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クビワコウモリ_18596

クビワコウモリ EptesicusjaponensisImaizumi 絶滅危惧I類
(環境省:絶滅危惧IB類) コウモリ目ヒナコウモリ科
選定理由 既知のすべての生息地で生息条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準まで減少している。 写真を拡大表示します
形態の特徴 頭胴長55〜65mmで体重8〜13gの小さなコウモリ。体毛は黒っぽく毛の先は黄褐色を帯びており、とまっている時、首の回りに黄金色の輪があるように見える。
生息環境 山地帯の主に樹林に生息する。樹洞を昼間の「ねぐら」にし、夜間活動して昆虫類を食べる。
生態 繁殖期は7月〜9月頃と考えられる。長野県の乗鞍高原では、100頭を越える繁殖集団が確認されており、そこでは初夏にメスだけが来て出産・哺育が行われ、夏の終わり頃には姿が見られなくなるという。なお、乗鞍高原では繁殖場として家屋の壁板のすき間や天井裏を利用している。
分布状況 日本固有種。北アルプス山麓、富士山麓、秩父山系及び石川県の七ツ島で確認されているのみで、分布域としては本州中部に限定されるようである。県内では御嶽山山麓で確認されているのみ。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 生息するためには樹洞が形成されるような大径木のある自然の壮齢林が必要。したがって自然林の伐採により生息環境が消失しやすい。詳しい生態は不明であるが、全国的にも生息地は少なく、生息環境に対する選択性が高いと考えられる。
保全対策 大径木のあるような自然林は可能な限り保全に配慮が望まれる。
特記事項 本種のように家屋などを「ねぐら」や繁殖場に利用することもある種は、コウモリ小屋など"人工ねぐら"を造るのも生息に有効であるが、国内では成功例が2例しかなく、諸条件については研究者の指導のもと十分な検討を行う必要がある。
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