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知事記者会見(平成22年9月14日)

記事ID:0007300 2015年9月10日更新 広報課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

平成22年9月14日(火曜日)午後3時

知事

まず私の方から3点申し上げたいと思います。

1つは、お手元の資料で「『7.15豪雨災害』の対応について」、「7.15豪雨災害検証委員会中間報告対応事業一覧」、それから「平成22年度9月補正予算案の概要」と、この3つがセットになっておりますが、この7.15の災害の対応について、先般検証委員会の中間報告を行ったところでございますけれども、これについて出来るだけ早急に取り組むべきところからやっていくんだということで、短期のものは9月補正、中長期のものも来年度予算編成の中で検討していくんだと、こういうことを申し上げました。まずお手元の「資料1」にありますように、9月17日に今回のこの検証結果に則った、実践的な短期的・局地的災害対応の防災訓練をやろうということでございます。既に、中間報告に沿ってマニュアルも改訂しておりますし、そしてまた昨日全市町村に対しまして、新しいマニュアルをご提示して研修会もやらせていただきましたので、そういったことも踏まえて、短期的・局所的な災害にどう対応していくかという見地から防災訓練をやろうということでございます。2枚目に主要点検項目とありますが、まさに本部の設置のあり方、情報伝達のあり方、情報収集体制、あるいは通行止めとか諸々の機器、装置の検証といったようなことを遂次やっていきたいと思っております。

それから、同じくこの災害検証の中で触れられた事業として「資料2」がございますが、「ただちに取り組む対策」の列の下から2番目の欄にあります「うち9月補正計上分」が、23億3千9百万円ということでございまして、これを9月補正予算に計上しております。当初予算にも一部関連のものがございますので、合わせて24億5千8百万円ということで、この中間報告に書かれております、急いでやるべき項目については整備させていただこうということでございます。内容は、ハザードマップをより精緻なものにしていくということで、基礎調査を前倒しで実施するということでありますとか、あるいは通行止めを実施する前に大変時間がかかる場所について、遠隔操作によって直ちに通行止め表示をできるような表示板を設置するとか、アンダーパスの冠水表示板の整備でありますとか、あるいは河川、砂防関係のハード事業、それから河川の監視カメラ、あるいは観測機器のための避雷器の設置でありますとか、そんなことをやろうということでございます。

こういったものを織り込んだ9月補正予算が「資料3−1」ということでございまして、総額115億円ということでございます。国ともいろいろ調整しておりますが、7.15の災害復旧ということで、ここは主に国費がかなりのウエイトを占めますけれども、災害復旧事業40億円、それから先程申し上げました23億も含めた安全安心緊急対策ということで50億円、それから追加的な経済対策で2億6千万円、これは次のページに「資料3−2」がございますが、急激な円高の進行、あるいはエコカー補助金の終了ということが、回復基調にある県経済を減速させるのではないかと、そういう懸念を呼んでおりまして、それに対応して特に中小企業の資金繰り対策の強化でありますとか、新たな販路拡大、あるいは商品開発といったことについて、緊急対策としてテコ入れしようというものでございます。

それから1ページ目に戻りますが、財政調整基金への積み立て、これは下の方に主な財源内訳がございますが、平成21年度の繰越金が28億円ございまして、これを調整基金に積み立てて23年度予算の原資にしていく、毎年前年度の繰越金を積み立てて翌年度の原資にしていくというのが、行財政改革のアクションプランのシナリオでございまして、大体30億円くらいは21年度繰り越しがでるのではないかと思っております。大体そんなようなことで28億円基金に積み立てて、23年度の原資として用意するということでございまして、以上この9月補正予算、115億円という規模でございます。昨年度の同じタイミングと比較しますと、12.7パーセント減ということでございます。

それから次に「GIFU・iPhoneプロジェクト1周年記念」という資料がございますが、この1年間、このiPhoneというものを、岐阜県にとってのIT施策の核のひとつに据えまして、人材の育成、あるいは起業促進あるいは地域振興といったようなことでやってきたわけでございます。この資料の2ページ目に、GIFU・iPhoneプロジェクトのこれまでの取り組みということで、事業の状況がいくつか書いてございますが、iPhone塾、モバイルカフェ、iPhoneフロア、あるいはiPhoneを活用した地域振興と、いろいろ進めて参りました。特にiPhone塾は他県からも受講者が殺到するということでありますし、また受講者がこのソフトピアで起業し、また新しい商品開発を行ったという例も次々と出てきております。また前にもご紹介しましたが、セカイカメラを活かした観光振興への取り組みも大変好評でございまして、岐阜県のみならず他地域での導入の機運も高まっているというふうに思っております。このiPhoneプロジェクト、先だって開催されました全国知事会が主催する先進政策創造会議で、全国約2,200件の政策の中から優秀政策25件が選ばれたわけですが、その中の1つに本県のこのiPhoneプロジェクトが選ばれております。

1周年記念イベントということで、ここに書いてありますような行事を予定いたしております。これまでの活動のご紹介、トークセッションもございますけれども、特に全国からモバイルライフの新しいアイデアのコンテストということで募集しましたところ、400件以上の応募がございまして、これの優秀作品の表彰式も行いたいということでございます。またこの1周年を機に、さらにステップアップをしようということで、この資料の3ページ目に「さらなる飛躍に向けた今後の展開」とございますが、商品開発、あるいはiPhone自体の活用というようなことで、全国的なスマートフォンの一大拠点になるように、このプロジェクトをさらに進化をさせていきたいと考えております。セカイカメラの取り組みを通じて、岐阜県ゆかりの地を巡るイベントであるとか、あるいはぎふ清流国体・清流大会などにもこういったものを活かしていきたいと思っているところでございます。

それから、IAMAS、国際情報科学芸術アカデミーという、ちょっと長い名前ですが、このIAMASがソフトピアの近くにございまして、ここにまさにiPhoneプロジェクトの推進者たる赤松教授がおみえになり、大学院大学プラス専修学校というこのIAMASの卒業生、学生といった専門人材にもいろいろとこのiPhoneプロジェクトを進めてもらっているところです。このIAMASの産業文化研究センター分室をソフトピアジャパンに設置をして、産学の連携、地域との連携のいわば中核的な役割を担ってもらおうということで考えております。10月4日に開所式を予定しておりまして、また詳しくは別途ご案内申し上げたいと思っております。

IAMAS自身は、お手元の資料の2ページ目に枠の中に書いてありますが、「岐阜おおがきビエンナーレ」ということで、大垣市内各所で多彩なITや芸術に関するイベントを行います。それから東京以外で初めて行われます電子工作のデモンストレーションのイベントということで「Make」というプロジェクトがあるのですが、初めてこれが東京以外で行われまして、「Make:OgakiMeeting」ということで、9月25,26日と行われるわけでございまして、こういったイベントにもIAMASが大きく貢献してもらっているということでございます。

それから、3番目がぎふキャンペーンといいますか、飛騨・美濃じまんキャンペーンの新しいバージョンでございます。お手元の横書きの資料にありますように、岐阜県全体としてみますと左の折れ線グラフにありますように、観光客数は着実に増えてきておりますが、消費額がなかなか伸びない、つまり単価が必ずしも伸びてない、それから宿泊客数もなかなか伸びないということでございまして、改めて"ぎふを味わおう"、"ぎふに泊まろう"ということで、宿泊客数の強化、あるいは岐阜の魅力の強化ということでさらにキャンペーンをやっていこうということでございます。よく「ぎふウェルネスツーリズム」と言っておりますけれども、岐阜ならではの自然、環境、食、温泉、健康、癒し、そういったことをテーマにしたメニューの提供ということでございます。資料の右下にあります"ぎふに泊まろう"キャンペーンですが、大手旅行ネットサイト、例えば楽天トラベルとタイアップして、この6月から9月にかけてネットでぎふウェルネスツーリズムを掲載しております。おかげさまで予約件数が15.9%増、予約金額としても11.9%の増ということで、この6月から8月半ばまでの集計でございますけれども、一定の成果が上がりつつあるということで、これを9月末まで続けたいと思っております。それから、また大手の旅行雑誌社の特集その他、いろいろメディアを使って、「"ぎふに泊まろう"キャンペーン」をやっていきたいということでございます。

それから「"ぎふを味わおう"キャンペーン」ということで、東京、名古屋、大阪、三大都市圏で、岐阜の食材を中心にアピールをしようということでございます。『"ぎふを味わおう"キャンペーンの開催について〜青山の街を舞台に岐阜をPR!〜』と書いてありますが、10月11日から11月3日まで、24日間、東京の青山で岐阜の食をいろいろな角度からアピールをして、岐阜県観光への動機付けと、あるいはイメージアップ戦略ということでやっていきたいというふうに思っております。類似のものを11月、12月に名古屋、1月、2月に大阪でやろうというふうに思っております。何をやるかと言いますと、まず「オープニングレセプション」とありますが、青山に「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」という、成澤さんというシェフがやっておられますフランス料理屋がございます。資料の下の方に書いてありますように、世界のベスト50レストランに、このレストランが選ばれておりまして、世界で第20位に、昨年のコンテストで位置づけられているようでございます。特に「TheBestRestaurantinAsia」、アジアでナンバーワンということで、これはレストラン業界のアカデミー賞と言われているもので、高く評価されております。このシェフが、岐阜の食材に着目をして、岐阜の食材を使った新しい料理を紹介し、提供していくということで、特に、岐阜の自然の素材の素晴らしさというものを大いに東京のお客さんにお見せをしたいということで、シェフ自ら飛騨牛、あるいは天然鮎、その他岐阜の食材を、岐阜県に来て選び抜いて、提供するということであります。すでに行かれた方もあるかもしれませんけれども、飛騨牛はもう定番のメニューにしていただいておりますし、なかなかおしゃれなレストランでございます。10月12日のオープニング、私も参りますけれども、これはまずメディアの方々を主な対象としたレセプションでございますので、ぜひ皆さんもご参加いただいて、どんなレストランか、どんなにおいしい物をお出しするのか確かめていただければということでございます。言わば、日本一の、あるいはアジア1のレストランに、岐阜県の食材が選ばれたということでございまして、是非皆さんもお出掛けいただければと思っております。

それから、資料の2ページ目に、「ギフ・青山マルシェ」と書いてありますが、このレストランの外で、岐阜県食材を使ったメニューの試食会でありますとか、観光PR、あるいは展示販売というのも、大々的にやっていただけるということでございますし、それから、青山通りで美濃和紙のあかりアートをやってみようということでございます。何年か前に、骨董通りでクリスマスに、道路沿いにずらっと美濃和紙のあかりアートを並べて、大変好評だったとことを、私も見に行きましたけれども、記憶しております。今度はこの青山通りでやるということでございます。また、「岐阜の宝ものPR」ということで、特に岐阜県の癒し風景の写真展示もやろうということでございます。それから「五感で楽しむAOYAMAショップラリー」とありますが、この青山通りにあります様々な、今のところ11店舗がご協力いただけるということでございますが、この成澤さんのところ以外にも、レストラン、あるいは紀ノ国屋インターナショナルとか、いろいろなレストラン、物販店が、手を挙げていただきました。岐阜の食材も含め、岐阜の物販キャンペーンをやっていただけるということでございまして、東京の青山という場で、この岐阜の魅力をどこまでPRできるかと、1つの試みでございます。

それから、9月25日の土曜日に、六本木ヒルズの屋上の庭園でこの5月に田植えをやらせていただきましたけれども、立派に、今実りの秋を迎えておりまして、稲刈りをするということになっております。是非おいでいただいて、そして、ここで採れた六本木産の「龍の瞳」も、いろいろと試食に供したいということでございます。この六本木で、「龍の瞳」のPRをやろうということでございます。残念ながら、この日は千葉国体の開会式と重なってしまいましたものですから、私自身本当は行きたいのですが、国体の方に参りますので、古田観光交流推進局長に岐阜県を代表して、稲刈りをやっていただくという予定です。田植えの時には、観光庁長官もわざわざ来て、一緒にやってくれましたし、この六本木ヒルズのマンションに住んでいる方々のお子さんやら、いろいろな方々と一緒になって田植えをしました。今回もそうやってまた、一緒になってやるということで、「家族で昔ながらの稲刈り体験!」という触れ込みでございます。

是非これもおいでいただければと思っております。そんなようなことで、岐阜を味わおうというキャンペーンをこの秋、まず東京・青山で、次いで名古屋で、そして大阪でやっていきたいと思っております。

私の方からは以上でございます。

記者 今回の補正予算には災害対策も盛り込まれているんですが、県としてはどのような思いで予算編成をし、どのような所に重点を置いていますか。
知事

基本はやはり、7.15の災害というものを経て、いろいろと検証作業をいたしましたので、そこで取り組むべきであるとされた事業について、補正予算でやれる範囲内のことはできるだけやろうということ。それと並行して国のいわゆる復旧事業、まさに今、災害査定もやっていただいておりますが、この国の復旧事業も最大限お願いをして、地方負担分もございますし、この補正予算の中に取り込んでいこうということであります。この際、そういった意味で県内を見渡して、やはり安全安心という観点から、是非手を加えるべきであろうと思われるところについては、少しでもやっていこうということでございます。

金額的には必ずしも多くはありませんけども、やはり当面の円高が今後どういうふうに県内経済に影響を及ぼしていくかということで、商工労働部の方に取材していただければ御説明しますけども、直近の様々なデータを見てみますと、それぞれに回復基調なんですね。せっかく回復基調にある岐阜県経済が、急激な円高、あるいはエコカーに対する補助金がなくなるということで、モノづくり岐阜ということで、やがていろいろな影響が表れてくるのではないかという懸念がございますので、それに備えて一定の対策を今、緊急にやれるところはやっていこうということで、用意させていただいたというのがだいたいの概要です。

細かい点については、この後、総務部の方から御説明をさせていただくことになっておりますのでよろしくお願いします。

記者 民主党の代表選が今、行われていますが、どちらが勝とうが、岐阜県知事として、知事会のメンバーとして、新しい首相というか総裁、あるいはこの国の新しいトップに対して、どんなことを期待して、あるいは要望していくのかお聞かせください。
知事

多くの耳目がこの代表選に集まっている中で、円高もどんどん進んでおりますし、地方経済、いろんなマイナスの指標も懸念されておりますし、それから雇用の問題も一向に良くならないと言いますか、むしろ懸念材料がたくさんあるということで、やはり経済対策は待ったなしではないかと思います。

それから、地方の立場からしますと、地域主権を掲げてこの一年間、民主党政権の中でいろんな議論が行われて、地域主権関連三法というのが国会に出されましたが、全く議論も審議もなされないままに宙ぶらりんになっております。それから、参議院選挙の直前に、これはかなりのスピードで地域主権戦略大綱というのも出ましたけども、大事なのは言葉ではなくて、結果でありますので、具体的に地域主権を巡ってどんな政策を早急に打っていただけるのか。幸い代表選を通じて一括交付金の問題にもありますように、いろいろと議論がございましたし、また、知事会からも質問をお出しして、これに対して両候補がお答えになったということで、地域主権に取り組む姿勢としては両候補とも強い決意を見せていただいておりますので、どちらが選ばれようとも私どもの立場からしますと、まさにこの地域主権というものの具体的な制度設計、姿を、しかも相当なスピード感を持ってやっていただきたいと思っております。

その中には安定した地方の税財源の問題も当然含まれるわけでありまして、そういう意味で、政策論議、そして結論、それから法制化、制度化、あるいは予算化、そういった具体的な流れが、新しい総理のリーダーシップの下で力強く進むことを期待しています。

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