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イタセンパラ_18330

イタセンパラ AcheilognathuslongipinnisRegan 絶滅危惧I類
(環境省:絶滅危惧IA類) コイ目コイ科
選定理由 既知のすべての生息地で生息条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準まで減少している。 写真を拡大表示します
形態の特徴 全長10cm前後になる大型のタナゴ類。体型はフナに似ているが上下に著しくへん平。体は褐色で、背びれ及び尻びれに2〜3本の青白い帯状の線がある。繁殖期の雄は赤紫色に輝き美しい(婚姻色という)。
生息環境 水生植物の繁茂した流れの緩やかな水域を生活場とする種で、河川のワンドなどに生息する。餌は付着藻類。
生態 繁殖期は9〜11月で、イシガイやドブガイなど二枚貝に卵を産み付ける。産卵する貝は小型のイシガイを選ぶといわれており、産卵母貝の嗜好(しこう)性が強いようである。貝から出た稚魚は抽水植物帯に群れで生活し、成長するにつれ底層に移る。
分布状況 日本固有種。濃尾平野、富山平野及び淀川に限定して分布。淀川以外の生息地は絶滅状態に近い。県内では木曽三川の下流域に広く生息していたようであるが、1994年の木曽川での確認が最後。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 ワンドの消失。オオクチバスやブルーギルなど魚食性外来魚による捕食。特に本種の稚魚は6月頃岸辺の植生帯に群れを形成するといわれ、これはそのころオオクチバスが捕食活動を活発に行う場所でもある。そんな生活場の不幸な重なりが他のタナゴ類と異なる急激な減少要因であるのかも知れない。
保全対策 ワンドなどの保全・創出。稚魚の生活場となる水草帯の創出や産卵母貝であるイシガイ類の保全に配慮が望まれる。また、オオクチバスやブルーギルなど外来魚の放流は厳に慎みたい。
特記事項 国内希少野生動植物種(種の保存法)、国指定天然記念物。
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