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瑜祗塔図[ゆぎとうず]

分類 重要文化財
指定別
所在地 本巣郡北方町大門
所有者 円鏡寺
指定年月日 昭和34年3月10日

 円鏡寺に所蔵されている瑜祗塔図は、真言宗において尊重する瑜祗塔を紺地の絵絹に極めて簡略化した太い金泥の線で描いたものである。
塔は梵語のStupaを音表した卒塔婆または塔婆の略称で、墳墓とか廊といった意味をもつ言葉である。はじめは、釈尊の遺骨を埋め、その上に建てたことに起こり、これが経典を埋蔵した上に、あるいは特別な霊地であることを示すためにも造られるようになった。
円鏡寺の瑜祗塔図は下部の塔身が球状となっており、また、四方隅棟の末端に立つべき相輪が省略されていて、一見、五輪塔に近いように見えるのは不審であるが、同寺においては古来瑜祗塔図と伝承尊重されている。本紙は、幅の丈を長くするため上に11cm、下に10cmの別の同色の絹を継ぎ足して表具されている。紺地に金泥が美しく輝き、あたかも紺紙金字の経巻を見るような思いがする。製作年代は室町時代と推定される。

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