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木造聖観音立像[もくぞうしょうかんのんりゅうぞう](円興寺)
木造聖観音立像[もくぞうしょうかんのんりゅうぞう](円興寺)
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 国 |
所在地 | 大垣市青墓町 |
所有者 | 円興寺 |
指定年月日 |
大正3年8月25日 |
木造聖観音立像は、寺伝によると延暦9年(790)に伝教大師が美濃国に来られた際に、この寺を建てて自ら本尊としてこれを刻んだものとされる。
檜[ヒノキ]の一木から彫り出した一木彫成像である。顔や体躯に強く張り詰めた緊張感がみなぎり、また衣文[えもん]の意匠や彫り口は実に見事で、そこに表れた翻波線[ほんぱせん]の切れ味が素晴らしい。こうした重量感と鋭い衣文の切れ味のうちに温容を遺憾なく表した本像は、平安前期における貞観彫刻の典型である。像面は茶褐色の木地が表れているが、元は彩色像と考えられる。台座と光背はともに後補である。
西濃地方有数の仏像であるとともに、県内にある貞観彫刻のうちでも最も優れた像の一つといえる。