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鏧鉢[きんばち]

きん鉢[きんばち]※漢字「きん=声殳の下に金」

分類 重要文化財
指定別
所在地 飛騨市神岡町殿
所有者 瑞岸寺
指定年月日 昭和35年3月30日

きん鉢

 きん鉢[きんばち]は、仏教寺院で用いる鳴器で、台上に輪または[しとね](※漢字=ころもへんに辱)を敷いてのせ、抱木[ふもく]、すなわち打棒をもって打ち鳴らす仏具である。
瑞岸寺のきん鉢は、銅製で、高さ34.0cm、胴径40.0cm、上部の厚さ1.2cmである。姿は唐様で、現在寺院で見かけるきん鉢とは少し感じが異なっている。外部は口唇6.0cmほど下から底部にかけ、横波状の打ち出し跡が一面に見え、内部にも口唇2.0cmほど下から底部まで、同じ打ち出し跡を見せている。肌は黒褐色を呈している。次の陰刻銘がある。
維時文禄三甲午稔八月良日金龍子造
飛州吉城郡高原郷殿村殿秀山瑞岸禅
寺什物現住喝山叟代
文禄3年(1594)の制作で、作者金龍子は、京都三条に住んでいた当時かなり有名な金工である。
この鉢には、古い抱木と、きん鉢を台にのせるために用いる藤製の輪が付いている。

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