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ぎふの野生生物

岐阜県内に生息する野生生物の概況

 本県は本州中部に位置し、森林などの生息環境に恵まれていることから、本州の各地に共通する温帯の鳥獣や昆虫類、淡水魚類を豊かに認めることができます。
特に、カモシカ、ツキノワグマ、ニホンジカ、イノシシといった大型の獣類が、広い範囲で生息していることは、本県の自然環境の豊かさ、健全さのひとつの側面と言ってよいものです。

哺乳類の生息

 わが国に生息している約110種の哺乳類のうち、本県には55種の生息が確認されています。
わが国の各地で、絶滅や個体群の孤立化による絶滅の危惧が報告されているツキノワグマについては、個体数の減少が推測され、生息域も狭まりつつあるとは考えられるものの、本県の場合、多くの地域で生息が確認されており、個体群がすぐにでも絶滅に向かうと危惧される状況にはなっていません。

ニホンカモシカ

豊かな鳥類の生息

 わが国に生息している約550種の鳥類のうち、本県には、281種の生息が確認されています。これは、本県が豊かな森林と自然に恵まれているからであると考えられます。
特別天然記念物であり県鳥でもあるライチョウについては、北アルプスの標高2,400m〜3,000mの高山帯に分布しています。本県が行った生息数調査の結果では、乗鞍岳で109羽(H6)、御岳で74羽(H7)、笠ヶ岳で46羽(S60)の生息が確認されています。
渡り鳥であるガン・カモ類は、毎年2〜3万羽が渡来しており、長良川の岐阜市より下流、揖斐川の船付、木曽川の各務原市川島から下流域が主な渡来地となっています。

ライチョウ

魚類の生息

 本県に生息する魚類は、30科101種が確認されています。その生息は、河川、湖沼で水温や水流により分布状況が異なります。
河川の上流域は、水温が低く急流であることから、冷水性清水域の代表種のイワナやアマゴのほか、ウグイ、オイカワ、カワヨシノボリ、アジメドジョウなどが生息しています。
中流域は、いくぶん流れが遅くなり水量も増えることから、釣り魚の中心であるアユ、ウグイ、オイカワが優占性を示しています。
下流域は、水温も高くなり流れも緩やかになることから、コイ、フナが多く生息しています。
かつて食用に養殖されていた外来魚類のブラックバスは、流れの緩やかなダム湖や池等で多く繁殖しています。この魚は活動範囲が広くほかの魚を食べるため、魚類の生息状況に影響をあたえています。
ナイルテラピアは、温泉の廃水が流入して高い水温となっている高山市(旧上宝村)の周辺で自然繁殖していることが報告されています。

イワナ

昆虫の生息

 本県の昆虫相は多様です。これは本県は森林が多く、植生も豊富であるためと考えられます。
このうちチョウ類は、本州に分布する約90%に当たる143種が生息し、長野県に次いで多い県となっています。飛騨地方のみに生息する種類は23種に及び、そのほとんどは高山性、亜高山性の種類であることから、山岳地帯が生息の重要な地域となっています。
トンボ類については、わが国に生息する190種のうち、95種が生息しています。その生息場所としては、飛騨地方の高層湿原や池沼、東濃地方の丘陵地の湧水湿地や水田用溜池、木曽三川の河川湖・沼地、平野部の水田用溜池や廃田湿地、山際の清流などがあります。
そのほか、オオシモフリスズメ、ナワキリガ等のガ類、カミキリムシ類などの昆虫は、13類、2500種が確認されています。
近年、各種の調査により昆虫の生息地が減少しつつあり、保護するための対策が重要となっています。

ギフチョウ

その他の生物

 岐阜県内には、オオサンショウウオやモリアオガエル等の生物も生息しています。
オオサンショウウオは国の特別天然記念物に指定されていますが、県内では長良川筋の大間見川(郡上市大和町)、小間見川(郡上市大和町)や飛騨川筋の和良川(郡上市和良町)、馬瀬川等の諸河川で見ることができます。
モリアオガエルは日本にしかいないカエルで、木の枝に卵を産み付ける変わった習性をもっています。県内の山間部で広く見られますが、生育状況が限られているので、どこでも見られるというわけでもありません。県内の生息地では、垂井町宮代笹石子、郡上市八幡町島谷、関ヶ原町関ヶ原などが有名です。

オオサンショウウオ

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