製を頂けたのではないかなと、こんなふうに思っております。

それで、私どもとしては、この岐阜県で海づくり大会が行われたということを後世に残したいということで、式典の行事会場になりました関市文化会館に市民広場というのがありますが、そこに御製碑という格好で建立する準備を進めていきたいと思っております。今年の6月に海づくり大会1周年の記念行事で御披露するという方向で、今検討しております。それから、今月中に発行します大会の記録誌がございますが、その記録誌にはこの御製を掲載しようということで、準備を進めているということでございます。

ということで、この御製とともに海づくり大会の意義を後世にしっかりと伝えていきたいと、そしてまた、「清流の国ぎふ」づくりに活かしていきたいと思っております。

私の方からは以上でございます。

記者 菅首相の年頭の挨拶の中で、社会保障と消費税を含む財源問題について、6月頃までに一つの目途、方向性を出したいというお話をなさっていたんですが、知事御自身の消費税の増税についてのお考えと、国に対して消費税や社会保障の財源について御注文があればお聞かせください。
知事

これは国にとってもそうですし、地方にとってもそうですけれども、少子高齢化が急速に進んでいく中で、今後、特に高齢化社会の持続可能なシステムをきちんと組んでいく上で財源問題は避けて通れない問題だと思っております。その部分が素通りしたままではどうしてもいろんな議論に限界があって、下手をすると負担の押し付け合いみたいな議論になりかねない、あるいは財源論抜きの制度論になりかねないというあたりが大変危惧されるところであります。そういう意味では財源論も含めて、日本の未来社会について組み立てていくということは大変大事ではないかと思っておりますし、それから消費税も含めて、地方にとってどういう財源を用意することが安定的な財政運営に繋がるかという意味で、私どもとしては地方消費税というものを、偏在の少ない、格差を助長しにくいタイプの税制ということで、評価をしておりますものですから、そういう方向で議論が進むということは、結構ではないかと思っております。問題はこれから具体的にどういうスケジュールなり行程表で物事を進めていかれるのか、それから着地点としていつ頃どのようなことを念頭においておられるのかという辺りが必ずしも今日の話ではよく分かりませんので、これからいろんな形で議論が進むと思いますから、注目していきたいと思っております。

それから岐阜県の財政の将来を考えてみましても、急速な社会保障費の右肩上がりというものをどうこなしていくかということ大きな課題で、今3年間のアクションプランを作って実行し、そしてある程度のところまで描けておりますけども、自ずとこれは一定の限度もありますから、当然そういう国全体の制度設計の中で、岐阜県財政のあり様も考えていかなければいけないと思っておりますので、そういう意味でも大事な原点だと思っております。

記者 予算の柱立ての中で、安全安心な地域づくり、人づくりということをおっしゃったと思うんですが、例えばこの分野でこうしたいとか、こういうアイデアがあるとか、具体的なものがあったらお聞かせください。
知事 またこれは予算の中でお話していきますけれども、今は各部局から知恵を絞ってもらってそれを予算の枠の中でどう組み込んでいくかということに汗をかいていくタイミングなわけです。当然想定されるのは、例えば去年、集中豪雨で様々に検証された論点・課題をどこまでこなせるかということもありますし、それからドクターヘリの具体的な運用でありますとか、防災ヘリの運用でありますとか、そういったことも出てくると思いますし、テーマとしてはいろいろあると思います。医師不足とか救急医療対策も安全安心に繋がる話ですし、医師不足対策は奨学金とか地域枠の拡大など、いろいろなことをやってきていますけれども、それをまた予算的にさらにどういうふうに続けていくかという問題もあります。救急医療については岐阜大学の附属病院でパイロットモデルをやっておりますけれども、あれをオール岐阜のプロジェクトとしてどのように組み立てていけるか、多くの医療機関の協力が得られるかということも大事でありますので、そういったものをある部分では予算、ある部分ではネットワークづくりということで、構築していくといったこともでてくると思います。そういったことに今、知恵を絞ってもらっている段階だと思います。
知事 それでは、また一年お世話になりますけども、よろしくお願いします。

 

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