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シリボソギセル

シリボソギセル Tyrannophaedusaiotaptyx(Pilsbry) 絶滅危惧II類
(環境省:準絶滅危惧) マイマイ(柄眼)目キセルガイ科
選定理由 大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつあり、個体数が大幅に減少している。また、過度の捕獲・採集圧にさらされている。 写真を拡大表示します
形態の特徴 殻の高さ約17mmの陸産巻貝である。殻は細長く、色はやや汚れた淡褐色である。ミカドギセルに似ているが、殻の先端は太く短く、螺旋の数は12層程度と少ない。
生息環境 広葉樹の生育する石灰岩の山地に生息し、石灰岩質の湿った瓦礫(がれき)の多い場所などに生息する。
生態 主として樹林や灌木地帯の林床で生活する。冬季には岩の下などに集まって越冬するため、活動期に比べて発見されやすいが、詳しい生態は解明されていない。
分布状況 日本固有種。当県、滋賀県、三重県の伊吹山を中心とする地域に分布する。県内では、揖斐川町、池田町、養老町および大垣市で確認記録がある。 分布情報図を拡大表示します
減少要因 樹林の伐採などに伴う林床の乾燥化などによる生息環境の減少が考えられる。また、生息地が極めて限定されている種のため、愛好家などによる採集も減少要因となっている。
保全対策 自然性が高い落葉広葉樹林を保全する。樹林の伐採に際しては、残存林分の林床が乾燥化しないよう林縁植生の早期回復を図る。また、可能な限り伐採箇所が極小となるような配慮が必要となる。
特記事項 大垣市赤坂町金生山の陸貝生息地(ミカドギセル他)は、県指定天然記念物。
参考文献
  • 東正雄(1982)原色日本陸産貝類図鑑
  • (財)自然環境研究センター(2002)自然環境保全基礎調査生物多様性調査動物分布調査(陸産及び淡水産貝類)報告書
  • 湊宏(1988)日本陸産貝類総目録

文責:後藤常明

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