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知事記者会見(平成22年10月19日)

記事ID:0007573 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成22年10月19日(火曜日)午後2時

知事

私からご報告させていただきますが、お手元に上海での岐阜県PRの実施という資料がございます。明日から5泊6日で上海、それから最後は北京へ寄って帰ってきますが、出かけさせていただきます。何といってもメインは23日から26日まで上海万博の日本館のイベントステージを使って行います「岐阜県の日」で、大いに岐阜をアピールするということでございます。

併せて、21日から27日まで1週間、岐阜県観光物産展を上海市内の伊勢丹百貨店で行いますし、それから21日には中国のメディアの方々に大勢集まっていただきまして、GIFUプレゼンテーションということで、これは上海市内のホテルで開催をすることにしております。これまで何度か概要をご報告しておりますけども、最終的に今回、いろいろな立場の方々がそれぞれのご関心、あるいは役割を持っていただいて、観光、農産物、商工分野、あるいは市町村、イベント出演者等々、ざっと150名の方々にご参加いただくということでございます。

官民一体で岐阜を売り込むというのが岐阜の最近の1つの手法でございますので、大いに進めていきたいと思っておりますし、結果的にそれがビジネス、交流に繋がればというふうに思っております。

それから私自身、経済産業省におりました時に、愛・地球博の開催準備に関わっておりましたこともございまして、やはりこの万博というものは、その時々に世界各国が何を発信したいか、何を主張したいかということが集約的に表れる場でもございますし、また、万博主催国、あるいは主催都市がどのように未来への取組を発信していくかということも大変興味深いわけでございまして、そういう意味で、今後の世界の経済、いろんな面で影響を及ぼしつつある中国・上海の状況をよく見て参りたいと、こんなふうに思っております。

これまで、万博と言うと右肩上がりの高度成長から高度消費社会へ見込んでいくという流れの中で行われたと思うのですが、大体オリンピックをやって数年空いて万博をやるというのがその流れの中のパターンでございまして、日本の場合は東京オリンピックがあって大阪万博、韓国の場合にはソウルオリンピックがあってテジョン万博と、それから中国は北京オリンピックがあって上海万博と、大体似たような流れを辿っているわけなのですが、そういった過去の例も含めて、よく見てきたいと思っております。

併せて、中国に既に進出して活躍している岐阜県の企業の現場も見せていただこうと思っております。それから、北京へ足を運びますのは、20年来の知人でございます丹羽大使、民間から登用されたわけでございますけども、いろいろとご活躍でございますし、今後の日中関係とか、中国の市場開拓とか、中国の今後進む方向とか、いろいろと意見交換をさせていただきたいというふうに思っております。

中国でいろいろな状況について報道がございますけれども、私どもが少なくとも今聞いておりますところでは、この一連の問題が起きて以降、上海万博会場の日本館において特段事情の変化はないといいますか、むしろ非常に人気があって、ここ数日間聞いてみますと大体6時間から6時間半待ちという行列が出来ているそうでございます。それから、9月から10月にかけまして各県もそれぞれいろいろな取組をしておりますが、予定通り、知事ないしは副知事が現地へ行って動いておられますが、特にこれという話も聞いておりません。また、先程、細江岐阜市長にも商工会議所のパーティーでお目にかかりましたけれども、昨日、杭州から上海経由で帰ってこられたようですけれども、特段のことはないとおっしゃっておられました。伊勢丹に聞いてみましても、従来と同様、来客数も来店者数も特に変化はないということで、観光物産展の実施に特段の懸念はないということを言っておられますので、粛々と行ってまいりたいというふうに思っております。

お手元の2枚目の紙にざっとスケジュールが書いてございます。あと現地の状況については、広報課の方から適宜情報提供させていただくということになっておりますので、よろしくお願いします。

それから2番目が、BCPプロジェクトについてでございますが、この10月末から11月にかけまして、ビジネス・コンティニュイティー・プラン、BCPの普及プロジェクトを岐阜県として本格的にやっていきたいと思っております。このBCPの問題は、最近では2007年の新潟県の中越沖地震の時に、自動車の部品工場が被害を受けて、国内全体の自動車生産が大幅にストップしたということがありました。自然災害とか事故等々、緊急事態に遭遇した時に事業を継続し続ける、あるいは早期復旧を行うために平時にどのような準備をしていったらいいかという緊急時における事業継続のための方法、手法を検討する、確立していくということが主旨であります。近年、企業の1つの危機管理の手法ということで大変注目されているわけでございますが、私ども実は昨年の新型インフルエンザの時にこの問題を提起しまして、昨年11月、新型インフルエンザのBCP策定セミナーというものをやったのですが、500名を超える参加者が殺到するという状況でございまして、非常に、県内企業の関心も高いということで、今般改めてこのBCPの普及ということで取り組もうということでございます。

3つの柱がございまして、1つ目は普及啓発、2番目は人材の育成、3番目は研究会の設置ということでございまして、今日本で唯一、この道の専門機関としてNPO法人の事業継続推進機構がございますが、ここと全面的な連携協力体制を組んで進めていくということでございまして、1つは普及啓発セミナーをやるということで、ここに書いてございます。27日大垣、28日各務原で行います。

それから、2つ目は人材育成ということで、集中講座をやろうということで、11月に5日間計33時間の講座をやろうということでございます。それから、講座の修了後は、修了者がいわばBCPの「伝道師」として県内企業に教えていくというようなことを考えております。さらに、来年1月を目途にこの講座の修了者、あるいはこのBCPに関心のある企業からなる「BCP研究会」を作りまして、これを岐阜県のBCPの中核機関として、様々な調査、研究、事例発表会等々、岐阜県のBCPに関するレベルアップ、あるいは企業相互の研鑚という場に持っていけたらと思っております。これが2番目でございます。

3番目が少子化対策でございます。お手元にお配りしました資料にありますように、3本柱といいますか、「ともに大事にする仕事と家庭」、「子育てにやさしい社会づくり」、「地域で支える子育て」、この3つの柱のもとで、様々な事業をやってきておりまして、いろいろと成果も上がってきております。資料の3ページ目にありますように、合計特殊出生率は若干改善傾向にございますけれども、出生数はずっとこのところ下がってきているということでありまして、課題として「結婚、出産後も働き続けることができる環境づくり」ということで、いろいろと政策を展開していきたいということと、岐阜県から通勤・通学を行うライフスタイルの提案、といったことを考えているわけでございます。

今日そういう流れの中でご報告させていただくのは、ひとつは「赤ちゃんステーション」でございまして、10月1日から岐阜市で先行してスタートしておりますが、「赤ちゃんステーション」という名称、シンボルマークについて、全県統一的に同じもので登録の募集を開始しようということで、今般、募集を開始したところでございます。そこに行くと授乳室やオムツ交換台などがあることを利用者に示すためのシンボルマークということで、子育て中の親子が外出しやすい環境づくりの一環として、やらせていただくということでございます。広くこのステーションに店舗・施設等々、登録をしていただこうということでございます。

それから、もうひとつアンケート調査の結果ですが、若者の県外流出をどうみるかということでございまして、お手元の資料をご覧いただきますと、3ページに、「岐阜県の住みやすさ」ということで、自然が豊か、名古屋等への交通の便が良い、住宅価格・家賃が安い、大型ショッピングセンターが多い、等々ございますし、それから「子育て環境の魅力」としては、やはり自然や子どもの遊び場が多い、親・親戚が近くにいるということであります。次に4ページをご覧いただきますと、県外への転出について、岐阜県在住の未婚者では56.3%が考えているということでございます。それから、県外転出する理由としては、若い未婚男性は仕事の都合、若い未婚の女性は結婚する相手の都合ということですし、5ページでございますが、転出した理由としては、仕事・職業、学業、結婚ということで、就職、進学、結婚ということで、若い方中心に県外に出ているということです。そのうち、例えば愛知県に行った方で、また岐阜県に戻りたいという方はどういう方々かといいますと、20代前半の未婚の男性、30代前半の既婚男性がもう1回岐阜県に戻るということを考えておられる割合が高く、5ページの下の方にありますが、理由としては、自然、住宅、物価、親の看病となっています。6ページに行きますと、戻るときに何で判断するかということで、やはり配偶者、仕事ということでございます。それから、戻りたくない理由は、愛知県の方が便利、通勤、希望する職種・職場ということでございます。7ページで、岐阜県にとどまるために望むものとしては、子育てに対する経済的支援、小児医療体制等々、それから未婚者が岐阜県にとどまる理由としては、雇用の場、通勤の利便性ということでございます。

9ページに若干の簡単なまとめがありますが、岐阜県の強み、弱み、それから岐阜県在住者の転出意向、岐阜県からいったん愛知県に出た方の岐阜県に再度転入する意向、こういったところを眺めてみますと、9ページの下の方に「施策1」とありますが、就職先として魅力的な岐阜県の職場のPR、あるいは岐阜県の暮らしやすさ、強みをもっと打ち出していくべきではないかと、そういったことが分かるわけであります。そういった調査の結果も踏まえて引き続き少子化対策に取り組んでいきたいということでございます。

私の方からは以上でございます。

記者 幹事社の朝日新聞からお伺いします。1つ目が、先ほど発表いただいた上海に行かれるという件ですけれども、確かに長期的な視点に立って販路拡大を図られるというのは必要なことだと思うんですけれども、一番知事もご存知でいらっしゃると思うんですが、今県内はかなり厳しい状況にありまして、起債許可団体になり、県民も県職員の方もかなり痛みを強いられている現状にあるのかなと思っています。そういう状況で、あえて上海に行かれる必要があるのかなと、疑問をちょっと感じておりまして、そこについて行く必要がどうしてもあるのかどうかということと、6日間日程がもし取れるのであれば、私はむしろ県内を回られて、県民の方とか、職員の方のお話を聞かれることの方が岐阜県にとって必要なことではないかと思いますが、知事はどのようにお考えになりますでしょうか。
知事

私ども、一昨年度、長期構想をお出ししましたが、岐阜県の将来を見越しますと、必然的に人口が減少する、担い手が減っていく、市場が縮んでいくということでございまして、どうやって岐阜県が経済的、社会的に、急速に進む人口減少、少子高齢化の中で活力を維持していくか、発展していくかということで、いろんなメニューを用意しております。そのうちのひとつが市場開拓、あるいは新しい商品の開発、販売促進ということで、県内、県外、あるいは海外市場、いろんな角度から多面的に岐阜の魅力をアピールしていこうとこういうことで、一連の飛騨・美濃じまんキャンペーンをやってきているわけです。一昨年が香港、昨年が香港、タイ、それから今年がシンガポール、マレーシア、そしてこの上海万博の機会をとらえて、上海から中国市場にどう入っていくかとこういうことでございまして、やはり県内だけではなく、県外、海外へと、マーケットにどうアプローチしていくかということは、岐阜県の経済の発展には欠かせないのではないかと思っております。とりわけ岐阜県の人口減少の状況というのは、大都市を別にしますと、日本国全体と同様の状況でありまして、成長するマーケットは今や東アジア、東南アジアという地域でございますので、その地域の需要をいわば内需というふうに心得て、積極的に岐阜の魅力、岐阜の産品をアピールしていくことで、マーケットを確保していくという、そういう流れのひとつのきっかけをつくっていきたいということです。最終的にはこれはビジネスツービジネスでやっていくわけですけれども、そのきっかけとして官民一体でまずは岐阜県をアピールすると、そして岐阜県を知ってもらう、岐阜県の魅力を知ってもらう、そういう中で様々な岐阜県の魅力に触れるということで、観光誘客でありますとか、あるいは物の取引でありますとか、あるいは投資促進でありますとか、そういったことが生まれることを期待しているわけです。1年に何十か所と行っているわけではありませんし、ただ行けばいいというわけでもありませんので、やはり相応の準備をして、手応えのありそうなところ、ありそうなタイミングをとらえてやっていこうということです。

今回150人の方、これだけ多くの方が参加するのはこの一連の取り組みでは初めてですけれども、やはり香港での成果、バンコクでの成果、シンガポール、マレーシアでの成果ということが、岐阜県内の観光業界の方々、あるいは様々な岐阜県ならではの物づくりをやっておられる方々に実感され始めてきたということの一つの表れではないかと思います。皆さん方それぞれ自らのコストでおいでになるということです。また先般、APECの中小企業大臣会合をやりましたが、そこでもいろいろな交流の糸口を、岐阜の中小企業の方々に掴んでいただいたり、あるいはセミナー、シンポジウムにも岐阜県の方に参加していただいたりしたわけであります。成長するマーケットにどう取り組んでいくかということの大切さをかなり切実に、またしかも岐阜県にアピールできるだけの魅力ある物がたくさんあるということの手応えを皆さん感じ始めておられますので、その背中を押していくというのも一つの行政の役割かというふうに思っております。

それから、県内を回ればということでございますが、ちょうどこの会見の後、多治見にも参りますし、この日曜日は関ヶ原にも行ってきました。いろいろな所に時間の許す限り回らせていただいております。県内も回りますし、先般のように東京・青山通りで岐阜のキャンペーンもやりますし、今度は同様のものを名古屋、大阪でもやります。県内、県外、海外、これらについて一定のバランスの中で、岐阜の活力、県の活力をどう高めていくかという観点から取り組んでいきたいと思っておりますし、そういう方針で今回やらせていただくということです。

記者 知事としては、やはり県内の事もちゃんと目を配っていくおつもりでしょうか。
知事 もちろんそうです。
記者 もう1点ですけれども、笠松競馬の事で、お伺いしたいと思っていまして、実は先日、北海道の高橋知事が、これは道営競馬ですけれども、道営競馬を存続させるということを道議会で表明されています。その理由を、馬券の販売環境の変化があるというふうにあげていらっしゃって、中央競馬と相互販売に向けて何か協議が具体化しているという動きがあるようで、それを理由に挙げて存続という方針を打ち出されているんですけれども、岐阜県の笠松競馬の場合に、この販売環境の変化ということが、存続に向けて、大きな要因となるというふうにお考えでしょうか。
知事

まず北海道につきまして、私どもが承知しておりますのは、平成22年度までに、単年度収支均衡といいますか、赤字を脱するということを目標にして、それができなければ廃止するという北海道のビジョンをお出しになって、それを踏まえてやってこられたところ、この10月になって、収支均衡が見通せる段階まで来たというご認識で来年度の存続を明らかにされたということです。北海道も大変ご苦労されている中で、そういういい見通しが開けてきたというご判断で、そのご判断の中に、今の中央競馬とのやりとりがどの程度、確かな物としてカウントされているか分かりません。岐阜の笠松競馬につきましても、今、お話のあったような中央競馬による馬券販売といいますか、そういうことの議論は、私どもも参画しておりますし、念頭にありますけれども、まだそれがどの時点で、どの程度の具体的な話として固まっていくのか、それから、それが笠松競馬の収入にどういうふうに反映されていくのか、どこまで確固たることがいえるかというようなことが一つのテーマだと思います。

先般の県議会でも申し上げましたけれども、今、6千数百万円の、いわば赤字補填の財源がある状況で、その蓄えの中で、まず今年度、10月15日まで終わっておりますけれども、1日平均では、約1割減なんですね。これからさらに、馬券の販売作戦も進めるとして、今年度末まで馬券の売り上げをどの程度に見込むか、そして、収益率の高い本場や恵那のシアターよりは、インターネットの販売額が非常に増えておりますものですから、そういうことも含めて、収入、収益をどう見込むかという作業があります。

それから一方で、歳出の方で、どこまで切り詰められるかということで、いろいろなシナリオをまず今年度後半について議論してみようと、そして、その結果として、今年度末まで、何とか赤字を出さずにやっていける、赤字といいますか、その赤字補填財源の範囲内でどうやればやっていけるのかということを議論するのが一つ。仮に、ここまで切り詰めれば、工夫すればできるとなった時に、それでは今度は新年度、23年度以降、さらに収入、収益をどう見込んで、さらなる努力はどんな事が有り得るかというような対策の選択肢を、一つ一つ積み上げながら、確実にできる事、多分できるだろうと思う事、何とかできたらいいなと思う事、あるいはなかなか難しいかもしれないけれども、この与えられた時間の範囲内で、何とか実現してそれが裨益するようにしようと思うと、いろいろあると思います。

今おっしゃった事を含めて、一つ一つについて評価をしてどう考えるか、どう乗り切っていくかいうような事を、今のところ11月8日ですか、協議会を予定しておりますので、私も帰ってきてから、それまでに作業は済むと思いますけれども、そういったシナリオを整理して、そしてそれを率直にお示しして、と思っております。あの場には、競馬の主な関係者が全部入っておられまして、インターネットの関係の方々も入っておられますし、マスコミ、スポーツ紙の方々も入っておられますし、自治体、自治会、地主さんとかいろいろな方々が入っておられますので、そこで、率直に議論をしながら、どういうシナリオでいくのかということについて、見定めていきたいと思っております。それまではしばらくまだ作業が続きます。先ほどおっしゃった点も、先ほど申し上げたいくつかの、どの程度確かな話として、考えていったらいいのかということをきちんと見定める必要があるのかなと思っております。

記者 先程、中央競馬の馬券販売についても、議論に参加されるというお話でしたけれども、目途としては大体いつぐらいに結論が出て、県としていつぐらいにそれをしっかりとした要素していくのでしょうか。
知事 その辺は、今度のシナリオの中で、少し議論してみたいと思っております。高橋知事がどういうふうに言っておられるか、私も今日初めて伺いましたので、またフォローしてみますけれども、そんなにまだ確固たるスケジュールとして、登場しているわけではありませんので。もちろん中央競馬界が、地方の競馬の馬券を売るということになれば、それが例えばどういうレースについて、どこの競馬場について、どの程度の事をやっていただけるのか、その結果として、例えば笠松をとった場合に、どんな候補レースがあって、どの程度の事が期待できるかというふうに、丁寧に詰めていく必要がありますので、その議論があるということは承知していますけれども、どこまで詰められるかというのも、よく議論してみたいと思っております。
記者 関連でよろしいですか。シナリオというものなんですけれども、8日に出てくるのは、県としての方針を示される、要は県としたらこういう方針でいきますがいかがですか、ということになるのか、もしくは、いくつかの選択肢を用意されて、それを一つずつ議論していくという形になるのか、それはどういう方針でしょうか。
知事

方針はまさにこの協議会で議論していくと。それで皆さんと議論していく中で方針が決まっていくということになると思いますので、私どもがお出しするのは可能な選択肢といいますか、可能な見通し、そして可能な選択肢、そしてその可能な選択肢の一つ一つも非常に厳しい選択肢もあるかもしれませんし、まあこれぐらいならできそうかという選択肢もあるかもしれません。いろんな度合いがあると思います。

見通しについてある程度幅を見た、なんとかこのくらいはいけるのではないかという所から、最悪このくらいまで覚悟しなくてはいけないという幅があると思います。収益収入見通しも。この幅の中で、例えばこのくらい覚悟しなくちゃいけないということに対してはどれだけのことをやらなくちゃならないのか、今、手元には6千万円しかないと、この6千万円をベースにどれだけのことができるのかと、こういうことだと思います。そういう選択肢を複数お出しして、見ていただいて議論するということで、役所が方針を決めたり、「どうですか」と言ったりするものとはちょっと違いますね。

記者 ある程度そこは、存続させる場合、廃止させる場合というように、具体的ないくつかのパターンが出てくるということでしょうか。
知事

そういうことでなくてですね、私は前から税金投入はしないという方針ですので、赤字補填の財源がなくなればそこで終わらざるを得ないわけです。どなたかがお金を出していただければいいんですが、要は収支均衡が、一つの事業としてやる以上は一つの大きな命題でございますので、その命題を達成するために何をしなければいけないか、そしてそれは果たしてできるのかということです。ですから協議会の方々が、ここまでやればこの程度の財源は見いだせるとか、この制度が変わればここまでやれるとか、その辺のそれぞれの選択肢の効果というものを見定めていただいて、これは最初にやろうとか、これは制度変更だから国に要望しなくてはいけないとか、なんとしてもこれは早くやってもらわなければならないとか、あるいは例えばインターネットの手数料が大変高いと、存続のためにはもう少し何とかしてもらえないかとか、地方競馬全体で交渉はしているんです。交渉はしているんですが、これをどう加速化していくのかとか。いつ頃までにどの程度の成果を上げなければいけないかとか、逆に期待しているものがダメだったときに、さらに身を削るためにはどこを削るのか、そういう選択肢の議論をしていくということで、それでそういう選択肢がなくなれば、あるいはどうやっても収支がバランスしなければ、これは存続が難しいということになります。

だからやめる場合のシナリオを出すわけではありません。どういう選択肢なら乗り切れるか、ほんとにその選択肢は採れるのか、いつまでにこの選択肢が実現できるのか、ということをしっかり詰めていこうということだと思います。廃止のシナリオとか、廃止ありきというものをお出しするわけではなく、どう頑張れるか、どこまで頑張れるかということだと思います。

ただ、どう頑張れるか、どこまで頑張れるかという道は、かなり険しいというふうに思います。その険しいところをみんなでどういろいろ意見を出し合って乗り越えて行けるかということだと思います。

記者 上海万博の件ですが、今のところ治安についての懸念はなさそうということですが、例えばそうは言っても県側は警備を増やすとか面談予定をなくすとか、そういったことはないんですか。
知事

今回は、万博への参加ということですので、中国という場所で行われる国際行事に日本が日本館を持って参加しているんですね。その日本館のスペースを一定期間岐阜県がお借りをして岐阜のアピールをするということでございますので、岐阜県が何か特別変わったことをするということではなく、他県と同じように日本館の他の行事と同じように粛々とやっていくということになろうかと思います。

それから岐阜県の友好交流先として江西省がありますが、岐阜県がこういうものを行いますとご紹介をしましたところ、もちろん省長さんとかそういう方はいらっしゃいませんが、江西省の方も岐阜県のオープニングに来て参加するとおっしゃっておられます。それから私どもも中国の各省の展示がございまして、江西省の展示も見に行こうということで、上海万博という場を通じて、岐阜県と江西省の22年間の交流もその一コマとしてやってきたいと思っております。江西省の方々と懇談する機会もございますので、いろいろと意見交換をしたいと思います。いろんな意味でざっくばらんな意見交換やら情報交換なりしてきたいと思っておりまして、特別なことを岐阜県がやるということではありません。毎日何かやっているわけで、万博という世界中の国が集まってそれぞれパビリオンを建てていろんな催し物をやる、人が出入りする、それから中国の方や世界中の方が見に来るという流れの中で、ある一コマを岐阜県がお借りをして発表するということですから、そういうこととして、私どもが特別警備を強化するというようなことはありません。

記者 予定が変更したりすることもないんですね。
知事 ありません。
記者 笠松競馬でもう1点だけすみません。最終的に協議をした結果、廃止もしくは存続という判断になってくると思うんですが、来年度も予算のことも含めてその方針を示す目途については、知事としていつ頃だと考えていますか。
知事 私は今年度乗り切れるかどうか分からないと思っていますので、今年度、年度末までどのように乗り切るかということから議論を始めて、それで今年度は乗り切れるとなれば、その上で来年度をどのように考えるかと。厳密にはおっしゃるように来年度の予算を作る段階、ということは年が明けてから、そこに行くわけですけども、ただ、手元の赤字補てん財源が非常に限られているわけで、あまり悠長なことは言っていられませんので、事実上23年度のシナリオ作り、存続するとすればこんなシナリオでいくんだということになるんではないでしょうか。
記者 そうすると、予算編成の段階では既に存続もしくは廃止の・・・。
知事 予算編成の段階は年が明けてからですから、11月、12月の実績値が入ってきます。私どもが今やる作業は、10月までの実績を基にそのあとの5か月間、その先をどう見込むかという作業をしながら、それに対応してここまで歳入を増やせば、ここまで歳出を削れば、なんとかこうなるという絵姿を描くわけですけども、そのまま、10月、11月、12月と少し良くなるのか、横ばいなのか、思いのほか悪くなるのかそこら辺によってはまた変わってくるでしょうね。もう今、とにかく手持ちがそれだけしかないわけですから、その辺の状況の変化に合わせてシナリオを変えなければいけないかもしれません。いずれにしてもまずはこの11月の上旬という時点で、10月末まで7か月分の成果を踏まえて待ったなしのところまできたということで、どういうふうに先を見込むかということだと思います。ただ、私自身はあまり楽観的な見通しの下に、楽観的な絵姿を描いてということでは、また後からもっと苦しいことになりますので、よほど慎重にやらなければいけないと思っております。
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