形態の特徴 |
殻高は4mm程度で小型である。殻はきわめて薄く、淡い褐色で半透明である。螺層数は約9層で、高い円錐形状の形態である。 |
生息環境 |
山地の森林内に生息し、薄暗い谷など湿潤な環境下において、アオキなどの常緑低木の葉の裏側に付着していることが多い。 |
生態 |
産卵期や寿命などについては、詳細な報告がなく、不明であるが、季節的な消長が激しいことが観察されるので、寿命は1年未満の短命の種ではないかと推察される。梅雨季には成貝が多く確認されるが、秋〜冬季には幼貝のみが確認される傾向が見られる。 |
分布状況 |
日本固有種。北海道(一部)、本州(関東以西)、九州の山地に広く分布するが、各地に散見的である。県内では下呂町、揖斐川町などで確認しているが、いずれの産地においても多数の個体が確認されることはない。 |
 |
危険要因 |
本種は山地の谷など日陰となる湿潤な森林内に生息することから、樹木の伐採などによる山林の乾燥化や生息基盤の1つとなるアオキなど常緑低木などの植生の減少が直接的な要因と考えられる。 |
保全対策 |
|
特記事項 |
|
参考文献 |
- 東正雄(1995)増補改訂版原色日本陸産貝類図鑑:pp.343.保育社
- 上島励(1995)タカキビの分類学的位置.VENUS,54(2):113-122.日本貝類学会
|