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乾漆十一面観音立像[かんしつじゅういちめんかんのんりゅうぞう](美江寺)

乾漆十一面観音立像[かんしつじゅういちめんかんのんりゅうぞう​​​](美江寺)

分類 重要文化財
指定別
所在地 岐阜市美江寺町
所有者 ​美江寺
指定年月日

大正3年8月25日

 奈良時代後期(天平時代)のものである。地方には少ない脱乾漆という作で、当代中国の技法を学び、わが国では天平時代に造られたのみである。奈良には阿修羅[あしゅら]や不空覇索観音[ふくうけんさくかんのん]の他にも非常な傑作がある。最初に塑土で大体の形態を作り、その上に漆で麻布を貼り重ねる。それができあがってから布貼の一部を切り開き、中の土を全部取り去り、崩れないように縦横に中枠を入れ支え置く。軽くて扱いやすいが、縮みやすくて壊れやすいのが難点と言える。頭上には仏面をはじめ、八面の当初の変化面が残る。
 ゆったりとした天衣や条帛[じょうはく]の造形も自然で柔らかく、像全体の均斉がよく取れている。また、天冠台、瓔珞[ようらく]、腕釧[わんせん]の装飾は、細かく華やかである。
 美江寺観音は、元は奈良の近く、伊賀国名張郡伊賀寺(座光寺)にあったが、本巣美江寺付近(現瑞穂市)に移された後、天文年間に岐阜の美江寺に移ったと寺伝にある。現在は三重県の伊賀寺は存在していない。