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知事記者会見(平成22年11月26日)

記事ID:0007684 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成22年11月26日(金曜日)午後2時40分

知事

会見日程がイレギュラーになりましたけれども、お許しいただきたいと思います。

一括交付金の問題で、政府との意見交換を早急に、という話でございましたものですから、急遽昨日の夜上京しまして、今日午前中ずっと議論をしてまいりました。ホットなところでございますので、状況を御報告したいと思います。

一括交付金の問題は、今週月曜日に都道府県知事会議が官邸で行われました時に、総理以下、総務大臣等々おいでになりまして、私どもの方からしっかりとした制度設計をお願いしたいという話を申し上げた次第でございます。その同じ月曜日の夕刻、事実上の国と地方との協議の場というのが東京で行われているわけで、総理はじめ閣僚と地方六団体、知事会、県議会議長会、市長会、町村会、それぞれの議会の議長会ですが、この六団体との間でやりとりがありました。そこで粗々の案といいますか、正式名称「地域の自主性を確立するための戦略的交付金」、略称「地域自主戦略交付金」というふうに国は名付けておりますけれども、この概略の説明がございました。これについて早急に知事会としての意見が欲しいということでございまして、今日はそれについての知事会としての意見を持っていったということでございます。昨日、一昨日、全国47都道府県の意見集約をして、整理をして今日お持ちしたということでございます。

まず、この一括交付金に対して、政府、総理をはじめとして関係閣僚の方々にいろいろと御尽力をいただいているということについては、私どもとしては大変感謝しているわけでございますけれども、できるだけ地方に実権を持ってもらおうと、そのためにひも付きの補助金を思いきって整理をするんだと、こういうことでございます。せっかくの制度ですから、地域にとって本当に有意義なものにしていきたいということで、総論というよりは各論の制度設計のフェイズに入って、かなり細かな意見を全国各都道府県の意見を集約して申し上げた次第でございます。

おおまかに言いまして、1番目には、段階的にこれを実行していくとしておっしゃっておられるものですから、この「段階的」というのはどういうスケジュールなのか。例えば、来年度は投資分野について一括交付金化を、それもまずは都道府県分だけ、という話なものですから、それ以外はどのように進んでいくのか。それから5千億円程度ということが言われておりますけれども、例えば投資関係の補助金だけでも3.3兆円あるわけでございまして、全体をどうするのか。それから一括交付金というのはそもそも本格的な地方への税財源移譲までの過渡的なものだと、そういうことを民主党政権が言っているわけですから、だとすればどう過渡的なのかと。つまり本格的な税財源移譲に向けてのスケジュールをどういうふうにするのかというような、大きな流れが第1点でございます。

それから2番目が規模の問題で、例えば投資的補助金ということでいえば、今3.3兆円が分母でございますので、一括交付金にどれだけ切り分けられて、仮に1兆円なら残りの2.3兆円、これはどういうことになるのかと。要は、私どもとしては地方として活用できる補助金がトータルとしていくらになるのか、その中のどういう部分が一括交付金ということになるのか、それから更には交付税も含めた地方の財源全体がどうなるのか、こういう全体像の中でこの一括交付金化されるものを評価していくということでございますので、そこら辺の見取り図をはっきりさせていただきたいということであります。基本は総額を減らさないでもらいたいということで、一括交付金化すると合理化されて、補助金がカットできるという議論がしばしばあるわけですけれど、補助金カットのためにこれをやっているわけではないので、まずは総額というのはどういうことになるのか、全体像を、ということでございます。

それから、今1兆円と言われておりますけれども、1兆円の次のスケジュール、さっきと重なりますけれども、総額の問題として1兆円の次はどういうステップになるんでしょうかというようなことも申し上げました。1兆円のうちまず都道府県に5千億円で、残り5千億円を市町村分であるかのように言われておるわけですが、投資的補助金の中で都道府県分、市町村分のシェアの問題というのは、かなり年によっても違いますし、このへんもその分割をどう考えるかということについても、もう少し丁寧な議論がいるのではないかというようなことでございます。

それから、先ほども言いましたように、自由度を増せば多少削れるかもしれないという話がございますが、その合理化部分といいますか効率化部分をこれからどういうふうに評価していかれるのかというようなこともお尋ねをしております。

それから総額を各自治体にいくらという提示をして、それを受けて例えば岐阜県に100億円と提示されましたら、岐阜県は100億円で事業計画をつくって内閣府にお出しをするということです。そうすると今度はお出しをした中身に応じて、この分は国交省、この分は農水省、この分は文科省というように予算が配分されまして、例えば道路であれば国交省分ということになって、それで国交省分の補助率とか、それから起債措置とか、そういう既存の補助制度の仕組みの中に位置付けられて地方にお金がくるとこういうことになっております。地方が作る計画が各省庁でどのようにチェックをされるのか、あるいは事業計画というものはどういう性質のものとして出していくのか、あるいは事業間、年度間の流用とか、そういう弾力的な運用ができるのかどうかとか、いろいろございます。従来の補助金交付要綱で、かなりきめ細かに国が規制をしているわけですが、その部分が残るのか残らないのかとか、つまり地方が計画を作って出したあとの、国のチェックがどういうことになるのかということを明らかにしていただきたいということを言っております。

それから、地域再生基盤強化交付金という約1000億円の22年度予算がありまして、これは地方に5カ年計画を作らせて、それをチェックしていいものについてはある程度使い勝手のいいお金を配るという、いわば一括交付金の先駆的なものですが、それを突然、23年度は廃止、各府省版の事業仕分けをやって廃止にしましたという話がありました。そうなると計画的にやろうとしましても、突然廃止となると一体あとはどうしてくれるんですかというような、既にある仕組みの運用からきた懸念といいますか、問題といいますか、そんなことも指摘させていただきました。

それから配る基準、1兆円なら1兆円、5千億円なら5千億円を自治体ごとに配っていく際の基準です。「客観的指標に基づく恣意性のない配分」と一方で言い、他方で「条件不利地域等に配慮する」、あるいは「継続事業に配慮する」と言っておられるものですから、このあたりの基準の具体的な作り方、バランスといったことについて各都道府県いろんな意見がございまして、そういったことについてこれから詰めていく必要があるということをお伝えしております。

それから一括交付金化の対象となる事業の範囲は何かということで、さっきお話し申し上げましたように、事業計画を作って国に出す、それを国交省、農水省、厚労省というふうに割り振って、既存の補助金体系の中でお金が出てくるというようなことなものですから、そうすると既存の補助金体系にないものをやろうとしたときには、このお金が使えるのか使えないのか。それから県によっては整備新幹線の整備とかもありますし、既存の国庫補助事業とか、そういったものの地方負担分にこれを使っていいのかいけないのか。直轄事業負担金に使っていいのか、あるいは純粋県単独事業、単独事業のハードに使っていいのかいけないのか。投資的なものに使っていいのかどうかとか、つまりどの範囲の事業に使っていいのか、今ある補助金体系の中でみている事業だけなのか、その外もいいのか、そのあたりをやはり定かにしてもらう必要があります。

それから事業規模で線を引くというようなことが政府の方針で言われておりますので、事業規模というのはどの程度のことですか、ということで、金額の多寡に関わらず大事な事業もあるわけなので、そのあたりもよく議論をさせていただきたいということです。

それから、総理が出席された会議で私からも強く申し上げましたけれども、「子ども・子育て包括交付金」という、別の、子育てに関するすべての国、地方予算をどんぶりに入れて、ハードもソフトも何もかもそこでみて、それを地方に配るという構想が国にあります。この「子ども・子育て包括交付金」というものが議論されておりますが、これを作るとなると、この一括交付金の、かなり重大な例外ということになります。私どもとしては、国の仕事も、地方の仕事も、とにかくどんぶりに入れて、一切合切一つにしてお金を配るというやり方は、民主党の言っているところの地域主権、地方でできるところは地方で、国がやらなければいけないことは国で、という考え方からすれば、逆行しているのではないかと。しかも一括交付金を作る最中に、別の交付金ができるというのはいかがなものかと。こういう議論をしておりまして、そこら辺も改めて、お伝えをしたということです。それから継続事業が実施できるように配分するというくだりがありますが、継続事業というのは一体どういうものをいうのかと。特にハードの投資事業というのは、必ず何か年計画でやっていくものですから、そういう意味で、どういうものを継続事業というのかということと、一括交付金で行う継続事業と、一括交付金化しない補助金を使ってやる継続事業と、どういう関係になるのか。

そういう意味で、まだまだ必ずしも見えていないところがありますので、こうした制度を一つ一つ詰めていくことによって、まさに狙いとするところの、地域にとって自由度の高い、使い勝手のいい交付金になるように検討していきたいと、こういう話を私の方から申し上げました。

これに対しまして、そういった都道府県側の考えといいますか、実際に制度の運営にあたっての考え方はよく理解できるので、そういった都道府県の丁寧な一つ一つの要望といいますか、意見を踏まえて、これから政府内で制度設計をやっていきたいというお話でございました。個々の論点一つ一つにお答えはございませんでしたけれども、そういうことを踏まえて、制度設計をやっていきたいと。これから、時間もかなり限られておりますので、逐次また連絡を取りながら、意見交換をしながら、いいものをつくっていきたいと、こういうことで、答えておられました。

大体以上が、一括交付金の今日の議論でございます。従って、大きな枠組みといいますか、流れとして、制度化に向かって、国が踏み出しつつあるということについては、私どもは大変有難いことだと思っております。この踏み出す中で、具体的に制度がどうなるか、一つ一つよく検証しながら有意義なものにしていきたいという思いで、これからもいろいろと意見交換していきたいと、こんなところでございます。

私の方からは以上でございます。

記者 一括交付金のお話なんですけれども、戦略交付金として、来年度は都道府県分の5,000億円を対象とするというものが出たんですけれども、改めて、そのことに対する知事の評価と、来年度予算編成に、県に与える影響について、分かる範囲で教えてください。
知事

ひも付き補助金を一括して、可能な限り束ねて、地方の使い勝手のいい制度にして、より意義のある使い方をしてもらおうというのが、この議論の出発点でございます。その出発点に立って、今、国として踏み出そうとしておられるわけなので、そのこと自身、私は大変有難いと思っておりますし、精力的に今、政府の中で議論していただいているということであります。

ただ、かつて三位一体の改革の時に、財源移譲して、補助金を思い切って無くして、地方の自由にする仕組みができるんだということでありましたけれども、気が付いてみたら、その税源移譲のプラスと補助金のカット、それから交付税のカットと、トータルで眺めた時には、大幅な財源のカットになりまして、今日、地方の財政が疲弊することになった一つの大きな要因になっております。私どもとしては、そうした過去の経緯もございますものですから、やはり制度というのは、一つ一つ検証していく必要があるということで、もう少し具体的なところまで、議論を下ろしてもらう必要があるのではないかなという感じがあります。今日、私が申し上げたのは、言ってみれば、この一括交付金を意味あらしめるために必要なことを、ほぼ全面展開して、国の方に申し上げているわけで、もう少し国の方のスタンスも具体的に定まってきて、そしてもう少し具体的なレベルで議論できるようになるといいなと思っております。今日お渡しをしてきましたので、おそらく国の方も、この知事会の意見を睨みながら、議論を深めていっていただけるのではないかと思っております。その結果を見て、評価については申し上げたいと思っております。

それから金額もさっき申し上げましたように、2年間で1兆円、そのうちの半分の5千億円をまず都道府県にと言っておりますが、じゃあ、再来年、都道府県はどうなるのか、その1兆円はどういうお金で、都道府県に来る5千億円というのはどういうお金なのか、残った部分はどうなるのか、等々ございますので、まだ県の予算編成の影響を云々するところまでは、ちょっと具体的になっていないのではないかと思っておりまして、もう少し議論を待ちたいと思っております。

記者

まず1点ですが、今日、県公報で政治資金の収支報告書が公表になっているんですが、その中で知事の後援団体の「古田はじめを育てる会」から、自民党県連に2千万円の寄付がされています。このことについて事務局に確認しましたら、お付き合いで県連に出されたということをおっしゃられたんですけども、お付き合いで2千万円を出されるのは常識では考えられないので、どういった性格のものなのか教えていただければと思います。

それと、もう1点は、名古屋の河村市長がリコールの責任を取って辞めるということを表明されましたけれども、その点について、知事はどのようにお考えか。要は市民が行ったリコールに対して首長が責任を取って辞めるということに対してどのようにお考えか、その2点についてお聞かせください。

知事

まず、後段の方は首長と議会、あるいは首長と住民の意思というものが、特に地域主権と言いますか、地方が自立をして物事を決めていくと言いますか、そういう中でどういうバランスで進んでいくのがいいのか、ということで、名古屋に限らず全国的にいろんなケースが出てきております。私としては非常に興味深く見守っていると言いますか、フォローさせていただいておりまして、一方で国の方も署名活動の期間が長いか短いか、制度的な見直しが必要かどうかの議論も残っておりますし、ここら辺は、地域主権の中に団体自治といいますか、自治体自身の自治という問題と、住民自治と言いますか、住民の意思をどう反映するかという、2つあろうかと思いますけども、特に後者の住民自治ということについて、どういうふうにこれから、地域主権を進めていく中で考えていったらいいかということで、大事な論点を提起していると思っております。今私自身、河村さんの御判断一つ一つについてコメントするという立場にはありませんけれども、非常に注意深くと言いますか、興味を持ってフォローはさせていただいております。

それから、この署名活動に河村さんご自身がかなり深く関わっておられましたので、地方自治法で首長自らが署名活動に積極的に参加するということをどの程度想定していたのか、そうでないのか、というところも論点として興味があるところです。そういう辺りから河村さんのご判断が出てきているのかも知れませんけれども。

いずれにしましても、今申し上げましたような論点を含んでおりますので、注意深くフォローさせていただいております。

それ以上に一つ一つの御判断について、私の方から現時点でどうこうというのは控えた方がいいんじゃないかなと思っております。

それから、第一の点でございますが、私どもとして、2期目4年間の県連とのお付き合いということで、寄付をさせていただいたということでございまして、それ以上の言い方はないと思っております。

記者 1期目4年間のお付き合いの中で寄付したというのは・・。
知事 2期目ですね。
記者 2期目。どのような、2千万というのはかなりの高額になると思うんですが・・。
知事 具体的に何に使うとか、積算があるとか、根拠があるとかそういうわけではありませんで、一つの判断といいますか、お付き合いということで出させていただいたということです。
記者 選挙のお金ということではありませんね。
知事 そうではありません。
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