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多治見市生活支援体制整備推進会議
「多治見市生活支援体制整備推進会議」へ アドバイザーを派遣しました
多治見市生活支援体制整備推進会議は、多治見市内の13ある小学校区のうち9校区にある地域福祉協議会、6つの地域包括支援センター、ボランティア団体、民生児童委員、シルバー人材センター、事業所等の代表者を委員として設置されている。
現在、地域で活躍している団体は、『担い手不足』という大きな課題を抱えており、地域コミュニティを維持・継続していくためには、新たな担い手を増やしていく必要が出てきている。地域における潜在的な担い手を発掘するためには、地域のみの力で支えるのではなく、他団体、地元の企業等と一緒に『支え合う』意識を持つことが大切なのではないかと考え、地域、NPO法人、企業の協働による「地域の困りごと解決」の手法、及び地域のために活動している団体同士の連携をより強くし、地域の力で日々の生活を支え合う仕組みについてを学ぶために、令和8年2月17日に多治見市総合福祉センターにて研修会を開催しました。
「ぎふ地域の絆づくり支援センター」では「岐阜県地域の課題解決応援事業」により、この研修会に講師として、NPO法人 御用利きと出前授業 理事 光武 育雄氏を派遣しました。
講演内容
「街づくり」は「人づくり」から!
人が求めるのは、「健康」「心」「お金」などですが、人生で最も大事なのは、「人間力」「相方探し」「適職探し」と考える。
「人 間 力」:生まれてから死ぬまで欠かせない「人としての総合的な力」で一生もの
「相方探し」:壮年期以降、50年以上家族生活を共にするのが伴侶である
「適職探し」:第一の人生で、40年以上働く自分に適した職場となる
生活支援のサービスにおいて、利用する顧客とサービス提供するボランティアやNPOは、対等関係であるべきだと考える。その為にはサービス提供者は勿論、市民にも「優しい心」を持った「人間力」が求められる時代である。
ボランティアとNPOの違い
ボランティアもNPOも、社会貢献活動であることから無料若しくは低料金で支援してもらえる・・・との認識が多い。しかし、両者の違いは「労働対価」と「雇用」の関係から異なる。
ボランティアは、自主性・無償性なので「労働対価」は発生しない(雇用は生まれない)。
クラウドファンディングなど「寄付」を募って支援をされている方もあるが、この観点からボランティアは「活動」で、NPOは「事業」として捉えている。
NPO事業で「日常生活でのお困り事」を解決するうえで重要な事は、サービスの利用者と提供者が「心」で信頼関係が結ばれることある。
両者が「心」で動き、動かされて地域で「お金」が循環する・・・NPOでの「街づくり」である。
高齢社会の日常生活の「お困り事」相談・解決体験について
「お困り事」の相談・解決の順番は、自力・家族力 ⇒地域力 ⇒行政サービス ⇒ボランティア・NPO ⇒専門業者 の順と考える。
自力が低下し、家族力や地域力も分散して「受け手」がないので行政に相談する。
行政が担えるのはフォーマルサービスであり、介護保険などの公的な制度を除きインフォーマルサービスでの担い手候補は、ボランティア・NPO及び専門業者になる。
ボランティア活動は、催事や災害からの復興支援、名所ガイドなどに限定されるので、行政とNPOとの専門業者の三者が協働により相談・解決を目指す事になる。
「街づくり」では、三者それぞれが協働により「点」から「線」、そして「面」へ繋げることでのシステムや組織づくりで備えることが不可欠である。
企業とNPOが協働して生活応援隊「おむすび救援基地」を起ち上げた事例
災害で電気や水道が使用できない場合に備えて、プロパンガスと炊飯器そして備蓄水等の設備を基地に準備する。地域住民は米などの食材を持ち込んでご飯の炊き出しをする。
この救援基地は、プロパンガス事業者の事務所を活用したが、毎日お客さんの家に訪問して保守点検やメータ交換を行っていたので、地域にも親しまれていた。
展示会での実演では、子どもたちも「おむすび作り体験」をして家族で喜ばれていた。
協働での「組織づくり」で重要な事は、目指す目標の方向と理念がお互いに共有できる人・団体であることが必要条件である。
次の十分条件では、お互いにそれぞれの役割分担を明確にすることである。
そのうえで、残された課題の解決に取組むのが「協働の底力」・・・必要十分条件と考える。
「システムづくり」に欠かせないのが、作業料金の明確化と相談管理者(リーダー)である。
作業料金で重要なのは、専門業者の方は営利事業であり、NPO事業者は非営利事業であることを理解する必要がある。
シルバー人材センターやNPO事業だけでは「解決できない作業」が沢山ある。
専門技術や資格を伴う作業、体力や精神力を消耗する作業などの側面から作業時間・内容に見合った適正料金が求められるので、5段階位で料金の作成がお勧めである。
「苦情」も「お礼」も言えて「顔が見える事業」には、リーダーの人材育成が不可欠である。
NPO法人御用利きと出前授業の経歴・事例の紹介
「会員同士の助け合い事業」とした理由
高齢社会の各種サービス事業では、お客様が事業者を選べる反面、事業者もお客様を選べる「双方向社会」との判断から、両者が共有する目的で会員募集チラシに明記してある。
<活動会員の条件>
・思いやりのある方
・特技を提供してくれる方
・金銭に貪欲でない方
<利用会員の条件>
・安心して家の作業を頼める人が欲しい方
・定(低)額適正料金で作業をきちんとやって欲しい方
・クレーマーでない方
会員を限定したことでのメリット
・理念が共有できる会員限定だから、365日朝8時から夜8時までの電話受付の実施
・悪徳電話による被害防止の為に、電話受付代行サービスの実施
NPO事業での体験談
NPO事業の作業販売での定(低)料金システムでは、利用会員より1時間1,500円+交通費500円を頂き、活動会員に謝礼として1時間1,200円+交通費400円を支払っている。途中、事業協力費として作業1件あたり500円を加算したが、基本料金システムとして23年間変わらず当初の料金のまま事業運営が出来ている。
<運営の秘訣として>
1 プロダクトアウトよりマーケットインの考え方で、全ては利用会員さんの生活現場での「お困り事」から始まる「ソリューション(課題解決)事業」であり、予算書の作成は不要である。
2 転送で電話受付出来るので、内勤業務専任者はいない。
理事やスタッフ全員が、プレイングマネージャーで活動会員の方と一緒に作業参加している。
3 一般企業の経営者に損益分岐点を尋ねると、売上からスタッフの人件費等の経費を差し引いて求められる。これは、外注を前提とした考え方である。
NPO事業の強みは内作にあり、内作と外注との協働で作業が成り立っている。
会員同士の「三つの仲良し言葉」
感謝の言葉「ありがとう」、謙虚な言葉「ごめんね」、甘えの言葉「教えて」は、介護する方も、される方も使う便利な言葉なので、声を掛け合いましょう!
コミュニケーション力にかかせない「6つの合い(愛)言葉」
信頼関係へ導く「話し合い」「認め合い」「信じあい」と、寛容性を引き出す「助け合い」「分かち合い」「許し合い」ですが、歳と共に必要度合いが人生に求められる。
老いてからの「大器晩成」とは?
「大」の上下、左右に4つの口を持つ「器」の正体は、口が大きいとか声が高いのではなく、人生を豊かにする「身体」「心」「時間」「お金」の4つの自己資源である。
4つの中から少しでも良いので、家族や社会に投資して楽しむのが長寿の秘訣かもしれない。
終焉への心得
講師から「私は、身寄りのない会員への生活支援の延長で、5名の方を天国に『送り人』体験しました。終焉の引継ぎでは『施設入所』『病院入院』『金銭管理』などに備える必要があります。高齢社会の現場で学んだ、『緊急連絡先』や『身元保証人』から『葬儀関連』迄の体験などを、後輩に引き継いでいきたい」とのお言葉をいただいた。
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講師 |
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