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オオヒカゲ

オオヒカゲ Ningutaschrenckii(Menetries) 絶滅危惧II類
  チョウ目ジャノメチョウ科
選定理由 大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつある。 写真を拡大表示します
形態の特徴 翅を広げた大きさが65〜70mm前後の大型のジャノメチョウ類で、雌雄ともに翅表は淡い茶褐色で後翅に黒斑がある。裏面にはモザイク状の斑紋と蛇の目紋が現れる。
生息環境 成虫は山間部の湿田周辺、池、渓流、湿原の周辺に見られる。林内と林縁を出入りしながら緩やかに飛ぶ。
生態 成虫は6月中旬より8月に出現し、曇天の日や朝夕に飛ぶことが多い。幼虫越冬し、食草としてカヤツリグサ科のカサスゲ、シラスゲ、オニスゲ、ヒゴクサなどが記録されている。
分布状況 国内では、北海道、本州に分布する。国外では朝鮮半島、中国東北部・西部、ロシアのウスリー地方・アムール地方に分布する。かつて県内では蛭ヶ野高原や恵那市などに多産地が多く存在したが、現在の生息分布は、不明な部分が多い。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 生息環境は主として山裾の湿地や湿田周辺であることが多いが、こうした立地は開発の対象になりやすく、生息環境が急激に消失している。また、食草が健在でも見られなくなったなど原因不明の場合も少なくない。
保全対策 主な生息環境となる湿地を適正に守り、周辺の樹林・水路なども一体的に保全していく必要がある。また、かつての生息地で再確認調査が必要である。
特記事項  
参考文献  

文責:河合和幸