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アルプスカバナミシャク

アルプスカバナミシャク EupitheciaperpauperaInoue 準絶滅危惧
  チョウ目シャクガ科
選定理由 分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 写真を拡大表示します
形態の特徴 翅を広げた大きさは18mm前後の蛾である。灰白色の地味な小さな蛾である。前翅中央付近に小さな点がある。
生息環境 高山帯〜亜高山帯に生息する「高山蛾」であり、限られた環境にしか生息しない。森林限界よりも低い草原でも飛翔が見られる。
生態 詳しい生態はわかっておらず、草食食いが推定される。成虫は7〜8月に出現する。
分布状況 大雪山系、白山山系、北アルプス山系に分布する。高山帯での分布域は広い。県内では白山、御岳山、乗鞍岳に記録がある。おそらく他の山系にも広く分布するものと推定される。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 登山者の踏み荒らし、酸性雨など高山帯や亜高山帯環境の悪化と生息地の減少などが考えられる。
保全対策 高山植物体帯への立ち入り禁止などによる生息環境の保全や温暖化の防止が必要である。また、生活史を解明し、保全対策をとる必要がある。
特記事項  
参考文献
  • 野平照雄・高井泰・船越進太郎(1998)昆虫類.13−23,162-195
  • 田中俊弘ほか、平成9年度生態系多様性地域調査(白山地区報告書)314pp環境庁委託調査:岐阜県・石川県
  • 船越進太郎(1998)乗鞍岳の蛾類.誘蛾燈153:81-99
  • 船越進太郎・宮野昭彦・鈴木俊文・近藤宗由(2007)2007年8月下旬,乗鞍岳高山帯における鱗翅目昆虫の個体数調査.やどりが215:6-11
  • 船越進太郎・宮野昭彦・鈴木俊文・山崎美恵(2009)2008年7月中旬・8月下旬の乗鞍岳高山帯における鱗翅目昆虫の個体数調査、生息状況解析について.やどりが219:9-18

文責:船越進太郎