本文
稲荷台自治会
「稲荷台自治会」へ アドバイザーを派遣しました
稲荷台自治会は、元気な高齢者が集う場所を作るために、各種のイベントを企画して自治会活動を行っています。御嵩町の中では比較的規模の大きい自治会ですが、自治会の高齢化率は高く、災害時に支援が必要となる高齢者も多い状況です。しかしながら、現在、自治会の倉庫には支援できる備蓄品が少ない状況です。
そのため、今後の災害に向けてどんなものを備えたら良いか、いざという時に高齢者を助けるためにどうしたら良いかなど高齢者向けの防災知識の向上を図るため、令和7年10月4日に講演会が開催されました。
「ぎふ地域の絆づくり支援センター」では「岐阜県地域の課題解決応援事業」により、この講演会に講師として、清流の国ぎふ防災・減災センター 中濃・東濃圏域お世話係で防災士の纐纈 友久氏を派遣しました。
主な講演の内容
地震への備えは万全ですか?
・食料備蓄・トイレの備蓄について
熊本地震の場合、震災時に全国から支援物資が送られて来たが、仕分けを支援する人手が不足しており、避難所である公民館などには支援物資がなかなか届かないケースが見られた。また、震災時には、近隣のスーパー等では水やカップ麺が売り切れている場合が多い。対策として、各自治会では備蓄資機材と食料の確保を行い、各家庭では食料を常備蓄することが大切となる。
備蓄の6つのポイント
1・いつも食べ慣れた物を備蓄
自宅には、1週間分の食料を備蓄すると良い。
また、普段食べているものを備蓄することで食物アレルギーの対策ができる。
避難生活では、自分の好きなものを食べると満足感や安心感が持てる。
2・備蓄食料には水分が少ないものが多いので、野菜ジュースなどの備蓄
3・水は1日1人3リットルを7日分用意
賞味期限切れのペットボトルの水も有効に使用する。
ペットボトルの水の賞味期限は、表示された容量が確保できる期限であり、期限が過ぎても適切に保管されていれば十分飲むことができる。また、煮沸して使用すれば飲料して全く問題はない。
4・野菜・果物の加工品の備蓄
切干大根、ひじき、ドライフルーツ、ナッツ類など
5・熱源の確保
加熱袋、カセットコンロとガスボンベ、ガスコンロなど
6・毎月、決まった日に食べて買い置き補充をする
ローリングストック
災害時の備えに、携帯トイレの準備
能登半島地震では、水が流れなくて何カ月もトイレが使えなかった地域があった。更に長いところでは半年以上の間、水が流れなかった地域もあった。
災害時に既設のトイレが使えない場合に備えて、携帯トイレの備蓄が必要である。
通常、成人1日のトイレの平均使用回数は5回と言われており、4人家族の場合に7日分を備蓄すると140回分が必要となる。
理由がわかると行動に移せる
・阪神・淡路大震災の発生時の映像視聴
映像を視聴して、「なぜ、住宅の耐震補強が必要なのか?」「どうして、家具の固定をしなければならないのか?」などの理由を説明された。
阪神・淡路大震災のような直下型の地震では、家屋が倒壊することで「我が家も凶器となってしまう」という課題がある。その対策としては、家の耐震補強と家具類の固定がある。
・家の耐震補強
建築物の耐震性を向上させることが、地震防災対策の基本である。
昭和 56年6月 1日以前の建物や1階がピロティ、大きな吹き抜けのある建物、そして集会所などは耐震診断を実施するのが望ましい。
・家具類の固定
家具による災害時の怪我や死亡を防ぐ目的で、家庭で誰でも出来る地震防災対策。
優先順位をつけて対策することが重要。
・寝室(睡眠時が一番無防備である)
・棚の上の置物
・照明の固定
・リビング、台所の家具の固定
「重心は低く、固定は柱へ」
・重い物を高いところに収納しない。
・転倒防止器具は、間柱にしっかり固定する。
最後に、「家具転倒防止など自助の活動の主体は、ここにおられる皆さんです。まちづくり活動の一環で、住民と行政の補完制の原理で支え合う防災協働社会を一緒に築きあげていきましょう」とお言葉をいただき講演会を終了した。
参加者からは、「自宅で何を準備するかを考える良い機会になった」「タンスの中身を入れ替えて、重いものを下に入れることでタンスの重心を下げて、倒れ難くする話は勉強になった」など、自助・共助に向けた意見が聞かれた。
| 講師 | 講演の様子 | 震災の映像視聴 |

