ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 分類でさがす > くらし・防災・環境 > 税金 > 県税の概要 > 検討結果(環境保全対策の必要性)

本文

検討結果(環境保全対策の必要性)

記事ID:0005473 2015年8月27日更新 税務課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

5.乗鞍岳周辺における環境保全対策の必要性

 乗鞍岳には、岐阜県側からは乗鞍スカイラインを利用して、長野県側からは県道乗鞍岳線(エコーライン)を利用して、車で直接入り込むことができるため、気軽に貴重な自然を楽しめる場として人気を集めているが、人の入り込みによる自然環境に及ぼす影響がかねてから危惧されている。

平成9年度「野生鳥獣感染病防止対策調査」より
 乗鞍岳周辺は、標高2,700メートルまで車で登ることができ、誰でも気軽に入山できる高山帯として人気があり、多くの観光客が訪れている。特に観光客は、区域としては畳平駐車場の周辺から乗鞍岳山頂までの区域に、また期間的には、夏期(7〜8月)に集中するため、入山ピーク時には過密状態で、持ち込まれるゴミやし尿の量も多く、人為的圧力が当該地区の自然環境に及ぼす影響が懸念される。

乗鞍スカイライン検討委員会報告(平成13年2月26日)より
 自然環境及び利用環境の保全に関する問題点を整理し、次のような認識で一致した。

  1. 乗鞍スカイラインでは、道路及び駐車場の容量に比べ、流入車両が多すぎるため渋滞が頻発している。また、料金徴収期間の満了後は、渋滞発生頻度が高くなることに伴う野生動植物等の自然環境及び利用者への影響が懸念される。
  2. 乗鞍岳山頂周辺では入山者が自由に行動できる範囲に比べ、特に夏期の入山者が多すぎるため、遊歩道外、お花畑等への立入り等のマナー違反が頻発している。
  3. 自然公園の特別保護地区であるとの認識を持たず、日常と切替える場所がなく、車で簡単に行ける点にも問題がある。

 

 

 乗鞍スカイラインの無料化後、マイカー規制が実施されることにより利用者の減少は見込まれるものの、観光バスでの入り込みは可能であることなどから、人の入り込みによる自然環境への負荷は引き続き懸念される。乗鞍地域の貴重な自然環境を保全するため、一層の環境保全施策の実施が必要と考えられる。

乗鞍スカイライン検討委員会報告(平成13年2月26日)より

 このような認識の基に、次の対応が必要である。

  1. 自動車流入過多に対しては、マイカー規制を行う。
  2. (略)
  3. 意識改革への取り組みとして、バスの車中において、自然保護に精通したガイドによる啓発活動を行ったり、ビジターセンター等で乗鞍の自然環境を保護するための解説活動やビデオを上映するなどのソフト面の活動を充実する。

乗鞍スカイライン運用検討協議会意見(平成14年5月13日)

 乗鞍岳の貴重な自然環境を適正に保全し、利用者に自然環境保護意識を高めてもらうため、ネイチャーガイドの配置、美化清掃、自然環境調査等の環境保全施策を実施する。

 

 

 県が乗鞍地域において進めるべき環境保全対策としては次のようなものが考えられる。

環境保全施策 施策の概要
自然環境影響調査  
  大気環境状況調査 混雑時の自動車排出ガスの影響を調査
植生等影響調査 植生等の状況を調査
水質等調査 酸性雨調査、施設からの排水調査
ライチョウ生息調査 ライチョウの生息状況を調査し、人の入り込みによる影響を検証
植生回復等技術的支援 植生回復手法に対して、技術的な指導、支援
乗鞍環境パトロール員設置事業 県有管理施設の利用が環境に与える影響を監視する環境パトロール員を設置
ネイチャーガイド設置事業 乗鞍地域への来訪者に対し、自然環境に関する情報提供、マナー指導等を行うネイチャーガイドを設置