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日竜峯寺本堂・宮殿・籠堂附宮殿棟札[にちりゅうぶじ・ほんどう・くうでん・こもりどう・つけたりくうでんむなふだ]

分類 重要文化財
指定別
所在地 関市下之保高沢
所有者 日竜峯寺
指定年月日 平成10年7月3日

日竜峯寺本堂・宮殿・籠堂附宮殿棟札

 本堂は南面し、間口6間(15.57メートル)、奥行5間(12.61メートル)、一重、入母屋造り、檜皮葺き、丸柱、懸造りである。前方2間の外陣を吹放ちの舞台、後方中央3間を内陣、両脇1間を脇陣としている。組物は平三斗、軒は二軒繁垂木であるが、野垂木には竹を用い、藁縄でしばる。舞台は八角柱を貫で固め、差肘木の二手先組物で支え、舞台の正面及び側面には高欄がある。内陣と外陣の間に蔀戸を吊り、内陣と脇陣の間に引き違いの戸が入る。背面には角柱による桁行3間、梁間1間を突出し、宮殿(厨子)を安置する。外陣の天井は内陣前の3間×1間を鏡天井としているが、文化12年(1815)寄付の墨書があり、天女の絵が描かれ、その周囲は化粧屋根裏である。内陣の天井は格天井で、彩画されている。宮殿は1間の禅宗様宮殿で、尾垂木付きの二手先の組物に2軒の扇垂木を掛け、屋根は、こけら葺き、妻には虹梁大瓶束を飾る。入口には両開きの桟唐戸を建てる。全体に極彩色がよく残り、天文3年(1534)の棟札が残されている。籠堂は、切妻造り、桟瓦葺きの簡素な建築で、南面(正面)と西面に雨戸を建てる。内部は畳敷、天井は格天井で彩画がある。寺の資産台帳には文化3年(1806)の建造と記され、天井に天保期の落書きも見られる。日竜峯寺の創建時期は明確でないが、鎌倉時代と推定される多宝塔が遺ることから、遅くともその頃にはかなりの堂塔が整備されていたと思われる。懸造りの形態をもつ古い建物は少なく、デザイン的にも優れており、貴重な文化財といえる。

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