選定理由 |
分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
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形態の特徴 |
全長13cmでスズメより小さい。頭から背面は灰褐色で腹部は淡い茶褐色だが、サマビタキよりより白っぽい。目の周りに白いアイリングがある。体毛は、雌雄同色である。 |
生息環境 |
丘陵帯から山地帯の空間の多い樹林内に生息する。低地の林や市街地の公園でも繁殖するが、毎年同じ場所で見られるとは限らない。 |
生態 |
夏鳥。越冬地は東南アジアの島々である。4月頃渡来し、10月頃渡去する。林内の開けた場所の枝上にとまり、飛んでいる虫を空中ですばやく捕らえ、元の枝に戻るという行動を繰り返す。高い木の横枝にクモの糸と苔を使って、こぶのような巣を作る。渡りの途中には市街地でも見ることができる。 |
分布状況 |
北海道、本州、四国、九州に渡来し繁殖する。県内では、郡上市、瑞浪市、御嵩町、岐阜市などで繁殖の記録があり、渡りの時期には市街地にも姿を見せる。 |
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減少要因 |
本種は丘陵帯から山地帯の落葉広葉樹林を好んで繁殖しているが、このような里山は様々な開発がされ繁殖適地の林が減少してる。以前は市街地の公園や寺社林でも繁殖していたが、近年は見られなくなった。越冬地の生息環境が悪化していることも考えられる。 |
保全対策 |
本種は丘陵帯から山地帯の落葉広葉樹林を好んで繁殖しているが、このような里山環境をできる限り保全することが大切である。 |
特記事項 |
御嵩町指定希少野生生物。 |
参考文献 |
- 「山渓ハンディ図鑑7日本の野鳥」(叶内拓哉・安部直哉・上田秀男、山と渓谷社、1998)
- 「日本の野鳥590」(真木広造・大西敏一、平凡社、2000)
- 「日本の鳥550山野の鳥・水辺の鳥」(山形則男・吉野俊幸、文一総合出版、2000)
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