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土岐市連合自治会

 

 

「土岐市連合自治会」へアドバイザーを派遣しました

   土岐市連合自治会は、各自治会の円滑な運営を促進し、住民生活の安全を図ることを目的として、連合区会及び区長会等の単位で防災訓練を行うなど防災意識を高めています。「能登半島地震」の発生や「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」の発表により、災害への住民の不安と防災意識があるものの、その意識をどのように「自分ごと」として日頃からの行動に繋げていくのかが課題となっています
 同自治会では、防災(減災)に対する継続的な取り組みが重要であるとの考えのもと、令和7年1月15日に、単位自治会や地域住民に防災意識を浸透させていくための研修会を開催しました。

 「ぎふ地域の絆づくり支援センター」では、「岐阜県地域の課題解決応援事業」により、この研修会の講師として、清流の国ぎふ 防災・減災センターの村岡治道 氏を派遣しました。

  当日は、土岐連合自治会会員 32名が参加し、「事前の備えと事前の共助ー地震対策編ー」と題し、講演が行われました。

主な講演内容

 〇いかに事前の備えで、「防災効果」を獲得するか                    

 講演では、震災が起きてからの対策(救助、救出、炊き出し、避難所運営など)準備ではなく、実際に地震が起こった時に、どのような「事前の備え」が必要なのかをお話しいただいた。

 各家庭や一人住まいの個人が「事前の備え」全てを単独で行うことは難しい。そこには、地域での助けい合いが必要となる。このことが、「事前の共助」である。防災とは、災いを防ぐことであり、自宅おいて身の安全の確保が出来るように準備すること、そのためには自宅の耐震性の確保が必要であり、地震後にも避難する必要のない「我が家」を持つことにつながる。

 参加者には、地震時の実際の映像等を見ていただいた後、「家庭内DIG」シートを活用して、家の中でどの場所が危険個所なのかを実際にシートに記入をしてもらい防災の意識を高めた。

※「DIG(ディグ)」とは、Disaster(災害)Imagination(想像力)Game(ゲーム)の頭文字を取って名付けられたもので、図を使って防災対策を検討する訓練。

 

【災害に合わない場所を増やす】

「家庭内DIG」シートでは、天井から見た部屋の輪郭を記入した後、扉、ガラス窓、冷蔵庫、タンスや食器棚などの家具を書き込む。次に、地震の揺れにより家具の下敷きになりそうな場所やガラスが飛び散ったりする場所をマークして危険な場所を確認する。

地震で、亡くならない又は怪我をしないためには、「災害に合わない場所にいること」が大事であり、災害に合わない場所をどのように増やすかが重要である。

 

【家具の転倒対策、ガラスの飛散防止対策】

冷蔵庫や家具などが倒れないような突っ張り棒の正しい取付方法やガラス飛散防止シートの貼り付け場所の優先順位による防災効果を学んだ。

防災のメンテナンスを正しく行えば、その「防災効果」は半永久的に続く。各家庭に「防災効果」を普及させるためには、地域での共助が重要となる。

対策:地域で防災用品の取付用のドリルの共同購入や自治会での家具の取付支援など

 

【 通電火災に備える 】

阪神淡路大震災や東日本大震災で発生した火災の過半数が電気による火災であった。また、能登半島震災の輪島での火災も、地震の影響により電気に起因した火災の可能性が指摘されている。このことを踏まえ、通電火災による2次火災の防止策が必要である。

対策:感震ブレーカーや地震感知型ライトの準備

 

【避難生活に備える】

自宅が倒壊せず、家具が倒れず、ガラスも割れず、通電火災が起きなければ、避難所での生活も必要でなくなる。避難所に行かなくていいように、自宅を守ることが防災である。

震災後の備えについては、自宅で避難生活出来るように各家庭で、人数分の水、食糧品、燃料、トイレを1週間分以上備えておくのが望ましい。備蓄には、高価な防災グッズの購入は必要ではなく、ローリングストック(普段使いのものを、ちょっと多めに備蓄する)が良い。

トイレの備えについては、本当に必要な数量を把握して準備する。

 

【事前の共助の事例】

・耐震診断の説明会等への、地域での申し込み                                      

・家具の固定や移動のお手伝い                                             

・ガラス飛散防止シート張りのお手伝い   

・感震ブレーカーや停電対策型ライトの共同購入   

・トイレ対策勉強会      など

 

<最後に>

 講師からは、この講演を機会に「家庭内DIG」シートを活用して、まずは危険な場所を洗い出してもらいたい。「このままでは、家族を守れない」と感じたら対策をする。地域でも共助して防災の「事前の備え」をどんどん進めてもらいたい。講義の中のどれかひとつでもやってみること、一歩踏み出すことで「防災効果」が獲得できる。獲得した「防災効果」をいかに向上させ継続させるか大切であるとお話しいただきました。

 
講義 講師 質疑応答
講義 講師 質疑応答